工場・製造業の給与は高い?業界別の年収ランキングと収入を上げる方法
※この記事は6分30秒で読めます。
「製造業ってどのくらい稼げるの?」
「製造業で給与アップする方法が知りたい」
など、製造業の給与事情に関して、疑問を持っている方もいるでしょう。
製造業は、経験を重ねてスキルや技術を磨くことで、給与アップを目指すことが十分可能な仕事です。
今回は、製造業の年収や給与額、年収や給与をアップする方法、製造業で働くメリット・デメリットなどについて解説します。この記事を読めば、製造業の給与水準がわかり、目指すべきキャリアがイメージできるようになります。
エリアから工場・製造業のお仕事を探す
1.製造業の年収は何位?最新の業種別平均年収ランキング
まず始めに、製造業の年収事情について、業種別の平均年収ランキングをもとに説明します。
下記の表では、主要産業14業種別の平均年収をランキング形式にしていますが、製造業は全14業種中10位。業種全体の平均が304.8万円であるのに対して、製造業は294万円とやや下回っています。
順位 | 業種 | 平均年収 |
---|---|---|
1 | 電気・ガス・熱供給・水道業 | 419万円 |
2 | 学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業 | 386万円 |
3 | 金融業・保険業 | 383万円 |
4 | 情報通信業 | 373万円 |
5 | 建設業 | 333万円 |
6 | 不動産業、物品賃貸業 | 326万円 |
7 | 農林水産・鉱業 | 323万円 |
8 | 卸売業、小売業 | 308万円 |
9 | 複合サービス事業 | 296万円 |
10 | 製造業 | 294万円 |
11 | 医療,福祉 | 291万円 |
12 | 運輸業、郵便業 | 278万円 |
13 | サービス業 | 265万円 |
14 | 宿泊業、飲食サービス業 | 257万円 |
製造業の平均年収が業種全体の平均を下回っている原因としては、新型コロナウイルスの感染拡大や世界的な半導体の不足などの影響があると考えられます。
しかしながら、製造業は人々の生活になくてはならないものを生み出す仕事であり、長期的な視点で考えれば、今後間違いなく回復が見込まれる業界です。
-
参照:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/dl/05.pdf
2.製造業の年齢別の年収・給与
下記の表は、厚生労働省の令和3年度のデータをもとに年齢別の製造業の年収を示したデータです。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
〜19歳 | 182.0万円 |
20〜24歳 | 199.0万円 |
25〜29歳 | 229.9万円 |
30〜34歳 | 260.3万円 |
35〜39歳 | 289.4万円 |
40〜44歳 | 311.3万円 |
45〜49歳 | 332.4万円 |
50〜54歳 | 359.8万円 |
55〜59歳 | 361.9万円 |
60〜64歳 | 265.7万円 |
65〜69歳 | 226.9万円 |
70歳〜 | 221.1万円 |
上記の表を見ると、製造業では60歳までは順調に収入が上がっていき、月収換算では30万円程度であることがわかります。
また、70歳以上でも働いている人がいることからわかるように、製造業のなかには特殊なスキルや経験を必要としている分野もあるため、長く安定して働くことが可能です。
-
参照:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/dl/05.pdf
3.製造業で年収・給与が上がるタイミングとは?
製造業では、多くの工場で設けられている昇給のタイミングで年収・給与がアップします。
ただし、人事評価をもとに査定されるため、必ずしも昇給の対象になるとは限りません。また、工場によってはそもそも昇給制度がない場合もあるので、入社前に会社の規定を確認するようにしましょう。
また、資格手当を設けている企業もあります。指定された資格を取得することで一定金額の手当が支給されるため、年収・給与アップにつながります。
なお、昇給の可能性があるのは正社員だけでなく、アルバイトやパートも同様です。多くの場合、日頃の仕事ぶりが評価されることで雇用契約更新のタイミングで昇給が実現するケースが多いです。
4.製造業で年収・給与を上げる方法
ここからは、製造業で年収・給料を上げていく方法について解説していきます。製造業では、基本給が高い仕事に就く以外にも、以下の4つの方法で年収・給料を上げることができます。
- 手当を取得する
- 資格を取得する
- 自分から積極的に動く
- 同業界に転職する
製造業に就職した際の年収アップのために、それぞれ確認しておきましょう。
4-1.手当を取得する
製造業では、基本給以外でも手当を取得することができ、その手当によって給与を上げることができます。製造業の手当としては以下の5つが代表的な手当となっています。
4-1-1.資格手当
工場での勤務に必要な資格を有している人に支給される手当で、支給される金額は工場によって異なります。具体的には、数千円から数万円まで幅広くなっています。
また、資格でも国家資格を取得することでより多くの手当をもらうことが可能となっています。
4-1-2.特殊作業手当
肉体的や精神的に負担の大きい作業をする場合に支給される手当で、高所作業や冷凍室での作業などが挙げられます。
4-1-3.交代勤務手当
24時間稼働している工場などで多く見られる手当ですが、シフト制による昼夜交代勤務など、一般的な作業よりも負担の大きい勤務になる場合に支給される手当です。
4-1-4.時間外手当
法律では1日に働く時間を8時間・週40時間と定めていますが、それを超過した場合に支給される手当です。
基本給の25%割り増しで支給されることになっています。
4-1-5.休日出勤手当
文字通り休日に出勤することで支給される手当です。
法律によって基本給の35%割り増しで支給されます。そのため、休日出勤が増えると、かなり収入が多くなります。
4-2.資格を取得する
先ほどの手当でも紹介しましたが、工場勤務では資格を取得することで手当として支給され、収入を上げることができます。
また、資格を取得することは転職などでも有利になるので、取れる資格は取得しておくと良いでしょう。
ここでは、工場勤務で役立つ資格の一部を紹介していきます。あくまでも一部の資格ですが、参考にしてください。
4-2-1.危険物取扱者
工場では危険物を取り扱うことが多く、危険物取扱者の資格を持っていると製造業で働くうえで有利になります。
危険物取得者の資格を有している人にしかできない仕事もあるので、取得をおすすめできる資格の一つです。
4-2-2.衛生管理者
衛生管理者とは、健康障害や労働災害などを防止するために、工場の環境が衛生的かどうかを調査できる資格のことです。
50人以上の作業者がいる場合には、必ず衛生管理者を配置しなければいけないルールになっています。
衛生管理者の主な仕事としては、作業場を巡回して作業方法や衛生状況を確認し、改善点がある場合には必要な措置を講じていくことです。
4-2-3.機械保全技能士
工場内では多くの機械が稼働していますが、その機械を整備して故障や劣化を未然に防いでいくのが機械保全技能士の仕事です。
機械のメンテナンスができる資格なので、特に工場勤務では重宝され、収入アップにつながる資格となっています。
機械保全技能士の資格は、3級から特級まで4段階に分かれており、より高い等級の資格を有することで、収入を上げていくことが可能となります。
4-2-4.フォークリフト免許
工場内でフォークリフトを使い、荷物の運搬などの作業をする際に必要な免許です。
フォークリフトは、ほとんどの工場で使われているものなので、取得しておくことで業務の幅を広げることができます。
また、工場の作業だけでなく運搬業でも使われていますので、働く業種の選択肢を増やすこともできます。
4-2-5.玉掛け運転技能講習
玉掛け運転技能講習を取得すると、つり上げ荷重1トン以上の各種クレーンやデリック、揚貨装置などを用いた業務に携われるようになります。
重量のある荷物を運搬できるようになるため、任される業務の幅が広がります。
ただし、玉掛け作業に使用するクレーンの運転免許は別途取得が必要です。両方の資格を取得すれば、より業務の幅が広がり、収入アップの可能性が高まります。
4-2-6.エネルギー管理士
工場のような大規模設備では、日々大量のエネルギーが使用されています。
エネルギー管理士は、エネルギー消費を抑えるための省エネ活動を推進する資格で、エネルギー使用方法の改善や監視をはじめ、経済産業省で定められた管理業務を担います。
各工場に1名の配置義務が課されていることから、有資格者は重宝されるでしょう。
4-2-7.ボイラー取扱者
温水や水蒸気を作り出し、暖房や加湿、発電、給湯などに用いるのがボイラーです。
ボイラー取扱者は、小規模、小型ボイラーの取り扱うために必要な資格です。発火による火事や爆発などを防ぐため、工場内のボイラーの点検や処置を担います。
ボイラー取扱者資格を取得したうえで、その上位資格であるボイラー技士を取得すれば、さらなるステップアップが目指せます。
4-2-8.CAD利用技術資格
CAD利用技術資格を取得すると、CADシステムを使いオペレーターや技術者として活躍できます。製造業のなかでも、特に自動車工場で重視される資格となっています。
また、CADは元来建築業で使われている技術ですので、工場勤務だけでなく、建築業への転職時などにも役立つ資格となっています。
4-2-9.QC検定
別名「品質管理検定」とも呼ばれる資格のことで、部品の品質管理の知識レベルが高いことを証明する検定となっています。
製造業だけでなく、日本のほとんどの企業が品質管理には力を注いでいるので、この検定を取得できれば、非常に幅広い分野で活躍することができます。
5.手当や資格以外で年収・給与を上げるには?
年収・給与アップを目指すうえで、手当や資格の取得を目指すのは有効ですが、他にも方法はいろいろとあります。
資格手当が設けられていない工場で働いている場合や、すでに支給されている状態からさらなるアップを目指す場合は、以下を参考にしてみてください。
- 自分から積極的に動く
- 雇用形態を変える
- 同業界に転職する
それぞれ詳しくお伝えします。
5-1.自分から積極的に動く
入社してすぐは周りの社員や先輩が仕事がわからないことを、手取り足取り教えてくれますが、待っているだけではダメです。
仕事でわからないことがあれば、自分から積極的に聞きにいくことにしましょう。そして仕事に慣れたら、自分よりあとに入社した人に仕事を教えるようにしましょう。
自分から積極的に動くことによって、周囲の評判も良くなり、それが評価につながっていくのです。
5-2.雇用形態を変える
派遣社員やアルバイトで働いているのならば、雇用形態のステップアップが最も確実に年収・給与を上げる方法です。給与形態が時給から月給制に変われば、大型連休の月に大幅に収入がダウンするようなことも回避できます。
日頃の働きぶりから雇用形態の変更を打診されることもありますが、工場に正社員登用制度がある場合は積極的に応募しましょう。
必ずしも正社員に慣れるとは限りませんが、応募することで、意欲を持って仕事に取り組んでいることがアピールできます。
5-3.同業界に転職する
転職することも、給料を上げる一つの方法です。まずは今働いている工場よりも、給料が高い職場があるか求人を見ることをおすすめします。
大手企業に転職すれば、余程のことがない限り企業が無くなることはないので、長期的かつ安定した給料で働くことができます。これまでの製造業での仕事の経験をうまくアピールすれば、好条件で採用してもらえる可能性もあるでしょう。
給料を上げるための転職であれば、基本的には同業界での転職がおすすめです。現場での経験があると即戦力として期待してもらえるので、選考を有利に進めることができます。
6.製造業は学歴によって年収・給与は関係あるの?
一般的な会社では、学歴を重視する傾向がいまだに少なくありません。しかし、製造業では学歴は基本的に関係ありません。実際に、工場の部長や工業長などの役職についている人でも、大学を卒業していない場合も多くあります。
製造業では、学歴の代わりにスキルや資格といった個人の能力を重視する傾向があります。また、工場勤務において給料アップを目指しているのであれば、学歴を気にするよりもその工場に適した資格を取得するなどするほうが、より大きな収入につながっていきます。
未経験者でも、日々の仕事に真摯に取り組んだり、研修を受けたり、資格取得の勉強をしたりすれば、徐々にスキルも知識も身についていくので安心してください。
もし未経験からの転職活動に不安がある場合は、転職サポートを活用することで、よりスムーズな転職が実現します。
UTグループでも、製造業への就職や転職に関する相談を受け付けています。経験豊富な担当者が求人探しをサポートさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
7.知っておくべき!製造業のメリット・デメリット
製造業への転職を検討する際には、メリットとデメリットをしっかりと理解したうえで判断しましょう。
■ 製造業で働くメリット
- ものを作るやりがいが感じられる
- 未経験でも働きやすい
- 一人で黙々と作業できる
製造業の醍醐味といえば、ものづくりに携わり、完成した製品が多くの人の手元に渡ることでしょう。未経験からでも挑戦できる業界なので、新たなキャリアを目指したい人にぴったりです。
また、不特定多数とのコミュニケーションが求められる仕事ではないので、一人で作業に打ち込みたい場合におすすめです。
■ 製造業で働くデメリット
- 単純作業が多く飽きやすい
- 座り仕事が少ない
- 繁忙期は残業が増えやすい
マニュアルに沿った単純作業が多いため、作業内容によっては飽きてしまいます。
また、基本は立ち仕事となるため、繁忙期に仕事量が増え残業になると体力的な厳しさを感じる場合も多いでしょう。
工場の仕事内容の詳細については以下の記事でも解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
8.年収だけじゃない!製造業のやりがいとは
製造業にはきついイメージもありますが、資格を取得することで高齢になっても活躍することが可能となっています。また、工場で働いている人の学歴を聞いてみると、中卒や高卒の方が多く、学歴は関係ありません。
さらに、コミュニケーション能力に自信がなくても、働きやすいというメリットもあります。接客のように外部の人と接することがないので、コミュニケーションが苦手な人でも落ち着いて働けます。
福利厚生も充実していますし、求人によっては寮が無料だったり、入社するとお祝い金がもらえたりする求人もあります。
そして、取得する資格も工場に合わせて取得することで、より収入アップにつなげていくことができるなど、非常にやりがいのある仕事となっています。
9.まとめ
今回は、製造業の年収やメリット・デメリットについてお伝えしました。
他の業種と比較すると、製造業の年収は低めになっています。しかし、今後は製造業全体として年収が上がっていくことが予想されています。
給料を上げるための方法も数多くあるので、ぜひこの記事の内容を参考にしてください。
UTグループでは、製造業界で一緒に働く仲間を募集しています。高卒や大学中退した人でも、やる気がある方を積極的に採用しています。
充実した研修制度もありますし、まったく知識がなくても大丈夫です。先輩社員もいるので、仕事中わからなくなってもすぐに相談できます!
とはいえ、製造での勤務が初めての人にとって「生活は安定するのか?」「実際どのような仕事をするのか?」「社宅ってどのような感じなのか?」と疑問をお持ちの方も多いはず。
まずは「応募」していただき、面接まで進んでいただければ、どのような感じで働くのかなど詳しくお伝えします!皆さんから質問にお答えいたしますので、まずは「応募」してみてください。