惣菜管理士とは?役割や資格の取り方、取得するのがおすすめの人を解説
※この記事は6分で読めます。
「惣菜管理士ってどのような資格?」
「惣菜管理士として働くメリットが知りたい」
など、惣菜管理士に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
惣菜管理士が法律や衛生管理の知識を持って商品を生み出すことは、消費者の健康を守ることにつながっています。
今回は、惣菜管理士の概要や役割、取得するメリット、向いている方の特徴などを解説します。この記事を読めば、惣菜管理士のことがよくわかり、自分に合う仕事かを判断できるようになります。
エリアから工場・製造業のお仕事を探す
1.惣菜管理士とは?
惣菜管理士とは、惣菜(総菜)を含む食品の企画・開発・製造・加工・販売に関する知識を取得した専門家であることを証明する資格です。
惣菜管理士の資格を取得する過程で、食品の安全についての法律や衛生管理などを身につけることができ、惣菜を作る現場で法令を遵守した衛生的な惣菜を作るのに役立ちます。
2022年には有資格者の数が32,642人になったことからも、本資格の注目度の高さがわかります。
参照:一般社団法人日本惣菜協会|惣菜管理士
https://www.nsouzai-kyoukai.or.jp/training/rmm/
2.惣菜管理士の役割
惣菜管理士の大きな役割は、消費者に安心・安全かつ高品質な惣菜を届けることです。
過去に食品偽装表示などの問題が発生したこともあったことから、消費者は食の安全に敏感にならざるを得なくなりました。
例えばアレルギー表示の偽装や間違いがある惣菜を、アレルギー持ちの子どもが食べてしまった場合、命に関わる問題に発展する可能性もあります。法律に従った正しいアレルギー表記がされた惣菜なら安心して購入することができ、その結果、消費者からの信頼を獲得して企業としても利益を得ることができます。
消費者のあいだで食や健康の意識が高まっている時代、惣菜管理士が担う役割は大きいものであるといえるでしょう。惣菜管理士の資格で学べる法律や衛生管理の知識は、スーパーの総菜売り場だけでなく、食品メーカーの開発や製造管理部門でも役立てることができます。
3.惣菜管理士の資格を取得するメリット
惣菜管理士の資格を取得することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。主な2つのメリットを紹介します。
3-1.名刺などに資格名を入れられる
惣菜管理士は民間資格であって国家資格とは異なりますが、合格後はロゴマークと称号を名刺などに記載できることが日本惣菜協会でも公認されています。
合格後に表記できる内容は、惣菜管理士の等級によって以下のように異なります。
-
-
- 一級惣菜管理士(英名表記:Ready-made Meal Master)
- 二級惣菜管理士(英名表記:Ready-made Meal Senior)
- 三級惣菜管理士(英名表記:Ready-made Meal Junior)
-
名刺などにロゴと一緒に上記の称号を記載することができれば、取引先やお客様にも自分の専門性の高さを示すことができ、信頼を得やすくなるでしょう。
3-2.転職に活かせる場合がある
惣菜管理士の資格は名刺だけでなく、転職活動の際に履歴書に記載することが可能です。
食品メーカーやスーパーマーケットなどの企業のなかには、惣菜管理士の資格を昇進の要件にしているケースがあります。そのような企業では、すでに惣菜管理士の資格を取得している方を高く評価してくれるでしょう。
4.惣菜管理士が向いている人の特徴
惣菜管理士は惣菜や食品に関する知識を証明するための資格であり、食材を扱うという点からも向き・不向きがあります。自分が惣菜管理士に向いているのか、向いていないのかは、資格の勉強を始める前に再確認しておくことをおすすめします。
4-1.食に関わる仕事をしている
惣菜管理士の資格を活かせるのは、スーパーマーケットの総菜部門や食品メーカーの企画開発に携わる職種が代表的です。それ以外にも、食に携わる方であれば惣菜管理士の資格は役に立ちます。
惣菜管理士の学習を通じて身につけられる「食品の安全」についての法律や衛生管理の考え方は、食に携わる人間であれば絶対に必要な資格といえます。
4-2.食べることや作ることが好き
惣菜管理士の資格は、惣菜や食品についての安全や栄養学、冷凍食品の技術、食品の官能評価といった内容を学習します。学んだ内容を実践するには、食品を加工したり料理を作ったりすることが不可欠でしょう。
食品や惣菜に関連する資格であるため、惣菜を作ることや食べることが好きな方に向いています。
4-3.食の安全を守りたい
惣菜管理士は、資格の取得を通じて法律や衛生管理を学び、食の安心・安全を実現します。
消費者に提供する食の安全を守る資格であることから、食の安全に関わるニュースや話題に敏感な方や、おいしくて安心できる食材を届けたいと考えている方におすすめです。
4-4.人の役に立ちたい
法律をしっかり守ったうえで、栄養満点かつ安心な惣菜を提供することは、消費者の家事の時短に貢献できるだけでなく、結果的に消費者の健康維持・増進に寄与することもできます。
安心・安全な食の提供を通じて人の役に立ちたい気持ちがある方は、惣菜管理士の資格はおすすめです。
5.惣菜管理士の資格の取り方
惣菜管理士はいきなり受験することはできず、養成研修→受験という流れで進んでいきます。 ここからは、これから惣菜管理士を目指す方が知っておきたい資格取得の流れや資格の要件、難易度について解説します。
5-1.養成研修
惣菜管理士になるには、まず養成研修を受けて修了する必要があります。養成研修を修了していないと、受験資格を満たすことができません。惣菜管理士の養成研修は10月から翌3月までの約半年間で、通信教育によって6科目の学習をおこないます。
日本惣菜協会のマイページから添削課題の回答を提出し、全科目の添削課題に合格すれば養成研修修了となり、惣菜管理士の受験資格を得られます。
5-2.資格要件
惣菜管理士の養成研修を受けるには、等級ごとに以下のような資格要件があることを知っておきましょう。
種別 | 資格 |
---|---|
三級養成研修 | 1 惣菜をはじめとした食品の製造・加工・流通・販売等業務に従事する方 2 栄養士、調理師 3 大学・短期大学・専門学校において食品・栄養等に関する学部学科を修了した方 |
二級養成研修 | 1 三級惣菜管理士 2 栄養管理士の資格を有する方 |
一級養成研修 | 二級惣菜管理士 |
-
参考:日本惣菜協会|惣菜管理士 資格取得のご案内
https://www.nsouzai-kyoukai.or.jp/wp-content/uploads/2023/02/RMM2023.pdf
上記の条件を満たして各級の養成研修を受けた方だけが、惣菜管理士の資格試験を受験できます。
5-3.資格難易度
2022年の惣菜管理士の各級の資格難易度および合格率は以下のとおりです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
一級 | 726 | 594 | 81.8% |
二級 | 1,207 | 1,035 | 85.7% |
三級 | 2,239 | 1,812 | 80.9% |
全級 | 4,172 | 3,441 | 82.5% |
-
参考:日本惣菜協会|News&Information
https://www.nsouzai-kyoukai.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/PR_RMM20220711.pdf
全級の平均では82.5%、もっとも難易度が高い一級でも81.8%と、高めの合格率であることがわかります。養成研修をしっかりと受けて試験対策を集中的におこなえば、十分に合格を狙うことができるでしょう。
なお、2023年からは試験がCBT方式(全国約300会場にあるテストセンターでコンピュータを使って受験する方式)に変更になりました。
5-4.資格の勉強方法
惣菜管理士の資格は、養成研修のテキストや問題集を使うことで効率的に学習できます。
- 「惣菜管理士試験問題集」をやりこむ
- 添削問題に取り組む
- テキストで独学する
惣菜管理士の養成研修の申し込みをおこなうと、日本惣菜協会から「惣菜管理士試験問題集」を受け取ることができます。その問題集を徹底的にやりこむことで合格に必要な得点を取得する知識が身につくでしょう。
また、養成研修では毎月の理解度を把握するために「添削問題」に取り組みます。習得した知識の腕試しとして毎月提出するだけでなく、試験まで何度も見直すことで知識を増やすことができます。
問題集と添削問題でも不明な点はテキストを読み直し、知識として落とし込みましょう。
6.惣菜管理士の将来性
惣菜はスーパーマーケットやデパート、コンビニなど、さまざまな場所で販売されています。今も今後も、日々の食生活を支えてくれる惣菜人気は高いといえるでしょう。
日本惣菜協会によれば2022年惣菜市場規模は、前年比3.5%増の10兆4,652億円と、コロナ前の水準まで回復しています。
-
参考:日本惣菜協会|【プレスリリース】2022年惣菜市場規模 前年比3.5%増 10兆4,652億円
https://www.nsouzai-kyoukai.or.jp/news/pr_20230525-hakusho/
このように惣菜市場自体が成長しており、業界としての将来性もあります。また、「食」は今後も絶対に変わらずに必要とされるものであり、食の安全については高い注目が集まっています。
このように注目度・将来性が高いことから、惣菜管理士の資格を取得しておくことで、長期的に安定して働くことができるでしょう。
7.まとめ
毎日食事をするというのは、将来にわたってずっと変わることがなく、惣菜や食品は今後も安定した需要が見込めます。なかでも惣菜は主婦(夫)の家事の時短に貢献できたり、安全な食材の提供を通じて消費者の健康を守ったりできる注目度の高いジャンルです。
働きがいや将来性が高い仕事を求めるなら、惣菜管理士の資格を取得して食品業界への転職を視野に入れてはいかがでしょうか。
食品業界への転職に興味があれば、以下のリンクから求人を探してみましょう。
関連記事
人気ランキング
以下の条件から求人を探す
都道府県からお仕事を探す
職種からお仕事を探す