検品とは?検品作業の仕事内容や向いている人、作業のコツ・ミスの対処方法を紹介
※この記事は6分30秒で読めます。
「検品作業の仕事って何をするの?」
「検品作業に向いている人の特徴を知りたい」
など、検品作業について知りたい方もいるでしょう。
検品作業の仕事は未経験でも始めやすく、作業の仕方によってやりがいや楽しさを感じることができます。
今回は、検品作業の種類、検品作業の仕事の魅力、向いている人などを解説します。この記事を読めば、検品作業の仕事のことがわかり、いくつか種類のある検品作業の仕事の中で自分に合ったものを見つけることができます。
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1.検品作業とは
検品作業とは、製造業などで完成した商品に問題がないかチェックする仕事のことを指します。
キズ、破損、数、その他状態、梱包された商品が間違っていないかを確認します。商品が機械の場合は正常に動作するかチェックするなど、どういう部分に注目して検品するかは、職場や担当によって異なります。検品作業は、お客様のもとに不具合などがなく、注文通りの商品を届けるための重要な役割を果たしているのです。
2.検品作業の種類
検品作業は、いくつかの種類に分けることができます。具体的には以下の5つです。
- 不良検品
- 作動検品
- 混入検品
- 数量検品
- 出荷検品
ベルトコンベアで流れてくる商品を、検品して仕分けるという方法がよく見られます。機械を用いているところもありますが、現在でも人の目を頼りにして検品しているところがほとんどです。検品作業には、自分の目を頼りにして、きちんと検品をおこなうことが求められています。
3-1.不良検品
不良検品は、商品のなかに不良品が混じっていないかチェックする検品作業です。
どれだけ気を付けていても、工場で作る商品の中には不良品が混じってしまうものです。とはいえ、お客様に不良品が届いてしまっては一大事です。そこで不良検品の仕事が必要となります。
3-2.作動検品
作動検品とは、電子機器などが正常通りに作動するか確かめる検品のことです。
作動の確認だけでなく、スマートフォンアプリなどで予期せぬ動作をしないか、バグをチェックすることも作動検品の一種になります。きちんと動くかどうか確かめる工程は、作動検品であるということを認識しておきましょう。
3-3.混入検品
混入検品は、文字通り商品のなかに異物が混入していないかチェックする検品作業のことです。
商品そのものに問題がなかったとしても異物が混入していたら大問題です。特に食品関係では健康被害に関わる危険性もあり、商品をすべて回収するほどの騒ぎになってしまいます。
食品に異物が混入していることが発覚して、回収になったニュースなどを見たことがある人もいるのではないでしょうか。お客様はもちろんのこと、企業にとっても損害が大きいことです。そうならないように、念入りに混入検品をおこなう必要があります。
3-4.数量検品
商品の数量が間違っていないかチェックする検品です。数を確認するだけなので初めての人でもやりやすい検品作業です。
出荷する際に検品することが多いですが、入荷したときも伝票通りに商品が届いているのか確認します。初めての人は甘く考えがちですが、数が合わないと誤出荷の可能性が出て大事になってしまうことがあります。決して手を抜かず、きちんと数を確認する必要があります。
3-5.出荷検品
出荷検品は出荷前の最終チェックとしておこなう検品のことです。
出荷検品は、出荷直前の最終チェックのため責任重大です。ここでチェックが漏れてしまうと、お客様に誤った商品を届けてしまうことになります。それまで複数の検品が入っているとはいえ、出荷検品の段階でイレギュラー事態が発生することは往々にしてあります。
出荷検品は、決して気を抜くことができない責任重大な検品といえます。
3.製造工場でおこなう検品作業
検品作業の仕事内容は、製造系と物流系の2つに分けられます。
製造工場の検品作業は、工場から出荷される製品に問題がないかの品質チェックをおこないます。「検品の種類」で解説した5つの検品作業の中で、製造工場でおこなう作業は以下の3つです。
- 不良検品
ベルトコンベアなどで流れてくる製品に不良品がないかを確認します。傷んでいる食べ物、へこんでいる缶、落丁がある本、汚れや破れがある衣類、割れたガラスといった不良品を発見し、取り除く作業です。
- 作動検品
電池やバッテリーを入れて動く物に、実際に電池を入れて動作するか確かめます。
- 混入検品
衣類にゴミや縫い針などの異物混入がないか確認します。また、密閉されている食料品に異物がないか機械を使ってチェックをおこないます。
4.物流倉庫でおこなう検品作業
物流倉庫でおこなう検品作業は、伝票と内容物が合っているかをチェックします。「検品の種類」の5つの検品作業のなかで、物流倉庫でおこなう検品作業は以下の2つです。
- 数量検品
倉庫内で発注した商品を入庫または出庫する際、品目や数量が合っているか伝票と照らし合わせて確認します。
- 出荷検品
倉庫内で完成品に問題がないか最後に確認したり、ピッキングと出荷内容に相違がないか確認したりします。
5.検品作業の仕事の魅力とは?
検品作業の仕事の魅力はどのような点にあるのでしょうか。ここでは、その魅力を4つご紹介します。
5-1.未経験・資格なしでも始めやすい
検品作業の仕事はマニュアルがあるので、それに從って検品をします。そのため、未経験や資格がなくてもすぐに始めやすいお仕事です。
5-2.難しいことを覚えなくていい場合もある
入社して年数を重ねていくと、受け持つ仕事や立場が変わり、新しい仕事を覚えなければいけない場面も出てきます。
しかし、検品作業の仕事は、作業手順さえ覚えてしまえばあとは同じ作業を繰り返します。そのため、新しいことや難しいことを覚えるのが苦手な人におすすめです。
5-3.ライフスタイルに合わせた働き方ができる
検品作業の仕事はシフト制での勤務が多いため、アルバイトやパート、単発バイトなど、自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。急なシフト変更などにも対応してもらえる職場もあり、残業も少ない傾向にあります。
5-4.Wワークにもおすすめできる
覚えることが少ない検品作業の仕事は、Wワークや副業にも向いています。24時間稼働している工場もあるので、「本業以外にも仕事をして、もう少し稼ぎたいな……」と考えている人におすすめの仕事です。
6.検品作業に向いている人
検品作業は誰でも取り組みやすい仕事ですが、検品作業に向いていない人が作業をすると、苦痛な仕事になる可能性もあります。ここでは、検品作業に向いている人について説明します。
6-1.検品作業を楽しみながら仕事する人
検品作業は単純作業なので、確実にかつ素早く仕事を進めることが必要です。そのため、根気強い人が良いでしょう。
単純作業が苦手な人の場合、途中で仕事が嫌になってしまい、作業の進みが遅くなったり、まっいいやーと作業が雑になったりする可能性が考えられます。
持久力も求められますので、仕事だからとスパッと割り切れる人だったり、検品作業を楽しみながらできたりする人が向いているでしょう。
6-2.長時間集中力を維持できる人
検品作業中は商品の個数を数えたり、商品の不良品を見つけたりする作業になりますので、作業に集中することが不可欠です。そのため集中力が直ぐに切れてしまう人は向いていない仕事です。
集中力を切らしてしまうと、問題のある商品を見逃してしまうことが起こり得ますので、検品の仕事には集中力を持って取り組んでください。加えて、大雑把でいい加減な人にも向いていません。
6-3.こまかな手作業が好きな人
検品作業ではミスや不良品を見落とさないことが大切です。そのため、こまかな手作業が得意または好きな人や、几帳面な人に向いている仕事です。
こまかな作業が苦手な人の場合、不良品や破損品を見落としてしまったり、日々の作業にストレスを感じてしまったりする可能性があります。
6-4.決まった動きが苦にならない人
「仕事内容が簡単だから」という理由で始めてみたものの、「毎日同じ作業で飽きてしまった」と思う人も少なくありません。
検品作業はルーティンワークのため、モチベーションを維持するのが難しい仕事でもあります。そのため、忍耐力があり、毎日決まった動きをすることが苦にならない人に向いています。
7.検品作業の大変なところ
検品作業には大変さを感じる部分もあります。その3つのポイントを解説します。
7-1.正確性・スピード感を求められる
検品作業は効率性重視のため、正確性やスピード感を求められます。
ベルトコンベアで次から次へと流れてくる製品を時間をかけてチェックしていては、あとの作業が滞ってしまいます。効率良く作業を進められるように動線を考えたり、作業の手順を工夫したりするなどの方法を見つけてみましょう。
7-2.立ちっぱなしのケースもある
工場や取り扱う製品によっては、長時間立ちっぱなしで作業をすることがあります。足腰に負担がかかるため、疲れを感じたら少し動いたり、サポートするアイテムを使ったりすると良いでしょう。
なかには、足腰の負担から立ちっぱなしの作業はどうしても避けたいと思う人もいるかもしれません。応募や面接の段階で事前に確認し、「実際に作業をしてみたら立ちっぱなしだった……」ということがないようにしましょう。
7-3.目が疲れることもある
検品作業の仕事は、長時間同じ作業をすることに加えて目視での作業が多いため、体だけでなく目にも負担がかかることもあります。特に混入検品は、異物を見逃すと大きな問題になりかねないため、一つひとつの製品をしっかりと検品する必要があります。
検品作業の仕事に、目の疲れはつきものです。普段から目薬を差したり、目のマッサージをおこなったりして目の疲れを取るようにしましょう。
8.効率のいい検品作業のコツ
ここでは、効率のいい検品作業のコツをご紹介します。検品作業の求人に応募しようと思っている未経験の方は特に参考にしてください。
- 動きやすい環境を整える
- チェックするポイントを押さえる
- 焦らず確認作業をする
これらはどれも検品作業をおこなううえで大事なことのため、しっかりと把握しておきましょう。
8-1.動きやすい環境を整える
検品作業では、最初に動きやすい環境を整えることが大事になります。自分が動きやすくなるためには、どういう立ち位置でどのように道具を置いていればいいのかということを考えながら作業をしてください。
一度スムーズな流れを作り出せれば、効率よく検品作業をおこなえます。逆に自分の動きやすさを意識することができずに漠然と作業をやり続けると、いつまで経っても効率はよくなりません。
また、動きやすい服、疲れにくく足が痛みにくい靴を選ぶことも大事です。検品作業は長時間立って作業することが多く、足腰への負担が大きいです。ついつい服や靴は適当なものを選んでしまいがちですが、疲れを軽減するために適した物を選ぶようにしてください。
8-2.マニュアルに従って作業する
検品作業の仕事には、基本的にマニュアルが用意されています。マニュアルに沿って作業をすることで無駄な作業を省くことができ、効率良く検品作業をおこなうことができます。
8-3.チェックするポイントを押さえる
検品作業では、チェックするポイントがいくつかあります。自分の検品では何をチェックする必要があるのか、きちんと把握するようにしましょう。
そのうえで、自分なりにチェックの順番を決めたり覚えたりすることが大事です。例えば、最初に数、次に欠けているものがないか見る、最後に汚れやヒビがないか見るというように、チェックする順番を決めます。こうすることで自分が今、何の作業をしているのかがはっきりとわかるので、時間短縮やミスを減らすことにつながります。
「自分が見るべきポイントを整理し、順番を付ける」このことを意識するだけで検品の技能は格段に上がります。特に慣れるまでは、自分が何をチェックするのかを常に考えて頭のなかで繰り返すようにしましょう。
8-4.焦らず確認作業をする
検品作業は、焦らず丁寧にやることが大事です。最初は不慣れですから、思うようなスピードで進められないかもしれませんが、誰でも最初は遅いものです。
それに、スピードよりも検品漏れがある方が、会社にとっては困ることなのです。現場に入ると、ものすごいスピードで検品する先輩や、要領よく素早く検品する同期がいるかもしれません。そんな人たちのことを見て焦る気持ちになるかもしれませんが、焦って作業をしてもミスをするだけでいいことがありません。
作業に慣れれば、スピードはついてくるものです。不安に思っている人でも、しばらく作業をして慣れれば、自然と速くなります。検品作業で大事なのは落ち着いて丁寧に作業をすることです。それを忘れないようにしましょう。
9.検品作業でよくあるミスと対処法
次に、検品作業でよくあるミスと、その対処法についてご紹介します。検品作業でよくあるミスとして以下の3つが挙げられます。
- 似たような製品や番号を取り違える
- 小さな傷や不良を見逃す
- 作業手順を間違える
次項ではこれらの詳細と対処法について解説していきます。
9-1.似たような製品や番号を取り違える
特に初心者のときは、似た物の区別がつかなかったり、気を付けるべき商品がわからなかったりしてミスをしてしまいます。バーコードが一桁違う、見た目はほぼ同じで微妙にデザインが違うという物を勘違いしやすいです。
このミスをなくすためには、「丁寧に見直しをおこなう」、「機械を使ってチェックする」、「チェックリストを用いて記録を付ける」、「ダブルチェックをする」といったことが挙げられます。
とにかく思い込みで判断せず、本当に正しいのか疑う気持ちを忘れないようにすることが大切です。
9-2.小さなキズや不良を見逃す
検品作業を続けていると、目に疲れが溜まったり、単純作業に慣れて気を抜いたりといったことが起きてしまいます。
自分では普通にチェックしているつもりでも、知らず知らずのうちにチェックの精度が落ちてしまうということが起こることがあります。
大きなキズやわかりやすい不良は見逃さなくても、小さなキズや不良といった些細なものを見逃すことが出てきます。たとえ些細なものであっても不良であることには変わりはないため、決して軽視できるものではありません。
このミスは、「常に小さなキズや不良があるのではないかと気を付ける」、「目を休めることを意識しておく」、「作業が惰性にならないように緊張感を持って作業をする」といったことで防ぐことができます。
9-3.作業手順を間違える
作業手順を間違えることでミスにつながるケースもあります。
特に初めての作業の場合や、作業内容が一部変更になったときなどに起こりやすい間違いです。指示をしっかり理解できていない、思い込みで作業をするなどしてミスをすることがあります。
「少しでも疑問に思ったことは聞く」、「曖昧なことを放置しない」、「チェックリストを作成してこまめにリーダーと認識をすり合わせる」などを徹底することで、ミス防止をおこなうようにしましょう。
10.まとめ
検品作業は、単純作業ゆえ大変な部分もありますが、未経験でも始めやすく自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるのは大きな魅力です。効率良く作業を進めることができれば、楽しさややりがいを感じられます。自分の性格やどんなことにやりがいを感じるのかを確認したうえで、検品という仕事も一度検討してみてはいかがでしょうか。
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