自動車工場の仕事はきつい?派遣で働くメリットや仕事内容を解説
この記事で分かること
- 自動車工場の仕事がきついといわれるのは、肉体的な疲労や労働環境など、主に7つの理由がある
- 自動車工場の仕事の工程は「プレス」「溶接」「塗装」「組立」「検査」の5つに分かれている
- 自動車工場の仕事は、高収入を得られる可能性があることや、一人で淡々と作業できるなどのメリットがある
- 自動車工場の仕事のきつさは、職場見学することや求人サービスへ相談することなどで事前に確認できる
※この記事は6分30秒で読めます。
「自動車工場の仕事はきついって本当?」
「自動車工場できつい工程はある?」
など、自動車工場の仕事に関して疑問を持つ方もいるでしょう。
自動車工場の仕事は肉体的な疲労が溜まりやすく、特殊な労働環境のため、人によってはきついと感じることもあります。一方、高収入を得られる可能性があることや、一人でもくもくと作業に取り組めるなど、メリットが多いことも事実です。
今回は、自動車工場の仕事がきついといわれる理由や、作業工程、働くメリット、仕事のきつさを事前に確認する方法などを解説します。この記事を読めば、自動車工場の仕事の大変さやメリットがよくわかり、安心して求人に応募できるようになります。
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1.自動車工場の派遣はきついって本当?
自動車工場の派遣の仕事がきついといわれる理由はさまざまですが、個人の感じ方にもよるため、向いている人ならそこまできついとは感じないでしょう。また、仕事内容や作業環境は工場ごとに異なりますので、きついと感じるかどうか、またその度合いもそれぞれ異なります。
自動車工場の派遣の仕事がきついといわれているのは、主に以下の7つの理由が挙げられます。
- 肉体的な疲労
- 労働環境によるもの
- 夜勤がきつい
- 精神的なつらさ
- 寮生活が合わない
- 人間関係がつらい
- 雇用期間が決まっている
それぞれの具体的な内容を確認しましょう。
1-1.肉体的な疲労
自動車工場での勤務は立ちっぱなしでの作業になることが多く、肉体的にきついと感じてしまう人もいます。また、エンジンやボディなどの重いパーツを扱う工程を担当することもあるため、さらに身体に負担が生じる可能性も考えられます。
しかし、どのような仕事であっても慣れるまではきついものであり、自動車工場の仕事も作業を積み重ねることで、肉体的な疲労は和らいでくるでしょう。肉体的な疲労を和らげるには、体力をつけることや睡眠の質を向上するなど、工夫することも有効です。
1-2.労働環境によるもの
自動車工場は、特殊な労働環境のため、慣れるまではきついと感じる人もいます。
きついと感じる可能性がある環境としては、主に以下の項目が挙げられます。
- エアコンなどの空調設備がない場合があり、暑さや寒さが厳しい
- 機械や装置が稼働しているため、騒音が激しい
- 塗装や溶接の工程では独特の臭いが漂っている
- 作業の効率化のために徹底した監視体制のもとで働く必要がある
このようにきついと感じる環境下で作業しなければいけない場合もあるようですが、現在は工場ごとに対策が取られているため働きやすい工場も多いです。
例えば、騒音問題については、耳栓や騒音を防止するイヤーマフが支給される工場もあり、耳に入ってくる音を軽減させる効果が期待されます。
それでも労働環境が心配な場合は、面接時などの入社前に面接担当者に確認することや、友人や知人が勤めているなら事前に聞いておくことで対策できるでしょう。
1-3.夜勤がきつい
日勤のみの工場なら夜勤の心配はありませんが、多くの自動車工場は24時間体制で稼働しています。
夜勤がある交代制の工場では生活リズムがうまくつかめず、勤務時間に慣れるまでの期間がつらいと感じる人も多いようです。
交代制には、昼勤と夜勤で交代する「二交代制」と、3つの勤務時間に分けて交代する「三交代制」があり、工場によってどちらを採用しているかは異なります。
夜勤のきつさを解消する方法はいくつかありますが、実践しやすい対策は「起床後すぐに太陽の光を浴びること」です。光を浴びることで体内時計がリセットされ、目覚めが良くなる効果が得られます。
設定した時間に自動的に開くカーテンや、光で起こしてくれる目覚まし時計などの活用を検討してみましょう。その他の対策を詳しく知りたい人は、以下の記事をご参照ください。
1-4.精神的なつらさ
工場勤務は基本的にライン作業であり、一人の作業が滞ると全体の作業が遅れてしまいます。そのため、プレッシャーを感じる場合もあることでしょう。
また、同じ作業を繰り返しおこなうため、どうしても飽きが出てしまうこともあります。
仕事のプレッシャーを軽減するには、万が一ミスした際の対処法を上司や先輩に聞いておき、余裕を持った段取りを組むことが効果的です。
飽きずに仕事をこなす方法としては、ただもくもくと仕事をするのではなく、緊張感をもって作業するようにを心がけることが挙げられます。
例えば「50個の部品の組立を決めた時間までに終わらせる」「作業ミスがゼロになるようにする」など、目標を設定することによって、ゲーム感覚で仕事に取り組みやすくなります。
もしものときの対処法を知っていることで、作業でミスをしてしまったときでも、焦らずに対応しやすくなるでしょう。
1-5.寮生活が合わない
自動車工場の多くは、寮を提供していることが一般的です。入寮するかは個人の自由ですが、自宅からの通勤が困難な場合は利用せざるを得ないこともあるでしょう。
寮ではキッチンや浴室などが共同となっている場合もあるため、個人の空間を大事にしたい人は、きついと感じる可能性があるでしょう。
ただし、企業によっては自分だけのキッチンや浴室などが備えられた「単身寮」が用意されている場合もあり、一般的なアパートとほとんど変わらない生活を実現できます。
一方、今まで一人暮らしの経験がないなどの理由で、一人で過ごすことの寂しさや不安を感じる人もいるかもしれません。そのような場合は、同僚と同じ部屋で生活する「相部屋寮」に住むことで、プライベートの時間の寂しさや心細さを感じにくくなります。
ただし、勤務する工場によって用意されている寮の種類は異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
1-6.人間関係がつらい
自動車工場での仕事は、基本的に一人でもくもくと作業を進める時間が多くなります。
工場や工程にもよりますが、人間関係が希薄な場合もあり、職場でコミュニケーションを取りながら働きたい人にとっては、きついと感じる可能性があります。
ただし、職場によっては和やかな雰囲気で作業をおこなえるところや、休憩時間にコミュニケーションが盛んなところもあるでしょう。
そのため、面接時に職場の雰囲気を尋ねることや、可能であれば職場の見学をすることで、どのような環境で働くのかをイメージすることが重要です。
1-7.雇用期間が決まっている
自動車工場で派遣社員として働く場合は、有期雇用契約を結ぶことになり、雇用期間が決められています。
定められた雇用期間に達した際は、工場での派遣社員としての契約が終了するため、次の雇用が補償されないことに不安を感じる場合もあるでしょう。
しかし、自動車工場には、企業と直接契約を結ぶ「直接雇用」や、正社員として雇用する「正社員登用制度」を取り入れている企業もあります。
そのため、派遣社員としての勤務期間中の頑張り次第では、直接雇用につながり、雇用期間の制限なく働ける可能性があります。
2.自動車工場の派遣の仕事とは?
自動車工業の派遣の仕事はきつい一面もありますが、実際の仕事に取り組むと印象が変わる場合もあります。
ここでは、派遣社員が自動車工場で働く際の仕事内容を以下の5つの工程ごとに紹介します。
- プレス
- 溶接
- 塗装
- 組立
- 検査
それぞれの作業内容や大変なところ、やりがいなどを詳しく見ていきましょう。
2-1.プレス
プレスとは、専用のカッターでロール状の鋼板を1枚に切断し、プレスマシンで加工する工程です。加工された鋼板は、ドアやボンネットなど自動車のボディパーツや、骨格となるフレームにも使われる部品になります。
これらの工程は手作業でおこなわず、専用の機械によってほとんど自動的に実施されます。プレス工程で、人が担当する主な作業は以下のとおりです。
- 機械の点検
- 不良品のチェック
- 新しい鋼板のセット
- プレスマシンの金型の交換
プレスマシンによる加工がほとんど絶えずおこなわれるため、人によっては金属の加工音が気になる場合があります。
一方で、プレス工程は機械で完結する作業が多く、肉体面での負担が少ないことが魅力といえます。
2-2.溶接
溶接は、プレス工程で加工された金属をつなぎ合わせる工程です。プレスと溶接の工程を経ることで自動車の外側部分が完成します。
プレス工程と同様に溶接工程も自動化が進んでおり、ロボットを使用して電気やレーザー光線の熱で溶かしてつなぎ合わせることで、自動車の形状を作っていきます。
溶接工程では、主に以下の作業を人の手でおこないます。
- 溶接ロボットの点検
- こまかい部品の溶接
- 溶接の仕上がりの点検
溶接作業を自身でする場合は火花が飛び散るため、暑さが負担となることがあるでしょう。
また、点検作業ではつなぎ合わせが不十分な箇所の見落としは許されないため、プレッシャーのかかる作業です。一方で、パーツの溶接をきれいにおこなえたときや、点検まで無事に完了した際に、達成感を得られることが魅力です。
自身で溶接するには溶接の資格が必要になるため、派遣社員でも資格を有していれば時給が高めに設定されている自動車工場もあります。自動車工場での勤務を考えている人は、溶接の資格の取得を検討しても良いでしょう。
2-3.塗装
塗装は、プレス・溶接でできあがった骨組みに色をつける工程です。
塗装と聞くと一度塗って終了と思われる人もいるかもしれませんが、自動車の塗装では簡単に色がはげてしまわないように、以下のように何層にも分けて塗装していきます。
- 電着塗装:電気を通しやすい塗料を入れたプールに車を浸して電流を流す
- シーラー塗装:継ぎ目や隙間を塗装し、水や埃の侵入を防ぐ
- 本塗装:本格的な塗装で3つの工程に分かれている
上記の塗装は、いずれも機械やロボットで自動的におこなわれることが一般的です。
すべての塗装の完了後は、従業員が車体の隅々まで光を当てて塗装の仕上がりをチェックします。塗装のムラを見つけた場合は、ポリッシャーと呼ばれる機械を使用し、均一になるように磨き上げます。
塗装工程は専用の塗料をいくつも使用するため、塗料のにおいが苦手な人にとってはつらいと感じることもあるでしょう。
一方で、塗装作業は自動化が進んでいるため、体力的な負担は比較的少ないといえます。また、パーツがきれいに塗装され、自らの手で塗装のムラをなくすことで、達成感を得られることがあるでしょう。
2-4.組立
組立は、塗装まで完了したパーツを組み合わせて、一台の自動車を完成させる工程です。
ライン生産方式を採用しており、作業員一人ひとりがおこなう作業を細分化することで、特別な資格やスキルがなくても自動車を完成できる仕組みとなっています。
組立工程は、一般的に以下の7つの工程に分かれています。
- インストメントパネル取付(スピードメーターやエアコンなどの前面パネル)
- ガラス貼付
- バンパー取付
- エンジン取付
- シート設置
- タイヤ取付
- ドア取付
人が手作業で進める工程がある一方で、ガラスやシートなど大型のパーツを扱う場合は、ロボットが取付をおこなっている工場もあります。
ベルトコンベアで流れてくる部品を組み立てるシンプルな工程ですが、部品が絶えず流れてくるため、集中力が必要な作業です。そのため、早く作業を進めなければならないプレッシャーを感じる人もいることでしょう。
ただし、すべての工程が完了し、1台の自動車が完成したときの喜びはひとしおです。車が趣味の人であれば、自動車が次第に完成していく様子を目にして、感激することもあるでしょう。
2-5.検査
検査は、完成した車が出荷できる状態になっているかを確認する工程です。主に以下の項目をチェックします。
- 車体・内装の傷や汚れ
- ドアの開閉
- 組立のずれ
- ヘッドライトの方向
- ウィンカーの点滅
- 液やオイル漏れ
- 走行状態
他にも計器やワイパー、ブレーキなど、すべての部品が正常に作動しているか、高圧シャワーを使用して水漏れしていないかなどの確認を実施します。
国が定めた基準を満たしているかの検査をおこなうため、自動車メーカーによっても異なりますが、検査項目は約1,500〜2,000項目に達することもあります。
検査の工程では膨大な項目をチェックするため、人によっては集中力を保つことに負担を感じる場合があるでしょう。一方で、検査は顧客に安全な車を届けるために欠かせない工程であるため、安全性の維持に貢献している実感を得られることが魅力といえます。
3.自動車工場の派遣で働く5つのメリット
自動車工場の派遣の仕事はきつい一面もありますが、働くことによるメリットも多くあります。主なメリットは以下の5つです。
- 大手メーカーで働ける
- 高収入を得られる
- 社宅費全額補助の福利厚生がある
- 一人でもくもくと仕事ができる
- マニュアルがある場合も多く作業を覚えやすい
それぞれの内容を詳しく解説します。
3-1.大手メーカーで働ける
自動車の製造工場には、誰もが知る大手メーカーが多数存在します。
大手メーカーは福利厚生が整備されていることや、積極的に正社員登用をおこなっていることが多い傾向があります。派遣社員から正社員として働きたい場合も、チャレンジしやすい環境といえるでしょう。
3-2.高収入を得られる
自動車工場の仕事は、事務などのデスクワークに比べると体力的にきついといわれますが、そのぶん高収入であることは大きなメリットとなるでしょう。
また、24時間稼働の工場で夜勤がある場合は、深夜手当として1時間あたりの賃金に25%以上割り増しした手当を受け取れます。
その他に、入社すると受け取れる「入社祝い金」や、一定期間働くことが条件の「在籍手当」などが支給される求人もあります。
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参照:厚生労働省「時間外、休日及び深夜の割増賃金(第37条)事業場外労働のみなし労働時間制(第38条の2)」
https://jsite.mhlw.go.jp/ehime-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/hourei_seido/20404/2040409.html
3-3.社宅費全額補助の福利厚生がある
求人によって条件は異なりますが、自動車工業の仕事は福利厚生が手厚い傾向にあります。企業によっては、ワンルームのアパートやマンションなどの家賃が全額補助になる場合もあるでしょう。
UTグループでは、敷金礼金や仲介手数料が不要で、初期費用がかからない家賃補助がある社宅や寮をご用意しています。家賃補助があることで貯金もしやすくなり、人生設計を考えたやりくりができるようになるでしょう。
3-4.一人でもくもくと仕事ができる
自動車工場の仕事は、基本的に一人でもくもくと作業に取り組みます。
組立や検品などの作業はマニュアルに沿って進めるため、コミュニケーションを取る機会は少なく、人間関係で悩むことは少なくなるでしょう。
入社してしばらくの間は、先輩社員に機械の操作方法や作業のやり方を教わりますが、仕事に慣れてくると指導されることはほとんどないといえます。
3-5.マニュアルがある場合も多く作業を覚えやすい
自動車工場ではマニュアルが準備されている場合が多く、比較的作業を覚えやすい環境が整っています。そのため、自動車工場での勤務が未経験の人でも、始めやすい仕事といえます。
また、マニュアルには、作業の質を一定に保つことやミスを防ぐことなどの効果があります。そのため、自動車工場での勤務経験がない人でも、安心して仕事に取り組みやすくなるでしょう。
4.自動車工場のきつさは働く前に確認できる
自動車工場の仕事がきついと感じるかは、人によって異なります。自身がきついと感じるかを事前に知りたい場合は、以下の4つの方法で確認できます。
- 職場見学をする
- 求人サービスに相談する
- 働いていた人の口コミを読む
- 実際に働いていた人に聞く
それぞれの方法の具体的な内容を見ていきましょう。
4-1.職場見学をする
自動車工場によっては応募前に工場内を見学できる場合があり、実際の職場の仕事や雰囲気などを確認できます。働いている人の様子を観察することで、仕事量やきつさをある程度把握できるでしょう。
職場見学する際に確認するポイントとしては、主に以下の5つが挙げられます。
- 未経験でも取り組める作業か
- 求人に記載されている仕事内容と相違はないか
- 安全面での対策が取られているか
- 匂いや音、暑さなどの環境に耐えられるか
- 休憩所や更衣室、食堂などが利用しやすいか
また、上記のポイント以外にも見ておきたいところや、聞いておきたいことなどを事前にリストアップすることで、職場見学がより意味のある時間になるでしょう。
4-2.転職のプロに相談する
転職サイトや転職エージェントなどでは、職場の雰囲気や働きやすさについてなど、仕事に関する質問・相談を受け付けている場合があります。
自身が思い描いている理想の働き方や勤務時間など、希望の条件を伝えたうえで相談してみると良いでしょう。
転職サイトのJOBPALでは、キャリアパートナーに仕事に関するさまざまな悩みを相談できます。ぜひお気軽な気持ちで相談してみてください。
4-3.働いていた人の口コミを読む
実際に自動車工場で働いた経験がある人たちの口コミや感想などをWeb上で検索してみると、仕事内容と求人内容とのギャップなど、さまざまな目線からの意見を把握できます。
応募を検討している工場の良い面と悪い面のどちらの情報も得られるため、応募時の参考として確認しておくと安心です。
4-4.実際に働いていた人に聞く
応募を検討している自動車工場で実際に働いている人や働いていた人が身近にいる場合は、仕事のきつさを聞いてみると良いでしょう。どのような作業や環境がつらいかなど、当事者ならではの意見がわかります。
また、きついところだけでなく、仕事のやりがいも聞いておくことで、自動車工場の求人に応募する際に役立つ可能性があるでしょう。
5.まとめ
自動車工場の派遣の仕事は、人によってはきついと感じる部分もありますが、高収入を得られる可能性があることや、一人でもくもくと仕事に取り組めることなど、メリットもあります。
また、仕事内容や職場の環境には向き不向きがあるため、一概に自動車工場勤務がきついものとはいえません。
もし、これから自動車工場で働くことを検討しているのであれば、職場見学や転職のプロに相談するなどして、まずは自身に向いているのか確認してみましょう。
自動車工場の仕事に少しでも興味がある人は、気軽にJOBPALの転職相談を活用してみてください。
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