メーカーへの転職は難しい?雇用状況と未経験でも狙える職種
※この記事は5分30秒で読めます。
「メーカーに転職したいけれど、どうすればいい?」
「未経験でも応募できるメーカーの職種が知りたい」
など、メーカーへの転職に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
求人サイトを見ると、メーカー求人は豊富にあり、未経験でも転職を狙える業界です。
今回は、メーカーの雇用状況、年代別の転職難易度、未経験が狙える職種、成功のためのコツなどを解説します。この記事を読めば、メーカーへの転職事情がわかり、より確実に転職するための対策を取ることができます。
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1.メーカーに転職できる?最新の雇用状況
卸売業・小売業が約996万人、医療・福祉が約859万人、建設業が約396万人、情報通信業が約244万人となっており、他業種を大幅に上回っていることから、製造業の規模感や需要の高さがうかがえます。
そうした状況を踏まえ、製造業の各社では人材の確保に力を入れています。
厚生労働省が実施した新規求人状況の調査では、製造業における2022年5月時点の月間有効求人数は8万2,031人に上っており、前年比23.9%増、宿泊業、飲食サービス業に次いで増加率が高くなっています。
2020年からの新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、一時は求人数が減少を見せていたものの、現在は力強く持ち直しているため比較的メーカーへの転職はしやすい状況となっています。
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参照:総務省統計局「労働力調査(基本集計) 2022年(令和4年)6月分結果」
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年5月分)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26279.html
2.【年代別】未経験からメーカーに転職する際の難易度
ここからは、未経験者がメーカーへの転職を目指す場合の難易度を年代別にご紹介します。あなたの年代はもちろん、他年代との違いも把握しておきましょう。
2-1.20代の未経験転職
20代の未経験者がメーカー転職する際にポイントとなるのは、ポテンシャルの程度です。
「まだ他社のカラーが染みついていない若手を自社でゼロから育成したい」と考える企業も多くあります。
そのため、20代の若手人材に関しては、経験の有無はさほど重要ではなく、素直でポテンシャルがあれば採用してもらえる可能性が高いでしょう。
他年代と比べて、社会人経験や実務経験、実績が不足しているのは明白なので、業界・企業研究の精度を高め、自己分析を徹底的におこなったうえで選考に臨むことが必要です。
2-2.30代の未経験転職
30代になると、ある程度の経験や実績が求められるようになるため、20代と比べると未経験からメーカーへの転職を実現する難易度は高まります。
ただし、異業種・異職種であっても仕事の場数は踏んできているので、自分の強みや性格の見せ方を工夫することで内定獲得も十分にあり得ます。
今までの実績や経験を棚卸しし、メーカーの仕事に結びつくポイントを見つけ、効果的にアピールすることが大切です。
職種によっても未経験者に開かれている門戸の広さは変わるので、比較的目指しやすい営業や事務、製造職などを狙うと良いでしょう。
2-3.40代以降の未経験転職
20代や30代と比べて、この先働ける年数が短い40代となると、未経験からメーカーへの転職を実現するのは非常に難しいのが現実です。
企業側も教育に時間と費用を割きにくいことから、即戦力として迎えられる人材でなければ、採用に踏み切れないケースが大半でしょう。
ただし、前職でマネジメント経験がある場合は例外です。マネジメントの実績や成果がある人材は転職市場での価値が向上します。
メーカーで求められる専門性や経験に対する条件が、マネジメント力によってカバーされるため、内定を勝ち取れる可能性が高まります。
3.そもそもメーカーとは?
そもそもメーカーとは、私たちの身の回りにあるあらゆる製品を生み出す企業のことです。自社で素材を調達し工場で加工を施し販売するのがその役割となります。
3-1.メーカーと商社との違い
メーカーと商社のわかりやすい違いは、自社で製品を作っているかどうかです。
メーカーは、ものづくりに関する一連の工程をすべて自社で担います。
対する商社は自社では製造をおこなわず、他社が製造した製品を仕入れて必要とする企業へ販売するのが仕事です。
3-2.メーカーの主な種類
メーカーには、担当する製造工程によって主に以下の4つの種類があります。
- 素材メーカー(上流工程)
- 部品メーカー(中流工程)
- 加工メーカー(下流工程)
- 総合メーカー
原材料を調達し素材を製造するメーカーです。
紙やパルプ、繊維、化学、鉄鋼、非鉄金属業界などのメーカーが該当します。
素材を加工し部品を製造するメーカーです。
自動車部品メーカーや電子部品メーカーが該当します。
部品を加工し製品へ組み立てるメーカーです。
食品メーカーや自動車メーカーが該当します。
研究開発を含め、上記工程をすべて自社でおこなっているメーカーです。
医薬品メーカーや化粧品メーカーが該当します。
3-3.メーカーの主な業種
メーカーの業種と取り扱っている製品は以下のとおりです。
- 食品メーカー
- 飲料メーカー
- たばこメーカー
- 家具・家電メーカー
- 繊維メーカー
- パルプ・製紙メーカー
- 化学メーカー
- 鉄鋼メーカー
- 金属製品メーカー
- 自動車メーカー
乳製品、菓子、レトルト、缶詰、水産加工品など
清涼飲料水、アルコール類など
紙巻たばこ、葉巻たばこ、加熱式たばこ、パイプたばこ、水たばこなど
椅子、ソファ、ベッド、タンス、棚、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、カメラなど
綿、絹、アクリル、ポリエステル、アクリル、製糸、織物など
パルプ、紙、段ボール、トイレットペーパーなど
石油、プラスチック、ゴム、染料、顔料など
鉄、鉄鋼製品、普通鋼材など
刃物、一般金物類、ブリキ缶、非鉄金属製品など
セダン、軽自動車、SUV、ミニバン、ワゴン、トラックなど
4.メーカーへの未経験転職を狙える職種
ひと口にメーカーといっても、専門性の程度によって転職の難易度には幅があります。ここでは未経験でも転職が狙える3職種をご紹介します。
- 営業職
- 事務職
- 製造職
それぞれの職種についてお伝えします。
4-1.営業職
営業職は、企業に対して自社製品を提案し、求められる製品を販売する仕事です。
商社や卸問屋、チェーン店などの法人が対象となり、個人の消費者に営業活動をおこなうことは基本的にありません。
営業職は、ポテンシャル重視による採用が多く見られるため、メーカー未経験者でも採用を勝ち取れる可能性が高い職種です。
4-2.事務職
事務職は、他業界と同様、一般事務や営業事務、経理事務などの事務作業に従事します。
海外との取引がある場合は、輸出入関連を担う貿易事務のポジションが設けられているケースもあります。
事務職も未経験での採用が期待できる職種ですが、基本的なパソコンスキルは必須です。
Excel、Word、PowerPointなどのマイクロソフト製品の取り扱いスキルを習得しておくと安心です。
4-3.製造職
製造職は、工場で組み立てや加工、検品などのライン作業を中心に担う仕事です。
取り扱う製品によって業務はさまざまですが、規則性のある作業となるので、一度覚えればその後はスムーズに進められます。
未経験を歓迎する傾向が強いので、メーカーのなかでも採用の可能性が高い職種です。
5.メーカーは人気?転職する魅力とは
メーカーの仕事はなぜ人気なのか、その魅力がどこにあるのかもぜひ知っておきましょう。
- 経営が安定している企業が多い
- 労働条件や福利厚生が充実している
- 比較的年収が高い傾向がある
それぞれの魅力についてお伝えします。
5-1.経営が安定している企業が多い
まず、メーカーには安定的な経営を維持している企業が多い点が挙げられます。
大手メーカーのなかには、創業100年を超える老舗企業や、誰もが一度は目にしたことがある製品を世に送り出している有名企業も数多く見られます。
取り扱い製品によっては、新型コロナウイルス感染拡大や社会情勢の影響を受けて素材の調達に苦戦している企業もあるものの、長年培ったノウハウを活かして安定経営を継続中です。
少々のことでは崩れない強固な地盤があることから、長く働ける企業として転職市場で高い人気を誇っています。
5-2.労働条件や福利厚生が充実している
多くのメーカーでは、満足度の高い労働条件や充実した福利厚生を用意しており、労働者に寄り添った環境が用意されています。
環境が整備されている要因としては、労働組合の存在が大きいでしょう。
居心地の良い環境でより長く働けるよう、昇給やボーナス、時間外労働や休日出勤などに関する待遇改善を企業に働きかけます。
その効果、いわゆる「ホワイト企業」と呼ばれる企業が、他業界に比べて多く存在しています。
5-3.比較的年収が高い傾向がある
メーカーを含む製造業は、年収が高水準です。
就職・転職から間もない人でも、他業界にいる同年代より高収入を得ているケースも多く見られます。
また、専門性が高い資格を取得したり、特殊なスキルを習得したりすれば、人事考課で高評価が得られ、さらなる給与アップも十分にあり得ます。
本人の努力に見合った収入が得られやすいのも、メーカーに転職する魅力の一つです。
6.メーカーへの転職を成功させる3つのコツ
メーカーに転職したい人に向けて、成功率アップを目指す3つのコツをご紹介します。
- 明確な転職理由を考える
- 持っているスキルや経験を洗い出す
- なるべく早く転職活動を開始する
それぞれのコツについてお伝えします。
6-1.明確な転職理由を考える
まずは、なぜメーカーで働きたいのか、転職の理由を明確化しましょう。
単に「給与が高いから」「残業が少ないから」という理由では、選考時に魅力的なアピールはできません。
他業界ではなく、メーカーでしか実現できないことは何かを考え、採用担当者の心を動かす転職理由を言語化しておきましょう。
6-2.持っているスキルや経験を洗い出す
客観的かつ効果的に自分をアピールするためには、スキルや経験の洗い出しが重要です。
今まで培ったものをあらためて認識することで、魅力的な自分の強みを見つけられるようになります。
「自分のアピールポイントは何だろう」と考えても表面的で定型的なものしか思いつかないという人こそ、洗い出しと整理の時間をしっかり確保するようにしましょう。
6-3.なるべく早く転職活動を開始する
「メーカーに転職したい」と思い立ったら、なるべく早く転職活動をスタートしましょう。
前述のとおり、メーカーへの転職は年齢を重ねるほど難易度が上がります。
つまり、早ければ早いほど理想的な条件、憧れているメーカーへの転職が実現しやすいということです。
勢いに任せて行動するのではなく、ある程度の検討とシミュレーションは必要ですが、一歩先、二歩先を見据え、準備は早めに取りかかるようにしましょう。
7.まとめ
今回は、メーカーへの転職に関する事情や方法についてお伝えしました。
メーカー各社では、継続的に新規人材の採用に力を入れているため、転職が叶う可能性は大いにあります。
未経験者であってもチャレンジできる業界なので、メーカーでの仕事に興味がある人は早めに準備を進めていきましょう。
行動の時期が早ければ早いほど、自分の理想のメーカーへの転職が実現しやすくなります。
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