派遣社員でもボーナスはもらえる?賞与が見込める働き方ともらえない場合の対処法
※この記事は6分30秒で読めます。
「派遣社員はボーナスがもらえないって本当?」
「派遣社員として働きたいけれど、ボーナスがもらえる働き方ってある?」
など、派遣社員のボーナスに関して疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
派遣社員はさまざまな仕事を経験することができるため、多くの仕事を経験したい方やワークライフバランスを整えたい方にとっては魅力的な働き方です。
今回は、派遣社員のボーナスについて詳しく解説します。この記事を読めば、派遣社員であってもボーナスが見込める働き方や、もらえない場合の対処法を知ることができ、自分に合った働き方を見つけることができます。
エリアから工場・製造業のお仕事を探す
1.派遣社員はボーナス(賞与)をもらえるの?
一般的に、派遣社員にはボーナス(賞与)が支払われません。
派遣社員が賞与をもらえない理由は、アルバイトやパートに比べて時給や月給が高く設定されているからです。ボーナスや交通費などに相当する金額は時給に組み込まれており、そのため賞与という形では給与に反映されないことが多いです。
ただし、派遣会社や派遣先企業によっては派遣社員にもボーナス規定が定められている場合があるため、「派遣社員にはボーナスが支給されない」と一概にはいえないのも事実です。
まずは、自分が登録している派遣会社や派遣先企業にどのような規定があるかを確認してみましょう。
2.そもそもボーナス(賞与)とは?
ボーナスとは、固定給を支払っている従業員に対して、企業が毎月の給与とは別に支給する給与のことです。「賞与」「期末手当」「年末手当」など、さまざまな名称で呼ばれています。
一般的には年に2回、夏と冬に支給されることが多いですが、支払い時期や回数に関する法的な基準はなく、企業によっては年1回や年3回などの場合もあります。
厚生労働省によると、賞与支給のある事業所における令和4年の一人あたりの年末賞与平均は、392,975円でした。
-
参照:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和5年2月分結果速報等
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2302p/dl/pdf2302p.pdf
2-1.給与や寸志との違い
給与とは、仕事で果たした役割や成果などに応じ、労働の対価として事業主から支払われるすべての金額のことです。後述する「給料」よりも範囲が広く、残業代や手当、賞与も含まれます。
また、金銭だけでなく商品などの現物も賞与として支給されれば、それも給与の一部とされる場合があります。
給与と似た言葉に「給料」がありますが、給料は正規の勤務時間に対する報酬、すなわち基本給のことです。基本給には、残業代や手当、賞与は含まれません。
寸志とは、給与や賞与ほど金額・内容的に大きいものではなく、普段の業務への取り組みに対して「感謝のしるし」といった意味で支給されるものです。内容は現金に限らず、品物である場合もありますが、会社で寸志が支給される場合は主に現金となります。
経営側から社員へ、日頃の働きに対するねぎらいの気持ちを表したものといえるでしょう。
2-2.会社によって規定が異なる
ボーナスには、支払い時期や回数、対象者、金額などに法的な基準があるわけではなく、それぞれの会社が独自の規定を定めています。
支払い自体が法律上義務付けられているわけでもないため、支払わなくても違法にはなりません。そのため、たとえ正社員であってもボーナスが支給されない会社もあります。
就業先企業にはどのような規定があるのか、事前に確認しておくようにしましょう。
3.派遣社員でボーナス(賞与)を見込める3つの働き方
それでは、派遣社員でボーナスを見込める働き方はあるのでしょうか。以下の3つの働き方であれば、ボーナスを見込める可能性があります。
- 紹介予定派遣から直接雇用につなげる
- 無期雇用派遣(常用型派遣)で働く
- 派遣でもボーナス規定がある企業で働く
それぞれについて詳しくお伝えします。
3-1.紹介予定派遣から直接雇用につなげる
まず、派遣先企業に正社員として直接雇用してもらうことを見越し、紹介予定派遣社員として働く働き方があります。
派遣先企業にボーナスの規定があれば、正社員として採用されると賞与が支払われます。
紹介予定派遣については、以下の記事でも詳しく説明しています。
3-2.無期雇用派遣(常用型派遣)で働く
無期雇用派遣(常用型派遣)とは、派遣先企業と契約期間を決めずに働くことです。そのため、一つの派遣先企業で長く働くことも可能となります。
常用型派遣の場合、派遣会社に常に在籍している状態となるため、派遣先企業との派遣期間が満了しても派遣会社との雇用契約は継続しています。そのため、仕事のあるなしに関わらず給与をもらうことができます。
賞与や昇給、福利厚生なども、正社員と同じような待遇を受けられます。つまり、派遣会社に賞与規定があれば派遣社員でもボーナスをもらうことができるのです。
無期雇用派遣については、以下の記事でも詳しく説明しています。
3-3.派遣でもボーナス規定がある企業で働く
紹介予定派遣や常用型派遣でなくても、派遣先企業によっては派遣社員にボーナス規定を設けているケースもあります。
2021年4月から、すべての企業に「同一労働同一賃金」が適用されました。これは、正社員であっても、パートや派遣などの非正規雇用であっても、同じ労働であれば同じ賃金を支払うべきという考え方であり、不合理な待遇差の解消を目指すものです。
これにより、派遣社員であっても正社員同様の働きをしていれば、ボーナスを支給しない合理的な理由がない限り、ボーナスがもらえるようになりました。
派遣社員のボーナスの決め方には、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」があります。派遣先企業を紹介してもらう際には、どちらの方法を採用しているかも確認しましょう。
3-3-1.派遣先均等・均衡方式
派遣先均等・均衡方式は、派遣社員の待遇を派遣先の正社員と同等にする方式です。
ボーナスについても、派遣先の正社員と比べて業績や業務内容など企業への貢献が同一であれば同額、違いがあれば違いに応じた金額を支給しなければならないと定められています。
3-3-2.労使協定方式
労使協定方式は、労使協定を締結して派遣社員の待遇を決める方式です。あらかじめボーナス分も含めた給与設定になっており、職種・勤務地・能力などの条件を踏まえて、他の一般社員の平均賃金と同等以上の賃金が支払われるようになっています。
多くの派遣会社はこの労使協定方式を採用しているため、派遣社員のボーナスは時給に含まれるケースが多い傾向にあります。
4.規定でボーナス(賞与)がもらえない場合どうする?
派遣先企業の規定で、派遣社員にボーナスが支給されない場合はどうしたら良いのでしょうか。対処法を確認しておきましょう。
4-1.日々の頑張りで給料アップを目指す
まずは日々の業務を精一杯頑張り、仕事で実績を上げましょう。そのうえで実績を正当にアピールし、派遣社員としての時給や日給、基本給などを上げてもらえないか交渉をします。
この際、交渉をする相手は派遣先企業ではなく派遣会社の担当者なので注意が必要です。
交渉のタイミングは、契約更新時や資格取得時、講座などを受講してスキルアップしたとき、派遣先で役職についたときなどが良いでしょう。
4-2.派遣会社の担当者に交渉してもらう
派遣会社の担当者から派遣先企業に対して、ボーナスを支給してもらえないか交渉してもらうのも一つの手段です。
ただし、すでに決まっている規定を覆すのは簡単ではないため、必ずしも成功するとは限りません。交渉がスムーズに進むよう、交渉材料として自分のスキルや専門性が向上したことを派遣会社の担当者に認識してもらう必要があるでしょう。
派遣会社に交渉のすべてを任せるのではなく、派遣会社と派遣先企業に自身のスキルアップを認めてもらえるよう、専門性を上げたり資格を取ったりなどの努力も必要です。
また、日頃から真面目に業務に取り組んで、派遣先企業との信頼関係を築くことも重要です。
4-3.スキルアップして派遣先を変える
自らのスキルを磨き、実力をつけたうえで、賞与規定がある派遣先企業へと移るという方法もあるでしょう。
スキルアップは派遣社員としてのあなたの力を高めるだけでなく、収入アップの可能性を広げるものにもなります。
派遣会社には、ボーナスがある会社に限定して派遣先を紹介してもらえるよう伝えておきましょう。
4-4.副業して収入を増やす
現在働いている派遣先企業での収入アップが望めない場合は、副業をして収入を増やすことも一つの方法です。
なかには副業禁止の企業や団体もありますが、法律で副業が禁止されているわけではありません。それぞれの企業が、副業が可能かどうか、独自の就業規則を定めています。
派遣社員の方は、派遣先企業が副業禁止でなくても、派遣会社側が副業禁止と定めている場合もあるため注意が必要です。トラブルにならないよう、登録している派遣会社の就業規則もしっかり確認しましょう。
副業する際には、本業である派遣先企業の仕事にも影響が出ないよう注意が必要です。在宅でできる仕事や単発アルバイトなど、スケジュールが組みやすい仕事であれば、本業との両立も目指しやすいでしょう。
4-5.正社員に転職する
正社員として転職することで、安定した雇用や収入アップを目指す方法もあるでしょう。しかし、正社員であっても必ずしもボーナスが支払われるとは限りません。
支払いの有無については各企業の規定によって定められているため、事前にしっかり確認しておく必要があります。ボーナスが出る場合は、金額や種類(決算賞与や業績賞与など)、時期なども確認しておきましょう。
派遣社員から正社員に転職することで変化するのは収入面だけではありません。勤務体系など、他にも注意しなければならない点があります。
5.ボーナス(賞与)のために派遣社員から正社員になるときの注意点
収入が多ければ多いほど、豊かで安定した生活を送ることができることは間違いないでしょう。
しかし、「ワークライフバランスを整えプライベートを大事にしながら働きたい」「介護や育児などの家庭的な事情のためフルタイムで働くのが難しい」「副業を探している」などといった理由から、正社員ではなく派遣社員の働き方が向いている方もいるはずです。
そのため、一概に「賞与のために正社員になるべきだ」とはいえません。収入はもちろん大切ですが、まずは自分にあった働き方を選ぶことを優先にして雇用形態を選ぶことを考えましょう。
派遣社員と正社員の違いについては、以下の記事でも解説しているのでぜひご覧ください。
6.まとめ
派遣社員は、一般的にボーナスが支払われない働き方です。しかし、なかには派遣会社の規定や派遣の形態によって、賞与が支給される場合もあります。
「派遣社員として働きたいがボーナスもほしい」という方は、希望する派遣先企業に賞与規定があるか、自分の希望する働き方でボーナスは支給されるのかを事前に確認しましょう。
現在の派遣先企業にいてもボーナスをもらえる見込みがない場合は、派遣会社の担当者に相談する、正社員へ転職するなどといった方法もあります。
しかし、ボーナスだけを目的に正社員に転職してしまうと、正社員の働き方が自分に合わず後悔する可能性もありえるでしょう。また、規定を確認しないまま転職した場合は、賞与規定がない会社に転職してしまったというような結果になる恐れもあります。
転職の際は応募先企業の規定をよく調べ、自分の置かれている状況や希望に合った雇用形態で、自分らしく働けるようにしましょう。
JOBPALでは、派遣社員と正社員、どちらの求人も掲載しています。ボーナスがある求人も掲載しているので、ぜひご活用ください。
関連記事
人気ランキング
以下の条件から求人を探す
都道府県からお仕事を探す
職種からお仕事を探す