契約満了とは?派遣や契約社員が失業保険給付金を貰う条件や履歴書の書き方を解説
※この記事は6分で読めます。
「『契約満了』ってなに?」
「契約満了で失業保険が受け取れるか知りたい」
など、契約満了に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
契約満了とは企業と交わした契約期間が満了したことを指し、契約満了後は「正社員になる」「他の派遣会社を探す」などといったキャリアを目指すことになります。
今回は、契約満了とはどんな状態を指すのか、失業給付を受け取る手続き、履歴書への書き方などを解説します。この記事を読めば契約満了のことがよくわかり、転職活動の履歴書作成にも活かすことができます。
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1.契約満了とは
契約満了とは、契約社員や派遣社員など有期雇用で働く人が、企業との間で定められた契約期間を迎えて退職することを指します。
正社員やアルバイトは期間の定めがない雇用形態ですが、派遣社員や契約社員は契約期間の定めがある場合がほとんどです。契約を更新しない限りは契約満了で退職することになります。
1-1.契約満了は30日前までに通知される
有期雇用で働く場合、原則として契約期間が過ぎれば自動的に労働契約は終了します。ただし、「3回以上契約が更新されている場合」「1年を超えて継続勤務している人」については、使用者が契約を更新しない場合は30日前までに労働者に予告しなければならないと定められています。
告知がないまま契約満了になると違法行為にあたるため、上記の条件で契約しているにも関わらず契約更新について連絡がない場合は、すぐに契約状況を確認しましょう。
1-2.「契約満了」と「契約解除」「雇い止め」の違い
契約満了と似た言葉に「契約解除」や「雇い止め」があります。それぞれの違いは以下の通りです。
契約満了 | 企業との間で定められた契約期間を経て退職すること |
契約解除 | 企業との間で定められた期間中に雇用契約を解除すること |
雇い止め | 有期契約で雇用していた従業員を何回も雇用していたにも関わらず、契約更新をせずに(実質解雇の形で)契約を終了させること |
2.派遣社員や契約社員が契約満了になるケース
派遣社員や契約社員などの有期雇用は、会社判断で契約満了となる場合があります。どのようなケースで契約満了に至るのか、ケース別に見ていきましょう。
2-1.正社員として雇用される
仕事ぶりが評価されて正社員として雇用される場合、派遣社員・契約社員としての契約は満了となります。
派遣社員・契約社員から正社員への登用がある企業では、求人情報に「正社員登用制度」の記載があります。
2-2.会社の都合で更新されない
会社の経営状況によっては、派遣社員や契約社員が契約を更新されず満了を迎えるケースがあります。
主な例としては、派遣社員や契約社員の手を借りなくても業務が回るようになった、経営悪化による人件費の削減などが挙げられます。
ほかにも、派遣社員や契約社員の担当業務を正社員がおこなうようになったなどの理由も考えられます。
2-3.勤務可能期間の上限3年に達した
派遣社員の場合、同じ企業の同一部署で勤務を続けられる期間は3年までという、いわゆる「派遣法3年ルール」があります。この期限を迎えると、契約満了となります。
ただし、すべての派遣社員に3年ルールが適用されるわけではありません。以下のような場合は、例外として3年を超えても同じ職場で働くことが可能です。
- 無期雇用派遣契約をしている
- 産休・育休などで休業中の労働者の代替業務をしている
- 60歳を超えている
- 有期プロジェクトに派遣されている
など
2-4.勤務態度、能力に問題があった
契約満了は会社の都合ばかりではなく、能力不足や遅刻が多いなど本人の労働状態を理由としたケースもありえます。
有期雇用労働者といえども、継続して働きたいと考えるなら真面目にミスなく働き、スキルの向上に努めることも大切です。
3.契約満了の失業保険給付金について
派遣社員や契約社員として契約満了に至った場合は、失業保険の給付を受けることができます。
失業保険の詳細は以下で詳しく解説しています。
3-1.失業保険給付金とは
失業保険給付金は、正式には「基本手当」と呼ばれています。雇用保険の被保険者が定年・倒産・契約満了などによって離職した場合に、一日でも早く再就職するための手当として支給されます。
給付される所定日数は、離職日における「年齢」、雇用保険の被保険者であった「期間」、および離職の「理由」などによって90日~360日の間で決められます。
3-2.契約満了でも失業保険は貰える?
失業保険は、どのような雇用形態でも一定条件を満たせば受給することができます。正社員だけではなく、契約が満了した派遣社員や契約社員、またパートやアルバイトも受給の対象となります。
3-3.失業保険受給の一定条件
失業した人すべてが基本手当を受給できるわけではありません。基本手当は、離職前の勤務先で雇用保険に加入していることと、一定の条件を満たすことで受け取れます。大前提となる「雇用保険」への加入条件は以下の通りです。
【雇用保険に加入できる条件】
- 31日以上継続して雇用されることが見込まれる者であること。
- 一週間の所定労働時間が 20 時間以上であること。
3-4.失業保険受給に必要な在職期間
失業保険(基本手当)が受け取れる条件は、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによっても異なります。
【自己都合退職】
- 一般の離職者の場合
離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること。 - 特定理由離職者の場合
自己都合による退職でも、「自分の意思に反する正当な理由」による退職である場合、または有期労働契約の更新を希望したのに認められず離職した人は、「特定理由離職者」として、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あることを満たすことが条件となります。
【会社都合退職】
- 特定受給資格者の場合
離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あること。
3-5.失業保険の受給額
失業手当がもらえる期間=「所定給付日数」は、離職理由や年齢、被保険者期間などによって90日~360日の間で決まります。
一日当たりの給付金額は、「年齢」および「離職直前6ヵ月に支払われた賃金の合計金額から180日で割った金額(賃金日額)」を基準に、およそ50%~80%(60歳~64歳は45%~80%)が支給されます。給付金額は、賃金の低い人ほど高い割合で計算されます。
また、年齢によって一日の給付額には以下のような上限が設定されています(令和4年8月1日現在)。
30歳未満 | 6,835円 |
30歳以上45歳未満 | 7,595円 |
45歳以上60歳未満 | 8,355円 |
60歳以上65歳未満 | 7,177円 |
-
※参照:雇用保険の基本手当日額が変更になります|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000968115.pdf
4.契約満了の通知後、次の仕事はすぐ探せる?
契約期間満了の通知を受けたら、新しい仕事先を見つけなければいけません。その場合、満了日を待たずに仕事を探し始めても問題ないのでしょうか?
4-1.仕事を探しても問題ない
契約期間が満了する前に、次の職場を探すことは問題ありません。退職日がはっきりと決まっていない場合、履歴書には「在職中」と記載し、採用担当者にはまだ離職していないことをはっきり伝えます。
満了日が決まっている場合は日付も書いておくと、入社日の調整もしやすくなるのでおすすめです。
4-2.「契約満了」が応募先企業に与える印象
履歴書や職務経歴書に「契約終了」「契約満了」と書くと、良いイメージを持たれないのではと心配する人もいるかもしれません。しかし、契約満了で退職したという内容は堂々と書いても面接に悪影響はないと考えて良いでしょう。
正社員とは違い、契約社員は期間を定めて雇用されています。このため、契約満了は「企業と取り交わした契約期間を勤めあげた」という証でもあるため、最後まで仕事を完遂させたというアピール材料にもなります。ネガティブにとらえず、自信を持って面接に臨めば問題ありません。
5.契約満了後の働く先の探し方
仕事を探す方法には多くの種類があり、どのような方法が向いているかは人によっても異なります。ここからは契約満了後の仕事の探し方について解説します。
5-1.派遣社員の場合
派遣社員の場合は、契約満了後に働く別の派遣先を探したり、派遣元の会社を変えたりして仕事を探す流れになります。
新たな派遣先企業によってはキャリアアップも期待できるため、次はどんな仕事をしてみたいのか、あらためて見直してみることもおすすめします。
派遣社員としてキャリアアップする方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
5-1-1.別の派遣先を探す
派遣元の企業から新しい仕事を紹介してもらって別の派遣先で働く方法です。契約満了となった企業での業務を振り返り、良かった点や働きにくかった点があれば率直に伝え、次の仕事探しに活かしましょう。
派遣社員として十分なスキルを積めたと判断できれば、次回は正社員登用ありの企業を視野に入れるのも良いでしょう。
5-1-2.別の派遣会社に登録する
現在在籍している派遣会社とは別の派遣会社に登録するのも一つの方法です。派遣会社にはそれぞれさまざまな特徴があり、紹介してくれる求人の種類も異なります。
「ある業界に特化した求人に強い」「ある職種に特化した求人が豊富」など、自身に合った会社に登録することで、探せる仕事の幅が広がることもあります。
さらに、複数の派遣会社に登録して仕事を探す方法もあります。そのメリット・デメリットについては以下の記事を参考にしてみてください。
5-2.ハローワークで仕事を探す
派遣社員や契約社員に限ったことではありませんが、仕事探しの基本の窓口の一つとなるのがハローワーク。失業保険の申請にもハローワークでの手続きが必須ですので、給付手続きと一緒に次の仕事先を探すと効率的です。
派遣社員や契約社員だけでなく、正社員の求人票が集まっていることもメリット。自身のスキルや希望に合わせて仕事を探すことができます。
5-3.求人サイトで探す
ハローワークに出向くのが難しいという人は、求人サイトを利用して仕事を探すこともできます。
スマートフォンやPCで自分の好きな時に求人情報を検索できることがメリットで、担当者の仲介がなくても応募まで進めることができます。
5-4.転職・就職エージェントを活用する
「就職活動に不安がある」「希望に合った仕事が見つからない」などといった場合は、転職・就職エージェントの活用がおすすめです。求人探しや選考対策、企業とのやり取りまで、キャリアアドバイザーが一貫かつ無料で担ってくれます。
経歴や希望に合った企業や職種をピックアップしてくれるため、自分だけで応募先を探すよりもミスマッチが起こる可能性が低いでしょう。
「ジョブパル」では自分で求人を探すだけではなく、お仕事の相談もしていただけます。あなたのお仕事に関するお悩みをお聞かせください。
6.契約満了の場合の履歴書の書き方
契約満了で退職した場合は、その旨を履歴書に正直に書くことが大切です。ただし、どのように書けば良いのかわからないという人もいるのではないでしょうか。そんな場合の履歴書の書き方をご紹介します。
6-1.職歴を書く際の書き方
履歴書や職務経歴書で職歴を書く場合は、一般的に「入社」や「退職」が使われますが、契約社員の場合は少し工夫をして「入社(契約社員)」「契約期間満了につき退職」と記載しましょう。
「契約社員として入社したこと」「契約社員としての期間満了まで勤めあげたうえでの転職活動である」という情報が採用担当者にも伝わりやすくなります。
また、派遣社員の場合は「派遣社員として登録 ◯◯職として勤務」「契約期間満了のため退職」と書きます。
以下の記事では、派遣会社に提出する履歴書の書き方を詳しくご紹介しています。
6-2.履歴書に書く退職理由
履歴書の職歴欄には、そのまま「契約満了のため退職」と書いてOKです。企業との契約期間をしっかり満了した証であり、正直に書いたからといってマイナス評価につながることはありません。
より具体的に退職理由を伝える場合は、職務経歴書に書くか面接時に伝えるようにしましょう。
7.まとめ
契約満了とは、企業と交わした有期の雇用契約を満了した状態を指す言葉です。雇用期間の途中に契約が終了する「契約解除」や、自身が継続雇用を希望しているのに企業側に更新を拒否される「雇い止め」とは意味合いが異なります。
契約満了後は転職活動が必要ですが、履歴書には堂々と「契約満了」と書いて問題ありません。ハローワークや転職サイト、転職エージェントなどを活用し、自身のキャリアアップにつながる企業を探しましょう。
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