工場はどれくらい残業がある?残業なしの工場の特徴も解説
※この記事は5分で読めます。
「工場は残業が多いって本当?」
「残業時間が短い工場の特徴を知りたい」
など、工場の残業時間に関して詳しく知りたい方もいるでしょう。
工場は残業時間が長いというイメージがあるかもしれませんが、二交代や三交代の工場などでは残業時間が短めの傾向にあります。
今回は、工場の残業が多いのは本当か、残業が多い工場の特徴、残業がない工場の特徴などを解説します。この記事を読めば、工場と残業時間の関係がよくわかり、転職活動の参考にできます。
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1.工場は残業が多いって本当?
工場に限った話ではありませんが、残業が多いかどうかは工場を運営する企業によって変わります。工場だから残業が多いとは限りません。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和5年8月分結果確報」によれば、製造業の1ヵ月の所定外労働時間は12.7時間でした。
同資料によれば、運輸業・郵便業の残業時間は22.2時間、鉱業・採石業等が17.8時間、情報通信業で14.3時間となっており、製造業はそれらと比較すれば残業時間は少なめです。
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参照:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年8月分結果確報」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2308r/dl/pdf2308r.pdf
また、毎年8月の製造業の労働時間を比較すると以下のようになり、残業時間は減少傾向にあることがわかります。
確報 | 残業時間 |
---|---|
2019年(令和元年)8月 | 14.2時間 |
2020年(令和2年)8月 | 10.4時間 |
2021年(令和3年)8月 | 13.4時間 |
2022年(令和4年)8月 | 13.7時間 |
2023年(令和5年)8月 | 12.7時間 |
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参照:厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査):結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1a.html
ただし、工場によっては長時間の残業が発生することもありますし、なかには長時間労働が当たり前になってしまっている工場もあるでしょう。工場に転職したい場合は、残業時間が長い工場の特徴を知っておくことをおすすめします。
2.残業が多い工場の特徴
工場によって毎月どれくらいの残業時間が発生するかはまったく異なりますが、残業が多い工場の主な特徴は以下のとおりです。
2-1.人手が足りていない
残業が多い最大の理由は、人手不足でしょう。
もし、100人で回していた工場で10人が退職してしまったら、残った90人に退職した10人分の仕事が割り振られることになります。自分の業務にプラスして退職した方の業務もこなすことになるため、自然と残業時間は増加します。
日本は今、少子高齢化が進行しています。工場のベテランが一気に定年退職し、若者が少ないことから新規採用も難しくなると、残った社員にしわ寄せが行くことになります。
2-2.繁忙期がある
明確な繁忙期がある工場では、季節によって残業時間が多くなります。
繁忙期は受注量が一気に増えて生産量も増大するため、定時までに業務を終わらせることができないと残業になります。残業しても終わらない場合は休日出勤になる可能性もあるでしょう。
製造数を上げるには、製造時間を増やすか作業を効率化しなければなりませんが、すでにオートメーション化している製造工程を効率化するのは簡単ではなく、どうしても作業時間を増やすことになります。
人員を増やせば残業時間を減らせるかもしれませんが、繁忙期を過ぎたあとの過剰人員を避けるために人員が補充されない可能性もあります。結果として、限られた人員で大量の仕事を回すことになり、残業が増えてしまいます。
2-3.トラブルが多い
残業が多くなる原因には、製造担当者の力量や製造機械の性能も関係します。
まず、担当者の力量に問題がある場合、不良品のまま気付かずに製造するなどして出荷がNGになり、再生産を命じられることになります。そうなればライン全体の仕事が振り出しに戻るため、残業時間が増えます。
また、機械はどれだけメンテナンスをしても故障はつきもので、特に繁忙期に稼働時間を増やすとエラーが起こりやすくなります。
一度ラインが止まると、製造ストップの原因究明し、修理を施すことになりますが、仕事が止まったぶんだけ作業が溜まり、残業になってしまうでしょう。
3.残業がない工場もある
工場の残業が多いか少ないかは業務体系によっても変わります。
工場で働く人々のなかには、残業をほとんどしないのに月収35万円以上などの好条件で働いている方もいます。残業なしと高収入を両立できる理由は、二交代・三交代といった勤務形態と夜勤の存在にあります。
24時間体制で稼働している工場の場合、シフトはほとんどが昼夜交代の二交代制や三交代制です。自分が上がる時刻には次に出勤する方が待機しているため、残業があまり発生しません。
また、二交代や三交代では定期的に深夜勤務が回ってきますが、22時~翌5時までは深夜手当で給料が25%上がります。こうした理由により、残業なしの高収入が実現します。
近年では、工場を定年退職する方が増え、若手を募集しているところも増えています。工場で働いているということが一種のステータスになる日も近いかもしれません。
4.工場の残業に関するQ&A
最後に、工場の残業に関してよく聞かれる質問とその回答をご紹介します。
4-1.工場の残業時間には上限がありますか?
労働基準法では、時間外労働(休日労働は除く)の上限を月45時間、年間360時間と定めています。臨時的または特別の事情がない限り、これを超えることはできません。
もし臨時的な事情で労使合意がなされている場合でも、年間の時間外労働は年720時間以内、年間の時間外労働と休日労働の合計は月100時間未満、2~6ヵ月平均で80時間以内にしなければいけません。
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参照:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf
4-2.工場で働きたいのですが、残業ができない場合は働けないでしょうか?
何らかの事情で残業ができない場合、残業が少ない工場を選ぶという選択肢もあります。例えば二交代・三交代の工場であれば、定時のあとは次の出勤者が控えているため残業が少ない傾向にあります。
また、繁忙期がなく1年を通して安定して需要がある工場を選ぶことでも、繁忙期の残業を避けられるでしょう。
残業時間の有無や程度については、転職サイトなどに相談して知ることもできます。例えばJOBPALでは、面談を通じて気になる企業の残業時間を確認できたり、月の残業時間の希望に合う企業を紹介してもらったりすることが可能です。
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また、残業が少ない業界を知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。
5.まとめ
残業が多いイメージで語られることもある工場の仕事ですが、実際に残業が多いかは工場によって異なります。二交代や三交代の職場なら、次のシフトの出勤者が控えているため比較的残業時間を短くできます。
ただし、残業が少ない工場でも、トラブルが何度も起こったり人手が不足していたりすると、残業時間が長くなる可能性もあります。
残業時間を短く抑えたい場合は転職サイトの面談サービスなどを活用して、自身が希望する残業時間に収まるような企業を紹介してもらいましょう。
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