営業事務とは?仕事内容や給与目安、やりがいやメリット、向き不向きを解説

この記事で分かること
- 営業事務は、営業部門に所属して営業担当者のサポートをする仕事である
- 営業事務の仕事は、電話・メール対応や書類・資料の作成、受発注業務など多岐にわたる
- 営業事務は、直接感謝されたり貢献している実感を持てたりするなどのやりがいがある
- ワークライフバランスを保ちやすく、幅広いスキルを身につけられるのが営業事務のメリットである
※この記事は6分30秒で読めます。
「営業事務ってどのような仕事?一般事務と何が違うの?」
「営業事務で働くメリットや必要なスキルが知りたい」
など、営業事務に関してさまざまな疑問を持っている人もいるでしょう。
営業事務は営業担当のサポートが主な業務内容で、ワークライフバランスを保ちながらやりがいのある仕事ができる点が特徴です。
今回は、営業事務の概要、メリット・デメリット、向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めば営業事務がよくわかり、自分に合う仕事かどうか判断できます。
エリアから工場・製造業のお仕事を探す
1.営業事務とは?
営業事務は、営業部門に所属して営業担当の事務まわりをサポートする仕事です。「営業サポート」や「営業アシスタント」とも呼ばれます。
仕事内容は書類作成や電話対応などと多岐にわたりますが、営業担当者の仕事が円滑に進むよう周辺を整える、縁の下の力持ちのような存在です。
営業事務は、営業職や一般事務と混同される場合も多いため、それぞれの違いを理解しましょう。
1-1.営業との違い
営業は、顧客の要望や課題を解決するために自社の商品やサービスを提案する仕事です。すでに取引のある顧客に新しいサービスを提案したり、新規顧客を開拓したりします。
営業事務は、あくまでも営業部門の事務職を担う職種です。そのため、自らは営業活動をおこなわず、サポートに徹します。
会社によっては、営業担当の外回りに同行する場合もありますが、営業事務一人で営業活動はおこないません。
1-2.一般事務との違い
一般事務は、対象部署を限定せず幅広い事務作業を引き受けます。対して営業事務は、営業担当のサポート限定です。
営業事務も一般事務と同じように事務作業を担当しますが、仕事内容の領域が異なる点を把握しておきましょう。
他の事務職の種類や詳しい仕事内容について知りたい場合は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。
2.営業事務の主な仕事内容
営業事務の主な仕事内容を解説します。
2-1.電話・メール対応
電話・メール対応は、社内外からの問い合わせや受発注に関する対応をおこないます。サポート役として対応するため、営業担当者とうまく連携を取りながらの業務の遂行が大切です。
また、クレーム対応を求められた場合は、瞬時に顧客の要望を汲み取り、落ち着いて臨機応変に対処する必要があります。
2-2.スケジュール調整
顧客のもとに出向いたり来客に対応したりする営業担当のために、スケジュールを調整するのも営業事務の仕事です。
営業事務は、営業担当が円滑に仕事を進められるようチームメンバーや顧客の予定も踏まえながら、綿密にスケジュールを管理する必要があります。
2-3.書類や資料の作成
顧客に提示する以下のような書類や資料の作成、チェックも営業事務の仕事の一つです。
- 見積書
- 発注書
- 注文請書
- 納品書
- 契約書
- 請求書
- 検収書
取り扱う書類は多岐にわたり、定められた期間内に正確に作成・チェックする必要があります。
2-4.受発注関連業務
営業事務は、受発注業務やデータ入力などにも対応します。データをもとに売上や在庫管理などがおこなわれるため、正確に入力しなければなりません。
単純作業ですが、データを入力しながら間違えていないかを確認する必要があります。パソコンの扱いやタイピングに自信のある人は、取り組みやすい業務でしょう。
3.営業事務の給与の目安
正社員として働く営業事務の平均年収は496万3,000円、ハローワーク求人統計データによると求人賃金の月額は22万3,000円です。
営業事務には派遣やアルバイトの求人もあります。
派遣やアルバイトは、正社員とは異なり働く時間や時間帯を生活にあわせて柔軟に選べる点がメリットです。そのため、自分が置かれている状況によっては、正社員よりも派遣社員やアルバイトのほうがよい場合もあります。
しかし、基本的には正社員としての就職がおすすめです。正社員は福利厚生が整っており、社会保険への加入や各種手当の支給などの対象になる点がメリットです。
参照:厚生労働省職業情報提供サイトjobtag「営業事務」
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/431
4.営業事務ならではのやりがい
営業事務として働くやりがいを3つお伝えします。
4-1.ありがとうの言葉をもらえる
営業担当からかけてもらう「ありがとう」という感謝の言葉は、やりがいに直結します。営業事務がうまくサポートすればするほど、営業担当は仕事をしやすいです。
そのため、先を見越し、かゆいところに手が届く立ち振る舞いができれば、より感謝の気持ちを持ってもらえるでしょう。
4-2.貢献している実感が得られる
事務は一見地味に思えますが、営業事務の手腕が営業担当の成績を左右する場合はよくあります。
営業担当の仕事が円滑に進み、新規顧客の獲得や契約の延長などの成果が見えると、営業事務として貢献している実感が得られます。
また、営業担当や同僚と成果に対する喜びの共有も可能です。営業事務としてのやりがいを感じ、充実感を得られるでしょう。
4-3.スキルアップできる
営業事務の仕事は書類の作成に関わる機会が多いため、業務を通してパソコンスキルが向上します。
契約関連の書類作成はWord、請求書や在庫管理などはExcel、提案資料や営業資料はPowerPointなど、特にマイクロソフト関連のソフトウェアを使う機会は多いです。
5.営業事務ならではの大変さ
営業事務として働く大変さを詳しく解説します。
5-1.月末・月初は忙しい傾向がある
契約書の発行・送付や入金確認などの月次業務は、月末・月初に集中する場合が多いため、営業事務の仕事も忙しくなりがちです。あわせて、顧客からの問い合わせや連絡も多くなります。
しかし、月次業務と並行して、日常業務も普段どおりに進めなければなりません。業種や企業にもよりますが、就業時間内に終わらず残業する場合もあります。
5-2.クレーム対応をすることもある
営業事務は、営業担当のサポート役として顧客からのクレームに対応する場合もあります。
内容によっては顧客と営業担当の間で板挟み状態になり、精神的な負担を大きく感じてしまう人もいるでしょう。
6.営業事務で働くメリット
営業事務で働くメリットを詳しく解説します。
6-1.ワークライフバランスを保ちやすい
営業事務は残業が少なめの傾向にあります。営業事務は顧客とやりとりする機会が少なく、自分で業務時間の調整ができるからです。
家庭や趣味などのプライベートも大事にでき、ワークライフバランスが取りやすい職種といえるでしょう。
6-2.幅広いスキルを身につけられる
営業事務は日々さまざまな作業をおこなうため、働きながら幅広いスキルを身につけられます。例えば、顧客からの問い合わせ対応では、相手の要望を把握し適切に回答するスキルを身につけられます。
また、営業業務全体を把握しながら仕事を進める必要があるため、スケジュール管理能力や臨機応変な対応力を伸ばせるでしょう。
7.営業事務に求められること
営業事務として活躍するために身につけたほうがよいスキルや、取得しておくと役立つ資格を4つお伝えします。
7-1.パソコンスキル
営業事務の仕事をするうえで、パソコン関連のスキルは必要です。営業事務は、各種書類の作成やデータ入力の作業が求められるため、パソコンが使えないと仕事ができません。
具体的にはWordやExcel、PowerPointは、使えるほうがよいでしょう。
7-2.コミュニケーション能力
コミュニケーション能力も、営業事務として欠かせないスキルの一つです。営業事務の仕事は、営業担当や顧客とのやりとりが非常に多いため、円滑な業務進行には聞く力や伝える力が欠かせません。
信頼関係を構築するためにも、相手目線で誠実なコミュニケーションを取る能力が求められます。
7-3.最低限のビジネスマナー
他の職種と同様、営業事務にもビジネスマナーは不可欠です。事務職といっても一人で黙々と作業し続けるのではなく、電話やメール、来客対応など幅広い業務があります。
したがって、相手に不快感を与えない言葉遣いや立ち居振る舞いの習得が大切です。ビジネスマナーに自信がない場合は、秘書検定の勉強をすると実務に役立つ知識を得られるでしょう。
以下の記事では、しっかり身につけておきたい基本的なビジネスマナーについて解説しています。
7-4.タスク管理能力
営業事務は、書類作成や電話対応などに加えて営業担当者のスケジュール管理をおこないます。自分の仕事だけでなく、営業担当者のスケジュールを把握して管理する必要があるため、タスク管理能力が必要です。
期日までに抜け漏れなく業務を遂行するには、仕事の優先順位付けや作業の効率化などの工夫が求められます。
8.営業事務の仕事に向いている人の特徴
営業事務の仕事に向いている人の特徴を5つ解説します。
8-1.コミュニケーションを取るのが好きな人
人とコミュニケーションを取るのが好きな人は、営業事務に向いています。営業事務の仕事は、常に営業担当や顧客とコミュニケーションを取らなければなりません。
どのような人と話しても楽しいと感じられるなら、営業事務として活躍できるでしょう。
8-2.タスク管理能力が高い人
タスク管理能力が高い人も、営業事務に向いています。営業事務の重要な仕事の一つに、営業担当のスケジュール管理があるからです。
商談の伝達漏れや予約の重複が生じないよう、正確なスケジュール管理が大切です。状況に応じて優先順位を見極められる人なら、営業事務としての役目をしっかりと果たせるでしょう。
8-3.事務仕事が好きな人
事務仕事が好きな人は、営業事務の素質があります。
「好き」と「向いていること」は必ずしも直結しない場合もありますが、好きで仕事を楽しめる場合は、多少の困難があっても乗り越えられるでしょう。
8-4.柔軟性がある人
柔軟な思考を持っている人は、営業事務としての活躍が期待できます。営業事務は、営業担当や顧客の動きによって仕事内容やスケジュールが変動するからです。
予期せぬ変更や突発的に仕事が発生する場合もありますが、柔軟な対応力でさばける人であれば問題ないでしょう。
8-5.自発的に動ける人
営業事務の仕事は、営業担当の指示を待つ人ではなく自分で考えて動ける人が適しています。指示待ちをしていると、営業担当の負担や仕事を増やしかねません。
書類の作成や整理、連絡の取次ぎなどで自発的に動ける人は、縁の下の力持ちとして活躍できるでしょう。
9.営業事務の仕事に向いていない人
営業事務に向いていない人の特徴を3つお伝えします。
9-1.一人で黙々と働きたい人
営業事務は、事務職の中でも特にコミュニケーションを取る機会が多い仕事です。そのため、人の動きに左右されず自分のペースで働きたい人にはあまり向いていません。
来客の会話や電話の着信音で賑やかな職場で働く場合も多く、静かな環境で目の前の仕事に専念したい人にも不向きです。
9-2.データや数字を扱うのが苦手な人
データや数字に苦手意識がある人も、営業事務には向いていないでしょう。営業担当が使用する提案資料や営業資料の作成にあたっては、内容の根拠となるデータや数字を多用します。
また、見積もりや請求書作成も仕事のため、データや数字の取り扱いは避けられない環境です。データや数字に苦手意識を持つ人は、次第に仕事を苦痛に感じてしまうおそれがあります。
9-3.向上心がない人
営業事務に限らず、日々の仕事を効率良く実践するための工夫をする向上心は大切です。
営業事務のやる気が営業担当の意欲や成績を左右する場合もあるため、向上心がないと敬遠されるでしょう。
10.営業事務に関するよくあるQ&A
営業事務に関するよくある質問を解説します。
10-1.一般事務と営業事務はどちらが働きやすい?
人によって向き不向きがあるため、一般事務と営業事務のどちらがよいとは一概にはいえません。
一般事務は、根気強さが必要な仕事を堅実に進めるのが得意な人に向いています。営業事務の場合は、臨機応変かつ正確な仕事で営業担当をサポートできる人に適職です。
あなたの得意分野や、苦にならないことを洗い出して選びましょう。
10-2.未経験から営業事務として働くには?
営業事務の仕事は、正社員または契約社員での募集が一般的です。ある程度の経験を積みスキルが身につけば、契約社員から正社員へ登用される場合もあります。
求人は未経験歓迎も多く、他職種からの転職も十分可能です。職歴やスキルで営業事務に活かせる点がある人は、しっかりアピールしましょう。
未経験転職で不安がある場合は、転職サポートの利用もおすすめです。
JOBPALでは、就職や転職に関する相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
10-3.営業事務はどのような雇用形態で働けますか?
営業事務の雇用形態の具体例は、以下のとおりです。
- 正社員
- 派遣社員
- 契約社員
- パート
さまざまな雇用形態があるため、勤務日数や時間など自分が希望する条件に合わせて選びましょう。
10-4.営業事務として働いている人にはどのような学歴の人が多いですか?
営業事務は大卒の人が多いです。厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagの「営業事務」によると、大卒者は57.8%です。
しかし、高卒未満や専門学校卒の人を採用している企業もあります。そのため、学歴を心配しすぎる必要はないでしょう。
参照:厚生労働省職業情報提供サイトjobtag「営業事務」
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/431
10-5.営業事務の仕事に英語能力は必要ですか?
基本的には英語能力がなくても、営業事務の仕事はできます。
ただし、外資系企業やグローバルに事業を展開している企業では、英語能力を求められる場合があります。
10-6.営業事務の1日は、どのような流れになりますか?
営業事務の1日の流れの具体例は、以下のとおりです。
- 9:00〜 メールや1日の作業の確認
- 10:00〜 見積書や提案書などの作成
- 12:00〜 休憩
- 13:00〜 受発注対応や伝票処理
- 16:00〜 営業担当との打ち合わせ
- 17:00〜 翌日の仕事や予定などの確認
- 18:00 退勤
その他、随時電話対応や問い合わせ対応をこなします。また、業務量が増えやすい繁忙期や月末・月初などは、流れが変わる場合もあります。
10-7.営業事務として働くにあたって、あるとよい資格を教えてください。
営業事務にあるとよい資格の具体例は、以下のとおりです。
- MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
- 秘書検定
- 日商簿記
- ビジネス実務法務検定
- ビジネス・キャリア検定
MOSは、ExcelやWordなどのMicrosoft Office製品の知識や操作スキルを証明する資格です。資料作成やデータ分析などに役立つスキルの保持を証明できます。
秘書検定は秘書を目指す人に向けた資格ですが、ビジネスマナーや社会人としての基礎的なスキルの習得をアピールできるでしょう。
日商簿記は会計知識の習得を証明できる資格で、契約書や請求書作成の他、経理処理などに役立ちます。
ビジネス実務法務検定は、ビジネスに必要な法律の知識を習得できます。契約書や誓約書など、取引に関係する書類作成時に役立つでしょう。
ビジネス・キャリア検定は、生産管理やマーケティングなどの事務や管理を幅広く扱う資格です。担当する職務の遂行に必要な知識の習得を証明できます。
11.まとめ
営業事務は、営業部門における縁の下の力持ちのような位置付けです。
どのような動きをすれば営業担当の仕事が円滑に進むかや、顧客と良好な関係性が構築できるかなどを考える必要があります。また、営業事務には周りへの気配りや、自発的な行動が求められます。
単なる事務作業にとどまらず、さまざまな人とコミュニケーションを取りながら向上心を持って仕事がしたい人は、営業事務への転職を検討してはいかがでしょうか。
JOBPALでは、数多くの事務職関連の仕事の求人情報を掲載しています。少しでも気になる求人があれば、ぜひお気軽にご応募ください。

関連記事
人気ランキング
工場・製造業の職種図鑑
以下の条件から求人を探す
都道府県からお仕事を探す
職種からお仕事を探す