職務経歴書の正しい書き方!書くべき項目と記載例を紹介

この記事で分かること
- 職務経歴書とは、実績やスキルなどをわかりやすくまとめた書類
- 職務経歴書でチェックされるのは、各項目の整合性や信頼度、自社に貢献できる人材かどうか
- 職務経歴書は企業から指定がない場合、自分の魅力を伝えられる形式を選んで良い
- 職務経歴書を書く際は読みやすさや具体的な実績、履歴書との整合性を保つことが大切
- 職務経歴書は、提出前に第三者にもフィードバックをもらうことでより良くなる
※この記事は6分30秒で読めます。
「職務経歴書ってどうやって書けば良い?」
「高評価をもらえる職務経歴書の書き方を知りたい」
など、職務経歴書の作成方法に関して詳しく知りたい方もいるでしょう。
職務経歴書とは、採用選考で合否を左右する重要な書類です。正しい書き方を知れば、採用担当者からの評価を高められます。
今回は、職務経歴書の役割、採用担当者がチェックしている内容、書く前に準備したほうが良いこと、職務経歴書に書くべき項目と記載例などを解説します。この記事を読めば、職務経歴書の正しい書き方や作成のコツがわかり、今後の転職活動に役立てられます。
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1.職務経歴書とは?
職務経歴書とは、過去に経験した仕事や保有スキルなどを客観的にわかりやすい形にまとめた書面です。
職務経歴書とともに採用選考書類として用いられる履歴書は、記載すべき項目が固定化されているため、フォーマットもおおむね標準化されています。
一方、職務経歴書は、経歴をもっとも効果的に記載できるフォーマットを既存のものから選択したり、自作したりできるのが特徴です。
上記を踏まえ、職務経歴書と履歴書との違い、また職務経歴書でチェックされる項目について解説します。
1-1.職務経歴書と履歴書との違い
履歴書は、パーソナルな情報をまとめて一覧にした書面です。名前・性別・生年月日・居住地・学歴・保有資格など、その方の基本情報や人生の歩みを第三者にわかりやすく提示できます。
採用選考においては多くの場合、人事担当者がはじめに目を通す応募者情報となります。
一方、職務経歴書はその名のとおり、職務経歴に特化した書面です。履歴書にも職歴は記載しますが、あくまでも概要のみとなるため、より詳細な情報は職務経歴書にて提示します。
多くの場合は、社名・業種・職種・役職・仕事内容・実績・習得したスキルなどを記載しますが、履歴書のように書き方に決まりはありません。
自身が必要だと思う項目、分量を盛り込む形なので、使い方次第でより魅力的なアピールが可能となります。
履歴書の書き方については、以下の詳細記事をご覧ください。
2.職務経歴書で担当者がチェックしていること
選考において、職務経歴書は採否の重要な判断材料となります。業界・職種・企業風土などによって重視する要素は異なりますが、以下のポイントは多くの採用担当者がチェックするポイントです。
- 経歴の内容、志望動機、自己PRなどの各項目に整合性があるか
- 記載内容に信頼性があるか
- 転職理由に納得感が得られるか
- 充足したいポジションを任せられる人材か
職務経歴書とは、経歴を紹介する・伝えるものであると同時に、「自分はこのような人物であり、応募先企業に貢献できる人材です」と自分を売り込むツールでもあります。
上記4点のポイントを踏まえ、できる限りわかりやすくかつ詳細に記載しましょう。
3.職務経歴書を書く前に準備すべきこと
職務経歴書は、いざ書こうと思ってもいきなり書けるものではありません。そのため書くための材料を揃える必要があります。
職務経歴書を書く前に準備すべきことは、以下の3点です。
- 自己分析をして強みや弱みを把握する
- これまでのキャリアの棚卸しをおこなう
- 応募先企業や業界に関する研究をおこなう
1つずつ詳細をみていきましょう。
3-1.自己分析をして強みや弱みを把握する
自己分析は、これまでの経験を振り返り、強みや弱みを明確にするためにおこないます。自己分析で、強みを活かし、弱みをカバーする方法を自分で認識できていれば、面接時にも効果的なアプローチをすることが可能です。
また、自己分析は自分の考えをまとめるのにも役立つため「志望動機」「転職理由」「自己PR」にも活かせます。
自己分析のやり方は下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
3-2.これまでのキャリアの棚卸しをおこなう
これまでの職歴や業務内容、自分が関わったプロジェクトなどを詳しく書き出し、実績や成果をリストアップします。応募先の企業で活かせる実績やスキルを整理してみましょう。
キャリアの棚卸しをおこなうと、自分の今持っているスキルがわかり、応募する就職・転職先の選択肢が明確になります。
またキャリアアップのために必要なスキルは何なのかを理解でき、次の行動を起こせるでしょう。
3-3.応募先企業や業界に関する研究をおこなう
応募先の企業が求める人物像を把握するためには、企業のホームページやSNS、プレスリリースなどを確認し、企業のビジョンや事業内容を理解しておくことが重要です。
また、業界に関する研究をおこなうのも大切です。
応募先の企業が属する業界への理解を深めれば、課題やアピールポイントを探しやすくなります。業界内での競合他社や市場の動向も把握しておくと、企業の分析力も高まります。
下記の記事では、企業研究のやり方や活用方法、注意点などを詳しく解説していますのでご覧ください。
4.職務経歴書に書くべき項目と記載例
職務経歴書には、必ず記載しておくべき項目や内容があります。以下の4点については漏れのないように記載しましょう。
4-1.職務要約
職務要約とは、今まで経験した仕事について全体的な流れを簡潔にまとめたものです。採用担当者が職務経歴書でまず初めに目にします。
あくまでもまとめなので、おおよそ100~200文字程度で書くのが一般的です。2~3行で簡潔にまとめて、採用担当者が読みやすくなるようにしましょう。
採用担当者は、忙しい業務の合間で書類の確認や面談をおこなうため、応募者が多い場合、職務要約で魅力を感じなければ最後まで読んでもらえない可能性があります。
職務要約に記載する内容は、自分のキャリアの中でも特に重要な実績やスキルを記載しましょう。
また、応募する会社の業種によって役立つ実績を記載するのもポイントです。
4-1-1.■職務要約例
大学卒業後から約8年間、株式会社○○にて営業職に従事してきました。既存顧客のサポート業務から始まり、今では新規開拓を中心に携わっています。
直近2年間はチームリーダーも任され、さらなる顧客満足を目指して、メンバーの育成や業務効率化など幅広い業務を遂行しています。
4-2.職務経歴
職務経歴とは、職務経歴書におけるメインの部分になります。以下の内容を網羅するように書き方・形式を検討しましょう。
4-2-1.■企業情報
企業名・事業内容・売上高・資本金・従業員数など
4-2-2.■職務内容
勤務期間・業務内容(所属・営業先・商材・手法・戦略・実績)など
実績(例:2020年の売上達成率115%など。具体的な成果や実績を数字で示す)
4-2-3.■職務経歴例
株式会社○○
事業:不動産仲介・売買・管理
売上高:○万円
資本金:○万円
従業員数:○人
勤務期間:2014年4月~2022年8月
所属:営業部
営業先:個人
商材:分譲マンション
担当エリア:東京都 山手線沿線
営業手法:新規(70%):電話・ポスティング・飛び込み
既存(30%):アフターフォロー
【主な業務内容】
・個人向け分譲マンションの新規営業活動に従事。
・月間平均○件の顧客を担当。提案から見積もり、契約後のアフターフォローまで一貫して対応。
・既存顧客のアフターフォローとして、定期的な状況確認、提案を実施。
【実績】
・2016年度:年間営業成績全国2位獲得(売上:○円)
・2018年度:個人売上○万円 目標達成率○%
・2019年度:個人売上○万円 目標達成率○%
・2020年4月より、チームリーダーに昇格
・2021年度:チーム売上○万円 目標達成率○%
4-3.資格・スキル
資格・スキルも重要なアピールポイントです。特に、応募先企業の実務に関連する資格・スキルであれば採用担当者も好意的に受け取ると予想されるので、しっかりと記載しましょう。
職務経歴書に記載したほうが良い資格やスキルとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 仕事に必要な資格や免許
- 仕事で使用するソフトやツールの経験値
- 仕事で使用するプログラミング言語の経験値
- TOEICのスコア
- 論文や学会発表での実績
4-3-1.■保有資格・スキル例
【資格】
宅地建物取引士試験
普通自動車第一種運転免許
【パソコンスキル】
Word:社内外向けビジネス文書作成(見積書・請求書・報告書など)
Excel:VLOOKUP・IFなどの関数による分析、データベース作成、マクロ作成
PowerPoint:プレゼンテーション資料作成
4-4.自己PR・アピールポイント
職務経歴や資格・スキルの内容を踏まえ、自己PR・アピールポイントを記載しましょう。
職務経歴書はフォーマットに制限がないので、300〜400文字程度でしっかりと書くことができます。
ただし、冗長な記述は避けましょう。
応募先企業に関連性の低いものは思い切って省き、アピールが効果的であると見込まれる内容を、具体的なエピソードや実績を盛り込みながら集中的に記載したほうが、採用担当者には好印象です。
4-4-1.■自己PR・アピールポイント例
自らの営業指針として「お客様との信頼関係」を掲げ、何よりも大切にしてきました。「新規顧客」と一括りにせず、あくまでも一人ひとりのお客様にカスタマイズした営業スタイルを心がけてきました。
始めのうちは思うような成果が得られませんでしたが、諦めず日々地道な営業活動も怠らずにこなしてきた結果、入社から一年後には努力が実を結び、全支店中2位という営業成績を収めることができました。
そのあとは、お客様からのご紹介を受ける機会も多くなり、より仕事の幅が増え、新規顧客の獲得も増加していきました。そして2020年には、過去の実績が認められチームリーダーに任命されました。
自己PRの例文については、以下の記事も参考にしてください。
5.職務経歴書の3つの形式・フォーマット
職務経歴書の書き方には3つの形式が存在します。企業側から指定があれば従う必要がありますが、そうでない場合は自分の経歴内容がより魅力的にわかりやすく見える形式を選択しましょう。
それぞれ特徴が異なるので、以下を参考に検討してみてください。
5-1.編年体(へんねんたい)形式
編年体形式とは、時期が古い経歴から現在に向かって順番に記載する手法です。これは履歴書に記載する職歴欄と同様であり、もっとも一般的な職務経歴書の形式です。
時系列になっているため、どのような経験や実績を経て現在にいたるのか、どのような経緯によってスキルを習得したのかをわかりやすく示せます。
書類選考や面接時に採用担当者が履歴書と職務経歴書を照らし合わせやすい利点もあるので、特段理由がなければ編年体形式を用いるのがおすすめです。
5-2.逆編年体(ぎゃくへんねんたい)形式
逆編年体形式とは、直近の経歴から遡って経歴を記載するもので、編年体形式とは逆の手法です。
最新の経歴が一番上に記載されるため、今回の応募先企業と同業界・同職種など、何らかの共通点がある場合に、採用担当者に強い印象を与えられるメリットがあります。
直近の仕事で習得したスキル、実績、資格などをアピールしたい場合にも、逆編年体形式が最適でしょう。
5-3.キャリア形式
キャリア形式とは、経歴の時期は脇に置き、携わった仕事の属性やプロジェクト単位でまとめていく手法です。
キャリアごとに情報を集約し集中的にアピールできるので、転職回数は多いものの一つの職種を極めてきた場合や、専門性が高く付随する情報量が多い場合などに適しています。
6.職務経歴書の正しい書き方・作成のコツ
職務経歴書はちょっとしたポイントを押さえて作成するだけで、採用担当者の心象アップが狙えます。ここでは職務経歴書の正しい書き方と作成のコツについてご紹介します。
6-1.読みやすさを意識して作成する
読みやすさを意識した職務経歴書作りは重要です。それは、第一印象によってある程度の人物像が想像できてしまうためです。以下のようなポイントに気を配りましょう。
- 殴り書きのような書き方になっていないか
→ 「丁寧な仕事ができない方」とレッテルを貼られてしまう可能性がある。 - 簡潔に述べられているか
→ 冗長な文章は読み手の理解を妨げる。 - 適宜箇条書きを用いているか
→ 複数の要素がある場合は箇条書きで示したほうが情報が伝わりやすい。 - 読み手の目線で書かれているか
→ 持論や主張は自分本位になりがちなので避ける。
このように、せっかく内容が練られていても、表現や書き方を間違えてしまうと採用選考の評価そのものに悪影響を及ぼしてしまいます。
「採用担当者がこの職務経歴書を見たとき、何を感じるだろうか」という視点を持ちながら作成しましょう。
6-2.具体的な実績やアクションを記載する
職務経歴書には、前職で培った具体的な実績やアクションを記載しましょう。ただ会社名や部署名を羅列しただけでは、あなたの仕事ぶりは伝わりません。
例えば、「営業目標200%達成」「全支店営業成績トップ2」など、採用担当者が具体的にイメージできる形で表現しましょう。
加えてそれらの成績がなぜ達成できたのか、考えられる理由も添えるとなお良いでしょう。
あなたが実績を残せた根拠が採用担当者に伝わりやすくなるので、自社に採用したあとにどのような活躍が期待できるのかをイメージしやすくなります。
6-3.履歴書に書いた情報との整合性を保つ
職務経歴書とは別に、履歴書も一緒にそろえて提出する必要があります。
履歴書と職務経歴書の記載内容が矛盾していないか、事実に基づいた実績を記載しているかを必ず確認しておきましょう。印象をよくするために、事実を誇張・捏造した内容を記載するのは避けてください。
また、記載内容に漏れがないか、情報が重複していないかも照らし合わせながら確認しておくことも大切です。
7.職務経歴書の提出前の最終チェックポイント
職務経歴書を書き終えたら、提出前に最終確認をしましょう。
確認は作成から少し時間を置いておこなうのがおすすめです。作成時には気付かなかったミスや、改善の余地があるポイントを見つけやすくなります。
職務経歴書の最終チェックの際には、以下のポイントを重点的に見直しましょう。
- 誤字脱字はないか
- 見出しやタイトルが記載されているか
- 読みやすいレイアウトになっているか
- 日付や年などの記載漏れがないか
- 具体的な実績や数字が記載されているか
- 誰が見てもわかりやすい文章になっているか
- 送付・提出する日付は記載しているか
自分で確認を終えたあと、正しく書けているかを第三者に確認してもらうのもおすすめです。
自分1人だけのチェックだと、ミスに気付きにくい場合もあります。家族や友人などに確認してもらい意見やアドバイスをもらいましょう。
また、職務経歴書や履歴などの応募書類は、転職のアドバイザーに確認してもらえば、より良い内容の書類になるようにアドバイスしてもらえます。
JOBPALでは、キャリアパートナーに書類の書き方の相談ができます。ぜひご活用ください。
8.職務経歴書の書き方に関するQ&A
最後に、職務経歴書の書き方に関してよくある質問と回答をご紹介します。
8-1.在職中の場合、職歴はどのように書くのが良い?
在職中の場合は、末尾に「在職中」と記載しておきましょう。
例:株式会社○○ 企画開発部 在職中
また、在職中であるもののすでに退職日が決定している、または退職を予定している場合は、同じく末尾に「○月○日退職予定」と記載しておくと、採用担当者も状況を把握しやすいでしょう。
8-2.会社名が在職中と変わっている場合はどう書くべき?
自分が在籍していた会社の名前が在籍当時から変更されている場合は、かつての企業名をカッコでくくって記載しておきます。
例:○○株式会社(旧□□株式会社)
事業変更や合併などにより企業名が変更されることは珍しくありません。ただ、変更前の企業名のほうが世間一般に浸透しているケースもあるので、必ず書き添えておくようにしましょう。
8-3.職務経歴書は「手書き」と「パソコン」どちらが良い?
職務経歴書の作成方法には、手書きとパソコンの2パターンがあります。どちらの作成方法を採用するかは、応募先企業の指示に従うのが鉄則です。
特段指定がないケースも多いので、その際は自らの判断で手書きかパソコンかを選択しましょう。その際は、応募先企業に与えたい印象によって決定するのがおすすめです。
手書きは丁寧で心が込められている印象を与え、パソコンは読みやすくWordやパソコンスキルの証明になるでしょう。文字数が多くなりがちな職務経歴書は、パソコンで作成したほうが効率的です。
なお、職務経歴書をパソコンで作成する場合は、あわせて履歴書もパソコンで作成し統一性を持たせることをおすすめします。
8-4.職務経歴書は何枚くらいにまとめるべき?
職務経歴書は、通常A4用紙1~2枚までにまとめるのが理想です。
必要に応じて3枚になる場合もありますが、確認する担当者の負担になりかねないため、なるべく2枚までにまとめるようにしましょう。
また、内容は簡潔に要点をまとめて読みやすくまとめるのも重要です。
8-5.職務経歴書には退職理由も書くべき?
職務経歴書に退職理由を書く・書かないは自由です。特にネガティブな理由については書かなくても良いです。
ただし、転職回数が多い場合は面接時に質問されるケースも多いので、あらかじめ書いておくと良いでしょう。
また、キャリアアップなどポジティブな退職理由の場合はアピールポイントにもなりえるため、簡潔に記載しておくのがおすすめです。
8-6.職務経歴書に書くべきではない情報はある?
職務経歴書には、仕事には関係ない個人情報(例:生年月日、性別、宗教、写真など)、プライベートな情報(例:家庭の事情、個人の趣味など)を書くべきではありません。
仕事に直結しない不要な情報は、採用担当者にとって必要な人材であるかを判断するための妨げになる可能性があります。
また、前職の解雇理由や職務上の失敗などのネガティブな情報、仕事に関係のないプライベートな情報やスキルも書くのは控えておきましょう。
9.まとめ
職務経歴書とは、採用担当者が応募者を見極めるための重要なツールです。
職務経歴書で自分の魅力を伝えるためには、自己分析やキャリアの棚卸し、応募する業界のリサーチは重要です。
また、少しのポイントとコツを押さえるだけで職務経歴書のでき映えがぐっと高まるので、今回ご紹介した内容を意識して作成するようにしましょう。
これから転職活動を始めたい、転職に興味があるという方は、以下のページよりぜひ最新の求人情報をご覧ください。
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