面接における自己紹介の目的や自己PRの違い、マナーやケース別の例文を解説

この記事で分かること
- 自己紹介は、面接をスムーズに始めるためや、面接官が面接時の質問を確認することなどを目的におこなわれる
- 自己紹介と自己PRにはそれぞれ明確な違いがあり、それぞれの内容が重複しないよう気をつける必要がある
- 自己紹介は、話す内容を1分程度にまとめ、明るくハキハキ話すことで好印象を与えやすくなる
- 自己紹介時に退職理由を聞かれた場合は、ネガティブな内容をポジティブに言い換える表現の工夫が必要
※この記事は6分30秒で読めます。
「面接の自己紹介って、何を話せばいいの?」
「面接官に良い印象を与えられる自己紹介の例文を知りたい」
など、自己紹介で話す内容やマナーなどを知りたいと思う方は多いでしょう。
面接での自己紹介は、プロフィールや経歴をわかりやすくシンプルに伝え、明るくハキハキ話すことで、面接官に好印象を与えやすくなります。
今回は、自己紹介と自己PRの違いや、自己紹介で話す内容、本番でのポイントや例文などを解説します。この記事を読めば、自己紹介の方法がよくわかり、自信を持って面接に挑めるようになります。
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1.面接における自己紹介の目的
なぜ企業の面接では、必ず自己紹介をおこなうのでしょうか。まずは面接で自己紹介をする3つの目的について、わかりやすく解説します。
1-1.面接をスムーズに始めるため
面接時の自己紹介は、応募者の緊張をほぐし、スムーズに面接を始めるきっかけ作りのためにおこなわれます。
自己紹介は単なる名前や経歴の紹介ではなく、応募者と面接官が和やかな雰囲気で面接を進めるために必要な、準備運動のようなものです。
学生時代の部活動や現在の趣味の話などを織り交ぜたオリジナリティのある自己紹介をすれば、面接官との会話が自然と弾みやすくなるでしょう。
1-2.応募者のコミュニケーションを取る能力の確認
自己紹介は、面接官が応募者のコミュニケーションを取る能力を図る目的でもおこなわれます。
コミュニケーションを取る能力はあらゆる仕事で共通して求められる能力のため、社会に出て働くうえで最低限の対人スキルは必要不可欠です。
そのため、面接官は応募者の自己紹介を通して、話し方はわかりやすいか、声の大きさや話すスピードは適切かなど、基本的なポイントをチェックしているのです。
1-3.面接での質問を作るための確認
面接官は応募者の自己紹介の内容から、その後どのような質問をするか考えています。
例えば、応募者が「前職では接客の仕事をしていた」という自己紹介をした場合、面接官は「その経験をこの仕事でどう活かせるか」など、応募者のスキルや能力をより深堀りするための具体的な質問を組み立ているのです。
そのため、面接官の関心を引きやすい自己紹介をすれば、自身の保有しているスキルや経験をより詳細に企業に伝えられる可能性が高まるでしょう。
2.自己紹介と自己PRの違い
面接では自己紹介の他に「自己PR」の時間もありますが、面接官が求める答えはそれぞれ異なります。それぞれの違いを明確にしておき、自己PRが単に自己紹介の焼き直しにならないように気を付けましょう。
- 自己紹介:自身の氏名や所属、人柄などを簡潔に伝えるもの
- 自己PR:会社に貢献できる自分の魅力を伝えるもの
自己紹介は氏名の他、転職活動中なら会社名、部署、職種、趣味、特技をまとめたものです。面接の冒頭でおこなわれるものであり、次の質問にスムーズに移るためにも簡潔に伝えることが重要です。自己紹介の場で自己PRは必要ありません。
一方の自己PRは、自分の強みや長所を簡潔にアピールする箇所です。面接官としては、自社で活躍できる魅力的な強みがあるか、自社の価値観と相違がないかを確認しています。
以下の記事では、自己PRの際に利用できる例文をご紹介しています。例文を確認しながら、自己紹介との違いを明確にしておきましょう。
3.面接の自己紹介で話すこと
自己紹介で話す内容には、ある程度の「型」があります。冗長な自己紹介にならないためにも、的確かつシンプルに自己紹介にまとめましょう。
3-1.プロフィール
「自己紹介をしてください」と言われたら、まずは名前を簡潔に名乗りましょう。「〇〇(氏名)と申します。本日はよろしくお願いいたします」などシンプルな挨拶で構いません。
学生の場合は名前の前に学校名や学部名を添えて、「●●大学△△学部から参りました〇〇(氏名)です」とすると丁寧です。
3-2.経歴・実績
転職活動中の場合、プロフィールのあとに現職または前職の経歴を伝えましょう。会社名や所属、職種の他、担当している仕事内容やスキルポイント、資格などを簡単に伝えます。
仕事での実績をアピールすると高評価につながりますが、自己PRで話すこともできるので無理に伝えることはありません。長々と話し過ぎず、簡潔にまとめることを心がけましょう。
3-3.締めの言葉
自己紹介は面接の冒頭でおこなわれるものですが、プロフィール説明のあとは「入社への意欲」をアピールするために意気込みを盛り込むと良いでしょう。
例としては、「御社に入社した際には、これまでの知見やスキルを存分に活かして誠心誠意勤めていく所存です。」などが考えられます。
4.面接における自己紹介のマナー
自己紹介の内容に決まりはありませんが、好き勝手に何でも話して良いというものでもありません。面接で自己紹介をする際のマナーについて、事前に知っておきましょう。
4-1.自己紹介は1分程度で話す
面接における自己紹介は1分程度で簡潔にまとめましょう。面接に慣れていないと、面接官に良い印象を持ってもらおうと経歴の詳細や自己PRまで話してしまいがちです。
しかし、あまりに長々と話をしてしまうと伝えたい焦点がぼやけてしまいます。要点を絞り、簡潔かつわかりやすく伝えましょう。
4-2.前職の批判や愚痴を言わない
たとえ前職で非常に嫌な経験をしていたとしても、面接時には前職や現職の批判や愚痴を言わないのがマナーです。
あまり具体的な不満を口にしてしまうと、面接官にマイナスを印象を与えてしまうため注意しましょう。
面接時にはネガティブな内容を「新しい環境で成長したい」「より専門的なスキルを身につけたい」など、ポジティブな内容に言い換えるのが一般的です。
4-3.プライベートな話をしない
面接時の自己紹介では、プライベートな話を過度にするのは避けた方が無難です。仕事の関連性のない話を延々としても、面接官が応募者に興味を示す可能性は限りなく低いでしょう。
面接官との会話のきっかけになりそうな過去の部活経験や特技の話に軽く触れる程度なら問題ありませんが、ビジネスにまったく関係のない話を主軸とした自己紹介は、決してプラスポイントにはならないので気をつけましょう。
4-4.専門用語を使いすぎない
面接での自己紹介は、業界特有の専門用語や社内用語を多用せず、誰にでもわかりやすい言葉で話すことが大切です。
応募先企業が前職、現職とは異なる業界であった場合、専門用語を使いすぎると面接官は応募者が何を伝えたいのか理解できません。
面接時には具体的かつシンプルな表現を心がけ、相手の立場に立って話すよう心がけてください。
4-5.話すときは面接官の目を見る
面接では数十分のうちに自分の魅力を余すところなく伝える必要がありますが、短い時間だからこそ第一印象が重要です。
人の第一印象に影響するのは、「姿勢・目線・表情などの外見=55%」、「声の大きさ・話すスピード=38%」、「話の内容=7%」とされています(メラビアンの法則※)。
まずは、見た目でマイナスの印象を与えないように気をつけましょう。
例えば「会話中の目の位置」。緊張するあまり下を向いてしまうのは「マナーができていない」「コミュニケーションを取るのが苦手」という印象を与えてしまいます。意識して相手の目を見るようにしましょう。
参照:医療法人社団 平成医会「メラビアンの法則とコミュニケーション」
https://heisei-ikai.or.jp/column/mehrabian-law/
4-6.姿勢はまっすぐにする
椅子に座っている際の姿勢も、第一印象に関係する重要なポイントです。椅子に座る位置・姿勢については男女ともに共通なので、マナーをしっかりと守りましょう。
背中を丸めず、あごを引いてまっすぐに正した状態で話します。背筋を伸ばすには、背もたれから握りこぶし一つ分くらいの間隔をあけて座りましょう。椅子の奥に座ってしまうと前傾姿勢になってしまい、背中も曲がりやすくなります。
また、猫背や足を組むなども印象が悪く見えてしまうので避けましょう。
4-7.ハキハキ話す
「人と話すことが苦手」という方もいるかもしれません。緊張すると口が動かなくなり、笑顔もなくなって表情が固くなってしまいますが、人の印象は初対面で大きく決まってしまう場合もあります。
自己紹介ではハキハキと口角を上げて話すことを意識しましょう。特に営業関係の面接ではコミュニケーションを取る能力を見られるため、ボソボソと喋ってしまうと良くない印象を与えることになります。
4-8.まだ聞かれていないことを話さない
面接の自己紹介では、「名前」「学歴」「職歴」など、基本的な情報に絞って話すことが大切です。転職理由や志望動機などは、面接官から質問があってから詳しく説明しましょう。
自己紹介の段階で多くの情報を詰め込みすぎると、面接官が確認したいポイントが曖昧になってしまいます。面接の流れを意識した、テンポの良い自己紹介を心がけましょう。
5.面接の自己紹介のケース別例文5つ
どのような自己紹介をおこなうべきかは応募者によってさまざまです。ここでは「高卒」「大学の就職活動」「転職」など5つのシチュエーションごとに自己紹介の文例をご紹介します。
5-1.高卒の場合
高校を卒業してすぐの場合は、アルバイト経験がない方が多いと思います。その場合、面接に入る際の自己紹介では部活の経験を活用できます。
部活という組織でどのような役割を果たしてきたのかを説明できれば、コミュニケーションを取る能力や実務能力を示すことができるでしょう。
自己紹介のお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇(氏名)と申します。○○高校出身で、部活は柔道部に所属しており、副部長を務めておりました。
柔道はチームで連携して練習することも多く、部員から寄せられる練習の改善点や不満点を私から部長や顧問に伝え、話をまとめる役割をしていました。元気と体力だけでなく、細かい調整役の経験をしてきたことが自分の持ち味だと感じております。
本日は自分の良さを十分に知っていただけるような時間にしたいと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。
5-2.就職活動の大学生の場合
就職活動中の大学生の場合、プロフィールに加えて学生時代に打ち込んだことを話すと良いでしょう。
大学生は勉強が本分ですが、ゼミに所属して研究したことはもちろん、サークルやアルバイトの経験も活用できます。応募する企業と同じ職種のアルバイト経験があれば良いアピールポイントになります。
自己紹介のお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇(氏名)と申します。
私は〇〇大学で情報技術を専攻しております。〇〇を専攻し勉強するなかで、半導体関連の製造業のあり方に興味を持ちました。
御社は海外で長く半導体を製造され外国企業に納品しているとうかがっており、このたび応募させていただきました。本日は宜しくお願いいたします。
5-3.転職活動の場合
転職活動中の方は高卒や学生と違い、学校で学んだことではなく前職・現職での職務経歴を盛り込みます。強みや志望動機は別の質問項目が用意されているので、仕事の経験に関する情報を端的に伝えましょう。
自己紹介のお時間をいただきありがとうございます。〇〇と申します。
私は〇〇大学を卒業後、スーパーマーケットを運営する株式会社〇〇に新卒で入社し店舗の担当者として3年間働いていました。2年前からは主任として売り場の菓子・食品関係の発注と売り場づくりを任され、お客様の満足度向上に努めて参りました。
今後は、前職で培った知識や経験を活かしつつ、自身の視野をさらに広げながら御社へ貢献していきたいと考えて応募させていただきました。本日は宜しくお願いいたします。
5-4.フリーターから転職する場合
フリーターが正社員や契約社員を目指して就職・転職活動する際は、「なぜ今まで就職しなかったのか」という疑問を抱かれやすいです。そのため、アルバイトで得た経験と一緒に働く熱意を伝えることが重要となります。
自己紹介のお時間をいただきありがとうございます。〇〇と申します。
〇〇年に〇〇大学を卒業しましたが、大学時代は〇〇業界へのあこがれが強く、他の業界へは入社せずにアルバイトをしながら勉強をすることを決意しました。
しかし、国家資格の「〇〇士」を取得することができたことを機に、このたび就職活動を始めることにいたしました。
アルバイトでは接客業と事務を担当しており、正確な事務処理能力やコミュニケーション能力には自信があります。この経験を活かして御社に貢献したいと考えておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
5-5.無職から転職する場合
現在無職の方が企業に応募した場合、面接官の多くは「なぜ空白期間があるのか」と聞いてくるはずです。自己紹介の時間にあらかじめブランク期間が生じた理由を説明しておくことで、その後スムーズに面接を進められるでしょう。
面接官の納得度の高い理由を述べることができれば、空白期間が生じていることが面接でのマイナスポイントにはなりません。
自己紹介のお時間をいただきありがとうございます。〇〇と申します。
○○高校を卒業後、2年間○○工場の本社で事務職をしておりましたが、結婚、出産を機に退職し、そのあとは専業主婦として家事と育児に専念してきました。
現在は子どもが幼稚園に通うようになり、仕事と育児の両立が可能な環境が整いましたので、心機一転、事務職経験を活かせる御社にて働きたいと思い、応募いたしました。
精一杯頑張りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
6.面接の自己紹介に関するQ&A
最後に、面接の自己紹介に関してよくある質問とその回答をまとめました。
6-1.趣味についても話したほうがいいですか?
応募先と関係ないような趣味の話だけが並んでしまうのはNGです。仕事内容と結びつかなければ面接官には刺さりませんし、そもそも面接官が聞きたいことはあなたの趣味ではありません。
ただし、絶対に話してはいけないわけではありません。仕事に関係しそうな趣味であれば、自己紹介として簡潔に盛り込んでも良いでしょう。
6-2.緊張して自己紹介をうまくできませんでした。うまく話すコツはありますか?
緊張してうまく話せなくなることは誰にでもあります。リラックスしてうまく話すためには、何度も練習やシミュレーションを繰り返して慣れることが一番の近道です。
事前に自己紹介文を作成して頭に入れておき、すらすらと言えるようになるまで練習してから面接に臨みましょう。家族や友人の力を借りて模擬面接をしてもらうのも有効です。
以下の記事では面接の練習方法についてまとめていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
6-3.退職理由を聞かれたらどう答えるべきですか?
転職の場合、前職を退職した理由が「人間関係が悪かった」「希望する仕事内容ではなかった」などのネガティブな理由の方もいるでしょう。しかし、それが真実だとしても、ネガティブな内容だけを説明して終わらないように注意が必要です。
また、極端に言いにくい内容であれば、表現をポジティブなものに変換する必要もあるでしょう。
例えば、仕事内容が自分に合わずに辞めた場合はそのまま伝えず、「自分がやりたい仕事をずっと探していましたが、その中で御社の募集を拝見し、夢を叶える第一歩を踏み出そうと転職を決意しました」などと言い換えるとポジティブな印象になります。
7.まとめ
面接での自己紹介はわずかな時間しかありませんが、そのたった数分で面接官は応募者の人となりやコミュニケーション能力をチェックしています。
簡潔でわかりやすいプロフィールと、意気込みを盛り込んだ締めの挨拶などを意識して、スムーズに話すための準備をしておきましょう。
最低限のマナーを守って、面接官の目を見ながらハキハキと話すことができれば、短時間でも自分の魅力を伝えられるはずです。「緊張して上手に喋れるか不安」という方は、家族や友人に協力してもらい、模擬面接をおこなうのもおすすめです。
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