面接における自己紹介の答え方は?目的やマナー、ケース別の文例を解説
※この記事は6分で読めます。
「面接の自己紹介って何を話せばいいの?」
「面接の自己紹介の例文を探している」
など、面接時の「自己紹介」に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
自己紹介は面接の冒頭で質問される定番の内容であり、応募者がリラックスして話すための土台を作る目的があります。
今回は、面接での自己紹介の目的、話すべき内容、本番でのポイントや例文などを解説します。この記事を読めば、面接での自己紹介のことがよくわかり、本番の面接に活かすことができるようになります。
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1.面接における自己紹介の目的
面接で自己紹介がおこなわれることの目的には、主に以下の3つがあります。
- 面接をスムーズに始めるため
- 応募者のコミュニケーション能力の確認
- 面接での質問を作るための確認
自己紹介は面接官に自分が何者かを伝え、コミュニケーションのきっかけを作るものですが、そのやりとりを通じてコミュニケーション能力はすでにチェックされています。そのため、入念に自己紹介を考えておくことは面接の評価を上げるうえで重要です。
1-1.自己PRとの違い
面接では自己紹介のほかに「自己PR」の時間もありますが、面接官が求める答えはそれぞれ異なります。それぞれの違いを明確にしておき、自己PRが単に自己紹介の焼き直しにならないように気を付けましょう。
- 自己紹介:自身の氏名や所属、人柄などを簡潔に伝えるもの
- 自己PR:会社に貢献できる自分の魅力を伝えるもの
自己紹介は氏名のほか、転職活動中なら会社名、部署、職種、趣味、特技をまとめたものです。面接の冒頭でおこなわれるものであり、次の質問にスムーズに移るためにも簡潔に伝えることが重要です。自己紹介の場で自己PRは必要ありません。
一方の自己PRは、自分の強みや長所を簡潔にアピールする箇所です。面接官としては、自社で活躍できる魅力的な強みがあるか、自社の価値観と相違がないかを確認しています。
以下の記事では、自己PRの際に利用できる例文をご紹介しています。例文を確認しながら、自己紹介との違いを明確にしておきましょう。
2.面接における自己紹介のマナー
自己紹介の内容に決まりはありませんが、好き勝手に何でも話して良いというものでもありません。面接で自己紹介をする際のマナーについて、事前に知っておきましょう。
2-1.自己紹介は1分程度で話す
面接における自己紹介は1分程度で簡潔にまとめましょう。面接に慣れていないと、面接官に良い印象を持ってもらおうと経歴の詳細や自己PRまで話してしまいがちです。
しかし、あまりに長々と話をしてしまうと伝えたい焦点がぼやけてしまいます。要点を絞り、簡潔かつわかりやすく伝えましょう。
2-2.話すときは面接官の目を見る
面接では数十分のうちに自分の魅力を余すところなく伝える必要がありますが、短い時間だからこそ第一印象が重要です。
人の第一印象に影響するのは、「姿勢・目線・表情などの外見=55%」、「声の大きさ・話すスピード=38%」、「話の内容=7%」とされています(メラビアンの法則※)。
まずは見た目でマイナスの印象を与えないように気をつけましょう。例えば「会話中の目の位置」。緊張するあまり下を向いてしまうのは「マナーができていない」「コミュニケーションが苦手」という印象を与えてしまいます。意識して相手の目を見るようにしましょう。
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参照:メラビアンの法則とコミュニケーション | 医療法人社団 平成医会
https://heisei-ikai.or.jp/column/mehrabian-law/
2-3.姿勢はまっすぐにする
椅子に座っている際の姿勢も、第一印象に関係する重要なポイントです。椅子に座る位置・姿勢については男女ともに共通なので、マナーをしっかりと守りましょう。
背中を丸めず、あごを引いてまっすぐに正した状態で話します。背筋を伸ばすためには、背もたれから握りこぶし一つ分くらいの間隔をあけて座りましょう。椅子の奥に座ってしまうと前傾姿勢になってしまい、背中も曲がりやすくなります。また、猫背や足を組むなども印象が悪く見えてしまうので避けましょう。
2-4.ハキハキ話す
「人と話すことが苦手」という人もいるかもしれません。緊張すると口が動かなくなり、笑顔もなくなって表情が固くなってしまいますが、人の印象は初対面で大きく決まってしまう場合もあります。
自己紹介ではハキハキと口角を上げて話すことを意識しましょう。特に営業関係の面接ではコミュニケーション能力を見られるため、ボソボソと喋ってしまうと良くない印象を与えることになります。
3.面接の自己紹介で話すこと
自己紹介で話す内容には、ある程度の「型」があります。冗長な自己紹介にならないためにも、的確かつシンプルに自己紹介にまとめましょう。
3-1.プロフィール
「自己紹介をしてください」と言われたら、まずは名前を簡潔に名乗りましょう。「〇〇(氏名)と申します。本日はよろしくお願いいたします」などシンプルな挨拶で構いません。
学生の場合は名前の前に学校名や学部名を添えて、「●●大学△△学部から参りました〇〇(氏名)です」とすると丁寧です。
3-2.経歴・実績
転職活動中の場合、プロフィールのあとに現職または前職の経歴を伝えましょう。会社名や所属、職種のほか、担当している仕事内容やスキルポイント、資格などを簡単に伝えます。
仕事での実績をアピールすると高評価につながりますが、自己PRで話すこともできるので無理に伝えることはありません。長々と話し過ぎず簡潔にまとめることを心がけましょう。
3-3.締めの言葉
自己紹介は面接の冒頭でおこなわれるものですが、プロフィール説明のあとは「入社への意欲」をアピールするために意気込みを盛り込むと良いでしょう。
例としては、「御社に入社した際には、これまでの知見やスキルを存分に活かして誠心誠意勤めていく所存です。」などが考えられます。
4.面接の自己紹介の文例5つ
どのような自己紹介をおこなうべきかは応募者によってさまざまです。ここでは「高卒」「大学の就職活動」「転職」など5つのシチュエーションごとに自己紹介の文例をご紹介します。
4-1.高卒の場合
高校を卒業してすぐの場合はアルバイト経験がない人が多いと思います。その場合、面接に入る際の自己紹介では部活の経験を活用できます。部活という組織でどのような役割を果たしてきたのかを説明できれば、コミュニケーション能力や実務能力を示すことができるでしょう。
自己紹介のお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇(氏名)と申します。○○高校出身で、部活は柔道部に所属しており、副部長を務めておりました。
柔道はチームで連携して練習することも多く、部員から寄せられる練習の改善点や不満点を私から部長や顧問に伝え、話をまとめる役割をしていました。元気と体力だけでなく、細かい調整役の経験をしてきたことが自分の持ち味だと感じております。
本日は自分の良さを十分に知っていただけるような時間にしたいと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。
4-2.就職活動の大学生の場合
就職活動中の大学生の場合、プロフィールに加えて学生時代に打ち込んだことを話すと良いでしょう。
大学生は勉強が本分ですが、ゼミに所属して研究したことはもちろん、サークルやアルバイトの経験も活用できます。応募する企業と同じ職種のアルバイト経験があれば良いアピールポイントになります。
自己紹介のお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇(氏名)と申します。
私は〇〇大学で情報技術を専攻しております。〇〇を専攻し勉強するなかで、半導体関連の製造業のあり方に興味を持ちました。御社は海外で長く半導体を製造され外国企業に納品しているとうかがっており、このたび応募させていただきました。本日は宜しくお願いいたします。
4-3.転職活動の場合
転職活動中の人は高卒や学生と違い、学校で学んだことではなく前職・現職での職務経歴を盛り込みます。強みや志望動機は別の質問項目が用意されているので、仕事の経験に関する情報を端的に伝えましょう。
自己紹介のお時間をいただきありがとうございます。〇〇と申します。
私は〇〇大学を卒業後、スーパーマーケットを運営する株式会社〇〇に新卒で入社し店舗の担当者として3年間働いていました。2年前からは主任として売り場の菓子・食品関係の発注と売り場づくりを任され、お客様の満足度向上に努めて参りました。
今後は、前職で培った知識や経験を活かしつつ、自身の視野をさらに広げながら御社へ貢献していきたいと考えて応募させていただきました。本日は宜しくお願いいたします。
4-4.フリーターから転職する場合
フリーターが正社員や契約社員を目指して就職・転職活動する際は、「なぜ今まで就職しなかったのか」という疑問を抱かれやすいです。そのため、アルバイトで得た経験と一緒に働く熱意を伝えることが重要となります。
自己紹介のお時間をいただきありがとうございます。〇〇と申します。
〇〇年に〇〇大学を卒業しましたが、大学時代は〇〇業界へのあこがれが強く、他の業界へは入社せずにアルバイトをしながら勉強をすることを決意しました。
しかし、国家資格の「〇〇士」を取得することができたことを機に、このたび就職活動を始めることにいたしました。
アルバイトでは接客業と事務を担当しております。御社に採用された際には、その経験を業務でどんどん活用できると考えております。どうぞ宜しくお願いいたします。
4-5.無職から転職する場合
現在無職の人が企業に応募した場合、面接官は間違いなく「なぜ空白期間があるのか?」を聞いてきます。自己紹介の時間に、率先して空白期間が生じた理由を説明しましょう。
そのあとの追加質問でもしっかりとした理由を答えることができれば、空白期間が生じていることに納得してもらえるはずです。
自己紹介のお時間をいただきありがとうございます。〇〇と申します。
○○高校を卒業後、2年間○○工場の本社で事務職をしておりましたが、家族の介護が必要になったことを機に退職し、そのあとは家事手伝いとなりました。
現在は家族の要介護の申請が通ったことでヘルパーさんの力を借りやすくなったことや、施設利用ができるようになったことで私の介護が不要になり、心機一転、事務職経験を活かせる御社にて働きたいと思い、応募いたしました。
精一杯頑張りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
5.面接の自己紹介に関するQ&A
最後に、面接の自己紹介に関してよくある質問とその回答をまとめました。
5-1.趣味についても話したほうがいいですか?
応募先と関係ないような趣味の話だけが並んでしまうのはNGです。仕事内容と結びつかなければ面接官には刺さりませんし、そもそも面接官が聞きたいことはあなたの趣味ではありません。
ただし、絶対に話してはいけないということではありません。仕事に関係しそうな趣味であれば自己紹介として簡潔に盛り込んでも良いでしょう。
5-2.緊張して自己紹介をうまくできませんでした。うまく話すコツはありますか?
緊張してうまく話せなくなることは誰にでもあります。リラックスしてうまく話すためには、何度も練習やシミュレーションを繰り返して慣れることが一番の近道です。
事前に自己紹介文を作成して頭に入れておき、すらすらと言えるようになるまで練習してから面接に臨みましょう。家族や友人の力を借りて模擬面接をしてもらうのも有効です。
以下の記事では面接の練習方法についてまとめていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
5-3.退職理由を聞かれたらどう答えるべきですか?
転職の場合、前職を退職した理由が「人間関係が悪かった」「希望する仕事内容ではなかった」などのネガティブな理由の人もいるでしょう。しかし、それが真実だとしても、ネガティブな内容だけを説明して終わらないように注意が必要です。
また、極端に言いにくい内容であれば表現をポジティブなものに変換する必要もあるでしょう。例えば、仕事内容が自分に合わずに辞めた場合はそのまま伝えず、「自分がやりたい仕事をずっと探していましたが、その中で御社の募集を拝見し、夢を叶える第一歩を踏み出そうと転職を決意しました」などと言い換えるとポジティブな印象になります。
6.まとめ
面接での自己紹介は、応募者の緊張をほぐしつつ、人となりを知ってスムーズにコミュニケーションをとるためにおこなわれます。自己PRとは違い、あくまでプロフィールを端的に解説する時間です。長々と話さないように事前に話すべきことを決めておき、本番まで何度も練習を重ねましょう。
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