社宅とは?社宅制度と住宅手当の違いや社宅つき求人が注目されている理由を解説

この記事で分かること
- 社宅とは企業が従業員のために用意する住居のことを指し、一般的な賃貸住宅より家賃が安いのが特徴
- 「住宅手当」は住居そのものを提供する社宅制度と違い、企業が従業員の家賃を補助する制度を指す
- 社宅には住居費や交通費を節約できるメリットがある一方、物件の選択肢が少ないというデメリットもある
- 社宅制度は機械オペレーターや生産・品質管理の仕事、長距離ドライバーなど、幅広い職種で採用されている
※この記事は6分30秒で読めます。
「社宅と住宅手当ってどう違うの?」
「社宅制度を利用するメリット・デメリットを詳しく知りたい」
など、社宅制度に関して疑問を持つ人は多いでしょう。
社宅とは、企業が従業員に用意する住居のことです。敷金や礼金などの入居費用がかからないだけでなく、一般的な賃貸住宅よりも家賃が安いため、社宅制度を利用すれば日々の生活費を大幅に節約することができます。
今回は、社宅の概要や社宅制度と住宅手当の違い、社宅に住むメリット・デメリット、社宅制度を取り入れている職種例などについて解説します。この記事を読めば、社宅制度のことがよくわかり、仕事探しの際に社宅がある企業を選んだほうがよいのかを判断できるようになります。
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1.社宅とは?
社宅とは、企業が従業員のために提供する住居の一種です。まずは、社宅と寮の違いについて解説します。
1-1.社宅と寮の違い
社宅と寮には、法律などで決められた定義はなく、会社によって扱いが違うケースがあります。一般的には、社宅は世帯向けの住居、寮は単身者向けの住居と分類されることが多いようです。
ただし、単身者向けに社宅を用意している会社もあります。また、寮はルームシェアで一つの住居に複数の従業員が入居することも多く、共同生活を送らなくてはいけないケースもあります。
2.社宅制度とは?
社宅制度とは、企業が従業員のために住まいを用意する福利厚生の一種です。
従業員の生活の安定や働きやすさを促進する目的で、企業が所有していたり、従業員用に借り上げたりしている建物や部屋を提供するのが一般的です。
その他にも、マンションやアパートなどの集合住宅タイプの物件が多いことや、企業が一定の戸数をまとめて確保する形式が多いことなどが、社宅の特徴として挙げられます。
社宅制度を導入している企業は数多く存在しますが、社宅費を企業が全額負担するのか、一部のみ負担するのかは、企業の方針や従業員の雇用形態によって異なります。
社宅制度のある企業への転職を検討している場合は、その点の違いについても事前にしっかりと調べたうえで求人に応募するようにしましょう。
2-1.住宅手当との違い
住宅手当と社宅制度は「企業が従業員に提供する住宅関連の福利厚生」という面が共通しますが、明確に異なる点もあります。
2つの制度の具体的な違いを、以下の表にまとめました。
給与の種類 | 制度内容 | |
---|---|---|
住宅手当 | 現金給与 | 従業員の住まいの家賃やローンを企業が補助する制度 |
社宅制度 | 現物給与 | 企業が用意した物件に従業員が住む制度 |
上記の表に記載したとおり、住宅手当は企業から金銭で支払われる賃金を指す「現金給与」であるのに対し、社宅制度は金銭以外の物や権利が企業から支給される「現物給与」です。
住宅手当は従業員の毎月の給与に手当として支給されることが多く、具体的な支給金額は企業によって異なります。「月々一律〇万円」「家賃の〇%」など、会社規定のルールに則って、毎月一定額が振り込まれるのが一般的です。
3.社宅の種類
社宅には、大きく分けて「社有社宅」「借り上げ社宅」の2種類があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1.社有社宅
社有社宅とは、企業が所有する物件を従業員に貸し出すタイプの社宅を指します。
同じ会社の従業員とその家族のみが暮らすことが多いため、コミュニティができやすいのが特徴です。建物の修繕や管理に関する費用は、従業員ではなく企業が負担するのが一般的です。
3-2.借り上げ社宅
借り上げ社宅とは、企業が不動産会社から借りた物件を従業員に貸し出すタイプの社宅を指します。
借り上げ社宅はあくまで一般の賃貸物件であるため、従業員が社宅を選ぶ際の物件の選択肢は、社有社宅よりも多い傾向にあります。
4.社宅のメリット
ここでは、社宅の具体的なメリットについてまとめます。
4-1.住居費や交通費が節約できる
社宅に住む代表的なメリットの一つに、住居費や交通費などを節約できるということが挙げられます。
一般的に、社宅は通常の賃貸物件よりも家賃が安く設定されています。さらに、賃貸契約でかかる敷金・礼金や更新料などもありません。これにより、個人の住居費を大幅に節約できます。
例えば、普通のアパートであれば月6万円かかる物件でも、社宅なら3万円程度で住めるケースも少なくありません(※地域によっても異なる)。1年間で計算すると、36万円もの節約につながります。
さらに、社宅の物件は職場の近くにあることが一般的であるため、社宅に住めば日々の通勤時間が短縮され、交通費を抑えることもできます。
4-2.引越しの手間が省ける
転勤がある場合でも、社宅が用意されていれば引越しの手間が省けます。自分で住居を探したり不動産会社と手続きしたりする必要がないため、時間と労力を節約できるのは大きなメリットです。
4-3.社内コミュニケーションが促進される
社宅には社内の従業員が多く住んでいます。そのため、社内コミュニケーションが自然に促進されます。隣人同士の交流や共有スペースでの交流の機会が増えることで、他部署のメンバーや上司との人間関係も深まるでしょう。
5.社宅のデメリット
社宅は魅力的な面が大きい一方で、デメリットも存在します。ここでは、社宅のデメリットについて説明します。
5-1.仕事とプライベートの線引きが曖昧になる可能性がある
社宅では、同僚や上司との距離が近くなりがちです。隣人として同じ建物に住んでいることから、仕事の話や業務外の相談などが生じることもあります。
そのため、プライベートな空間や時間が制約される可能性があります。仕事とプライベートを明確に区別したい人には、注意が必要です。
5-2.選択肢が限定される
社宅に住む場合、自分で住居を選ぶ自由が制限されます。会社が提供する社宅には一定の条件があり、その中から選ぶことになります。
自分の好みや希望に完全に合致する住居を見つけられない場合もあるでしょう。住環境に対してこだわりがある人は、デメリットに感じるかもしれません。
5-3.社宅ルールを遵守しないとならない
社宅には、門限や来客の制限など、独自のルールや規則が設けられていることがあります。自己のライフスタイルを重視する人には、社宅ルールの遵守が窮屈に感じられるでしょう。
6.社宅つき求人が注目されている理由
社宅つき求人が注目されている最大の理由は、なんといっても経済的な負担を抑えられる点です。通常の賃貸住宅を契約する場合、敷金・礼金・仲介手数料など、引越しにかかる諸費用が大きな負担になりがちです。
しかし、上述したとおり、社宅ではこれらの費用がかからないため、新たな環境に移る際の負担が軽減されます。転職や就職の際に、社宅つきの求人を見つけられれば、スムーズに新生活をスタートできるでしょう。
7.社宅つきの仕事がおすすめの人
社宅つきの仕事がおすすめの人は、どのような人なのでしょうか。
7-1.家賃にかかる費用を趣味や貯金に回したい
前述のとおり、社宅は通常の賃貸住宅に比べて安い家賃で家を借りられるため、そのぶんの費用を他の使い道に回せます。生活費に余裕ができるのはもちろん、趣味に充てたり、貯金を増やしたりもできるでしょう。
7-2.心機一転して働きたい
社宅つきの仕事に転職することで、職場環境だけでなく居住環境も一気に変えられます。新しい場所での生活は、心機一転する絶好の機会です。新しい環境に身を置きたいと考える人には、社宅は非常に良い選択肢といえるでしょう。
7-3.家族も一緒に転職先に引越したい
家族とともに新しい環境に引越したい場合、社宅つき求人がおすすめです。一般的な賃貸住宅の場合、家族での入居となると引越し費用がかなりかさんでしまいます。
社宅つきの会社に入社すると、引越しの初期費用を大幅にカットできるため、経済的な壁をクリアできる可能性が高まるでしょう。
8.社宅つきの仕事例
ここでは、社宅つきの仕事の具体例をいくつか紹介します。
8-1.加工・組付け
「加工」とは、工場などでさまざまな材料を加工する仕事です。例えば、金物の溶接や塗装、電子部品の配線カットなどが挙げられます。
「組付け」は部品を組み立てる仕事です。自動車などの大きな部品を扱う仕事を「組立」と呼ぶのに対し、電動ドライバーなどで小さな部品を組み立てる軽作業は「組付け」と呼ばれています。
加工・組付けの仕事は工場でおこなわれることが多く、職場によっては定期的に夜勤が回ってくるケースもあります。職場近くの社宅に住むことで、労働時間とプライベートのバランスを取りやすくなるでしょう。
8-2.検品・検査
検品・検査の仕事は、品質管理や製品のチェックをおこなう仕事で、以下のような作業例が挙げられます。
- 原料や資材に問題がないかチェックする
- 製造過程における製品の抜き出しチェック
- 納品する際の不良品チェックや個数チェック
検品・検査は品質維持のための重要な役割であり、製造業や物流業などさまざまな分野で求められています。集中力を要し、立ち仕事も多いぶん、職場に近い社宅は通勤負担を減らせる点がメリットに感じられるでしょう。
8-3.機械オペレーター
機械オペレーターは、建設現場や工場などで使用する機械の操作や管理をおこなう仕事です。
具体的には、機械が正常に動いているかをチェックをしたり、作業パターンに応じて機械を設定したりします。また、機械の点検やメンテナンス作業をおこなうこともあります。
安定的に製品を生産するために、機械オペレーターは夜勤が発生する機会が比較的多くあります。そのため、社宅に住めば終業後すぐに帰宅し、しっかり休息を取ることができるでしょう。
8-4.生産管理・品質管理
生産管理・品質管理は、製品の生産や品質を管理する仕事です。顧客満足度の高い製品を安定的に提供するために欠かせない、工場の生産ラインを支える重要な仕事です。
生産管理は、材料の発注から製造ラインの効率化まで、製品を作るための管理業務を幅広く担当します。一方品質管理は、より安全性の高い高品質な製品を作るために、検査や不良品の分析などをおこないます。
生産管理・品質管理の仕事は、万が一重大なトラブルが発生した際は時間を問わずに緊急対応を求められることもあります。社宅に住んでいれば、トラブル対応が終わったらすぐに休息が取れるため、心身の負担を軽減できるでしょう。
8-5.建築・土木技術
建築や土木技術の仕事は、建物やインフラの施工などをおこなう仕事です。建築は建物工事に関わる仕事、土木はインフラ工事に関わる仕事を指しています。
仕事柄、日本全国に現場がありますが、社宅つきの求人であれば経済的な負担を抑えながら希望の場所で仕事に就けるでしょう。また、現場に向かう際は、社宅に入居している従業員と車で一緒に移動することも多いため、移動の労力を抑えられる場合もあります。
8-6.警備
警備の仕事は、商業施設やオフィスビルなどのさまざまな現場で、人々や施設の安全を守るのが主な業務です。
具体的な業務例として、来訪者の受付や、施設内の巡回点検などが挙げられます。24時間体制で警備が必要な現場も多いことから、企業の多くは夜勤を含むシフト制勤務を採用しています。
社宅に住んでいれば、同じ建物内に夜勤の発生する勤務スタイルで働く仲間が多くいるため、お互いの生活リズムを理解し合いながら生活できるでしょう。
8-7.長距離ドライバー
長距離ドライバーは、大型トラックを運転して遠隔地まで指定の荷物を運ぶ仕事です。早朝出発や深夜の運転も多く、数日間に渡る長距離運転を求められることも珍しくありません。
トラックの車庫に近い社宅に住めば、早朝出発でも余裕を持って出勤準備ができます。また、深夜帯に帰宅した場合も、社宅が職場から近ければすぐに自宅で休息を取ることができるでしょう。
8-8.介護職員
介護職員は、高齢者や身体に障害を抱える人など、介護を必要とする人たちの生活をサポートする仕事です。
具体的には、食事や入浴、排泄の介助といった日常生活全般のサポートをおこないます。24時間体制の施設の場合は、夜勤を含む交代制勤務が一般的です。
施設の近くにある社宅暮らしであれば、夜勤があるときでも余裕を持って仕事の準備ができます。また、社宅に住む仲間同士で仕事の悩みを共有できるため、モチベーションを維持しやすくなるのもメリットでしょう。
9.まとめ
社宅制度とは企業が従業員に住居を貸し出す福利厚生の一種であり、社宅制度を利用すれば、毎月の家賃や交通費を大幅に節約することができます。
浮いた費用を趣味や将来のための貯金に回せるのは、社宅に住むことの大きなメリットといえるでしょう。
新生活のスタートを考えている人や、将来のために貯金を増やしたい人にとって、社宅つきの仕事に就くことは、夢をかなえる第一歩となるはずです。
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