工場の仕事内容
更新日:2024年01月26日

ブルーカラーとは?ホワイトカラーとの違いや仕事内容、業種、平均年収を紹介

ブルーカラーとは?ホワイトカラーとの違いや仕事内容、業種、平均年収を紹介

※この記事は6分30秒で読めます。

「ブルーカラーってどのような仕事? ホワイトカラーとの違いは?」
「ブルーカラーの仕事内容や年収が知りたい」
など、ブルーカラーの仕事に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

ブルーカラーとは、「肉体労働系」の仕事全般のことで、未経験でも働きやすい特徴があります。

今回は、ブルーカラーの語源やホワイトカラーとの違い、業種や仕事内容、平均年収、メリットなどを解説します。この記事を読めばブルーカラーの仕事について理解が深まり、キャリアの選択肢が広がるでしょう。

1.ブルーカラーとは?

ブルーカラーとは、製造や建設などの業界でものづくりに携わる肉体労働者のことを指します。

具体的には、以下のような職種がブルーカラーに含まれます。

  • 建設作業
  • 土木作業
  • 溶接工
  • 整備工
  • 組立作業

2019年の総務省の調査によれば、日本全国で働く人のうち、ブルーカラーに属する仕事に従事する方の割合は42.0%となっています。

1-1.ブルーカラーの由来

ブルーカラーという言葉はアメリカで生まれました。肉体労働従事者が青い襟の作業服を着ていたため、白いワイシャツを着ていた監督者との区別としてブルーカラーと呼ばれるようになりました。カラーというと色(color)を連想しますが、この場合のカラーは洋服の襟(collar)のことを指しています。

ブルーカラーという言葉自体は差別用語ではありませんが、人によってはあまりよく思わない方もいるため、使うシーンには気をつけたほうが良いでしょう。

1-2.ブルーカラーとホワイトカラーの違い

ブルーカラーとは、先述したように、製造や建設などの業界でものづくりに携わる肉体労働者のことを指します。一方、ホワイトカラーとは、事務系などの職種に携わる頭脳労働者のことです。

以下のような仕事がホワイトカラーと呼ばれています。

  • 管理
  • 企画
  • IT
  • 医療
  • 研究

ホワイトカラー(white collar)の語源もブルーカラーの理論と同様、頭脳労働者が着ている「白い襟」のワイシャツが語源となっています。

1-3.ブルーカラーとグリーンカラーの違い

グリーンカラーは環境に関わる仕事をする方のことを指す言葉で、アメリカで造られた比較的新しい言葉です。林業のほか、太陽光発電やリサイクル事業、風力発電など、地球に優しい活動をおこなう仕事に関わる仕事も含みます。

1-4.ブルーカラーとメタルカラーの違い

メタルカラーとは、高度な技術職につく方を意味する言葉として日本で造られました。もともとは高度な技術力が求められる仕事をする方や職人を意味していましたが、最近では最先端技術に携わる方やAIロボットを意味することもあります。

1-5.他にもさまざまな「〇〇カラー」がある

古くからあるブルーカラー、ホワイトカラー、そして新たに生まれたグリーンカラーやメタルカラーのほかにも、ピンクカラーやシルバーカラーなどの呼び名もあります。

  • ピンクカラー:看護師や保育士、秘書など、女性の仕事とみなされがちな職業
  • グレーカラー:工場の生産管理者など、ブルーカラーとホワイトカラーの中間とみなされる職業
  • シルバーカラー:高齢者向けサービスや高齢者向け福祉の職業

2.ブルーカラーと呼ばれる業種と仕事内容

ブルーカラーに含まれる具体的な業種、職種の一例をそれぞれご紹介します。

2-1.製造業

ものづくりを担う製造業のなかでも、組立作業員や溶接工、旋盤工などの仕事はブルーカラーに該当します。

組立作業員は、図面に従って家具家電、自動車、プラスチック関連などの部品を組み立て、製品として仕上げる仕事を担います。

溶接工は、熱や圧力を用いて金属などの材料同士をつなぎ合わせる加工作業に従事します。求められる主な業界としては、建設や製造、造船関連などが挙げられます。基礎知識は専門学校や職業訓練で学ぶのが一般的です。

旋盤工は、「旋盤」という機械で金属の材料を切削したり穴を開けたりする仕事です。使用する刃によってさまざまな加工が可能で、加工した材料は精密機器や車などあらゆる場面で使用されます。

2-2.建設業

建築・建設に携わる建設業者もブルーカラーの一員です。建設作業員や土木作業員、鳶(とび)職などが挙げられます。

建設作業員は、マンションやビル、商業施設など、建物の建築作業全般に従事する労働者です。建築士や大工、設備関連の技術者も含まれます。

土木作業員は、石材や木材、鉄材などを用いた工事に従事します。道路や鉄道、橋梁、ダムなどの建設、補修を担うため、屋外での作業となります。

「現場の華」と呼ばれ、建設現場で高所作業を担うのが鳶職です。いち早く現場入りし、足場を組んだり鉄骨を組み立てたりと、工事作業に必要な基礎作業を担当します。

2-3.運輸業

運輸業は物流全般を担う業種で、荷物の仕分けや運搬スタッフ、配達ドライバーなどの仕事があります。

荷物の仕分けスタッフは、荷物を配達地域ごとに振り分ける作業を担います。トラックへの積み下ろし作業をおこなう力仕事です。

運搬スタッフは、トラックなどで荷物を目的地へ運搬します。担当によっては長距離の移動をともなう場合もあります。

配達ドライバーもトラックや軽自動車、バイクなどで荷物を運びますが、主に顧客へ直接荷物を届ける役割を担います。

2-4.農林水産業

農業、林業、漁業を担う農林水産業も、人力を要するブルーカラーに属します。

農業は、私たちが生きていくために必要な食料を生産する仕事です。田畑で米や野菜を育てたり、牛や豚、鳥などを飼育したりします。

林業は、森林の自然を守る役割を担う仕事です。苗木を植えて何年もかけて育った木を伐採し木材として販売する工程を繰り返します。

漁業は、海や川で漁や養殖を担います。魚介類を加工する作業も漁業の一部です。

2-5.鉱業

鉱業とは、鉱物などの探査や採掘をおこなう業種です。

大きく分けて、金属(鉄鉱業・非鉄金属鉱業)、非金属、エネルギーの3種類があります。

2-6.サービス業

サービス業にはさまざまな業種がありますが、そのなかで、車の整備をおこなう整備士や、物の修理をおこなう修理工などはブルーカラーに該当します。

整備士は、車が安全に運行するための修理や点検、整備を担います。国家資格である整備士の資格を取得することで活躍の場は大きく広がります。

修理工は、電化製品や精密機器、車両など、幅広くモノの修理に携わる技術職です。

3.ブルーカラーの仕事に就くメリット10コ

ブルーカラーの仕事に就くことには、いくつかのメリットが存在します。

  • 未経験からでも挑戦しやすい
  • 基本的に残業が少ない
  • 有給休暇を取りやすい
  • マイペースに働ける職種もある
  • 人間関係で悩むことが少ない傾向がある
  • 資格手当がもらえることもある
  • 初任給が高い傾向がある
  • 転勤や異動が少ない傾向がある
  • 転職しやすい
  • 体力がつく

それぞれのメリットについてお伝えします。

3-1.未経験からでも挑戦しやすい

ブルーカラーの最大のメリットといえるのが、未経験者でも足を踏み入れやすい点です。なかには資格が必要となる作業もありますが、基本は現場で体を使って仕事を覚えていきます

例えば、鳶職は、持っておくと役立つ資格はあるものの、最初は見習いとして先輩につき、現場で経験しながらスキルを高めていきます。その他のブルーカラーの仕事も、基本的に特別な学歴などは求められていません。

3-2.基本的に残業が少ない

ブルーカラーに属する仕事は、計画に基づきあらかじめ作業時間が決められているため、残業が少ない点もメリットです。

例えば、建設作業は工期とそれに付随する1日ごとの作業時間が明確に定められています。屋外作業の場合は騒音への配慮や太陽が沈むと作業が難しくなることを理由に、ホワイトカラーの仕事よりも早く終業するケースもあります。

3-3.有給休暇を取りやすい

ブルーカラーのなかでも、製造業は特に有給休暇が取りやすいといわれています。工場の仕事はシフト制なので、事前に申請することで休みを取りやすい体制になっています。

令和3年の調査によれば、製造業で働く方が1年間に取得した有給休暇の平均取得日数は18.6日と平均よりもわずかに多く、有給取得率も61.6%と平均よりも高い数値となっています。

3-4.マイペースに働ける職種もある

組立や工場のライン作業、検品・検査などの仕事は一人で黙々と作業できるため、マイペースに仕事を進められます。人と話すのがあまり好きでない方や、集中して自分の仕事に取り組みたい方にとっては、働きやすい職場といえるでしょう。

3-5.人間関係で悩むことが少ない傾向がある

ホワイトカラーの仕事と比べると、職場の人とコミュニケーションを取る必要性が低い職種が多く、人間関係で悩むことが少ないというメリットもあります。

職場の人間関係でストレスが溜まりやすい方や気疲れしたくない方にとっては、大きな利点といえるでしょう。

3-6.資格手当がもらえることもある

電気工事士やフォークリフト免許などの資格などを持っていると、毎月資格手当が給与にプラスされることがあります。スキルを磨くことで収入がアップするため、努力すればするほどやりがいを感じることができます

3-7.初任給が高い傾向がある

厚生労働省の調査によると、ブルーカラーである製造業の19歳以下の平均給与額は182万円、建設業は192万円、対してホワイトカラーの金融業に勤める19歳以下の平均給与額は170万円となっています。

このように、ブルーカラーの仕事はホワイトカラーと比較して初任給が高い傾向にあります。しかし、ホワイトカラーと比較すると給与が上がりにくい傾向もあるため、その分初任給が高くなっているともいえるでしょう。

3-8.転勤や異動が少ない傾向がある

ホワイトカラーの仕事は、地方の支店に転勤があったり子会社に出向したりすることもあります。しかし、工場勤務の場合は決まった工場でずっと働くことができるため基本的に転勤や異動がなく、安定した環境下で働くことができます

3-9.転職しやすい

ホワイトカラーの仕事は、転職したいときに求められるスキルや条件が合わず、転職先がなかなか決まらないことがあります。その点、ブルーカラーの仕事は、未経験や資格なしで働ける求人が多いため、比較的転職しやすいといったメリットがあります。

3-10.体力がつく

毎日デスクワークをしていると運動不足になりがちです。一方、ブルーカラーの仕事は体を使うため、最初のうちは体力面でデメリットと感じるかもしれません。

しかし、毎日働き仕事に慣れていくうちに体力がつくため、どのような仕事も比較的楽にこなせるようになってきます。健康の維持においてもプラスとなるでしょう。

4.ブルーカラーならではの大変さ

ブルーカラーの仕事に就く際に把握しておかなければならない注意点は、以下の4点です。

  • 昇給が難しい
  • 体力を求められる場面が多い
  • 単純な作業を一人でこなすことが多い
  • 女性が少ない傾向がある

イメージと違った…とならないよう、あらかじめ確認しておきましょう。

4-1.昇給が難しい

ホワイトカラーの仕事は年齢が上がるにつれて役職が与えられるなど、昇給しやすい体制が整っていますが、ブルーカラーの仕事ではあまりそういう仕組みはありません。資格を取得するなどして自らスキルアップしない限り、昇給しにくいでしょう。

4-2.体力を求められる場面が多い

ブルーカラーの仕事は体を動かす機会が多く、体力勝負の面もあります。体力が維持できず体調を崩すようなことがあれば、上司や同僚、顧客などに迷惑をかけてしまいます

また、高所での作業や取り扱いが難しい機材を扱う業務もあるため、危険と隣り合わせであるということを意識しておく必要もあります。

4-3.単純な作業を一人でこなすことが多い

ブルーカラーの職種によっては、単純作業を黙々とこなさなければならない場面が多くあり、モチベーションを保つ精神力や忍耐力、集中力が必要になります。

慣れてしまうと単調で退屈に感じてしまうかもしれませんが、新たな学びや効率化する工夫を自ら見出すことに楽しみを感じられる方には向いています。

4-4.女性が少ない傾向がある

建設業の正社員男女比率は男性が85.7%で女性が14.3%。製造業の正社員男女比率は男性が79.3%で女性が20.7%となっており、ブルーカラーの仕事は女性が少ない傾向にあるのがわかります。体力や腕力が必要な仕事が多いことや、職場に女性が少ないことで、応募する女性が少ないと考えられます。

しかし、最近では幅広い年代の女性が活躍できる環境に変わってきており、女性歓迎を打ち出すブルーカラーの求人も多数あります

5.ブルーカラーとホワイトカラーの平均年収の比較

ここでは、厚生労働省が公表した「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとにブルーカラー、ホワイトカラーでそれぞれいくつかの業種をピックアップし、平均年収を比較していきます。

なお、全産業における平均年収は、男性が338万円、女性が251万円となっていますので、それを踏まえてご覧ください。

5-1.ブルーカラーの平均年収

ブルーカラーに属する、建設業、製造業、運輸・郵便業の平均年収は、以下のとおりです。

男性 女性
建設業 345万5千円 251万2千円
製造業 321万8千円 222万7千円
運輸・郵便業 285万3千円 223万3千円

全産業の平均年収と比べると、建設業は男性が345万5千円で平均を上回る結果になり、女性は251万2千円でほぼ平均と同額になりました。

製造業は全産業の平均より若干低く、運輸・郵便業は男性で約52万円、女性で約27万円の金額差があります。

5-2.ホワイトカラーの平均年収

ホワイトカラーに属する、情報通信業、金融・保険業、学術研究業、教育・学習業の平均年収は、以下のとおりです。

男性 女性
情報通信業 405万円 315万5千円
金融・保険業 479万2千円 281万4千円
学術研究業 420万9千円 301万4千円
教育・学習業 429万4千円 306万9千円

ホワイトカラーは、上記すべての業種において全産業およびブルーカラーの平均年収を上回る結果となりました。

なかには高度な専門資格を要する業界もあるため、全体的な平均値の底上げにつながっていると考えられます。

6.まとめ

技術が進化しデジタル化が進んできていますが、まだまだ人の手でなければ成しえることができないブルーカラーの仕事は数多くあります。一度身につけた技術は揺るぎない武器となるでしょう

こだわりを持ち、達成感を得ながら働き続けることができれば、周囲の環境や状況が変わってもあなたを守ってくれるはずです。

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