慶弔見舞金とは?種類や相場、申請方法を解説
※この記事は5分で読めます。
「慶弔見舞金ってどのような制度?」
「慶弔見舞金をいくら受け取れるか知りたい」
など、慶弔見舞金に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
慶弔見舞金は企業が独自に用意している福利厚生の一種で、結婚や出産といったお祝いごと、災害や死亡などの際のお悔やみの両方でお金が支給されます。
今回は、慶弔見舞金の概要、似た名称の制度との違い、慶弔見舞金の相場などを解説します。この記事を読めば、慶弔見舞金のことがよくわかり、転職活動時に福利厚生を比較する際の参考にできます。
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1.慶弔見舞金とは?
慶弔見舞金(けいちょうみまいきん)は、従業員やその家族のお祝いごとや不幸に対して企業が支給するお金です。慶弔金(けいちょうきん)や慶弔費(けいちょうひ)と呼ばれることもあります。
具体的には、以下のような種類に分かれます。
- 結婚したとき(結婚祝い金)
- 本人や配偶者が出産したとき(出産祝い金)
- 病気やケガで会社を欠勤したり入院したりしたとき(傷病見舞金)
- 地震や火災などに巻き込まれたとき(災害見舞金)
- 本人が死亡したとき(死亡弔慰金)
このような慶弔見舞金は法律で定められた制度ではなく、企業によって支給されない場合もあります。しかし、実際には多くの企業で福利厚生として導入されており、転職活動をする方にとっても、企業の待遇を比較する際のポイントとなります。
お金が支給される慶弔見舞金のほか、お祝いごとや不幸があった際に休暇を取得できる「慶弔休暇(けいちょうきゅうか)」という制度もあります。
以下の記事では慶弔休暇についてより詳しく解説しています。
2.慶弔見舞金の種類
慶弔見舞金の内容は企業によって異なりますが、主に以下の5種類があります。
- 結婚祝い金
- 出産祝い金
- 死亡弔慰金
- 傷病見舞金
- 災害見舞金
2-1.結婚祝い金
結婚祝い金は、従業員本人が結婚したときに支給されるお金です。
本人が結婚する場合は初婚でも再婚でも支給されるのが一般的ですが、それぞれで支給される金額が異なることもあります。
支給タイミングは企業ごとにさまざまで、「役所に婚姻届を出したとき」「従業員が上司に結婚の報告をしたとき」などのケースがあります。
従業員の家族が結婚する際に支給される場合もありますが、従業員と結婚する家族との間柄によって金額が異なることが一般的です。
2-2.出産祝い金
出産祝い金は、従業員本人またはその配偶者が出産したときに支給されるお金です。
夫婦ともに同じ会社の従業員だった場合、一般的には片方にのみ支給されます。また、第一子か第二子以降かによって金額が変わることもあります。
2-3.死亡弔慰金
死亡弔慰金(しぼうちょういきん)は、従業員やその家族が死亡したときに支給されるお金です。
本人が死亡した場合は、役職、勤続年数、雇用形態などによって支給される金額が変わり、従業員の家族が死亡した場合は従業員本人との関係によって支給額が変わります。
家族の範囲は、配偶者と子ども、実父母が対象になることが一般的ですが、祖父母、兄弟姉妹、義父母まで含めるケースもあります。
2-4.傷病見舞金
傷病見舞い金は、ケガや病気によって会社を欠勤したり入院したりした場合に支給されるお金です。
業務中のけがや病気に対しては労災の制度もありますが、それとは別に支給されます。支給額は、私傷病か業務上や通勤中のケガであるかによって変わる場合があります。
2-5.災害見舞金
災害見舞金は、地震や火事などの災害によって従業員が被害を受けた場合に支給されるお金です。台風や土砂崩れのような自然災害か人的な災害なのか、また被災の規模によっても支給額が変わってきます。
3.慶弔見舞金とよく似た用語
慶弔見舞金(けいちょうみまいきん)は企業の福利厚生として一般的な制度ですが、求人を見てみると似たような名前の制度があります。ここでは、慶弔見舞金と似た名前の制度と、その違いを解説します。
3-1.香典との違い
香典は、故人の霊前に供えるお花、お香に代わる金銭や物品といった贈与品のことです。従業員やその家族にお金が渡ることは同じかもしれませんが、目的はまったく異なります。
慶弔見舞金はあくまで福利厚生の一部として支給されるものに対し、香典は霊前に備えるためのものです。香典は葬儀の際に手渡しで渡されるのに対し、慶弔見舞金の支給タイミングは、企業の規定によってさまざまです。
3-2.弔慰金との違い
弔慰金は、企業の役員や従業員が亡くなった場合に企業が遺族にわたすお金のことです。
慶弔見舞金は、結婚や出産などの祝いごとや葬儀や傷病・被災といった不幸があった際に支給されますが、弔慰金は亡くなった場合にのみ支給されるのが特徴です。
3-3.死亡退職金との違い
死亡退職金は、本来は支給されるはずだった退職金を亡くなった従業員の家族などが受け取る制度のことです。
故人の生前の貢献・功労に対して支給される意味合いがある慶弔見舞金に対し、死亡退職金は、遺族の生活保障の意味合いがあるとされています。
また、遺族側の相続税について、非課税になる範囲が以下のように異なります。
- 慶弔見舞金:原則は全額非課税
- 死亡退職金:法定相続人×500万円まで非課税
4.慶弔見舞金の相場
慶弔見舞金の支給額は企業が独自に決定できます。一般的に支給される金額相場は以下のとおりです。
慶弔見舞金の種類 | 相場 |
---|---|
結婚祝い金 | 1万円~3万円 |
出産祝い金 | 1万円~3万円 |
死亡弔慰金 | 従業員本人の死去:5万円~10万円従業員の家族の死去:1万円~5万円 |
傷病見舞金 | 業務上のケガ:2万円~10万円前後業務外のケガ・病気:1万円~5万円前後 |
災害見舞金 | 2万円~10万円 |
JOBPALを運営しているUTグループでは、結婚祝い金として2万円、出産祝い金として1万円/人を支給する制度があります。また、災害見舞金や死亡弔慰金の制度もあり、災害や死亡対象者に応じて見舞金が支給されます。
このように福利厚生が手厚い企業で働きたいなら、掲載企業の内情をよく知るキャリアパートナーに情報をもらうのが近道です。
JOBPALでは面談を通じて応募先の福利厚生に関する相談も受け付けているので、気になる方はぜひ利用してみてください。
5.慶弔見舞金をもらうには?
慶弔見舞金を受け取る際は、従業員本人がお祝いごとや不幸の内容、慶弔見舞金を受け取りたい旨を申告する必要があります。慶弔見舞金を受け取るにあたって準備すべき書類と、一般的な申請方法について解説します。
5-1.準備する書類
慶弔見舞金を受け取るために必要になる書類は、申請する内容によって異なります。
- 必ず提出するもの:慶弔見舞金支給申請書
- 申請する種類によって提出するもの:申請内容が証明できる書類のコピー
慶弔見舞金を申請する場合に添付が求められる書類としては、以下のようなものがあります。
申請する慶弔見舞金の種類 | 慶弔見舞金支給申請書に添付する書類 |
---|---|
結婚祝い金 | 婚姻届のコピー・結婚式の招待状など |
出産祝い金 | 出生届・出生証明書などのコピー |
死亡弔慰金 | 死亡届や埋葬許可証などのコピー |
傷病見舞金 | 診断書のコピーなど |
災害見舞金 | 罹災証明書のコピーなど |
5-2.申請方法
慶弔見舞金の申請方法を簡単にまとめると以下のとおりです。
- 総務部・労務部に連絡し、慶弔見舞金支給申請書を受け取る
- 慶弔見舞金の種類に応じて添付する書類を用意する
- 慶弔見舞金支給申請書と添付書類を総務部・労務部に申請する
企業によっては追加で書類提出が必要になるケースもあるため、詳細は所属企業の総務部・労務部にご確認ください。
6.慶弔見舞金に関するQ&A
最後に、慶弔見舞金に関してよくある質問と回答をQ&A形式でまとめました。
6-1.慶弔見舞金は所得税の課税対象になりますか?
慶弔見舞金は基本的には課税対象にはならず、税金を納める必要はありません。
「一般的に見て相当とされる金額」の範囲内の慶弔見舞金であれば非課税です。給与の支払い時に発生する源泉徴収の控除もおこなわれず、全額が支給となります。
6-2.慶弔見舞金はいつもらえますか?
慶弔見舞金を受け取れるタイミングは、慶弔見舞金の種類や所属する企業によってさまざまです。
葬儀の場合は、葬儀後に支給されるケース、死亡届のコピーを提出したあとに支給されるケースなどが考えられます。就業規則を確認し、それでもわからないときは総務部や労務部の担当者に確認しましょう。
7.まとめ
慶弔見舞金は労災のように法律で義務付けられた制度ではなく、企業によっては採用していない場合もあります。また、どのようなときに、いくら受け取れるかといった詳細は企業ごとに異なるため注意が必要です。
万が一のときにしっかり慶弔見舞金を受け取りたいなら、福利厚生が整った企業を探すことが第一です。
JOBPALでは、気になる企業の福利厚生を含めた待遇面の相談も受け付けています。福利厚生を重視したい方は、ぜひJOBPALの面談にお申し込みください。
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