既卒は決して人生終了ではない!就職できる可能性は高い
※この記事は6分30秒で読めます。
「既卒になると人生終了って本当?」
「既卒から正社員になる方法が知りたい」
など、既卒の就職活動について悩んでいる方もいるでしょう。
既卒からの就職活動は、中途採用枠での応募になります。既卒者に対して、新卒者同様の扱いをするような取り組みも進んでおり、正社員として就職することは十分可能です。
今回は、既卒が人生終了といわれる理由、既卒から就職が可能な理由などを解説します。この記事を読めば既卒が人生終了でないことがよくわかり、前向きに就職を目指せるようになります。
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1.既卒は決して人生終了ではない!
そもそも既卒とは、大学や専門学校を卒業してから3年以内の、社会人経験を持たない方のことを指す言葉です。学校を卒業後フリーターを続けながら就職活動をしている方や無職のままの方は、既卒として扱われます。
インターネットで既卒について調べると予測変換で「人生終了」と出てくるほど、既卒について悪いイメージを持っている方もいるでしょう。
たしかに、新卒と比べて就職活動に制約が発生する可能性はあります。ただ、既卒でも就職を成功させている方はたくさんいて、努力すれば自分の理想通りに就職することも可能です。
企業側は若手の人材を求めているので、新卒でも既卒でも、企業側のニーズにマッチした人材であれば、同じように高評価を受けて内定をもらえるかもしれません。
大前提として、既卒になってしまっても人生終了と諦めず、内定を得るにはどう動けば良いのかを前向きに考えることが大切です。
2.既卒は人生終了といわれる理由
そもそも、なぜ既卒は人生終了とまで言われてしまうのでしょうか。考えられる理由を3つご紹介します。
- 新卒と比べて応募できる企業が少ない
- 空白期間が長いと企業から懸念を持たれる
- 経験が少ないぶん書類選考が通りづらい
それぞれの理由についてお伝えします。
2-1.新卒と比べて応募できる企業が少ない
大きな理由の1つは、新卒採用枠を使えなくなることです。
多くの企業には新卒採用枠が存在し、知識やスキルがなくても伸びしろや熱意を伝えることで有名企業に入社できるチャンスがあります。
一方、既卒者の場合は新卒枠ではなく、未経験OKや既卒歓迎といった条件が付く中途採用の枠での募集となります。
中途採用の求人は新卒と比べ、エントリーできる企業が少ない可能性があります。大手にエントリーできるチャンスが減ってしまうことで、既卒=人生終了と言われてしまうのでしょう。
2-2.空白期間が長いと企業から懸念を持たれる
既卒が人生終了と言われる理由の2つ目には、空白期間が長いことで企業から懸念を持たれやすいことが挙げられます。
社会人としての空白期間が長いと、同じ年代の方と比べて経験値や身につけたスキルの質・量がどうしても不足してしまいます。
既卒の期間が長ければ長いほど、経験やスキルを身につけるタイミングが遅れ、新卒者と比べ不利になります。働く意欲がないのでは、といったマイナスな印象を持たれる可能性も高まるでしょう。
新卒で就職せず既卒になった理由や空白期間が長い理由を説明できれば大きな問題にはなりませんが、明確な理由が説明できない場合は内定を獲得できにくくなるでしょう。
2-3.経験が少ないぶん書類選考が通りづらい
ポテンシャルでは新卒以上の既卒の方でも、就職活動で苦労する要因になるのが書類選考です。
既卒の方は中途採用枠に応募することになりますが、社会人経験が少ないことで履歴書や職務経歴書をしっかり埋めることができません。
同じ20代でも数年の社会人経験がある方のほうが充実した履歴書・職務経歴書が書けるため、既卒者は書類選考を通過しにくい可能性があります。
若ければ新卒同様に熱意やポテンシャルで内定を得ることも可能ですが、空白期間が長くなり年齢が上がると、ポテンシャルだけでは内定を得にくくなります。
3.既卒のままで居続けるリスク
既卒だからといって人生終了と諦める必要はありません。とはいえ、既卒のマイナス面を最小限に抑えるには、できるだけ早く既卒から抜け出すことが大切です。
ここでは、既卒の期間が長いとどのようなリスクがあるかをみていきましょう。
3-1.既卒の期間が長いほど就職成功率が下がる
既卒の大きなリスクは、期間が長引くほど就職成功率が下がることです。
労働政策研究・研修機構が発表した「労働政策研究報告書No199 2017」によると、フリーターの期間が1年未満から正社員になれた方は全体の60%以上ですが、フリーター期間が伸びるほど就職成功率は低下する傾向にあります。
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参照:「労働政策研究・研修機構」労働政策研究報告書 No.199 2017
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2017/documents/0199.pdf#page=135
正社員として内定が欲しいなら、できるだけ早い段階で就職活動を始めることが大切です。
3-2.正社員とフリーターでは給与に差が出る
長く既卒としてフリーターをやっていると、正社員になった同年代の方よりも給与が低くなりやすい点もリスクの1つです。
厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」によれば、正社員の平均賃金は32万8,000円です。一方、正社員・正職員以外の人の平均給与は22万1,300円とかなりの差があります。
年齢階級別に給与の差を見てみると、若いころはそれほど差がないとしても、年齢を重ねるごとに、収入の差が広がっていくことがわかります。
年齢階級 | 賃金(男女計) | |
---|---|---|
正社員・正職員 | 正社員・正職員以外 | |
年齢計 | 32万8千円 | 22万1,300円 |
~19歳 | 18万5千円 | 17万100円 |
20~24歳 | 22万1千円 | 19万6,200円 |
25~29歳 | 25万5,900円 | 21万2,300円 |
30~34歳 | 28万8,400円 | 21万5,500円 |
35~39歳 | 32万3,500円 | 21万3,300円 |
40~44歳 | 34万7,500円 | 21万7,600円 |
-
参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/13.pdf
賃金の格差を埋めるには、少しでも早く既卒を脱して正社員を目指すことが近道となります。
以下の記事では、フリーターについて詳しく解説しています。
3-2.30代になればより就職が難しくなる
一般的には卒業から3年を既卒と呼び、企業によっては熱意やポテンシャルだけで採用される可能性もあります。一方、卒業から3年以上が経過すると既卒という枠からも外れ、よりスキルや実績などを求められることになります。
新卒で就職して正社員として働き30歳を迎えれば、約8年のキャリアを積んでいることになり、経験も豊富といえますが、既卒でフリーター歴が長いと、同年代と比べて経験に大きな差が出てしまいます。
30代になればその差はより大きくなり、就職活動を勝ち抜くことが難しくなってしまいます。
以下の記事では、30代の転職事情について詳しく解説しています。
4.戦略的に行動すれば既卒からの就職は十分可能!
長い期間を既卒として過ごすと、就職できないリスクが上がるのは解説したとおりです。
しかし、既卒になっただけで諦めてしまうのはまだ早いです。戦略的に行動することで、既卒からでも正社員として就職することは十分に可能です。
4-1.卒業3年以内は新卒として扱う企業もある
学校を卒業して3年以内は既卒として扱われると解説しましたが、企業によっては卒業後3年以内の方を「新卒」として扱うことがあります。
実際、厚生労働省では3年以内の既卒者を新卒枠で応募受付するような働きかけもおこなっています。
新卒枠にエントリーできれば、新卒者と同様に熱意やポテンシャル重視で採用してもらうことも十分に可能です。
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参照:厚生労働省「3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!!|厚生労働省・都道府県労働局・公共職業安定所」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000wgq1-img/2r9852000000wgun.pdf
4-2.既卒や第二新卒を採用したい企業は多い
現在人材不足の企業が多く、新卒にこだわらない採用活動をおこなう企業も多くなっています。その流れで、社会人経験がなくても既卒や第二新卒といった枠で若手を採用したいと考える企業は増えています。
既卒の方は、新卒から正社員で働いた転職者と比べてスキルや経験はありません。ただ、なかには働いた経験があることで思考が固まってしまっている方もいます。
既卒は経験がない分、新しいことを素直に吸収できる、柔軟な発想力があると前向きに考えることもできるでしょう。既卒者に対してポジティブな印象を持つ企業なら、就職も十分に可能です。
4-3.最初から正社員にこだわらなくても良い
既卒から正社員を目指す際、最初から正社員の枠にこだわる必要はありません。正社員だけに絞ると求人数が限られますが、別の雇用形態まで枠を広げれば応募できる企業数を大幅に増やすことが可能です。
また、契約社員、派遣社員、業務委託などの雇用形態で働き社会人経験を積めば、書類選考や面接でアピールポイントにすることも可能です。
さらに、契約社員や派遣社員として働きながら、その職場で正社員を目指すこともできます。企業の内情を理解してから正社員になれれば、ミスマッチを起こす心配もありません。
以下の記事では、派遣社員や契約社員から正社員になる方法を解説しています。
JOBPALでは、正社員はもちろん、さまざまな雇用形態の求人を多数ご用意しています。キャリアパートナーとの面談を通じ、自分に合う求人のアドバイスを受けることも可能です。
既卒から正社員への転職を成功させたい方は、以下のリンクからぜひ面談に応募してみてください。
5.既卒者に対して企業側が持つ印象
既卒者に対して企業が抱く印象は、良いものから悪いものまでさまざまです。ここでは、企業が既卒者に抱きやすい印象を2つ見ていきましょう。
- 既卒になったネガティブな理由がありそう
- 経験がないぶん大きな伸びしろがありそう
それぞれの印象についてお伝えします。
5-1.既卒になったネガティブな理由がありそう
企業が既卒者に対して抱く印象として考えられるのが、何かネガティブな事情があるのではないかというものです。
新卒として入社せずに就職活動を継続していることに関して、内定を取り消された、就職活動を真面目にやらなかったなど、何らかのネガティブな理由をイメージする採用担当者は少なくないでしょう。
そうした先入観を持たれることがあるという前提に、面談では不信感を与えないような受け答えが重要です。既卒になった理由をきちんと説明できれば、ネガティブな印象を払拭できるでしょう。
5-2.経験がないぶん大きな伸びしろがありそう
社会人経験がないことは中途採用としてみれば不利ですが、新卒として考えれば伸びしろがあるととらえることもできます。
社会人経験がないからこそ、成長する余地があるとポジティブに考えてくれる採用担当者もいるため、経験がないことが必ずしも不利になるとは限りません。
自分がその企業で働きたいという熱意や、謙虚に自分と向き合って仕事ができる人柄などをアピールしましょう。
6.既卒者がいち早く内定を獲得するコツ
ここからは、既卒者が少しでも早く内定を獲得するためのコツをご紹介します。
- なるべく早く就職活動を始める
- 自己分析を徹底的におこなう
- 求人サイトを毎日チェックする
- 資格やスキルの習得を目指す
- 企業や業界研究をおこなう
- 一人で就職活動を進めない
それぞれのコツについてお伝えします。
6-1.なるべく早く就職活動を始める
正社員として内定を獲得する可能性を上げるなら、なるべく早く就職活動を始めることが肝心です。
若いうちなら新卒と同様に熱意やポテンシャルで評価されますが、年齢を重ねるごとに実務経験やスキルが重視されます。
空白期間が長引くほど就職の成功率が下がるため、少しでも早く就職活動を始めましょう。
6-2.自己分析を徹底的におこなう
新卒時に就活したにも関わらず就職ができずに卒業してしまった方の場合、自己分析が不足していた可能性もあります。既卒として内定を獲得するなら、新卒のとき以上に自己分析を徹底しておこないましょう。
自己分析を徹底すれば自分の強みや弱みがわかるだけでなく、仕事に求める待遇やキャリアアップの道筋なども見えてきます。
自分に合う企業に応募できたり、経験のなさをカバーできるアピール力がついたりすれば、就職成功率アップが期待できます。
以下の記事では、自己分析の方法について解説しています。
6-3.求人サイトを毎日チェックする
中途採用の求人は、日々情報が更新されています。いつ既卒歓迎の求人が出るかもわからないので、毎日のように求人サイトをチェックする癖を身につけましょう。
求人サイトを見なかった日に既卒歓迎で自分に合った求人が出ると、見落とした分だけ応募が遅れてしまいます。こまめに求人をチェックして、応募すべき求人を見逃さないようにしましょう。
6-4.資格やスキルの習得を目指す
実務経験がない既卒の方が中途採用者とのスキルの差を埋めるためには、企業に関連する資格やスキルを習得することがおすすめです。
重要な資格やビジネススキルを身につければ、実務能力をアピールできるだけでなく、勉強に対する姿勢や仕事に対する熱意を感じてもらうこともできます。
以下の記事では、取得すると就職や転職に役立つ資格をご紹介しています。
6-5.業界研究や企業研究をおこなう
既卒者に限った話ではありませんが、業界研究や企業研究は徹底しておこなうことが大切です。
正社員になりたいという理由だけでは、自分の強みと業界の特徴がマッチしなかったり、企業風土が合わなかったりするので注意が必要です。
業界や企業の研究を進めれば、自己分析でわかった自分の強みを発揮できる業界・企業が見えてくるでしょう。未経験でも働きやすい業界か、人手が不足気味で積極的に採用活動をしている企業かなども見えてきます。
以下の記事では、業界や企業研究の意義や方法について解説しています。
6-6.一人で就職活動を進めない
既卒でも自分だけで就職活動を進めることはできますが、キャリアに関するプロに相談しながら就職活動できるサービスを利用するのもおすすめです。
一部の転職サイトや転職エージェントでは、自分に合った企業の紹介だけでなく、履歴書・職務経歴書の添削や面接の練習などのサポートも受けられます。
JOBPALでもキャリアパートナーによる面談を実施しており、多くの求人の中からそれぞれの個性やスキルに合った企業をご紹介しています。既卒から就職を成功させたい方は、ぜひJOBPALの面談に応募してみましょう。
7.まとめ
既卒に限らず、正社員として就職するなら、年齢を重ねてしまう前にできるだけ早いタイミングで就職活動を始めることが重要です。
最近は厚生労働省の主導で既卒を新卒枠で募集することの呼びかけがなされていることもあり、既卒から正社員として就職することは決して不可能ではありません。
JOBPALでは、正社員や契約社員、急募の求人など、多種多様な求人を掲載しています。さまざまな雇用形態の求人がありますので、ぜひ一度チェックしてみてください。
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