派遣会社の選び方・使い方
更新日:2024年03月13日

派遣社員の面接は禁止?面接の代わりにおこなう面談や顔合わせとは

派遣社員の面接は禁止?面接の代わりにおこなう面談や顔合わせとは

※この記事は6分30秒で読めます。

「派遣の応募でも面接を受けるって本当?」
「派遣の面接でどのようなことをするのか知りたい」
など、派遣社員の面接に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

派遣社員と派遣先企業の面接は、顔合わせを兼ねた面談の形式なら実施することができ、仕事に必要なスキルやマナーの確認をおこなうなどの特徴があります。

今回は、派遣社員の面談の概要、面接との違い、注意するべきことなどを解説します。この記事を読めば派遣の面談のことがよくわかり、安心して当日を迎えられるようになります。

1.派遣社員は派遣先との面接が禁止されている

派遣先企業が派遣社員に面接を実施することは禁止されています。派遣先企業は、自社に就業する派遣社員を選択する権利を有していません。その代わり、顔合わせの面談を実施している企業もあります。

まずは、面接が禁止されている理由やその他の禁止事項について解説します。

1-1.禁止されている理由

そもそも、派遣先企業が派遣社員に面接することはなぜ禁止されているのでしょうか。

1-1-1.法律上禁じられている

派遣先企業が派遣社員への面接を実施することは、労働派遣法第26条第6項の定めで禁止されています。

労働派遣法第26条第6項

「労働者派遣(紹介予定派遣を除く)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。」

ここでいう「派遣労働者を特定することを目的とする行為」に、派遣先企業による面接が含まれます。

1-1-2.派遣先企業が派遣社員を選べないようにする

人材派遣では、派遣会社と派遣先企業が労働の提供を目的とした契約を結んでいます。この契約には、派遣先企業が派遣社員を選ぶ権利は含まれません。業務内容に適した派遣人材を選ぶのが派遣会社の仕事です。

派遣社員の雇用主はあくまでも派遣会社であり、派遣先企業と派遣社員の間に雇用関係は生じない点もポイントです。派遣先企業がタッチできるのは、派遣社員の日常業務に関する指示や指導にとどまります。

以下の記事では、派遣社員についてより詳しく解説しています。

1-2.面接以外の禁止事項

派遣先企業に課されている禁止事項は、面接の実施以外にも以下の3つがあります。

1-2-1.履歴書・職務経歴書の提出を求める

派遣先企業は、履歴書や職務経歴書の提出を派遣労働者に求めることも禁止されています。派遣される人材の選出は派遣会社がおこなうものであり、派遣先企業には人選の権利はありません。

ただし、個人や企業が特定されない形で経歴やスキルが記載された「スキルシート」と呼ばれるものが派遣会社から派遣先企業に渡されることはあります。

1-2-2.適性検査を実施する

派遣社員が就業する前に適性検査を設けスキルをはかることも、派遣先企業にはできません。筆記試験の実施も同様に禁止です。

特定の業務に必要なスキルや適性を持っているかを調べる必要がある場合は、派遣会社が事前にスキルチェックなどを実施して判断します。

1-2-3.性別・年齢で採用を決定する

性別や年齢を限定した求人の募集は、そもそも法律で認められていません(労働施策総合推進法(旧・雇用対策法)および男女雇用機会均等法)。

派遣社員も同様で、性別・年齢を理由に採用を決定することは禁じられています。

2.派遣先とは面談(顔合わせ)がある

面接が禁止されている代わりに、派遣会社の担当者も同席して顔合わせの面談を実施している派遣先企業もあります。

面談を実施する目的や内容は以下のとおりです。

2-1.派遣先との面談の目的

面談を実施する目的は、派遣先企業が就業に関する説明を実施し、派遣社員が抱く疑問や不安を解消することにあります。

それらをあらかじめ解消しておくことで、就業がスタートしてからのスムーズなコミュニケーションや業務遂行が期待できるためです。

また、面接の実施が禁止されているとはいえ、派遣先企業としては自社の求める人物像か否かをあらかじめ確認したいという思惑もあります。

選考はおこなわないものの、基本的なビジネスマナーが備わっているか、人柄に問題がないか、必要なスキルを身につけているのかという点は、面談によって見極めたいと考えているのです。

2-2.派遣先との面談の内容

面談では、派遣社員と派遣先企業がお互いのことを詳しく知るために、情報の確認や質問をおこないます。流れに沿って詳しく解説していきます。

2-2-1.自己紹介

まずはあいさつと簡単な自己紹介から始めます。自分の名前や略歴に加え、時間を作ってくれたことへの謝意も伝えられるとベストです。

このとき、家族構成や出身地などのプライベートな情報は開示する必要がありません。また、経歴についてはのちほど詳しく触れるため、手短にまとめるのがポイントです。

2-2-2.スキル・資格

業務の遂行に問題なく携われるかをチェックするため、持っているスキルや資格の確認をおこないます。パソコン作業や接客対応など、業務に役立ちそうなものがあれば詳しく説明をしましょう。

このとき、派遣先企業からの質問には正直に回答してください。嘘をついてしまうと、就職後の仕事が円滑に進まなくなる可能性があるためです。派遣会社の担当者が同席しており、質問の答え方に困った場合は、その場で相談しても大丈夫です。

2-2-3.職歴

これまでの職歴について質問されることもあります。スキルシートには企業名などの詳細を伏せた状態で記載されており、詳しい業務内容をイメージしにくいためです。

また、職歴にブランクがある場合はその理由を尋ねられることもあります。どのように回答するか、事前に担当者と相談をしておくと良いでしょう。

2-2-4.求める条件

就業条件は事前に伝えられていますが、職場に馴染めるか、無理なく通勤できるかなどを確認する意味で、希望する就業条件を聞かれることもあります。

働き始めてからイメージとのズレが生じないよう、気になることがあれば質問してみましょう。具体的な質問の仕方は後述します。

3.派遣社員との面談(顔合わせ)の主な流れ

派遣社員と派遣先企業との面談は以下のような流れで進みます。

3-1.派遣会社の担当スタッフと待ち合わせ

面談当日は、まず派遣会社の担当者と待ち合わせをします。面談実施の15分ほど前に、派遣先企業前や最寄り駅で待ち合わせするのが一般的です。

ただし、派遣会社によっては、1時間ほど前に打ち合わせのためにカフェなどで待ち合わせをする場合もあります。

派遣先企業の雰囲気や担当者に関する情報、想定される質問など、気になることがあるなら、待ち合わせのタイミングで情報を聞いておくと良いでしょう。

3-2.派遣先を訪問し、担当者に挨拶

約束の時間になったら派遣先企業を訪問します。受付手続きは派遣会社の担当者がおこなうため、指示に従いましょう。

派遣先企業の担当者と会った際には、「よろしくお願いします」など、気持ちよい挨拶をします。

3-3.担当者と面談(顔合わせ)

派遣先企業の担当者との面談がスタートします。

面談は、前述の「派遣先との面談の内容」で触れた内容で進行していきます。派遣会社の担当者が面談に同席するか否かはケースバイケースです。事前に確認し、同席しない場合は不安な点を事前に相談しておきましょう。

3-4.採用結果の連絡

面談実施から数日後、派遣先企業から派遣会社へ採用結果の連絡が入ります。結果は、連絡を受けた派遣会社の担当者から派遣社員本人へ通達されることになります。

採用の連絡は、早ければ面談当日に入ることも珍しくありません。スムーズに対応できるようにスマートフォンはなるべく手元に置いておきましょう。いつから就業できるのかも、この段階でハッキリと決めることになります。

4.紹介予定派遣は派遣先との面接がある

前述の労働派遣法第26条第6項にも記載があるように、派遣の面接を禁止しているのは「紹介予定派遣を除く」派遣です。

したがって、紹介予定派遣の面接に違法性はなく、多くの派遣先企業が面談ではなく面接を実施しています。その理由は、紹介予定派遣は派遣期間終了後の直接雇用を前提としているためです。

面接によって派遣社員、派遣先企業がお互いを見極めることは、採用のミスマッチを防ぎ、双方にとって良い未来をもたらします。

紹介予定派遣に関しては、以下の記事でも詳しく説明しているのでご覧ください。

5.派遣の面談時に質問しておくべきこと

面談で派遣先企業から「何か質問がありませんか?」と問われたとき、何を聞いたら良いのかと悩んでしまう方もいるかもしれません。

以下3つの話題は、派遣先企業への理解が深まり、かつ意欲的な印象を与えられる話題のため、質問が思いつかない方は参考にしてください。

5-1.仕事内容に関すること

仕事内容に直結する質問は、自分が働く姿をイメージしやすくなるため、積極的に質問したい内容です。

以下のような質問をしてみましょう。

  • まずはどのような業務から任せていただけますか?
  • 一般的な1日の流れについて教えていただきたいです
  • 業務に使用するソフトウェアや機器などはありますか?

5-2.仕事に対して前向きで意欲的な話題

質問のタイミングを利用して、派遣先企業での仕事に前向きな姿勢をアピールすることも可能です。

以下のような質問は効果的でしょう。

  • 御社の企業理念が実際の業務に反映されていると感じるエピソードを伺いたいです
  • 御社の従業員としてもっとも重要なスキルは何ですか?
  • どのようなときに御社に入社して良かったと感じますか?

5-3.働く環境に関すること

自分が働くことになる環境について具体的にイメージするための質問もOKです。

例えば以下のように質問します。

  • 配属される職場やチームの雰囲気を教えてください
  • 同年代の社員で活躍している方の特徴をうかがいたいです
  • 繁忙期や仕事が忙しくなる曜日などはありますか?

6.派遣の面談をする際の注意点

派遣先企業と面談をおこなう際に気をつけたいポイントを3つご紹介します。

6-1.服装はスーツまたはオフィスカジュアル

服装は、基本的にはスーツまたはオフィスカジュアルを選びます。

なかには普段着で良い場合もありますが、色柄ものやデニム、レザーなどカジュアルすぎる服は避けるのが無難です。実際にオフィスで働いていても違和感のない服装を選びましょう。

また、身だしなみにも注意が必要です。衣類にシワやホコリがついていないか、髪や靴が不衛生ではないかなどを確認します。

6-2.ビジネスマナーを守る

身だしなみもビジネスマナーの一つですが、そのほかにも面談時に守りたいマナーがいくつかあります。

  • 挨拶
  • 言葉遣い
  • 姿勢や態度
  • 名刺の受け渡し

など

正社員の就職面接のように堅苦しい雰囲気ではない面談もありますが、プライベートとは異なることを頭に入れ、一社会人としての対応を心がけることが大切です。

以下の記事ではビジネスマナーについてより詳しく解説しています。事前に確認しておきましょう。

6-3.質問事項は事前に準備しておく

面談をおこなう企業の情報は事前に得られるので、面談前に質問事項を準備しておくことも重要です。暗記に自信がない場合はメモを持参しても問題ありません。

面談当日はどうしても緊張しがちです。そのため、その場で質問を考えようとしてもうまくまとまらない可能性があります。また、すぐに聞きたいことが思いつかず、先方を待たせてしまうことも考えられます。

なお、派遣先企業は派遣社員の雇用主ではないので、時給や勤務日数など雇用条件に関する質問はNGです。条件面を確認したいときは、派遣会社の担当者に質問をしましょう。

7.派遣の面談に関する疑問

最後に、派遣先企業での面談に関して寄せられることの多い4つの疑問について解説します。

7-1.面談でも不採用になることはある?

派遣先企業は、派遣社員を選考する権利がないことから、面接ではなく面談を実施します。そのため、本来であれば不採用という概念はあり得ないものです。

しかしながら、求める経験やスキルに満たないと判断され不採用を通達されるケースもあるのが実際のところです。その場合は気持ちを切り替え、新たに候補となる企業を探して積極的に応募しましょう。

7-2.採用になったとしても就業を断って大丈夫?

採用になっても就業を断ることは可能です。実際に派遣先企業に訪問し、担当者と面談したことで職場環境や業務内容が明確に見え、自分には合わないと感じることもあるでしょう。

派遣先企業も時間を割いて面談対応してくれたこともあり、建前上は断らないほうが良いとされていますが、実際は契約前のため、断ってもトラブルに発展する事態にはなりません。

7-3.面談時に社内見学はできる?

実際に働く職場や社内の見学を希望する場合は、事前に派遣会社の担当者に伝え、派遣先企業と交渉してもらうことになります。

ただし、見学ができるか否かは企業により異なります。交渉をしてもらった際には、派遣先企業と担当者に感謝の気持ちを伝えましょう。

7-4.面談時に答えなくてもいい質問内容はある?

面談で聞かれる質問のうち、プライベートに関する内容は答えなくても問題ありません。

答えたくない質問をされたときは「回答を控えさせてください」と伝えれば大丈夫です。丁寧な口調を心がけるとさらに角が立ちにくくなります。

8.まとめ

派遣先企業が採用選考を目的として派遣社員の面接をおこなうことは、法律で禁止されています。そのため、代わりに面談形式で顔合わせを実施する企業がほとんどです。

面接ではなく面談であっても、派遣社員と派遣先企業が双方を理解し、「この企業で働きたい」「この派遣社員なら来てほしい」と思い合えることが望ましい姿です。面談の流れや注意点を確認し、しっかりと準備を整えたうえで面談に臨みましょう。

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