工場の仕事内容
更新日:2023年05月30日

製薬工場の仕事内容とは?流れや特徴、魅力やきついポイントを解説

製薬工場の仕事内容とは?流れや特徴、魅力やきついポイントを解説

※この記事は6分で読めます。

「製薬工場の仕事内容を知りたい」
「製薬工場で働く魅力って何?」
など、製薬工場の仕事内容に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

製薬工場は、医薬品や医薬部外品など、人の健康に直結する製品を製造する工場です。徹底した衛生管理のもとで仕事をおこなう特徴があります。

今回は、製薬工場の概要、仕事内容や製薬の流れ、向いている人・向いていない人の特徴などを解説します。この記事を読めば製薬工場の仕事内容がよくわかり、転職活動の参考として活用できるようになります。

1.製薬工場とは?

製薬工場は、医薬品・医薬部外品の製造や飲料などを生産管理する工場のことです。人体に関わる薬品を扱うことから、5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)が行き渡っており、クリーンルームや空調が完備されています。

製薬工場で製造される「医薬品」「医薬部外品」には、それぞれ以下のような違いがあります。

医薬品 病気の「治療」「予防」に用いられる薬品であり、配合される有効成分の効果・効能が認められているもの
医薬部外品 病気の治療より「防止」「衛生」がメインであり、一定濃度で配合される有効成分の効果・効能が認められたもの

2.製薬工とは?

製薬工とは、原材料から合成・加工をして医薬品を製造する仕事、また製薬工場で働く製造スタッフのことです。薬品を使うことから、高卒程度以上の知識・技能が要求されます。入社後は担当作業についての知識を深めるべく、十分な企業内研修を受けることが一般的です。

私たちが安心して日常生活を送るためには、病気やケガを治したり予防したりできる医薬品や医薬部外品の存在が欠かせません。そんな医薬品や医薬部外品を作る工程を担う製薬工の仕事は、今後も安定して高い需要が見込まれます。

3.製薬工場の仕事内容

製薬工場の仕事内容は、配属される部署やラインによってさまざまです。ここでは医薬品の製造ラインに注目し、主な仕事内容を見ていきましょう。

3-1.仕事内容一覧

医薬品には「錠剤」「カプセル剤」「注射剤」などさまざまな形状があり、成分によっても効能は変わります。これらの医薬品や医薬部外品を製造することが製薬工場の仕事です。

医薬品の製造工程をまとめると、以下のようになります。

  • 原薬を製造する「原薬製造工程」
  • 原薬を加工して医薬品にする「製剤工程」
  • 医薬品を包装して出荷できる状態にする「包装工程」

3-1-1.原薬製造工程

何段階もの培養を経て増殖させた生物由来の細胞を分離させたり、原料を科学的に合成したりして、医薬品のもとになる原薬を作る工程です。

3-1-2.製剤工程

原薬を使用用途に合った形態にするために添加剤などと混ぜ合わせ、錠剤やカプセル、注射剤などの形に作り上げる工程です。

3-1-3.包装工程

製造した医薬品の品質を維持することを目的に包装をおこなう工程です。また、間違った使い方をしないよう、用法・用量などが記載された文書を封入することも含まれます。

3-2.医薬品製造の流れ

上記の製造工程は、医薬品ごとにさらに細かく分かれています。錠剤の製造を例にすると、以下のような流れで医薬品の製造は進んでいきます。

  • 受入試験
  • 秤量
  • 造粒
  • 混合
  • 打錠
  • コーティング
  • 検査
  • 包装

まず、原薬や添加剤、資材などを入荷します。その後は「秤量」といって、原材料を粉砕したりふるいにかけたりしながら、既定の量に計って分けていきます。

その後は、顆粒状にする「造粒」、成分が均一になるように混ぜる「混合」、錠剤の形に成形する「打錠」、水や光から守ったり苦みを防いだりする「コーティング」をおこなうというのが一連の流れです。

さらに、検査、包装を経て最終製品試験へと運ばれていきます。

4.製薬工場の特徴

製薬工場では半導体や精密機器が多く配置されており、ほとんどの工場では、ゴミやホコリを持ち込まないためにクリーンルームで仕事をします。クリーンルーム内には、高性能のフィルターを通すことで微粒子や微生物が少ないクリーンな空気が循環しています。

また、異物混入を防ぐ目的で、服装などの入退室基準が厳格に定められていることも特徴です。例えば、クリーンルームに入室するには「二次更衣」が必要です。一次更衣室で私服から作業着や上履きに着替え、二次更衣室で無塵衣(むじんい・顔以外が露出しない服)に着替えて髪をネットにしまい、ヘアキャップやマスクを装着します。

このように、徹底された清潔な空間で仕事をおこなうことが、他の工場との大きな違いです。

5.製薬工場で働く魅力

製薬工場で働くことの魅力は、大きく分けて2つあります。ここでは、製薬工場で働くことの魅力やメリットを確認していきましょう。

5-1.人の役に立てる

医薬品は人の命に関わるものであり、それを作ることができる製薬工場の仕事は、まさしく「人の役に立てる仕事」といえるでしょう。

5-2.きれいな環境で働ける

職場環境が整っており、きれいな環境で働けることも、製薬工場の魅力です。温度や湿度などがマニュアルどおりに管理されチリやホコリも見当たらないクリーンルームで働くことになります。きれいな環境で働きたい希望を持っている人にとっては最高の環境です。

6.製薬工場で働くきつさ

人々の健康を守る仕事ができるという「やりがい」がある製薬工場の仕事ですが、一方で「きつい」「大変」と感じることもあります。製薬工場で働くことを検討している場合は、これからご紹介する大変さやきつさをチェックしておきましょう。

6-1.身だしなみに関する規定が厳しい

製薬工場では、ホコリやゴミ、髪の毛などの混入を防ぐため、以下のような身だしなみの規定が徹底されています。

  • 無塵衣(むじんい)を着る
  • 髪の毛は短くする、または束ねる
  • 爪を短く整える
  • メイク禁止
  • 手袋とゴーグルをつける

など

工場内では顔しか皮膚が露出していない服(無塵衣・むじんい)を着用することが大半です。無塵衣から髪の毛が出ないように短くしたり束ねたりする必要があるほか、爪垢や汚れがたまらないように爪を短くすることも求められます。当然、メイクも禁止です。

手袋やゴーグル着用など、全身の身だしなみを指示どおりにする必要もあります。自由な服装で仕事をしてきた人にとっては、これらの規定が細かすぎて「きつい」と感じることもあるようです。

以下の記事では、工場勤務における髪型やアクセサリーの着用について解説しています。

6-2.現場内の移動も気をつかう

製薬工場では、ホコリが舞いあがって体に付着しないような移動の仕方が求められます。地面のホコリやごみなどを空中に巻き上げないよう、走ることはもちろん、激しい動きにも注意する必要があります。

床に物が落ちた際も、ひざにホコリがつかないよう、地面にひざを付けないように動く必要があります。行動の一つひとつが細かくマニュアル化されており、慣れないうちは大変さやきつさを感じるかもしれません。

7.製薬工場の製造に向いている人

ここまでご紹介してきたメリットやきつさを踏まえ、製薬会社の製造工の仕事に向いている人の特徴を解説します。

7-1.手先が器用な人

製薬工場には「機械の管理・保守」「仕分け・ピッキング」「梱包」などさまざまな仕事がありますが、いずれも力ではなく手先の器用さが活かせる仕事です。手先が器用な人であれば、どのラインに配置されても問題なく仕事をこなせるでしょう。

7-2.何事も慎重かつ丁寧におこなう人

製薬工場では当然ながら医薬品を取り扱います。人の健康や命を支える重要な製品であるため、検品や梱包といった作業まで丁寧におこなうことが求められます。

また、製造ラインのちょっとしたミスが大事故に結びつく恐れがあることから、機械の整備をする際も慎重な作業が必要です。規則を忠実に守ることができ、何事にも慎重かつ丁寧に対応できる人が、製薬工場の仕事に向いています。

7-3.真面目で責任感がある人

医薬品は人の命を守る重要なものです。仮に異物が混入していると命に関わる危険もあることから、高い衛生基準を守るためにクリーンルーム内で業務をおこなうことになります。

仕事内容はもちろん、服装や行動までマニュアル化されているのは、安心・安全な医薬品を製造するためです。そのような意図を理解し、責任感がある真面目な行動を取れる人が、製薬工場の業務に向いているでしょう。

8.製薬工場の製造に向いていない人

どのような仕事にも向き・不向きはあります。以下にご紹介する特徴を持つ人は製薬会社の製造に向かない可能性があるため、他の業種を並行して探すことをおすすめします。

8-1.飽きっぽい人

製造ラインに配属されると、仕事や行動・服装までマニュアルどおりの仕事をコツコツと続けることが求められます。決まったことを長く続けられる人に向いている一方、飽きっぽい性格の人には向いていません。

8-2.向上心がない人

次々に登場する新薬や新しい薬剤についての知識を得て業務にフィードバックする姿勢が必要です。

また、製造の実務についても「どうすれば効率的に動けるか」「ミスをなくすためには何が足りないのか」など、業務の質向上を常に考えることも大切になります。

業務の質向上・改善が苦手な人の場合、製薬工場の業務は向いていないかもしれません。

9.製薬工場で働くには?

製薬工場には「高卒以上」といった学歴要件が設定されている場合があり、他の工場と比較して気軽に見つからないイメージがあるかもしれません。ただ、作業の大半はマニュアル化されており、業界未経験であっても働くことは可能です。入社後に先輩に教えてもらったり、研修を受けられたりするため、入社時に無資格・未経験でも問題ありません。

製薬会社の製造業の仕事を探す際は、工場に特化した求人サイトで検索したり、求人誌やハローワークで探したりすることで見つかる場合があります。もし身近に働いている人がいれば紹介してもらうこともおすすめです。

未経験から製薬会社の製造業として働くことに不安を覚える場合は、転職サイトの相談サービスで疑問点を解消してみましょう。不安や迷いがあれば、JOBPALの面談をぜひ一度受けてみてはいかがでしょうか。

10.まとめ

製薬工場は人の命に関わる医薬品や、医薬部外品を製造する重要な仕事です。専門的な知識やスキルがないと働けないのではと思われがちですが、未経験の人でも担当できる「仕分け・ピッキング」「梱包」など、さまざまな仕事があります。

異物の混入などがないようクリーンルーム内で仕事をしたり、服装や移動の仕方まで細かくマニュアルが決まっていたりする点も特徴です。また、何より「人々の健康を守る」という大きなやりがいを感じることができる仕事でもあります。

製薬工場の仕事に興味があれば、ぜひJOBPALの求人をチェックしてみてください。

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