ルート配送とは?ドライバーの仕事内容や平均給与、メリットや大変さを解説
※この記事は6分で読めます。
「ルート配送ってどのような仕事?」
「ルート配送で働くメリットや大変さが知りたい」
など、ルート配送の仕事に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
ルート配送は、毎日決まった配送先に荷物を届け、飲食店や小売業など多くの事業を支える重要な仕事です。
今回は、ルート配送の概要、仕事内容、一日の仕事の流れ、平均年収、メリットや大変さなどを解説します。この記事を読めば、ルート配送のことがよくわかり、自身が働く姿をイメージできるようになります。
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1.ルート配送とは?
ルート配送とは、荷物・商品を倉庫でピックアップし、契約している店舗に決まったルート・順番で届ける仕事です。
宅配業者のような一般的な配送ドライバーの場合は日によって配送する先が異なりますが、ルート配送では毎日の届け先が決まっています。また、配送だけでなく、商品をトラックに積み込む作業も担当するのが大きな特徴です。
転職市場では、ルート配送の運転手のことを「ルート配送ドライバー」と呼ぶこともあります。
以下の記事では、配送の仕事についてより詳しく解説しています。
2.ルート配送ドライバーの仕事内容
ルート配送では、毎日決められた日時・ルートで、決められた店舗や工場・事業所などに、荷物や商品を配送します。配送先の店舗や配送時間が指定されているため、1日の仕事の流れが自然と決まってくる点が特徴です。
例えば、スーパーやコンビニでは毎日複数回にわたって商品を入荷しています。そうした定期的な配送において活躍するのがルート配送ドライバーです。
2-1.一日の仕事の流れ
配送ルートや所属する企業によって仕事の流れは変わってきますが、ここでは一般的なルート配送ドライバーの1日の仕事の流れをご紹介します。
【1日の流れの例】
- 出社
- 配送車の点検
- 朝礼
- アルコールチェック
- 配送物の積み込み
- 指定された店舗・事業所に荷物を配送
- 適宜休憩
- 配送作業完了後に帰社
- 配送車の清掃
- 終業点呼
1日の仕事を始める前に、事故防止のための下準備が徹底しておこなわれます。配送車の点検とアルコールチェックをおこない、結果が良好でなければ配送業務につくことはできません。
また、配送物の積み込みをおこなうこともルート配送ドライバーの仕事です。フォークリフトを使っての積み込みだけでなく、手作業でトラック内に荷物を配置することもあり、1日の始まりから体力が必要となります。
そのあとは休憩をはさみながら、配送時間に間に合うように、設定されたルートをたどって配送をおこないます。配送先は企業や担当ごとに異なりますが、スーパーマーケットやコンビニ、レストラン・喫茶店など、小売業や飲食店が主な取引先です。
3.ルート配送ドライバーの平均年収
厚生労働省が発表した令和4年賃金構造基本統計調査によれば、ルート配送ドライバーの平均年収は384.4万円です。
給与額の人数割合では、月給18万円~19.9万円の人がもっとも多くなっています。給料がもっとも高くなるのは45歳~49歳で、年収427.85万円です。
国税庁が発表した令和3年分民間給与実態統計調査によれば、民間の事業所に勤務する給与所得者全体の平均年収は443万円(男女計)となっていますので、一般的な年収と比較すると年収は少し低めです。
とはいえ、トラックを運転できる免許があれば働けること、正社員の比率が高いため未経験でも正社員として働きやすいことは大きな魅力でしょう。
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参照:ルート配送ドライバー - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/482
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参照:国税庁|令和3年分民間給与実態統計調査
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/002.pdf
4.ルート配送ドライバーとして働くメリット
配送ドライバーの仕事には、以下のようなメリットがあります。
4-1.残業が少ない傾向がある
宅急便などの一般的なドライバーは配送ルートが日によって異なり、不在の場合は再配送が必要になります。不慣れな道を走ることも多く、残業が多くなる傾向にもあります。
一方、ルート配送は、決まったルートを走るぶんだけ残業が少ない傾向にあります。ただし、天候や道路工事、交通事故などによって混雑している場合は、そのぶんだけ勤務時間が伸びる可能性もあります。
4-2.ドライバー同士で協力しあえる
ルート配送では、一般的な個別配送と比較して、社員同士で協力しやすいメリットがあります。順番に長期休暇を取得するために担当ルートをカバーするといったことができるのは、配送ルートが決まっているからこそのメリットでしょう。
仕事を通じてドライバー同士で協力できれば社員間の関係性もよくなり、仕事のやりがいにもつながっていきます。
4-3.ノルマがない
ルート配送はその日の配送内容が決まっているため、一般的には「何日までに何件以上の荷物を配達しなければならない」というノルマが課されることはありません。
ただし、毎日の配送先の到着時間が決まっているため、決められたルートで予定どおりに配送を完了させるという大変さはあります。
4-4.給与が安定している傾向がある
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によれば、ルート配送ドライバーのうち50%以上が正規の職員・従業員です。
また、ルート配送は小売業や飲食店を経営するうえでなくてはならない仕事であり、今後も安定した仕事の需要が見込まれます。こうした特徴から、将来的に安定した生活を送りたいと考えている方の転職先としておすすめです。
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参照:ルート配送ドライバー - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/482
5.ルート配送ドライバーとして働く大変さ
ルート配送は安定して働ける仕事ではありますが、一方で以下のような大変さを感じる場面もあります。
5-1.時間をきっちり守らなければいけないプレッシャーがある
スーパーマーケットの店舗や飲食店に配送する場合、配送先の業務準備が始まる時間までに荷物・商品を届けなければいけません。
また、中継地点の配送センターに運ぶ場合も同様で、次の担当ドライバーの出発に間に合うように荷物を渡す必要があります。
決められた時間に到着しないといけないプレッシャーを常に感じながら仕事をすることになるでしょう。
5-2.常に安全を意識して行動しなければいけない
配送で利用するトラックは準中型~中型免許以上の免許が必要な大きさであることが多く、一般的な自家用車と比較して大きな車体です。
車体が大きいほど扱いが難しく、接触事故を起こすリスクが高まる可能性もあります。事故を起こさずに業務をおこなうためにも、常に安全を意識して行動することが求められます。
5-3.天候や災害に影響される
ルート配送に限らず、ドライバーの仕事は道路状況により時間的な負担が変わります。
大雨による川の氾濫や交通事故による渋滞などで普段のルートが使えない状況に陥ることも考えられますし、自分自身が大雨や事故・災害に巻き込まれることもあるかもしれません。
したがって、天候や災害、交通トラブルの影響を受けることを念頭に置いて仕事をすることが大切です。情報を常に仕入れて臨機応変にルートを変更するなど、緊張感を持った仕事が求められます。
5-4.早朝から仕事をする傾向がある
会社によっては日勤と夜勤がわかれる場合がありますが、日勤では早朝からの業務になる傾向にあります。
仮に早朝7時から仕事を開始する場合には、5時頃には起きなければいけないでしょう。早起きが苦手な人にとっては辛く感じるかもしれません。
5-5.土日に休みをとりにくい会社もある
取引先が土日でも営業している小売業や飲食店の場合、荷物を配送するルート配送ドライバーも土日が仕事になる可能性があります。
土日休みにこだわる人は、応募する会社の取引先をしっかり調べることが大切です。
6.ルート配送ドライバーに向いている方
ルート配送は、毎日決まったルートで配送をすること、基本的にノルマがないことから、配送のなかでは働きやすい仕事です。とはいえ、トラックを運転する外仕事ということもあって、少なからず向き不向きもあります。
ここからは、どのような方がルート配送ドライバーに向いているのかをご紹介します。
6-1.運転が好きな方
ルート配送はトラックを運転する仕事であるため、運転が苦手な方には向いていません。
一方、車好きで運転に慣れている人であれば、入社後すぐ即戦力になれる可能性があります。
6-2.一人の時間が好きな方
ルート配送の仕事は、研修時に先輩に同行するときを除けば、基本的に1人で作業します。
1日のほとんどの時間を1人で運転することに費やすため、1人が苦痛で常に誰かと一緒に仕事をしていないと不安を感じる方には向いていません。
逆に、1人の時間が好き、1人のほうが集中して働けるという方には向いているでしょう。
ただし、長距離ドライバーと比較すると客先で荷下ろしする機会が多く、客先の担当者とコミュニケーションを取る時間もあるため、コミュニケーション能力も求められます。
6-3.決まった作業をするのが好きな方
ルート配送は決まったルートを走り、決まった客先に荷物・商品を届ける仕事です。そのため、毎日決まった仕事をコツコツとこなすことが苦にならない方に向いているでしょう。
6-4.体力に自信がある方
1日の多くの時間で運転をしていること、荷物の積み下ろしはフォークリフトを使うことなどから、体力がなくても務まるイメージがあるかもしれません。
しかし、実際には荷下ろししたあとに台車やカゴ車に乗った荷物を店内に降ろす仕事もあり、体力や腕力が求められます。そのため、力仕事に自信がある方にも向いているでしょう。
7.ルート配送ドライバーになるには?
ルート配送ドライバーになるには、トラックを運転できる運転免許を取得していることが前提となります。普通自動車運転免許はほぼ必須であるほか、会社によって準中型、中型、大型免許が必須だったり、「あればなお可」とされていたりするケースがあります。
運転免許の所持が必須であるため、就職・転職できる年齢も自然と決まってきます。例えば普通自動車免許なら満18歳で取得できるので、高卒から働けます。
一方、中型免許が必須の会社では満20歳以上、大型免許が必須の会社では満21歳以上でないと免許を取得できず、働くことはできません。
トラックの大きさに見合う免許を取得できれば、転職サイトや転職エージェント、ハローワークなどを活用して転職活動を始めましょう。JOBPALでは、ドライバー・配送の求人に特化した求人ページをご用意しています。ぜひ以下のリンクから求人をチェックしてみてください。
8.ルート配送に関するQ&A
最後に、ルート配送に関してよくある質問とその回答をまとめました。
8-1.ルート配送は女性も活躍できますか?
ルート配送は運転の時間が長いため、運転が苦でなければ女性でも活躍できます。
荷物の積み下ろしも、フォークリフトを使えば腕力は必ずしも必要ではありません。ただし、荷物を個別に持ち運ぶ際にはある程度の腕力が求められます。
8-2.ルート配送の仕事をするうえで注意すべきことはありますか?
トラックを運転する以上、道路交通法を守って仕事をすることが重要です。
駐車違反や一時停止無視を起こさないといった交通ルールを守ること、飲酒運転はしないなどが基本的な注意ポイントです。
9.まとめ
ルート配送ドライバーは一般的にノルマがなく、毎日決まったルートを配送するため運転もしやすいといった特徴がある仕事です。そのため配送業務が未経験の人でも働きやすいでしょう。
飲食店や小売店が営業するにはルート配送が必須であることから、今後も高い需要が見込まれます。
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