業種とは?職種との違いや仕事探しで知っておきたいポイントを解説
※この記事は6分30秒で読めます。
「『業種』って何を指す言葉?」
「業種と職種・職業の違いが知りたい」
など、業種に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
業種は個人や企業が営む仕事の種類のことで、「工業」「農業」「製造業」などに分けることができます。自分に合った転職先を探すためにも、業種の種類や特徴を把握しておくことが重要です。
今回は、「業種」という言葉の意味や概要、具体的な業種の分類などを解説します。この記事を読めば業種のことがよくわかり、転職先を絞り込むための参考にすることができます。
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1.業種とは
業種とは、「建設業」「小売業」「製造業」など企業や個人事業主が営む事業の種類のことです。世の中にある仕事の「ジャンル」と言い換えることもできます。自分に合った仕事を探すためにも、希望する企業がどの業種に属しているかをしっかり理解しておく必要があります。
1-1.日本標準産業分類による業種分類
総務省が分類した「日本標準産業分類」によると、業種は「工業」「農業」「漁業」「製造業」「建設業」など、20種類に分かれています。
【大分類一覧】
- 農業、林業
- 漁業
- 鉱業、採石業、砂利採取業
- 建設業
- 製造業
- 電気・ガス・熱供給・水道業
- 情報通信業
- 運輸業、郵便業
- 卸売業・小売業
- 金融業・保険業
- 不動産業、物品賃貸業
- 学術研究、専門・技術サービス業
- 宿泊業、飲食サービス業
- 生活関連サービス業,娯楽業
- 教育、学習支援業
- 医療、福祉
- 複合サービス事業
- サービス業(他に分類されないもの)
- 公務(他に分類されるものを除く)
- 分類不能の産業
さらに細かい中分類は、下記からご覧ください。
-
参照:産業分類コード一覧(大分類)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/info/industry_list01.html
なお、JOBPALで取り扱う業種は、以下の2つが該当します。
2.職種・職業との違いとは
業種と併せて知っておきたいのが「職種」「職業」という言葉です。それぞれに明確な違いがあります。
職種とは、「仕事の種類」のことです。営業部、製造部、人事部、総務部など、所属している部署=職種と考えることができます。
職業とは、人が生計を維持するために従事している仕事のことを指します。会社員、自営業、公務員などがこれに当てはまります。
2-1.代表的な職種
職種の代表例としては、以下のようなものがあります。
営業職 | 自社製品やサービスを顧客に売り込む職種。既存顧客のもとに出向くルート営業のほか、電話で営業をおこなうテレフォンアポインターや、お客さまを出迎えて営業する内勤営業などの種類がある。 |
事務職 | 書類やデータの作成をおこなう職種。電話応対や郵便対応などの庶務だけでなく、経理や人事など専門性の高い仕事も含まれる。 |
企画職 | 商品やサービスを企画・開発する職種。リサーチや企画開発だけでなく、営業企画や販売促進・広報活動まで担当する場合もある。 |
介護職 | 入居者の介護・介助をおこなう職種。介護福祉士やケアマネジャーなどへのステップアップが可能。 |
技術職 | エンジニアやプログラマーなど技術的な開発をおこなう職種。 |
2-2.仕事内容は業種✕職種で伝える
転職活動を始める前に、今働いている仕事や前職の「業種」「職種」を明確にしておきましょう。面接など、自分のこれまでの仕事内容を説明する機会で明確に答えられるよう整理しておくのがおすすめです。
業種だけではどのような仕事をしているのかイメージしにくいため、職種もセットで伝えると面接がスムーズに進みます。例えば「製造業の営業職」「小売業の企画職」といった具合です。
3.業種・職種に似た求人サイトで目にするワード
業種・職種・職業という3つのキーワードについて特徴や違いを解説してきましたが、その他、就職活動をする際に求人サイトでよく目にする、また押さえておきたい言葉をご紹介します。
3-1.扱っている分野を指す「業界」
業界とは、業種や同じ商品を取り扱う企業の分類のことです。例えば、広告代理店の業種は「サービス業」ですが、業界は「広告業界」となります。
3-2.営業形態の違いで分類した「業態」
業態は、小売業や外食産業の中で使われる営業形態の区分です。同じ「小売業」であっても、「百貨店」「ホームセンター」「コンビニエンスストア」「スーパーマーケット」など、「何を売るのか」「どうやって売るのか」によって呼び方が異なります。
外食産業でいえば、「レストラン」「居酒屋」「カフェ」「デリバリー」などが業態の代表例です。
4.自分に適した業種とは?失敗しない仕事選び
就職・転職活動を始めるにあたっては、まずは自分がどのような業種に向いているのか知ることから始めてみると良いでしょう。自分に合った仕事を探すための方法を4つご紹介します。
4-1.自己分析をする
仕事探しの最初の一歩として、「自己分析」は欠かせません。自分自身を客観的に分析し、自分の性格や長所・短所、得意・不得手、仕事上でどのようなことに喜びを感じるかなどといったことを掘り下げていくことで、自分が向いている業種を絞り込むことができるでしょう。
自己分析をおこなう際のポイントについては、以下の記事を参考にしてみてください。
4-2.業界を研究する
興味のある業界・業種の研究にも取り組みましょう。業界や業種ごとに風土や特色は異なります。まずはそれぞれの組織体系や平均年収などを把握し、自分の希望に合ったものであるか検討します。
加えて、その業界・業種が安定して働き続けられるかなど、将来性の高さを判断しておくのも重要です。
4-3.職種を研究する
同じ業界・業種でも、職種によって求められる適性や能力は異なります。例えば同じ製造業でも、営業職と技術職では求められるスキルや知識、資格も異なるため、業界・業種を絞り込んだら、次はどのような職種が存在するのか研究しましょう。
職種ごとの仕事内容や平均年収、求められるスキルも調べておくことで、より自分に合った職種が見えやすくなります。
4-4.企業研究をする
業界や業種・職種を研究し、働きたいと思える業界や職種を絞り込めたら、具体的にどのような企業でどのような仕事の募集があるのかを調べ、働いてみたい企業を選びます。
企業研究をすれば、企業の公式ホームページやSNSなどから企業風土や給与、福利厚生、働く人の雰囲気などをつかめるでしょう。
一つの企業に絞り込めない場合は、いくつかの企業をピックアップし、「経営方針」「戦略」「業務内容」「福利厚生」などを比較して検討することをおすすめします。
企業研究の方法については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
5.希望別おすすめの業種とは
仕事を通してどんなことを実現させたいかは、人によって異なります。ここでは、達成したい希望や目標ごとにおすすめの業種を紹介します。
5-1.人の悩みや希望に寄り添いたい
人の悩みや希望に寄り添いたいと思っている人には、以下のような業種が向いています。
- 金融・保険業
- 医療・福祉
金融・保険業界は、顧客の希望や悩みを聞き取ったうえで最適と思われる保険や投資商品を案内する仕事です。
また、医療・福祉は、病気の患者や乳幼児・高齢者・障害者といった利用者のための施設などに勤務してケアをおこないます。
扱うジャンルは異なるものの、「お客様の困り事を解決するためにサポートやアドバイスをする」という点は共通です。
5-2.多くの人を笑顔にしたい
「お客様の笑顔が見たい」「幸せにしたい」と考えている人におすすめの業種は以下のとおりです。
- 宿泊業
- 飲食業
- 卸売・小売業
- 娯楽業 など
宿泊業や飲食業は、おもてなしや料理のクオリティによって顧客満足度が変化し、接客対応がうまくできれば顧客から感謝されます。
小売業も人を笑顔にできる代表的な業種です。スーパーマーケットや百貨店などでは「どんなものを買おうか」「どんな商品が自分に合っているか」という悩みを抱えたお客様が買い物にくるケースが多く、接客を通じてお客様の悩みを解決することができます。
娯楽業はパチンコ・ボウリング・カラオケなどが該当します。楽しく余暇を過ごすために非日常の空間を提供し、喜んでいただける仕事です。
5-3.感謝される仕事をしたい
「人から感謝されたい」と考える人におすすめの仕事は、以下のようなものが該当します。
- 教育
- 学習支援業
- 医療・福祉
- 公務(自衛隊や警察官、消防など)
教育や学習支援は、子供に勉強を教えたり集団生活を教えたりすることを通じて、実際に接する子供だけではなく保護者からも感謝してもらえることが多い仕事です。
医療福祉や公務についても同様で、医療サービスや公務を通じて感謝されることが多くあり、正義感が強い人であればやりがいを感じられる仕事です。
5-4.社会に貢献できる仕事がしたい
社会貢献を強く意識するなら、以下のような業種が候補になります。
- 医療・福祉
- 公務
- 製造業
- 農業
- 漁業
- 建設業
- 運輸業
- 電気ガス業
地域住民の健康や安全を守る医療福祉や公務などといった仕事は、地域住民から感謝されるだけでなく、社会への貢献度も高い仕事です。農業や漁業といった農林水産業は、毎日の食を支える、なくてはならない仕事といえるでしょう。
また、建設・運輸・電気ガスなどインフラに関連する職業は、仕事の内容がそのまま社会貢献になります。
5-5.ものづくりがしたい
ものづくりに魅力を感じるなら、候補になるのは以下のような業種です。
- 製造業
- 建設業
- 放送業
- 情報サービス業
- 映像・音声・文字情報制作業
- 飲食業
製造業は材料や部品を組み立てて製品を作る仕事で、自動車や医療機器など、人の生活に必要不可欠な物の生産も多く扱います。
建設業は、住宅や商業施設のほか、道路やダムなどのインフラ設備を手掛けることもあります。完成させた物は何十年と残り続けることもあり、やりがいを持って働けるでしょう。
放送業や情報サービス業なら、ニュースや情報を的確に届ける番組や記事を、飲食業では飲食物を作るという点でクリエイティビティのある人に向いています。
5-6.生活の基盤を支える事業に従事したい
生活の基盤(インフラ)に関する仕事としては、以下のような仕事があります。
- 電気ガス・水道業
- 公共工事を請負う建設業
- 鉄道、バス、タクシーなどの公共交通機関
- 郵便業
- 通信業
電気・ガス・水道は、人間が生活していくには必要不可欠であり、人々の生活基盤を支える代表的な仕事といえます。
建築業も同様で、道路やダムの構築や補修といった公共工事を通じて、私たちの生活基盤を整えてくれます。その他、鉄道やバスといった公共交通機関や郵便物を届ける郵便業なども、人々の生活の基盤に関わる仕事です。
6.転職の仕事探しは業種×職種で考える
転職活動においては、これまで経験してきた業種・職種と同一なのか、それとも異なるのかで、アピールすべき内容が変わってきます。それぞれのパターンにおいて、面接で押さえておきたいポイントをご紹介します。
6-1.同業種×同業種の転職ポイント
「同業種かつ同職種」の転職では、これまでの経験や知識を活かして働くことができます。面接でアピールできる点も明確であることから、未経験と比較すると採用してもらえる可能性が高いです。
また、すでに業種・職種の良いところ・悪いところを理解しているため、転職によるミスマッチが起こりにくい点もメリットといえるでしょう。
6-2.異業種×同職種の転職ポイント
これまでとは異なる業種であっても、同じ職種に転職すれば前職で培ったスキルをもとに仕事ができます。
例えば「営業職」であれば、製造業からIT関連業に転職した場合、売り込む商材が変わるだけで営業のスキルはそのまま活かせます。前職との共通点を理解し、経験やスキルを活かせることをアピールできると、ポイントアップにつながります。
6-3.同業種×異職種の転職ポイント
同業種への転職であっても、これまでとは異なる職種を希望する場合は苦労する可能性があります。
例えば同じ「製造業」でも、営業から技術職への転職を希望するのであれば、商材の知識は豊富でも、製造の技術に関するスキルは未経験者と変わりません。そのため、採用試験では同業種での経験をどのように活かすかがアピールのポイントとなります。
また、面接ではほぼ間違いなく「なぜ異なる職種にチャレンジしたいのか」と聞かれることになります。説得力のある回答ができるよう、志望動機をしっかりと考えておくことも重要です。
面接における志望動機の答え方は、以下の記事で詳しく解説しています。
6-4.異業種×異職種の転職ポイント
これまでに経験のない異業種、かつ異職種の転職は、社会人としての経験年数があってもまったくの未経験者と同様の扱いになる可能性が高くなります。そのため、仕事への熱意をしっかりアピールする必要があります。
また、これまでの社会人経験で身につけたスキルをどう活かすのか、事前に情報を整理しておきましょう。
7.まとめ
転職を希望する理由によっても自分に適した業種は異なるため、まずは業界研究を進めて自身に合いそうな業種をピックアップしてみましょう。転職活動をする際には、業種だけでなく具体的な職種の希望も明確にしておくと、自分に合った仕事に出会いやすくなります。
JOBPALでも、業種・職種別にさまざまな仕事をご紹介しています。希望の業種・職種が絞れたら、以下のリンクからぜひ転職先企業を探してみてください。
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