条件から選ぶ
更新日:2023年08月24日

社宅と寮の違いとは?メリット・デメリットや種類、特徴を解説

社宅と寮の違いとは?メリット・デメリットや種類、特徴を解説

※この記事は5分30秒で読めます。

「社宅と社員寮って何が違うの?」
「社宅と社員寮それぞれのメリットが知りたい」
など、社宅と社員寮の違いに関して興味や疑問を持っている方もいるでしょう。

社宅は配偶者や家族がいる従業員向けの住宅、社員寮は主に単身者向けの住宅です。それ以外にも両者にはさまざまな特徴があるため、それぞれの違いを知っておくと会社選びのポイントの一つとなるでしょう。

今回は、社宅・社員寮の概要や両者の違い、社宅や社員寮に住むメリット・デメリットなどを解説します。この記事を読めば、社宅と社員寮の違いがよくわかり、転職・就職活動の参考になります。

1.社宅とは?

社宅とは、福利厚生制度の一環で、企業が従業員向けに割安で提供する住宅のことです。地方から転勤してきた従業員が家探しをする必要がなくなり、安心して業務に打ち込めるようになります。

一般的な賃貸物件よりも家賃が安いため貯金もしやすく、従業員にとってはその会社で長く働く有力な動機になるでしょう。

なお、社宅は「社有社宅」「借り上げ社宅」の2つに分かれます。

1-1.社有社宅

社有社宅は、企業が所有権を持つ社宅のことです。まとまった戸数の物件を建て、建物内は同じ企業の従業員で占められることになります。

建築費用や土地・建物の購入費用がかかるため、中小企業よりも大企業が採用する傾向にある方法です。物件探しの手間や敷金・礼金の負担などが必要ない反面、従業員が自由に物件を選べないのがデメリットといえます。

1-2.借り上げ社宅

借り上げ社宅は、企業が不動産会社などから物件を借り上げ、企業が家賃の一部を負担をする形で従業員に貸し出す社宅のことです。

社有社宅と違って建設や土地購入などの初期投資が不要で、老朽化対策や建物の維持管理も企業が直接おこなう必要はありません。社有社宅との違いは、会社が物件を所有しているか否かです。

2.社員寮とは?

社員寮とは、一般的に単身者向けに企業が割安で提供する住宅のことです。都市部から離れた工場での勤務では、社員寮に入ることも多くなります。

家族向けに提供される社宅では自炊が前提になりますが、独身向けの社員寮では安価で食事や洗濯、掃除などのサポートが受けられる場合があります。

また、社員寮では個室ではなく「相部屋」「大部屋」などルームシェアになる可能性もあります。キッチンやトイレ、バスルームなどが共有スペースになりやすい傾向もあります。

社宅と同様、社員寮も「自社寮」「借り上げ社寮」の2つに分かれます。

2-1.自社寮

自社寮は、企業が自社で建築し社員寮として保有している建物のことです。大手の人材派遣会社や地域密着型の派遣会社などが所有するケースが多くあります。

工場に近いエリアに立地しているため通勤が便利で、家具や家電などがあらかじめ用意されていることも多いです。

2-2.借り上げ社寮

借り上げ社寮は、不動産会社から企業が借り上げ、従業員向けに提供する寮のことです。仕組みとしては借り上げ社宅と大きな違いはありませんが、基本的に単身向けに提供されます。

マンションやアパートなど1棟すべてを借り上げ、食事スペースやバスルームは共有スペースになる傾向にあります。また、共有スペースを利用するための細かなルールがあるのも特徴です。

3.社宅と社員寮の違い

法律の観点からみると、社宅と社員寮に大きな違いはありません。しかし、一般的には社宅と社員寮には特徴の違いがいくつも見られます。

社宅と社員寮の一般的な違いについて一覧でまとめると、以下のとおりとなります。

社宅 社員寮
分類 世帯向け住宅 単身向け住宅
食事 自炊が前提 サポートサービスがあることも
共有スペース なし あり※食事スペース、トイレ、バスルームなど
ルームシェア なし※家族単位で生活できる 相部屋や大部屋もありえる

社宅は一般的な賃貸住宅と同様の生活ができるのが特徴ですが、社員寮には共有スペースがあったりルームシェアをしたりなど、一般的な賃貸物件と異なる生活様式が用意されていることがあります。

4.社宅に住むメリット

社宅に住むメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。

  • 家族で住める
  • 安い賃料で住める
  • 民間の賃貸物件に住める
  • 保険や税金を抑えられる

社宅に住むメリットについて一つずつ説明します。後述する社員寮のメリットとも比較してみましょう。

4-1.家族で住める

一般的に社宅は家族向けの物件であり、配偶者や子どもがいる従業員が利用できます。キッチンやトイレ、バスルームなどが共同ではないため、家族単位でのプライベートを確保しやすい点がメリットです。

4-2.安い賃料で住める

社宅の大きなメリットの一つが、安い賃料で住める点です。個人で住宅を探して借りるよりも家賃を低く抑えられることで、同じ給与でも多くの金額が手元に残ることになります。

4-3.民間の賃貸物件に住める

借り上げ社宅の場合、会社が借りている物件のなかから従業員が自分で住む物件を選択できます。家族の意見やプライベートな事情を加味しつつ、自分にもっとも都合の良い物件を選ぶことができます。

4-4.保険や税金を抑えられる

社宅の家賃は会社の給与から天引きされるのが一般的です。所得税や社会保険料は給与明細に記載される額面の金額から算出されるため、額面が安くなることで所得税や社会保険料が安くなることも期待できるでしょう。

5.社宅に住む際の注意点

一般的な賃貸物件と同様の物件に安く住めることが魅力の社宅ですが、人によってはデメリットに感じることもあります。社宅に関して注意しておきたいポイントをご紹介します。

5-1.建物が古い場合がある

特に社有社宅の場合、建築からかなりの年数が経った社宅が長く使われている場合があります。

古い設計であることはもちろん、お風呂が昔のものであるなど、設備に不満を感じることもあるかもしれません。また、家族の人数に合う物件とは限らないため、狭いと感じる方もいるでしょう。

ただし、「住めば都」という言葉があるとおり、慣れてしまえば住みやすく感じるはずこともあるはずです。いかに快適に過ごすかを工夫することも大切になるでしょう。

5-2.住める期間が決められている場合がある

家族で住むことが前提である社宅は、社員寮と比較して会社が負担してくれる金額が大きい傾向にあります。

しかし、永久に負担してくれるわけではなく、社宅に住める期間や家賃を負担してくれる期間があらかじめ決まっている場合があります。

また、社宅によっては年齢制限があり、一定の年齢に達すると社宅から出る必要があります。

5-3.利用者同士の距離が近い場合がある

共有スペースが存在する社員寮ほどではないにせよ、集合住宅の社宅では同じ会社の従業員との距離感が近いと感じることがあります。

苦手な先輩や同僚と玄関前やエントランスで顔を合わせることも珍しくはなく、人によっては「プライバシーが確保できない」と不満やストレスを感じるかもしれません。

6.社員寮に住むメリット

社員寮は社宅と違って単身者向けに提供されていることが多く、以下にご紹介するようなメリットがあります。

6-1.安い、または無料で住める

社宅と同じく、一般的な賃貸物件に比べて割安な家賃で住める点が大きなメリットです。

敷金・礼金、仲介手数料といった初期費用が必要ないケースがあるだけでなく、会社によっては家賃が一切かからない無料の物件に住むことができます。

若いうちにどんどん貯金したい場合には大変ありがたい福利厚生といえます。

6-2.家具・家電を買う必要がない

社員寮の場合、家具や家電があらかじめ備え付けられているケースが一般的です。最低限の荷物だけですぐに生活を始めることができ、お金を節約できます。

6-3.社員食堂を利用できる寮もある

社員寮によっては、福利厚生の一環として社員食堂が完備されている場合があります。栄養バランスを考慮した食事を提供してくれるため、健康管理に役立つでしょう。

土日祝日は食堂が休みのケースがほとんどですが、平日に自分でコンビニ弁当を購入することを考えれば、栄養面でも費用面でも大きなメリットがあります。

以下の記事では、工場の社員寮の食事について詳しく解説しています。

6-4.ほかの社員とコミュニケーションを取れる

社員寮によっては食事スペースやバスルームなどが共同になっており、ほかの社員とのコミュニケーションの場として利用できます。

会社に慣れていない社員を先輩がフォローしたり、悩みを聞いたりすることもできるため、社内の団結が高まるでしょう。

7.社員寮に住む際の注意点

独身向けに特別な環境が用意されている社員寮ですが、一般的な賃貸物件と違う注意ポイントがあります。特に気を付けておきたい3つの注意点について解説します。

7-1.部屋が狭い場合がある

単身者向けの独身寮の場合、いわゆるワンルームの間取りが多く、専有面積が狭い傾向にあります。今まで1LDKなどの広い部屋に住んでいた方にとっては、窮屈に感じるかもしれません。

ただし、生活に必要なスペースは確保されていますので、仕事をしながら生活するのであれば困ることはないでしょう。

レイアウトを工夫したり余分なものをおかないようにしたりといった対策を施せば快適に住めるはずです。

7-2.時間やプライベートの制約がある

自社寮では食事スペースやバスルームが共有スペースになっていることがあり、全員が快適に暮らせるように一定のルールが定められています。

風呂や食事の時間が決められていたり、共有スペースに会いたくない方がいたりするなど、自分のプライベートな時間が一部制限される可能性がネックであり、プライベートな時間の優先順位が高い方にはデメリットに感じるでしょう。

もちろん、実際に生活するなかで慣れてしまう方も少なくありません。

7-3.自室で料理をできない寮もある

工場関連の寮の場合、社員食堂がある一方、自室で料理が一切できないケースがあります。

火事になることを防ぐための措置ですが、自分のペースで料理や調理を楽しみたい方にとってはデメリットに感じるかもしれません。

ただし、共用スペースで料理ができる物件なら、寮のルールの範囲内で料理を作ることもできるでしょう。

8.まとめ

社宅と社員寮は似たような福利厚生と思われがちですが、さまざまな違いがみられます。社宅は家族連れを想定してプライベートな空間が確保されている一方、単身者向けの社員寮は共有スペースや独自のルールのなかで生活することになるのが一般的です。

ただし、会社によって社宅や寮の定義は異なるため、今回ご紹介した特徴が当てはまらないこともあります。転職・就職活動で家賃補助ありの会社を選ぶ場合は、会社ごとの福利厚生の内容を事前にしっかりと把握することが大切です。

関連記事

閉じる

エリアから工場・製造業の
お仕事・派遣情報を探す

STEP1 エリアを選択

  • 北海道・東北
  • 関東
  • 甲信越・北陸
  • 東海
  • 関西
  • 中国
  • 四国
  • 九州・沖縄

< エリア選択に戻る

閉じる
© 2022 UT Group Co., Ltd. All Rights Reserved.