休職中に転職活動をしてもいい?メリット・デメリットやリスク、注意点を解説

この記事で分かること
- 休職中の転職活動は可能だが、推奨される行為ではないため、転職活動の準備にとどめるのがおすすめ
- 就業規則によっては休職中の転職活動が制限されている
- 休職中に転職活動をするなら、比較的時間に余裕があるため、書類作成や自己分析などの準備を入念におこなう
- 休職中に転職活動をするなら、休職中の転職活動について同僚に話したりSNSに投稿したりしない
※この記事は6分30秒で読めます。
「休職中に転職活動はしてもいい?」
「休職中の転職活動で気をつけることは?」
など、休職中の転職活動に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
休職中に転職活動をおこなうことは可能ですが、推奨される行為ではなく、企業によっては制限している場合があります。
今回は、休職中の転職活動に関するメリット・デメリットやポイント、注意点などを解説します。この記事を読めば、休職中におこなう転職活動のことがよくわかり、安心して準備を進められるでしょう。
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1.休職中に転職活動をしてもいい?
まずは、休職中に転職活動をしても問題ないかについて解説します。
1-1.転職活動をすること自体は可能
休職中でも転職活動をすること自体はできますが、休職は「復職を前提に仕事を休むこと」であるため、休職中の転職活動は推奨される行為ではありません。
休職中に転職活動している時点で、応募先の採用担当者に対して信頼性に欠ける印象を与える可能性もあります。
1-2.就業規則によっては制限がある
法的には問題がなくても、会社の就業規則によっては休職中の転職活動を制限している場合があります。
違反者に対して罰則規定を設けていることもあるため、休職中に転職活動をおこなう場合は、就業規則や雇用契約を事前に確認しておきましょう。
1-3.休職中は転職準備がおすすめ
休職中は転職活動に向けた準備をおこないましょう。転職サイトに登録して情報収集をしたり、自己分析をおこなったりするなど、転職活動の準備期間として活用できます。
応募先の採用担当者に対して誠実さを伝えるためにも、本格的な転職活動は復職後におこなうことがおすすめです。
自己分析のやり方は、以下の記事で詳しく解説しています。
1-4.健康状態を見ながら転職準備をする
心や身体の不調で休職している場合は、健康状態を見ながら転職準備を進めましょう。
休職中に体調が悪いにもかかわらず無理をして転職活動をしてしまうと、体調がよくならないばかりか、ストレスや疲労から症状が悪化してしまう可能性があります。
体調が万全でないときは大きな決断をせず、復調してから本格的に転職活動ができるよう準備をしておくことがおすすめです。
2.休職中に転職活動をするメリット
ここでは、休職中に転職活動をするメリットを2つ紹介します。
2-1.スケジュールの調整がしやすい
休職中の転職活動は、スケジュール調整がしやすいというメリットがあります。
仕事をしながら転職活動をする場合、面接に行ける時間が限られてしまいます。面接のために有給休暇を取ったり面接を仕事終わりの時間にあわせてもらったりするなど、さまざまな調整が必要です。
その点、仕事をしていない休職中であれば、面接のスケジュール調整がしやすいため、転職活動を効率的に進められます。
2-2.準備に時間的余裕がある
休職中の転職活動は時間に余裕があるため、準備に多くの時間を割ける点もメリットです。
転職活動では、履歴書や職務経歴書の作成、面接対策などの準備が必要です。しかし、こうした準備にはどうしても時間がかかってしまいます。
その点、時間に余裕のある休職中なら、十分な時間をかけて提出書類の内容を練ったり、面接対策に取り組んだりできます。
3.休職中に転職活動をするデメリット
ここでは、休職中に転職活動をするデメリットを2つ紹介します。
3-1.理由によって内定を取り消されることもある
休職は、理由によっては採用担当者に悪い印象を与える可能性があるだけでなく、事実を隠して内定を獲得した場合、内定取り消しになることがあります。
例えば、病気を理由に休職していて、内定後に休職が発覚した場合、会社側に「病気が再発して休職を繰り返すかもしれない」といった懸念が生じ、内定を取り消されるケースです。
また、選考時に「休職していない」「健康状態は良好」などと虚偽の申告をした場合にも、事後的に発覚して内定取り消しになる可能性があります。
もし求職中に転職活動するのであれば、採用担当者の不安を払拭するためにも、選考の時点で休職の事実と納得できる理由を伝えることが大切です。
3-2.今の会社を円滑に辞められないこともある
休職中に転職活動をおこなったことが今の会社に知られた場合、今の会社を円滑に辞められない場合があります。
一般的に、休職制度は離職防止を目的として、従業員が万全の状態で仕事ができるようにするために設けられているものです。つまり、会社は復職を期待して休職を認めているため、休職中の転職活動はよい印象を与えません。
特に就業規則で休職中の転職活動が禁止されている場合、トラブルに発展するだけでなく、罰則が与えられる可能性も考えられます。
このように、円滑に辞められないリスクがあることを理解したうえで、休職中に転職活動をするかどうかを判断しましょう。
4.休職中に転職活動をおこなう際のポイント
ここでは、休職中に転職活動をおこなう際のポイントを5つ解説します。
4-1.転職活動のスケジュールを組む
休職中で時間に余裕がある場合でも、転職活動をおこなう際は、事前にスケジュールを組んでから始めることをおすすめします。
スケジュールを組んでから転職活動を進めることで、転職活動の長期化を防いだり、やるべきことが明確になってモチベーションが向上したりするためです。
転職活動のスケジュールは、まずゴールを決めてから、いつ何をすればよいかを逆算して考えましょう。具体的には、転職先への入社日をゴールとして、以下のように考えることがおすすめです。
- ゴールとして転職先への入社日を決める
- 入社日から逆算していつまでに退職すればよいかを決める
- 退職日から逆算していつまでに内定をもらえばよいかを決める
- いつから求人への応募を始めればよいかを決める
- いつから転職に関する情報収集や準備を始めればよいかを決める
このように、ゴールを基準として「いつまでに何をするか」「いつから始めれば間に合うか」を逆算してスケジュールを組むことがポイントです。
4-2.転職の目的を明確にする
今の会社で休職した理由をふまえて、転職先では休職せずに長く働けるよう、転職する目的を明確にしましょう。
目的が曖昧なまま転職活動をおこなうと、転職先に求める条件や環境の見極めが難しく、自分にあう転職先を判断できない可能性があります。結果として、転職先で休職したり転職を繰り返したりすることも考えられます。
転職の目的を明確化させる際は、収入面ややりがいなど転職しようと思ったきっかけを書き出して整理することが重要です。明確な目的を持ったうえで転職活動をおこなうことで、自分にあった転職先を見つけやすくなります。
4-3.履歴書・職務経歴書を丁寧に作成する
時間に余裕がある休職中は、履歴書や職務経歴書の作成にも時間をかけられるため、丁寧に作成することを心がけましょう。
どのような履歴書・職務経歴書にするかによって、与える印象も異なります。誤字脱字がないように記載することはもちろん、手書きの場合は丁寧な文字を意識することが大切です。
また、志望動機や自己PRは、転職先が求める人物像にあわせて、自身の経験や得意分野をアピールしましょう。より具体性のある内容になるよう作り込むことで、採用担当者に自分の魅力を理解してもらえる可能性が高まります。
なお、履歴書や職務経歴書に休職している旨を必ずしも記載する必要はありません。記載しない場合は、面接時に休職の事実を口頭で伝えましょう。
面接時に切り出せる自信がない方や事前に伝えておきたいという方は、履歴書に休職期間を記載しておくと安心です。
4-4.自分の将来像を明確にする
転職活動をする際は、自分の将来像を明確にすることが大切です。将来像が明確になると、理想とする仕事や環境を具体的に想像でき、転職活動の方向性をつかみやすくなります。
そのため、仕事をしているときよりも時間に余裕がある休職中に、自分自身と向き合い、将来の目標やキャリアプランを考えることがおすすめです。
4-5.転職サポートに相談する
転職するにあたって不安がある方や転職活動の進め方に自信がない方は、転職サポートを活用することをおすすめします。
例えば、転職サイトや転職エージェント、ハローワークなどでサポートを受けられます。仕事探しの方法や履歴書の書き方など、転職活動に関するアドバイスをもらいましょう。
JOBPALでは、気軽に転職相談ができる面談をおこなっています。転職を検討している方は、ぜひご活用ください。
5.休職中に転職面接を受ける際のポイント
休職中に転職面接を受ける際のポイントを5つ紹介します。
5-1.面接の準備をする
休職中は時間に余裕があるため、面接準備にも時間をかけられます。面接準備をしっかりおこなうことで、緊張が和らいだり回答に一貫性を持たせられたりします。
具体的な面接準備の例としては、以下の内容があります。
- 想定される質問への回答を考えておく
- 具体的なエピソードを用意しておく
- 回答は何度も声に出して練習する
- 面接マナーを押さえておく
ただし、回答を丸暗記すると、想定と異なる角度で質問された場合、言葉に詰まってしまったり受け答えが不自然に感じられたりする可能性があります。そのため、実際の回答で応用できるよう、回答の要点を頭に入れておくことが大切です。
面接の準備不足が原因で、十分なアピールができなかったということがないようにしましょう。
5-2.休職の理由を明確にする
休職していることを伝えた場合、休職理由を聞かれることがほとんどのため、あらかじめ明確な回答を用意しておきましょう。曖昧な回答をすると、入社後に休職を繰り返す可能性を懸念され、採用につながらない可能性があります。
例えば、何らかのハラスメントを受けて休職した場合、どのように休職理由を伝えればよいか迷うかもしれません。
この場合、「職場環境に課題を感じ、どのような環境であれば自分の力を最大限発揮できるかを考えるために休職した」のように答えると、今の会社を悪く言っているようには感じられず、あくまでもポジティブな理由にとらえられるでしょう。
このように、あらかじめ理由を整理したうえで、採用する側の視点に立って伝え方を工夫することが大切です。
5-3.業務に支障がないことを伝える
心身の不調により休職している場合、入社後にしっかり働ける人材なのか、採用担当者が不安に思う可能性があります。
そのため、面接時に現在は回復していることや業務に支障はないことなどを伝え、転職後に問題なく勤務できるイメージをもってもらえるようにしましょう。
5-4.通院が必要な場合は選考時に伝える
現在は回復していたとしても、定期的な通院が必要な場合は、面接時にその旨を伝えることで誠実な印象を与えられます。
例えば、「月に一回の通院が必要なため、通院の日は午前休を取らせていただきたいです」といった形で素直に伝えておくと安心です。
5-5.休職理由を前向きに伝える
休職していることを伝えた場合、面接では休職理由を聞かれることがほとんどです。休職理由を前向きに伝えられるよう、事前にしっかり準備しておきましょう。
休職理由の伝え方については以下3つのパターンが考えられます。
5-5-1.病気やケガによる休職の場合
病気やケガが原因で休職した場合、採用担当者は入社後に問題なく働けるかどうかを不安視します。そのため、現在は回復していて業務に支障はなく、入社後も問題なく働けることをアピールしましょう。
【例文】
半年以上にわたって休日出勤や深夜残業が続き、体調を崩してしまったため、3ヵ月間休職しております。現在は復調し、業務に支障はありません。医師からもこれまでどおりの生活に戻して問題ないといわれているため、来週から復帰します。
5-5-2.留学や資格取得による休職の場合
留学で語学力を磨いたり、資格を取得したりするために休職した場合は、なぜそのスキルを現職で活かさず転職しようと思ったのか、理由をきちんと説明します。身につけたスキルの内容が、キャリアアップに関わるものだということもアピールしましょう。
【例文】
中国の工場と交渉する機会が多く、直接コミュニケーションを取れるようになるため、中国へ語学留学していました。現在は語学力を活かして積極的に交渉や資料作成などに取り組んでいますが、工場を別の国に建設することが決まってしまいました。
そのため、身につけた中国語をこれからも活かせる職場で働きたく、転職活動をしています。
5-5-3.家庭の事情による休職の場合
育児や介護など、家庭の事情によって休職した場合、今後も状況によっては休職や欠勤の可能性があるのではないかと不安視される可能性があります。そのため、安心して採用してもらえるよう、現在の状況をしっかりと説明することが大切です。
【例文】
遠方に住む母の介護のために一年間休職していました。来月には妹が結婚し、近所に住んで面倒をみてもらえることになったため、仕事に復帰する予定です。ただ、休職中にあらためて自分のやりたい仕事を熟慮した結果、転職して○○職で技術をより磨きたいと思い志望いたしました。
6.休職中に転職活動をする際の注意点
休職中に転職活動をする場合は、以下3つの注意点を押さえておきましょう。
6-1.休職の事実を隠さず伝える
応募先には休職の事実を隠さず伝えましょう。
選考で不利になる可能性を考え、休職中であることを隠したくなるかもしれませんが、事実が発覚した場合、内定を取り消されるリスクがあります。
休職していたことが発覚するタイミングとしては、以下の2つが挙げられます。
6-1-1.入社時の手続きで発覚する
休職中は収入が少なくなるため、入社時に提出する前職の源泉徴収票に記載された年間給与額から休職が発覚する可能性があります。
また、正社員の住民税は給与から天引きされるのが一般的です。住民税は前年の所得額をもとに算出されるため、転職先で住民税の手続きをしてもらう際に、納税額の低さから休職を疑われる可能性もあるでしょう。
6-1-2.健康診断で発覚する
病気で休職した場合、転職先で受ける健康診断で症状の悪化や再発が見つかれば、再び休職して傷病手当を受給しなくてはなりません。その際、過去の受給歴から休職していたことが発覚する可能性があります。
6-2.同僚に転職活動の話をしない
仲のよい同僚であっても、休職中に転職活動をおこなっていることは伝えないようにしましょう。
休職とは、復職を前提として仕事を休むことです。同僚に転職活動中であると伝えてしまうと、復職を目指していないことが現職の会社にバレてしまうリスクがあります。
就業規則によっては懲戒解雇になる可能性もあるため、気をつけましょう。
6-3.SNSに転職活動に関する投稿をしない
SNSで休職中の転職活動に関する投稿はしないようにしましょう。休職中に転職活動している旨の文章はもちろん、休職中にスーツを着用している写真でも転職活動を疑われる可能性があります。
SNSで同僚とつながっていない場合でも、SNSはいつ誰が見ているかわかりません。現職の上司や人事担当者がSNSをチェックしている可能性もあります。また、使っているSNSアカウントが本名でなくても、バレないとは言い切れません。
休職中に転職活動をしていることが知られると、場合によっては会社とトラブルになってしまうため、SNSの使い方には注意しましょう。
7.まとめ
休職中に転職活動をすること自体は可能ですが、推奨される行為ではありません。休職は、復職を前提として認められているためです。そのため、休職中は転職活動の準備をすることをおすすめします。
休職中に転職活動をする場合は、スケジュールを立てて、計画的に進めましょう。なお、休職中に転職活動をおこなっていることが今の会社にバレてしまうと、トラブルになる可能性があるため、同僚に話したりSNSに投稿したりすることはNGです。
JOBPALでは正社員採用を含め、さまざまな求人を掲載しています。転職を検討している方や自分にあう転職先があるか気になる方は、ぜひ求人をチェックしてみてください。
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