工場の仕事内容
更新日:2024年01月25日

印刷工場の仕事はきつい?印刷オペレーターの仕事内容や働くメリット、向いている人を解説

印刷工場の仕事はきつい?印刷オペレーターの仕事内容や働くメリット、向いている人を解説

※この記事は6分で読めます。

「印刷工場にはどんな仕事がある?
「印刷工場はきついって聞いたけど本当?
など、印刷工場の仕事内容やきつさに関して疑問を持っている方もいるでしょう。

印刷工場では立ち仕事がメインとなります。また、納期を厳守することが求められるため「きつい」と感じる人も多いようです。しかし、ただきついばかりではなく、印刷工場ならではのメリットもあります。

今回は、印刷工場の仕事の内容、きついといわれる理由、向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めば、印刷工場がきついといわれる理由に加えて魅力やメリットもよくわかり、自身が働く姿をイメージできるようになります。

1.印刷工場の仕事とは?

印刷工場は、書籍や雑誌などさまざまな紙媒体を生み出すのに欠かせない存在です。まずはその概要をご紹介しましょう。

1-1.印刷工場とは

印刷工場は、雑誌やカタログ、DMなどの紙媒体を印刷機を使って印刷する工場です。

といっても一枚ずつ手作業するわけではなく、印刷自体は機械がおこないます。工場で働く印刷オペレーターは、印刷機にインクを補充したり、機械の稼働状況を管理したりすることが主な役割です。印刷機は非常に大きい機械のため、2人で作業をすることもあります。

以下の記事では、工場の仕事についてより広く解説しています。

1-2.印刷工場の主な仕事内容

印刷工場では、紙媒体の印刷だけをひたすらおこなうわけではありません。企画・デザイン・製版・印刷・加工と、書籍を完成させるためのさまざまな工程も担います。

1-2-1.企画

印刷工場の仕事は、営業職が客先から仕事を受注するところから始まります。企画は、客先を訪問して印刷物の内容や種類を聞き出し、それに基づいてレイアウトや印刷用紙の種類などを立案する仕事です。

何を載せて何を伝えたいのかなど、作りたいもののサイズや紙質、色、部数、綴じなど仕様を決めていきます。

また、顧客のニーズを先取りして新たな印刷物を企画・提案することも仕事です。

1-2-2.デザイン・DTP

デザイン・DTPの工程では、冊子やDMなど作りたいものを印刷用にデザインします。企画部門が作った企画書やラフスケッチをもとに、デザイナーなど制作チームがデザインをおこないます。社外のデザイン会社や編集プロダクションと協力して作業する場合もあります。

印刷業のデザインは「DTP」といわれる手法が基本です。デザイン専用ソフトを用い、顧客の要望を実際の形に作り上げていきます。

1-2-3.製版作業

製版作業は、校了したデザインデータから「版」と呼ばれる印刷版を出力する作業です。制作チームが作成したデータを印刷機で印刷できるように加工していきます。

なお、印刷の種類は「オンデマンド印刷」「オフセット印刷」の2つに分かれ、オンデマンド印刷の場合は版が必要ありません

1-2-4.印刷

デザインと製販の後は、仕様に沿った印刷を実施します。印刷できる状態に版を印刷機にセットするほか、印刷機が正常に動くかの点検も必要です。

1-2-5.製本

印刷した紙を本にしていく作業です。刷本の中心を針金で綴じる「中綴じ」、背を糸で綴じる「糸かがり」、背を糊で固める「無線綴・平綴じ」などの方法があります。

扉になる紙や表紙と本体とを結びつける「見返し紙」をつけて、完成した「本」の形に仕上げます。

1-2-6.加工

断裁機や折機、製本機、型抜き機などの加工機を使用して印刷物を製品の最終形に仕上げる作業です。

断裁加工で指定されたサイズに裁断するほか、観音折りや2つ折り、ラミネート加工など指定の加工を施すこともあります。

1-2-7.検品・納品

刷り上がった印刷物に不具合や不良品がないかをチェックする作業です。問題がなければ梱包して出荷します。

2.印刷工場はきついと言われる理由4つ

印刷工場の仕事は、一般的には「きつい」といわれることが多い仕事です。ではなぜ、きついといわれるのでしょうか。

なお、以下の記事では、印刷工場に限らず工場勤務がきついといわれる理由とその対策について解説しています。

2-1.立ち仕事が主になる

印刷工場の仕事は立ち仕事が主になるため、体力的にきついと感じやすい環境です。休憩時間以外はずっと立ちっぱなしという職場も珍しくありません。

2-2.足腰に負担が掛かる

立ち仕事であることに加え、配属される部署によってはさらに足腰に負担がかかることもあります。

束になった紙は非常に重いため、紙をまとめて移動させたり積み上げたりする作業がある工程では足腰への負担が大きく、腰が弱い人などは余計にきつく感じるかもしれません。

2-3.工場内が暑い

暑い環境が苦手な場合も、印刷工場の仕事がきついと感じるでしょう。冷房を入れていても、印刷機械が熱を発するために作業場が暑くなる傾向にあります。

また、製造エリアは清潔でなければいけないため、防塵用のマスクや帽子、専用の作業服を着用することもあり、余計に暑さを感じます。

2-4.納期厳守である

印刷工場ではスケジュールに基づいて印刷作業を進めますが、「○日までに納品する」という日時が定められていることを「きつい」と感じる人もいます。

顧客からの要望による印刷データの差し替えや修正など、スケジュール通りに進まないこともあり、納期に間に合わせるために残業が多くなりがちです。

3.印刷オペレーターとして印刷工場で働きたい人におすすめの資格

印刷工場への転職は無資格や未経験でも可能です。ただ、有効な資格を持っていれば印刷に関する技術を証明することができ、転職の成功率も大きく上がるでしょう。

ここでは、印刷工場で働く人におすすめの資格をご紹介します。

3-1.印刷技能士

印刷技能士は、印刷に関する技能を証明する国家資格です。「凸版印刷作業」「オフセット印刷作業」に区分されており、いずれも1級と2級があります。オフセット印刷機による印刷操作だけでなく、保守・調整、印刷物の品質評価などの実技試験もあります。

受検には、1級は7年以上の実務経験または2級合格後2年以上の実務経験が必要です。2級でも実務経験2年以上という受験資格を満たさないと受検できません。合格すれば印刷技能士を名乗ることができ、印刷オペレーターとしての技能を客観的に証明できるでしょう。

3-2.DTPエキスパート

公益社団法人日本印刷技術協会が認証する民間の資格です。学科試験と実技試験で構成される認証試験に合格することで取得でき、「DTP概論」「色」「印刷技術」「情報システム」「コミュニケーション」の5分野が問われます。

3-3.製本技能士

製本に関する技能を測るために厚生労働省が認定した技能検定制度で、印刷工場のなかでも製本工程で作業する人におすすめの資格です。1級と2級があり、合格すると製本技能士を名乗れます。

また、職業訓練指導員免許の一つである「職業訓練指導員 (製本科)」の取得において、1級合格者は実技試験と学科試験が、2級合格者は実技試験が免除されます。

4.印刷工場で働くメリット

印刷工場で働くことにはメリットもたくさんあります。ここでは印刷工場で働くことの3つのメリットをみてみましょう。

なお以下の記事では、高卒から工場勤務にチャレンジする際のメリットをご紹介しています。

4-1.未経験でも働きやすい

印刷工場には、企画やデザイン、印刷などさまざまな職種がありますが、印刷オペレーターや補助の仕事は学歴不問です。未経験でも募集があり、現場で働きながら仕事を覚えていくことができるでしょう。

また、ITが進歩したことで紙からWebへの流れが加速する中、新しい技術に強い若手人材を欲する傾向にもあるようです。印刷関係が未経験でも、パソコンやIT関係に強ければ、アピール材料になるでしょう。

4-2.専門知識を学べる

アルバイトとして働く場合は、印刷機械を使用する前後の軽作業がメインとなります。機械の洗浄などの定期的なメンテナンスや所定の場所に紙を運搬するといった単純作業が主ですが、経験を積むことで印刷オペレーターのサポートをすることもあります。印刷機の操作を補助したり刷り上がったものをチェックしたりと任される仕事も多くなり、専門知識を働きながら身につけていけます。

一人前の印刷オペレーターになるには「5年かかる」ともいわれていますが、少しずつ先輩や上司の技術を学ぶことで、替えが効かない人材に成長できます。

4-3.色彩感覚が磨ける

顧客の要望通りの色味を実現させるには、「色彩感覚」「デザインセンス」などが必要です。多くの印刷物を手掛け、チェックしていくことで、色彩感覚やセンスを磨くことができます。

5.印刷工場の仕事に向いている人

印刷工場は体力を使う仕事であり、納期が厳格に定められていることから向き不向きがハッキリしています。印刷工場の求人に興味があるなら、自身の性格が印刷工場に向いているか確かめてみましょう。

5-1.体を動かすのが好きな人

印刷物を運ぶためには体力が必要であり、印刷オペレーターの業務も立ち仕事が主となりますので、体を動かすのが好きな人に向いています

5-2.細かい作業が好きな人

印刷物の仕上がりを左右するインクの調節や紙の見極めなども、印刷オペレーターの仕事です。インクの量や使う素材の種類によって印刷物の仕上がりが大きく異なるため、細かい作業が好きな人に向いています。

5-3.デザインが好きな人

印刷工場の仕事を通じて、カタログや雑誌、写真やポスター、ポストカードなど、さまざまな印刷物を目にする機会があります。

デザインに興味がある人にとっては、仕事で印刷物のデザインを見ることがそのまま勉強につながるでしょう。

6.まとめ

印刷工場の仕事は「立ち仕事が多い」「機械の熱で暑い」「納期に追われる仕事である」といった理由から、きついと感じる人もいます。しかし一方では、未経験でも始めることができる、印刷に関する専門知識が身につく、色彩感覚が磨かれるといったメリットもあります

印刷業界に興味をお持ちであれば、JOBPALから製造業・印刷工場の求人をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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