QC検定3級(品質管理検定3級)の合格率・難易度・試験範囲や勉強法、活かせる仕事を紹介

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「QC検定(品質管理検定)ってどのような資格?」
「QC検定3級(品質管理検定3級)の合格率は高いのだろうか」
など、QC検定3級(品質管理検定3級)に興味が出てきた方も多いのではないでしょうか。
私たちが安心して商品を購入したりサービスを受けられたりするのは、品質管理のおかげといえます。そして品質管理のスキルは、製造業にとどまらずあらゆる業種に活かされています。そこで注目されているのが、QC検定(品質管理検定)です。
ここでは、資格の概要や取得するメリットに加え、QC検定3級(品質管理検定3級)の合格率や難易度、効果的な勉強法などを解説します。この記事を読めば、QC検定3級(品質管理検定3級)についてより詳しく学ぶことができます。
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1.QC検定(品質管理検定)とは?
「QC検定(品質管理検定)って何?」「どれほど人気がある資格なの?」と思った方もいるかもしれません。まず、QC検定の概要や受験者数を見てみましょう。
1-1.QC検定(品質管理検定)とは?
QC検定(品質管理検定)は、一般財団法人日本規格協会が実施する資格検定試験です。民間の検定試験であるQC検定では、品質管理の手法や実践に関する知識をどの程度持っているかが問われます。試験範囲は品質管理のレベルごとに設定されており、各レベルの合格基準に達すると1級~4級が認定されます。
1-2.QC検定(品質管理検定)の受検者数
2023年3月に実施されたQC検定試験では実に4万人以上の方が受験しており、受験者数は増加傾向にあります。
主な受験者は品質管理に直接携わっている方、あるいは品質管理部門に異動する予定がある方などです。製造業やサービス業など品質管理を重要視している業種を中心に受験を推奨する企業が増えている傾向にあります。なお、級によっては大学生や高専生、高校生の受験も目立ちます。
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参照:第35回QC検定(2023年3月19日実施)
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4798.pdf
2.QC検定(品質管理検定)を取得するメリット
QC検定(品質管理検定)を取得するメリットは主に2つあります。
2-1.品質管理に関する知識が身につく
QC検定資格取得の勉強を通して、品質管理の知識だけでなく品質管理における考え方や手法、データ解析力などを幅広い知識を習得できます。品質管理に関してまったくの素人であっても、自分のレベルを着実に上げていくことができるでしょう。
QC検定で学ぶ内容は実用性のあるものが中心です。品質管理について即戦力となる知識が身についていると、実際に仕事に就いた際、実務の吸収スピードがアップすることが期待できます。
2-2.製造業への就職や転職に有利になる
製造業のなかには、中堅社員のQC検定取得を必須とする企業や、全従業員に受験させる会社も見られます。また、日本規格協会グループのホームページを見ると、大手を中心に多くの企業がQC検定を団体受験していることがわかります。企業がQC検定を重要度の高い資格と見ていることは明らかです。
品質管理スキルを証明できるQC検定を就職や転職に先駆けて取得しておくと、採用にプラスに働きやすいでしょう。
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参照:参加企業・団体・学校一覧 | 日本規格協会 JSA Group Webdesk
https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/qc/qc_entrydata1_4/
3.QC検定3級(品質管理検定3級)を活かせる仕事
QC検定に興味が出てきた方のなかには、「QC検定3級(品質管理検定3級)でも、活かせる仕事はあるのだろうか」と疑問が湧いた方もいるでしょう。結論からいえば、QC検定3級(品質管理検定3級)でも活かせる仕事はあります。働きながら取得ができ、取得をすればキャリアアップにつなげることも可能です。
ここでは、QC検定3級を活かせる仕事の一部を紹介します。
3-1.検品・検査の仕事
QC検定3級は、リーダーや管理者の支援を受けながら品質管理の問題を解決できる力があると認定される資格です。検品・検査は工場や倉庫から出荷する製品に不備がないかをチェックする仕事で、製品の品質に直接関わります。実務者レベルにあたるQC検定3級取得者にマッチした仕事といえるでしょう。
3-2.設備保守・保全の仕事
設備の保守や保全には、不具合が出たときに原因をひも解き、修復作業をおこない、新たな不具合や事故を未然に防ぐ仕事が含まれます。QC検定3級の試験範囲には、保守・保全に関する考え方や問題解決のアプローチ方法が含まれています。これらの知識が役に立つ仕事といえます。
なお、実際の作業には電気主任技術者や電気工事士などの資格が求められる場合もあります。ただし、設備保守の基本は不具合がない場合でも日々予防保全に努めることです。その点でQC検定3級が活きることがあるでしょう。
4.QC検定3級(品質管理検定3級)とその他の等級概要
QC検定3級(品質管理検定3級)は、他の級に比べて受験者が多い人気の資格です。ここでは、QC検定3級に加え、その他の等級の概要を説明します。
4-1.QC検定1級
QC検定1級は、各企業内での品質管理を担うリーダーなどが受験対象となります。品質管理のリーダーに求められる知識を有し、活用方法を理解しているかどうかが問われます。自己解決できない専門的な問題であっても、筋道立てて考え、解決方法を見極める力が必要です。
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参照:品質管理検定1級/準1級のレベル表
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4607.pdf
4-2.QC検定2級
QC検定2級は、品質管理部門のリーダー候補や管理職、従業員などを対象とした試験です。品質に関連して職場で発生する確率が高い問題を解決する知識や能力が問われます。他者から支援を受けなくても、品質管理の基本的な管理や改善活動を自立的に実践できる力が受験者に求められます。
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参照:品質管理検定2級のレベル表
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4608.pdf
4-3.QC検定3級
QC検定3級は、業種や業態に関わらず、職場の問題解決に携わるすべての社員に向けた試験です。また、就職を意識して品質管理を学ぶ大学生や高専生、高校生の受験も多く見られます。品質改善の進め方に関してリーダーや管理者のサポートを受ける前提で、QC七つ道具あるいは新QC七つ道具を使い、問題解決する力が問われます。
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参照:品質管理検定3級のレベル表
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4609.pdf
4-4.QC検定4級
QC検定4級は、これから企業で働く新入社員に加え、大学生や高専生、高校生など、品質管理の初学者が対象の試験です。企業組織で働くうえで最低限必要とされる品質管理についての基本常識や知識が問われます。実践は難しいものの、品質管理や企業がおこなう改善活動について言葉では理解しているレベルになります。
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参照:品質管理検定4級のレベル表
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4610.pdf
5.QC検定3級(品質管理検定3級)の試験範囲
QC検定3級(品質管理検定3級)ではどのような内容が扱われるのでしょうか。QC検定3級の試験範囲と試験内容を説明します。
5-1.品質管理の実践
QC検定3級の「品質管理の実践」に関する試験範囲は以下のとおりです。考え方の理解度を問う「品質管理の実践」は暗記問題が中心になります。
- QC的ものの見方・考え方
- 品質の概念【定義と基本的な考え方】
- 管理の方法
- 品質保証:新製品開発【定義と基本的な考え方】
- 品質保証:プロセス保証【定義と基本的な考え方】
- 品質経営の要素:方針管理【定義と基本的な考え方】
- 品質経営の要素:日常管理【定義と基本的な考え方】
- 品質経営の要素:標準化【言葉として】
- 品質経営の要素:小集団活動【定義と基本的な考え方】
- 品質経営の要素:人材育成【言葉として】
- 品質経営の要素:品質マネジメントシステム【言葉として】
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参照:品質管理検定3級のレベル表
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4609.pdf
5-2.品質管理の手法
QC検定3級の「品質管理の手法」に関する試験範囲は以下のとおりです。「品質管理の手法」は、暗記した公式を使う計算問題が中心になります。
- データの取り方・まとめ方
- QC七つ道具
- 新QC七つ道具【定義と基本的な考え方】
- 統計的方法の基礎【定義と基本的な考え方】
- 管理図
- 工程能力指数
- 相関分析
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参照:品質管理検定3級のレベル表
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4609.pdf
6.QC検定3級(品質管理検定3級)の難易度
近年、QC検定3級の合格率は50パーセント前後で推移しています。なお、2022年9月に実施されたQC検定3級(品質管理検定3級)の合格率は54.39パーセントでした。
QC検定3級合格には、品質管理の実践と品質管理の手法の各分野で約50パーセント、総合得点で約70パーセント以上が必要です。得意不得意を作らず、各分野で平均的に得点することが合格のポイントです。難易度は極端に高くはありませんが、決して低いとはいえないレベルのため、油断せずに取り組むと良いでしょう。
7.QC検定3級(品質管理検定3級)の勉強方法
QC検定3級(品質管理検定3級)の合格に必要な勉強時間は約100時間とされます。ただし、時間以上に大切になるのは「どのように勉強するか」です。ここでは、QC検定3級の効果的な勉強方法を3つに絞ってご紹介します。
7-1.過去問で反復練習
過去問を繰り返し解き、テキストで学んだ内容を着実に定着させる方法が効果的です。過去問は1度解いただけで満足するのではなく、何度も解いて不正解だった問題や理解が乏しい点を中心に勉強していきます。
特に2回目以降に不正解だったところは、理解が足りない部分です。不正解だった部分は解答や解説、テキストをじっくりと読み、理解を深めることが大切です。
7-2.七つ道具について重点的に対策
QC検定は出題される範囲がある程度限られています。出題頻度が高いのは、新旧QC七つ道具に関する問題です。安定して点数を取るには、QC七つ道具など出題数が多い部分に重きを置いて勉強するのが効果的です。
QC七つ道具のなかでは、管理図の出題頻度が高くなっています。新QC七つ道具は、新和図法・関連図法・系統図法の名称と使用理由を理解しておくと点数を取りやすくなります。
7-3.QC検定4級(品質管理検定4級)から学習
QC検定はどの級からでも受験ができるため、4級を取得せず3級から受験する方も目立ちます。ただし、初めてQC検定を受ける方はいきなり3級の勉強に取りかかるのではなく、4級の内容から始めることをおすすめします。
QC検定4級では品質管理の基本が扱われています。まずQC検定4級範囲を学び、下地ができたところでQC検定3級の勉強に移行すると、3級の知識を効率よく吸収できるでしょう。
8.まとめ
QC検定(品質管理検定)は製造業やホテルなどのサービス業を中心に有用性が認められ、資格取得者は重宝される傾向があります。企業がQC検定の資格取得を推奨していることもあり、受験者は年々増加しています。品質管理の知識や手法の基本を身につけていることを証明するQC検定3級を取得していると、就職や転職の際も有利に働くことがあるでしょう。
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