工場勤務の噂とホント
更新日:2023年08月24日

ライン作業がきついといわれる理由は?向き不向きや慣れるコツを解説

ライン作業がきついといわれる理由は?向き不向きや慣れるコツを解説

※この記事は6分30秒で読めます。

「ライン作業はなぜ「きつい」と言われるの?」
「ライン作業が向いている方の特徴が知りたい」
など、ライン作業に関して興味や疑問を持っている方もいるでしょう。

ライン作業とは製品を大量生産するための流れ作業のことで、大量に流れてくる製品について黙々と加工や検品などをおこないます。きついと感じる方もいますが、考え方や工夫次第で快適に仕事をこなすことも可能です。

今回は、ライン作業の概要、きついといわれる理由、向いている方の特徴、作業を楽にするコツなどを解説します。この記事を読めば、ライン作業がきついと言われる理由を理解したうえで、自身にとって向いている仕事かどうかを判断できるようになります。

1.ライン作業とは?

ライン作業とは、製品を大量生産するためにおこなう流れ作業のことです。ベルトコンベアから流れてくる大量の製品を組み立てたり、原材料や加工品の点検をおこなったりします。

ライン作業はさまざまな業界・業種で取り入れられている生産方式です。代表的なものとしては、以下のような業種があります。

  • 食品
  • 化粧品
  • 自動車
  • 電子部品
  • 精密機器 など

実際は上記のような業種のなかでも部門毎にさらに細かく分かれており、それぞれのラインに配置された担当者が作業をこなし、製品の完成を目指します。

ライン作業でおこなう仕事は、主に以下のとおりです。

  • 機械操作
  • 加工・組付け
  • 検品・検査

それぞれ確認してみましょう。

1-1.機械操作

機械操作は「機械オペレーション」とも呼ばれ、ライン上の機械に指示出しをしたり管理をおこなったりします。ライン作業の知識だけでなく、機械のメンテナンスに関する知識も求められます。

1-2.加工・組付け

加工・組付けは、材料に加工を加えたり組み立てたりすることで、製品を作りあげていく工程です。食品加工や製造部品の組付けなど、業界や企業ごとに作業内容は大きく異なります

自動車などの機械部品の場合、組付け以外に切断や溶接といった専門的な作業が発生することもあります。

1-3.検品・検査

検品・検査とは、梱包や出荷の前に不良品の有無をチェックすることです。正しい順番で作られているか、異物が混入していないか、完成品の寸法が公差に収まっているかなどを確認します。

大量生産された機械部品や食品の場合、専用の機械を使って良品と不良品を仕分ける「選別」という工程が組まれることもあります。

2.ライン作業がきついといわれる理由

ライン作業は一般的に「きつい」といわれており、チャレンジすることをためらってしまう方もいるかもしれません。

なぜ、ライン作業が「きつい」と言われてしまうのか、その理由について解説します。

2-1.スピードに慣れるまでがきつい

ライン作業では一定のスピードで製品が流れてきます。他の担当者の手を止めないように作業することが求められるため、最初はスピード感に慣れるのに苦労する方もいるようです。

流れに遅れないように、焦って作業をするとミスが発生することもあります。それが何度も続くことで「周囲についていけなくてきつい」と感じてしまうこともあるでしょう。

ただし、最初は作業スピードについていけないと思っていても、仕事に慣れるにしたがってだんだんついていけるようになります。

また、比較的スピードを求められない作業など、新入社員向けの仕事が用意されていることもあります。未経験の方は作業スピードに合った場所に配置されるので、心配し過ぎる必要はありません。

2-2.単調作業がきつい

ライン作業では、基本的に同じ作業をひたすら繰り返すことになります。

黙々と仕事をすることが好きな方には向いている職場ですが、動きがある仕事をしたい方にとっては単調すぎてきついと感じることもあるようです。

単調作業を辛いと感じない方でも、あまりに長く同じ仕事を続けていると飽きてしまうかもしれません。

飽きないように仕事をするためには、毎日の仕事のなかで「どうすればもっと効率よく仕事ができるか」を考えて働くことがおすすめです。

ツールの配置を変えてみる、作業工数を減らすように仕事の流れを変えてみるといった創意工夫をすることで、同じ作業でも飽きることなく続けられるでしょう。

2-3.立ち仕事の場合は体力が必要

ライン作業では、配置される部門によって体力的にきつい場合があります。

重たい金属部品を扱う加工・組付けの仕事はもちろん、梱包や出荷作業でも段ボールに入った数キロ~数十キロの製品を運搬することがあります。

検品や検査では重いものを持つことは少ないですが、1日中立ち仕事になってしまうため、やはり体力は必要です。

しかし、従業員に配慮し、細かく休憩を設定してくれる企業も少なくありません。また、足元に厚手のマットを敷くなど、立ち仕事の疲労を軽減できる仕組みが導入されているケースもあります。

転職活動の際には「体力に自信がないから」とすぐに諦めることなく、その企業が働きやすい環境づくりの工夫をしているか確認してみましょう。

2-4.長時間集中するのがきつい

ライン作業では、複数の担当者がそれぞれの部門に配置され、担当する仕事をこなして次の部門に製品を回すことになります。

効率よく製品を製造するためには、ラインを止めないように高い集中力を維持することが必要です。

続々と運ばれてくる製品を高い集中力をもって加工し続けるのは精神的にも大きな負担になるため、きついと感じる方もいるかもしれません。

2-5.ラインが止まると精神的にきつい

ライン作業でミスや不具合が発生するとラインが止まり、会社の生産量や売り上げに大きな悪影響を及ぼします。

また、場合によっては納期に間に合わず取引先にまで損害を与えてしまう可能性もあります。

自分が起こしたミスはもちろん、周囲の同僚のミスが原因でラインが止まることもあります。そうしたことがストレスになって、きついと感じる方もいるでしょう。

2-6.ミスできないプレッシャーがきつい

工場では安全性を重視し、一つでもミスが発生するとラインが止まるようになっています。稼働している人数が多ければそれだけミスも増えます。

ラインが停止することによって生産性が落ち、損害が発生してしまうことから、ミスできないプレッシャーがきついと感じる方もいます。

もちろん、責任感をもって仕事をすることは大切ですが、必要以上に気にする必要はありません。

万が一ミスや不具合が発生した場合は、工場側がマニュアルを改善するため、同じトラブルが発生しにくくなっていきます。

2-7.コミュニケーションがとりにくい

仕事中は近くに仲の良い方がいても会話する暇はなく、高い集中力をキープして作業をおこなうことになるでしょう。

このように、休憩時間以外はずっと集中が必要な点をきついと感じる方もいるかもしれません。一方で、人とのコミュニケーションを取らずに仕事をしたい方にとっては、非常に適した職場ともいえます。

ライン作業で働く前に、「コミュニケーションを取りながら仕事したいのか」「1人で集中して仕事をしたいのか」を明確にしておけば、転職時のミスマッチをなくせるでしょう。

3.ライン作業にどのような方が向いている?

ライン作業は一般的にきついといわれる反面、人によっては天職にもなりうることはすでにご紹介したとおりです。特に以下のような方は、工場でのライン作業に向いているといえるでしょう。

  • 黙々と1人で作業に没頭できる方
  • 効率よく作業したい方
  • 人とのコミュニケーションをあまり取らずに仕事をしたい方
  • 手先が器用で、細かい作業に対する集中力がある方
  • ものづくりが好きな方

ライン作業は、ラインに流れてくる製品に次々と加工を加えて出荷できる状態にする仕事です。そのため、どの部門に配置されても手先の器用さや高い集中力、黙々と仕事ができる忍耐力などが要求されます。

上記の条件を多く満たす方であれば、長時間ライン作業をしても苦に感じることはないでしょう。

逆に、上記の条件にほとんど当てはまらない方は、ライン作業の仕事の性質と自身の性格がマッチしない可能性が高いです。

例えば、人とコミュニケーションを取りながら仕事をしたいのであれば、同じ製造業でも営業や事務職のほうが適していると考えられます。

4.ライン作業に慣れる・作業を楽にするコツ

ライン作業はたしかにきついと感じることもありますが、仕事に慣れたり自分で工夫したりすることで、楽に作業ができるようになります。

ここでは、ライン作業がきついと感じなくなるコツをご紹介しましょう。

4-1.応募前に作業内容が自分に合っているかを確認する

ライン作業といっても、実際の作業内容は企業ごとにまったく異なります。応募前に企業の募集要項などを確認し、自分に合っているライン作業なのかどうかを確かめておきましょう。

募集要項などで判断できないときは、面接時に質問して確認するとミスマッチを防ぐことができます。

事前にチェックしておきたい作業内容には、以下のような項目があります。

  • 製造する製品は重いか軽いか
  • どのくらいの作業スピードが求められるか
  • 立ち仕事か座り仕事か
  • 同僚や上司とのコミュニケーションはどのくらい発生するか

4-2.作業中はなるべく時計を見ないようにする

ライン作業では淡々と一つの作業を続けるため、慣れてくると時間の進みが遅く感じてしまいます。「いつまでも時間が進まず、なかなか仕事が終わらない」という気持ちになり、精神的な負担になってしまうかもしれません。

時間の進みの遅さを感じないためには、作業中になるべく時計を見ないようにすると良いでしょう。とにかく手元に集中するのがポイントです。

時計さえ見なければ「まだこんな時間か……」と落胆することもありませんし、時計を見ている最中に手を止めることもないので作業スピードも上がります。

4-3.ベテラン従業員にスムーズなやり方を教わる

仕事に慣れないうちはライン作業のスピードに圧倒され、ついていけずにきついと感じるものです。ただ、多くの方は自然にスピードに慣れたり、手順を工夫してコツをつかんだりしていきます。

もっと早く仕事に慣れたいなら、仕事が早いベテラン作業員に作業のコツを習うことも大切です。ベテラン作業員も、最初は苦労しながら創意工夫をして効率よく仕事ができるようになったはずです。

そのような体験談を聞いて自分の仕事に反映させることで、早く仕事に慣れて効率的に作業ができるようになるでしょう。

4-4.作業をリズムに乗せておこなう

単調な仕事のなかでも集中力を切らさない方法として、リズムに乗って作業をする方法があります。

心のなかで自分が好きな歌を歌ったり、リズムを刻んだりすることで、単調な作業でも楽しくできるようになるでしょう。

もちろん、周囲に聞こえるように口ずさんだり、リズムに合わせて体をゆらしたりするのはNGです。周囲の迷惑にならない範囲で集中力を保てるように工夫しましょう。

4-5.自分なりの目標を立てて作業する

単調な作業でも、具体的な目標を立てると集中できるようになります。

「ベテランのAさんは◯個多く作っている。どうすれば差を埋められるのか」と自分で課題を考え、毎日少しずつ製造できる数量が増やせるような目標を設定します。

目標を達成するために作業環境を見直すことで作業効率が上がれば、いずれベテラン社員と同じ数をこなせるようになるでしょう。生産数以外にも、「良品率を100%にする」など品質面の目標を立てることも有効です。

5.まとめ

ライン作業は、工場の売上や生産性、信用に関わる重要な仕事です。一人ひとりが良品の完成を目指して高い集中力をもって作業にあたる必要があります。

仕事の特性上、きついといわれることが多いですが、黙々と仕事がしたい方、コミュニケーションより作業に没頭したい方には天職といえるでしょう。

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