工場のライン作業とは?仕事内容ややりがい、うまくなるコツを徹底解説【お仕事体験談あり】

この記事で分かること
- ライン作業には、加工や検品、仕分けなど製品の生産に関わる幅広い内容の仕事がある
- マニュアルがあるため未経験者でも挑戦しやすく、人間関係の煩わしさが比較的少ない
- モノづくりへの興味や集中力がある人に向いている一方、飽きっぽい人には向かない
- 仕事が早い人の動きの真似をしたり、反復練習をおこなったりすることで、作業は上達しやすい
- 正社員を目指すなら、アルバイトや派遣などで経験して自分に合っているかを確認してみるのがおすすめ
※この記事は6分30秒で読めます。
「ライン作業は具体的にどのような仕事をするの?」
「ライン作業に自分が向いているか知りたい」
など、ライン作業に関して疑問を持っている人もいるでしょう。
ライン作業はシンプルな作業の繰り返しが特徴で、未経験者でもチャレンジしやすく、モノづくりの達成感を味わえることが魅力です。
今回は、ライン作業を導入している業界や主な仕事内容、ライン作業の魅力、向いている人の特徴などを解説します。本記事を読めば、未経験でもライン作業に挑戦してみようと前向きな一歩を踏み出せるでしょう。
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1.工場のライン作業とは?
ライン作業とは、ベルトコンベアーで流れてくる部品や製品を決められた順序や工程通りに加工していく仕事です。
主に工場でおこなうライン作業は、どの業界においても基本的に同じ作業を繰り返す仕事なので、一度仕事を覚えてしまえば効率よく作業できるようになります。
仕事を覚えるまでに苦労することもありますが、ほとんどの現場にはマニュアルが完備されていますので、マニュアルを確認してから作業したり、わからなくなったらすぐに振り返ったりすることも可能です。
加えて、ライン作業はいきなり一人で作業を任されることは少なく、最初は先輩社員がついていてくれたり複数人で作業をしたりするため、わからないところがあってもすぐに周りに聞けるのも安心できるポイントです。
ベルトコンベアーは一定のスピードで稼働するため、最初はスピードについていけないこともありますが、慣れて要領をつかめば問題なく作業をおこなうことができます。
2.ライン作業を導入している主な業界
ライン作業を導入している主な業界は、以下のとおりです。
- 自動車・家電製品などの重軽機械業界
- 食品業界
- 化粧品業界
- 医薬品業界
- 半導体業界
など
業界ごとの特徴や作業内容を確認しましょう。
2-1.自動車・家電製品などの重軽機械業界
自動車や家電製品などの重軽機械業界の製造工程では、以下のように作業が細分化されています。
- プレス
鉄板を機械でカット、その後プレス加工し、目的の形に成形します。
- 溶接
プレスの工程でできあがった物を、溶接で接合していきます。基本的に機械でおこないます。
- 塗装
機械で塗装をしていきます。機械が行き届かない部分は手作業で塗装します。塗装の仕上がりをチェックしていく作業は、細かいところまで目が届く人に向いているでしょう。
- 製造・組立
製品の心臓部となる部分の製造・組立をしていきます。この工程は正確性が問われる繊細な作業である一方、大きな部品も扱うため力も必要になります。
数多くの部品が合わさり製品が完成していく様子が見られるため、やりがいを感じられるでしょう。
- 検査・検品
製品が完成したら、実際にエンジンや電源を入れて問題がないかを確認します。
2-2.食品業界
食品業界の業務の幅は広く、食品を袋やパックに詰めるだけではなく、原材料の確認、食肉加工などもおこないます。
食品業界の主な作業内容は以下のとおりです。
- 調理前食材の検品
最初に調理前の食材に問題がないかを確認します。直接口に入れる物を扱うため、衛生面に細心の注意を払いながら取り組む必要があります。
- 調理済み食材を容器に詰める
ベルトコンベアーで流れてくる容器に、調理済みの食材を詰めていきます。取り扱う食品によっては多少の加工も必要となるなど、業務内容はさまざまです。
- 包装・出荷
できあがった食品の容器に、シールを貼ったり包装したりしたあと出荷します。
2-3.化粧品業界
化粧品業界は、薬剤の処方にしたがって原料を投入、加熱や冷却などをするのが主な仕事内容です。取り扱う製品には、整髪料なども含まれます。
化粧品業界の主な仕事内容は、以下のようになります。
- 調合・原材料を量る
化粧品の原材料を薬剤の処方にしたがって量り、調合します。正確性が求められる工程です。
- 化粧品を容器に詰める
調合した化粧品を容器に詰めていきます。
- 検査・検品
でき上がった製品に問題がないか検査をします。容器の破損や液漏れがないかといったチェックです。
- 梱包
箱に製品や説明書を入れて梱包します。
化粧品業界も衛生面で気を遣うことが多いですが、重軽機械業界のように大きなものを扱うことはほとんどなく、力もあまり必要としない傾向にあります。
2-4.医薬品業界
医薬品業界のライン作業では、錠剤やカプセル剤、軟膏剤、注射剤などを製造します。主な作業は以下のとおりです。
- 原料を量る
薬などの原料をオペレーターが機械を使って量ります。
- 検品
ベルトコンベアーに流れてくる製品に異物がないか、またラベルの外観などをチェックします。
- 包装
チェックをクリアした製品を説明文書とともに箱に入れ包装します。
医薬品業界も、食品業界や化粧品業界と同様、衛生面は特に気を配らなければなりません。製造は自動化が進んでいますが、品質保証のための管理や監視、検査などは人が担っています。
2-5.半導体業界
半導体業界のライン作業では、パソコンやスマートフォンなどの電子機器に必要な電子部品を製造します。主な作業は以下のとおりです。
- 機械操作
指示書通りに機械を操作し、ウェーハという薄い円盤上に半導体チップを作ります。機械を作動させ、エラーが発生しないかを監視するのが主な仕事です。
- 組立
ウェーハから電子回路を切り出して、製品になるよう組み立てていきます。こちらも機械の操作を中心に作業を進めます。
- 検査・検品
製品の電圧や外観などの最終チェックをおこないます。人間の目では見えない細かな部分まで丁寧に見る必要があるため、専用機械や顕微鏡なども使用します。
- 運搬・出荷
完成した製品を運んで、出荷に向けて納品先ごとに梱包します。
半導体製品は非常に小さく、慎重に取り扱うことが大切です。作業の大半は、指示書を見ながら機械を操作する点が大きな特徴といえます。
3.ライン作業の主な仕事内容
ここでは、ライン作業の主な仕事内容を以下のように作業工程ごとに紹介します。
- 加工・組付け
- 検品・検査
- 試験・評価
- 仕分け・梱包
- 機械操作(機械オペレーター)
それぞれの仕事内容について見ていきましょう。
3-1.加工・組付け
ライン作業の主な仕事内容に「加工・組付け」があります。製品の原材料を機械などを用いて加工したり、組み立てたりする仕事です。
例えば、自動車部品であれば平らな鉄板を車の形状に合わせて成形すること、食品であれば食材をカット・調理するなどの加工作業などがライン作業に含まれます。
また、自動車や飛行機、家電など組立が必要な製品は、大きさに関わらずすべてライン作業で作られています。
ライン作業の大きな目的は大量生産です。組立の工程は作り始めから完成まで細かく作業が分担されており、誰でも簡単に作業できるようにすることで効率良く製品を生産しています。
加工・組付けについてより詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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3-2.検品・検査
ライン作業の中でも「検品・検査」は、製品の梱包や出荷をする前にミスや不具合などがないかをチェックする作業のため、責任をともなう仕事です。
製品に封をすると不良品かどうか確認できなくなってしまうので、お客様のもとに製品として出荷しても問題ないか、規定のレベルを満たしている製品なのかを事前に判断します。
機械や家電の場合は、製品自体に傷がないか、電源が正常に入るかなどを確認します。一方、食品の場合は異物の混入がないか、包装に破れがないかなどの確認が必要です。
検品・検査では、ベルトコンベアーで次々と流れてくる製品をしっかり見るため、集中力が大切で、ローテーションを組んで交代で作業することが一般的です。目視で確認する以外にも、微生物検査など器具を用いて作業することもあります。
以下の記事では、検品の仕事についてより詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
3-3.試験・評価
「試験・評価」は品質を担保するために、製品の状態や動作を確認する作業を指します。製品をより良い状態で消費者に届けられるよう、評価結果によっては試験と評価を繰り返すこともあります。
例えば、自動車や家電の場合は、操作したときに何か不具合は起きないか、強度に問題はないかなどが確認対象です。一方、食品の場合は味や保存時の品質チェックなどをおこないます。
試験・評価の仕事は、製品によって内容が違いますが、どの場合も多くのチェック項目をクリアしないと、製品を世に出すことはできません。細かいところまでしっかり気付けるような注意力が必要といえます。
3-4.梱包・仕分け
梱包・仕分け作業は、ライン作業の中でも未経験者でも取り組みやすい仕事で、セットでおこなわれることが多い傾向にあります。
梱包作業は、出荷前の商品を傷つけないようパッキングしたり、箱詰めしたりすることなどが主な仕事内容です。
一方、仕分け作業では、梱包された商品を配送伝票を確認しながら配送先ごとに分類します。場合によっては、トラックへの積み込み作業を担当することもあるようです。
どちらも単純作業ではありますが、素早く正確に作業することが求められるため、高い集中力が必要です。
以下の記事では、仕分けの仕事についてより詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
3-5.機械操作(機械オペレーター)
機械操作(機械オペレーター)は、製品の仕様に沿って正確に機械を操作することが主な仕事です。
例えば、家電や自動車を製造する場合は、機械を用いて金属の部品をプレスして加工する作業があります。一方、食品製造の場合は、殺菌処理や包装作業などが一般的です。
機械の操作が正しくなければ想定通りの製品が製造されず、不良品が発生するなどして大きな損失につながる可能性があります。
業種や担当する機械によって仕事内容は変わりますが、機械オペレーション作業には不備がないよう正確さを求められることが特徴です。
機械の設定においては、職人に近い経験値が求められる場合もあり、ベテランでなければ任されない業務も多くあります。
機械操作(機械オペレーター)についてより詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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4.ライン作業の魅力ややりがい
ライン作業の魅力ややりがいは、以下のとおりです。
- 仕事内容を覚えやすい
- 達成感を得られる
- 人間関係の煩わしさが少ない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
4-1.仕事内容を覚えやすい
ライン作業の魅力の一つは、比較的仕事を覚えやすいことです。ほとんどの工場では、作業の手順をマニュアル化しているため、誰でも同じように仕事ができるようになっています。
マニュアルがあるため、事前に特殊な資格や経験を求められず、未経験の人でも安心して始められます。覚えるまでは少し大変かもしれませんが、繰り返し作業をしているうちに、自然と体が慣れていくでしょう。
4-2.達成感を得られる
ライン作業の魅力は、チーム全体で協力して製品を作りあげることで得られる達成感や喜びです。ライン作業は周りのメンバーと協力して作業したり、困ったときに助け合ったりしながら作業を進めます。
特に、自分が携わった家電や食品などが、きれいにパッケージされて世に出るのを見届けるときには、大きなやりがいを感じられます。「みんなで頑張ってこの製品を作ったんだ」という思いも加わり、一体感を味わえることでしょう。
4-3.人間関係の煩わしさが少ない
ライン作業の魅力の一つに、人間関係で抱える煩わしさやストレスが少ないことが挙げられます。
作業中は自分の担当する仕事に集中できるため、周りの人と会話しながら働く必要はありません。困ったときの助け合いは大切ですが、通常は必要最小限の報告や指示で済むことが多いため、コミュニケーションを取ることが苦手な人でも安心です。
人間関係のストレスが少ない環境で、自分のペースで働きたい人にはぴったりの仕事といえるでしょう。
このようにライン作業は魅力ややりがいに溢れていますが、きつさや大変さがないわけではありません。詳細が気になる人は、以下の記事もあわせてご覧ください。
5.ライン作業に向いている人の特徴
次に、ライン作業に向いている人の特徴を紹介します。
- モノづくりに興味がある人
- 集中力や体力に自信がある人
- 自分で物事を改善しようとする人
それぞれ向いている理由を確認していきましょう。
5-1.モノづくりに興味がある人
ライン作業では自分が関わったものが徐々にできあがっていく工程を見ることができるため、パズルやプラモデル、ネイル、DIYなど、自分の手でできあがっていく過程を見ることが好きな人や、モノづくりに興味のある人に向いているでしょう。
また、多くの人の生活に関わる機械や食品などの製造に関わるため、やりがいを感じやすい仕事です。
モノづくりについてより詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてご覧ください。
5-2.集中力や体力に自信がある人
ライン作業は、基本的に単純作業が続く仕事です。集中力が続かずミスをしてしまうと、あとの工程に悪影響を及ぼす可能性があります。睡魔に襲われて仕事中にも関わらずウトウトしてしまうと、大きな怪我につながる恐れもあります。
そのため、ライン作業は集中力に自信のある人に向いているといえるでしょう。また、長い時間にわたって立ち仕事になる場合があるため、体力に自信がある人も向いていると考えられます。
仕事中に睡魔に襲われてしまう人は、以下の記事を参考に眠気覚ましに取り組んでみましょう。
5-3.自分で物事を改善しようとする人
ライン作業においては、自分なりの工夫を重ねることなどによって作業効率をあげる必要があります。
そのため、自分で物事を改善しようとする人には向いているといえます。作業効率があがれば、工場内の生産性をあげることに貢献でき、上司から評価されると給料アップも狙えます。
6.ライン作業はおすすめできない人の特徴
ここからは、ライン作業をおすすめできない人の特徴を紹介します。
- 飽きっぽい
- マニュアルを読む習慣がない
自分の性格と照らし合わせながら確認してみましょう。
6-1.飽きっぽい
ライン作業は同じ作業を繰り返すことが多いため、飽きっぽい性格の人にはおすすめできません。
ライン作業では、何時間も同じ部品を組み立てたり、同じ検査を繰り返し何度もおこなったりします。集中力が途切れやすい人や、すぐに新しいことに挑戦したくなる人は、きついと感じてしまうでしょう。
なかには、毎日自分なりの小さな目標を立てて、飽きないよう工夫している人もいます。ただ、飽きっぽい人は初めから別の仕事を探したほうが良いかもしれません。
6-2.マニュアルを読む習慣がない
ライン作業は、普段からマニュアルを読む習慣がない人や、マニュアルを読むのが苦手な人にはおすすめできません。
ライン作業には、部品の組立方法や検査の手順など、細かい指示が書かれたマニュアルがあり、それに沿って正確に作業することが大切です。
マニュアルを無視して自己流で作業を進めると、不良品を作ってしまったり、作業効率が落ちたりする可能性があります。その結果、自分だけでなく、チーム全体の仕事に影響を与えてしまいます。
マニュアルに沿って仕事をすることが苦手な人は、ライン作業は避けたほうが無難でしょう。
7.ライン作業でよくある悩みとは?
ライン作業でよく聞かれる悩みには、以下のようなものがあります。
- 周りと比べて作業スピードが遅い
- 相談などのコミュニケーションを取りづらい
- 作業になかなか慣れない
- 完璧主義で作業が遅れてしまう
それぞれの悩みと解消法を解説します。
7-1.周りと比べて作業スピードが遅い
周りと比べて作業スピードが遅く、ライン作業についていけないことで悩む人がいます。
最初のうちはついていけなくて当然です。マニュアルをしっかりと守り、経験を重ねていけば、少しずつ効率的に作業ができるようになるでしょう。
しかし、あくまでマニュアルはマニュアルです。すべての人にとってベストな方法とは限りません。マニュアルをベースにして自分の性質に合わせた工夫を取り入れることで、スピードアップが図れる場合があります。
マニュアルから大きく外れてしまうような改変はよくありませんが、整理整頓など、より作業のスピードアップにつながるような環境を作るといった工夫だけでも、効率は大きく変わります。
7-2.相談などコミュニケーションを取りづらい
ライン作業は個人で黙々と作業する仕事なので、相談したいのに気軽に相談できない雰囲気と感じるかもしれません。
コミュニケーションの取りにくさで悩んでいる場合は、作業中ではなく、休憩時間や始業前などに声をかけてみることで解決できる可能性があります。
JOBPALでは、仕事の悩みから人間関係の悩みまで、気軽に先輩に聞ける体制が整っています。悩みがあってもすぐに相談できる相手が現場にいるので、工場勤務が初めての人でも安心して働くことができます。
7-3.ライン作業になかなか慣れない
1ヵ月ほど働いても作業の流れが覚えられないなど、ライン作業になかなか慣れることができず悩む人もいます。そんな場合は、上手な人のやり方を真似してみましょう。
作業が早い人、作業が上手な人は、効率的な方法やその人なりのコツを知っています。聞くことは決して恥ずかしいことではありませんし、手順を見せてもらうだけでも参考になるはずです。
7-4.完璧主義で作業が遅れてしまう
ほんのわずかなズレや傷も気になってしまう、周りよりも丁寧に作業することで必要以上に時間がかかってしまうといった人もいるでしょう。
しっかりと仕事をこなすことは、良い製品を製造するためには大切なことかもしれませんが、「検品に通ればOK」といった良い意味での割り切りができない人は、ライン作業についていけなくなってしまいがちです。
「このポイントをクリアできていればOK」など自分なりの基準を設けて作業をしてみましょう。
8.ライン作業がうまくなるコツ
今は作業についていけない状態だったとしても、ちょっとしたコツをつかむだけで大幅に作業スピードがアップすることもあるのがライン作業の魅力です。ここではライン作業がうまくなるためのコツを紹介します。
- 精神的に余裕をもつこと
- 慣れるまで反復練習をおこなう
- 作業に必要な小さな動きを工夫する
- 次の作業を頭に入れておく
- リズムに合わせて作業する
- 頭のなかでも練習する
それぞれのコツについて詳しく解説します。
8-1.精神的に余裕をもつこと
常にラインが動いているなかでの作業となりますので、ほんのわずかでも遅れてしまうと、他の工程にも影響を与えることになります。そんなプレッシャーから、精神的な余裕を失ってしまう場合もあるでしょう。
しかし、そんな余裕のない状態で作業をしているとミスも増えてしまいますし、作業効率も悪くなってしまいます。
基本的にライン作業の多くはとても単純なものです。そのため、精神的に余裕を持って作業にあたるようにしましょう。それだけでも作業効率はあがるものです。
また、精神的に追い詰められた状態で仕事を続けることは大きなストレスにもなります。
過度のストレスは心身に大きな負担となりますので、仕事を続けられなくなってしまう可能性もあります。長く仕事を続けるためにも、できるだけリラックスして精神的な余裕をもてるように工夫しましょう。
仕事に慣れることによって、自然と精神的な余裕をもてるようになるケースもありますので、最初はついていけなくても、すぐに「自分には向いていない」と決めつけてしまうことのないようにしましょう。
8-2.慣れるまで反復練習をおこなう
最初は難しいと感じていたことでも「慣れたらできるようになった」といった経験はありませんか。
例えば、車の運転を思い出してみましょう。教習所で初めてハンドルを握ったときは、とても難しく感じたと思います。しかし、免許を取得して毎日のように運転していると、特に意識することなく自然に車を操れるようになっていませんでしたか。
ライン作業も同じです。慣れるまで反復練習をおこなってみましょう。回数をこなすと、作業を身体で覚え、効率的に作業できるようになります。機械や工具などを練習で使えない場合は、実際の作業をイメージしながらトレーニングするのも効果的です。
ちょっとしたことだと思われるかもしれませんが、繰り返しはとても重要です。ライン作業をはじめたばかりであれば、まずは反復練習・イメージトレーニングを試してみてください。
8-3.作業に必要な小さな動きを工夫する
ライン作業のスピード・効率をあげるためには、自分が作業しやすい状態を作ることが重要です。効率の良い動作や作業の順番、使用する道具の位置などを考え工夫してみましょう。
手順や道具類の位置を変更するだけでも、より自分が作業しやすい状態を作ることができます。何も考えずにマニュアル通りに作業するのではなく、いかに効率的なのかをしっかり考え、仕事の方法をじっくりと見直してみることも大切です。
8-4.次の作業を頭に入れておく
ベルトコンベアーは一見、部品や材料がゆっくり動いているように思われますが、しっかり作業をしようと思うと意外にスピードが速く感じるものです。
次にどの製品が流れてくるのか、どの作業をしなければならないのかを先回りして意識するだけで次の作業に移りやすくなり、次第に作業効率があがっていきます。作業効率があがれば一息つく時間もでき、落ち着いて作業に取り組めるでしょう。
8-5.リズムに合わせて作業する
決まった動きを繰り返しおこなうライン作業は、リズムに合わせて作業するとスムーズに動けるようになります。
例えば、「とって・入れて・出す」のように、動きに合わせて一定のリズムを自分の中で作ってから、リズムに合わせて動くように作業すると、考えなくても体が動くようになり、無駄なく作業を進められるようになります。
8-6.頭のなかでも練習する
作業時間以外でも頭のなかで作業をイメージし練習する(イメトレをする)と、効率をあげていけます。実際に体を動かさなくても、休憩時間に作業を思い返すだけでも良いでしょう。
イメトレをして動きの無駄をなくすことができれば、作業スピードを早めることもできます。
9.ライン作業で時間の経過を早く感じるためのコツ
ライン作業は基本的に単純作業のため、ある程度慣れてくると勤務時間が長く退屈に感じるようになる場合もあります。また、それがストレスになって仕事が嫌になってしまう人もいるようです。
せっかく作業スピードについていけるようになっても、ストレスで仕事が続けられなくなってしまっては意味がありません。
時間を早く感じられるよう、以下のようなことを試してみましょう。
- 休日の予定を立てる
- ゲーム感覚で作業する
- 1日の目標を立てる
- 時計を見ないようにする
- 頭のなかで音楽を再生する
- 仕事にとにかく没頭する
それぞれのコツについて解説します。
9-1.休日の予定を立てる
休日の予定を立てて、楽しみなことを思い浮かべながら仕事をこなすのも手です。
大前提として集中力が途切れてしまうような考え事はNGですが、休日の予定をちょっと考えてみるくらいなら問題ないでしょう。また、それが楽しみになれば仕事のモチベーションアップにもつながります。
9-2.ゲーム感覚で作業する
作業をゲーム感覚にしてみるのも一つの方法です。できるだけ作業のスピードをあげてみたり、ちょっとした縛りを加えてみることで、退屈な作業をゲームのような感覚で楽しめるようになります。
当然、作業がちょっとでも楽しくなれば時間が経過するのも早く感じます。
9-3.1日の目標を立てる
その日1日の自分だけの目標を立て、目標達成に向かって仕事をすると、やりがいを感じ、時間が経つのを早く感じます。
「今日は◯◯個検品する」「昨日より◯個多く作る」など、具体的な目標を立て、楽しみながら作業しましょう。
9-4.時計を見ないようにする
ずっと時計を見ていると、時間が過ぎるのがとても遅く感じられるものです。そのため、仕事中はできるだけ時計を見ないようにしてみましょう。時間について、できるだけ考えないようにすることがポイントです。
シンプルな方法に思えるかもしれませんが、これがかなり効果的です。仕事中、いつも時計とにらめっこしているのであれば、ぜひ試してみてください。
9-5.頭の中で音楽を再生する
音楽が好きな人は、頭の中で音楽を再生するのもおすすめです。
好きな曲を延々とリピートするのも良いですし、好きなアーティストの曲を思いつく限り順番に再生していくのも良いでしょう。音楽は人の気持ちを高めてくれますし、集中力アップにつながることもあります。
9-6.仕事にとにかく没頭する
時間のことはもちろんのこと、心を無にして、何も考えずに仕事に没頭するのもおすすめです。
時間の感覚は人によって異なりますが、余計なことを考えていることが時間を長く感じさせる原因になっているケースもあります。そこで、いろんな方法をためしても時間が長く感じられる人は一度お試しください。
10.ライン作業経験者のお仕事体験談
ここでは、ライン作業経験者の体験談を紹介します。自分の境遇と重なるところがあれば、仕事をより具体的にイメージしやすくなるのではないでしょうか。
ぜひ参考にしてみてください。
自動車業界で働く20代男性・経験年数1年 |
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ライン作業を始めようと思ったのは、工場の夜勤で稼げると思ったからです。実際にそれまでやっていた事務の仕事よりも収入はアップしました。 最初は不安でしたが、作業自体は細かいマニュアルがあるので、思ったより早く覚えられました。毎日同じ作業の繰り返しですが、だんだん上達していくのが実感できて、それが楽しかったです。 やりがいを感じるのは、自分が組み立てた部品が最終的に車になっていくのを見たときです。「自分が作った部品が、道路を走ってるんだ」と思うと、すごく誇らしい気分になります。 大変だなと思うのは、体力面です。立ちっぱなしの作業が多いため、最初のうちは足がパンパンになりました。また、集中力を持続させるのも最初は難しかったです。ただ、作業をゲーム感覚で楽しむようにしたら、思った以上に集中して取り組めるようになりました。 |
医療機器業界で働く30代女性・経験年数3年 |
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ライン作業を始めたきっかけは、結婚後の生活環境の変化でした。シフト制で、自分のペースでできる仕事をしたいなと思ったのが、ライン作業を選んだ理由です。 実際に働いてみると、予想以上に働きやすかったです。医療機器を扱うため、職場もきれいで重労働もないため、体力的にも負担を感じることなく働けました。 元々黙々とこなす単純作業が好きだったこともあり、目の前の作業を一つひとつこなしていく作業内容にはやりがいを感じました。 ただ、最初の1年目は慣れない仕事で緊張の連続でした。特に、隣の人との間隔が近いので、遅れは絶対に許されないと焦っていた部分もあったかもしれません。でも、3年経った今では仕事にも慣れ、余裕をもって作業をこなせるようになりました。 |
食品業界で働く40代女性・経験年数10年 |
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ライン作業を始めたのは、子育てが一段落して、再び働き始めようと思ったときでした。女性が多い職場だと聞いて、安心して働けそうだなと思ったのがきっかけです。 チームで協力してこなす仕事ではありますが、コミュニケーションを必要以上に取ることもなく、気楽に過ごせる環境であることが、長年続けてこられた理由だと思います。 やりがいを感じたのは、製品のパッケージ作業です。自分がパッケージした商品がお店に並んだのを見たときは、なんともいえない嬉しい気持ちでした。 また、経験を重ね、効率的に作業できるようになった今では、新人に作業を教えることもあり、それもやりがいの一つとなっています。 働き始めたころは、同じ動作の繰り返しで疲れを感じることが多かったように思います。でも、それも次第に慣れました。立ち仕事は相変わらずですが、今では軽い運動をしにいくような気持ちで、作業に励んでいます。 |
11.ライン作業のコツに関するQ&A
ライン作業に慣れてきた人がさらに上手に作業するために、よくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
11-1.ライン作業初心者です。早く作業に慣れるためにできることはありますか?
ライン作業に早く慣れるために効果的な方法は、上手な人の動きをよく観察して真似することです。具体的な動きは仕事によって異なりますが、例えば手の動かし方や姿勢などに注目すると、スムーズに動けるようになる可能性があります。
また、身近にアドバイスをもらえそうな先輩や上司がいれば、遠慮せずに相談することも大切です。意外なコツを教えてくれるかもしれません。
ただし、一番大切なのは焦ってミスをしないことです。初めてであれば戸惑うのも無理はないので、スピード重視で見落としがないよう丁寧な作業を心がけましょう。
11-2.ライン作業をミスなく続けるために、集中力以外に必要なことはありますか?
ライン作業は立ちっぱなしの場合が多いため、体力勝負の側面もあります。とにかく体力を維持しておくこと、体調を万全に整えておくことが重要です。
体調が悪かったり、疲れて集中できなかったりすると、うっかりミスにつながってしまいます。
11-3.ライン作業に慣れてきました。さらに効率よく作業をしたいのですが、どのような工夫をしたら良いですか?
マニュアルに自分なりの手順などを加えることで、作業効率を向上できる場合があります。ただし、マニュアルを無視する、改変するなど、マニュアルから大きく外れるようなことを無断でしてはいけません。
万が一マニュアルを無視したせいでミスを起こし工場全体に迷惑をかけるようなことのないようにしましょう。
11-4.ライン作業の疲れを早く取る方法はありますか?
一日中ライン作業をすると、肩や足に疲れがたまります。毎日しっかり睡眠を取る、ゆっくり湯船につかって足をマッサージするなどして疲れを癒やしましょう。
11-5.ライン作業の正社員雇用はありますか?
ライン作業で正社員を雇用する企業はあります。正社員を目指す場合は、求人サイトなどで該当する企業を見つけて申し込んでみると良いでしょう。
一方、もし未経験の場合には、いきなり正社員を目指すのではなく、アルバイトやパート、派遣から始めてみることがおすすめです。
アルバイトなどで試しに働けば、ライン作業が自分に向いているか実際に確認できます。また、経験を積んで仕事に慣れておけば、採用の際に即戦力としてアピールできる材料になるのもポイントです。
優秀な人材であれば、アルバイトから正社員への登用を検討してくれる企業もあります。まずは気軽に始めて、徐々にステップアップを目指しましょう。
12.まとめ
ライン作業は、製品を効率よく生産するために重要な仕事であり、自動車や家電、食品など、さまざまな業界が取り入れています。
マニュアルがあるため未経験者でも覚えやすく、達成感を得られるのが魅力です。コツをつかめばスピードもどんどんあがり、自分の成長を実感できます。
慣れていくうちに、時間が経つのが遅いなどの悩みが出てくるかもしれません。そのときは、作業に没頭したりゲーム感覚で仕事をしたりするなど、自分なりの解決方法を探ってみることが大切です。
未経験から始めて正社員雇用を目指す道もあるので、自分に合うか不安な人はアルバイトやパート、派遣から始めてみるのはいかがでしょうか。
JOBPALでは、ライン作業の求人情報を掲載しています。未経験でも応募できる求人、研修が充実している企業の求人などもあるので、ぜひご覧ください。