工場とものづくりの雑学
更新日:2022年06月01日

ライン作業とは?主な仕事内容や向いている人の特徴、作業効率の上げ方

ライン作業とは?主な仕事内容や向いている人の特徴、作業効率の上げ方

※この記事は6分で読めます。

工場勤務のなかでも、現在主流となっている仕事の一つがライン作業です。

ライン作業は、とてもシンプルで、誰でもできる単純作業・軽作業というイメージが持たれがちですが、実際にはじめるとついていくことができないという方も少なくないようです。

そこで、今回はライン作業の主な仕事内容やライン作業を導入している主な業界、ライン作業についていけなくなってしまう人の特徴などについてご紹介します。

現在ライン作業についていけないことで悩んでいる方や、これから転職を検討している方の参考になれば幸いです。

1.ライン作業とは?

ライン作業とは、ベルトコンベアーで流れてくる部品や製品を決められた順序や工程通りに加工していく仕事です。

どの業界においても、ライン作業は基本的に同じ作業を繰り返す仕事なので、一度仕事を覚えてしまえば簡単に作業をおこなえるようになります。

仕事を覚えるまでに苦労することもありますが、ほとんどの現場にはマニュアルが完備されていますので、マニュアルを確認してから作業したり、わからなくなってもすぐに振り返ったりすることも可能です。

加えて、ライン作業はいきなり一人で作業を任されることは少なく、先輩社員がついていてくれるので、一人立ちするまで丁寧に教えてくれるのも安心できるポイントです。

ベルトコンベアーは一定のスピードで稼働するため、最初はスピードについていけないこともありますが、慣れて要領をつかめば問題なく作業をおこなうことができます。

2.ライン作業の主な仕事内容

ここでは、ライン作業の主な仕事内容を各作業工程別にご紹介します。

  • 組立て作業
  • 加工作業
  • 機械オペレーション作業
  • 検品作業
  • 梱包作業
  • 仕分け作業

それぞれの仕事内容についてお伝えします。

2-1.組立て作業

車や飛行機、家電製品や時計など、大きなものから小さなものまで、組立てが必要な製品はすべてライン作業で製造されています。

ライン作業の大きな目的は大量生産です。そのため、組立ての工程は作り始めから完成まで細かく作業が分担されています。誰でも簡単に作業できるようにすることで効率良くモノを生み出しています。

2-2.加工作業

加工作業には、さまざまな種類があります。

例えば、自動車部品であれば平らな鉄板を車の形状に成型すること、食品であれば食材をカット、調理することなどが加工作業にあたります。

2-3.機械オペレーション作業

機械オペレーション作業は、製品の仕様に沿って正確に機械を操作することが主な仕事です。

機械の操作が正しくなければ想定通りの製品が製造されず、不良品が発生するなどして大きな損失につながる可能性があります。業種や担当する機械によって仕事内容は変わりますが、機械オペレーション作業には不備がないよう正確さが求められます。

機械の設定においては、職人に近い経験値が求められる場合もあり、ベテランでなければ任せられない場合も多くあります。

2-4.検品作業

検品作業は、梱包や出荷をする前にミスや不具合などがないかをチェックする作業のため、非常に責任感を伴う仕事です。

封をしてしまうと不良品かどうか確認できなくなってしまうため、お客様のもとに製品として出荷しても問題ないか、規定のレベルを満たしている製品なのかを事前に判断します。

ベルトコンベアーで流れてくる製品をしっかりチェックする作業のため、集中力が大切であり、ローテーションを組んでおこなわれるのが一般的です。目視点検以外に、微生物検査などが検品作業に含まれる場合もあります。

2-5.梱包作業

梱包作業は、ライン作業のなかでも比較的未経験者向けの仕事です。業種によって梱包するものは違いますが、商品を傷つけないよう梱包しダンボールに入れることなどが主な仕事内容です。

次に解説する仕分け作業とセットでおこなわれることが多いでしょう。単純作業ではありますが、素早さ、正確さが求められます。

2-6.仕分け作業

仕分け作業も梱包作業同様、未経験者向けの仕事です。配送伝票が貼ってある荷物を配送先ごとに分類します。

場合によっては、トラックへの積み込み作業も担当することがあります。仕分け作業も素早さ、正確さが求められるため、作業中は集中力を切らさないように心掛けることが大切です。

3.ライン作業を導入している主な業界

ここでは、ライン作業を導入している主な業界をご紹介します。

  • 自動車・家電製品などの重軽機械業界
  • 食品業界
  • 化粧品業界

それぞれの業界ごとの特徴をお伝えします。

3-1.自動車・家電製品などの重軽機械業界

自動車や家電製品などの重軽機械業界の製造工程では、作業が非常に細分化されており、組立て、加工、検品といった作業が欠かせません。

組立ての正確性が問われる繊細な作業がある一方、大きな部品も扱うため立ち仕事で力も必要になります。

3-2.食品業界

食品業界は、直接口に入れるものを扱うため、衛生面に細心の注意を払いながらライン作業に取り組む必要があります。

業務の幅は広く、食品を袋やパックに詰めるだけではなく、原材料の確認、食肉加工などもおこないます。

3-3.化粧品業界

化粧品業界も衛生面で気を遣うことが多いですが、重軽機械業界のように大きなものを扱うことはほとんどなく、力もあまり必要としません。

薬剤の処方に従って原料を投入、加熱や冷却などをするのが主な仕事内容です。女性用だけでなく、男性用の整髪料や化粧水なども含まれます。

ライン作業に向いている人の特徴

次に、ライン作業に向いている人の特徴をご紹介します。

  • モノづくりに興味がある人
  • 集中力や体力に自信がある人
  • 自分で物事を改善しようとする人

それぞれ向いている理由を確認していきましょう。

4-1.モノづくりに興味がある人

ライン作業では、自分が関わったものが徐々に出来上がっていく工程を見ることができるため、モノづくりに興味のある人には向いているでしょう。

また、多くの人の生活に関わる機械や食品などの製造に関わるため、やりがいを感じやすい仕事です。

4-2.集中力や体力に自信がある人

ライン作業は、基本的に単純作業が続く仕事です。集中力が続かずミスをしてしまうと後の工程に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、集中力に自信のある人に向いているといえるでしょう。また、長い時間にわたって立ち仕事になる場合があるため、体力に自信がある人も向いていると考えられます。

4-3.自分で物事を改善しようとする人

ライン作業においては、自分なりの工夫を重ねることなどによって作業効率を上げる必要があります。

そのため、自分で物事を改善しようとする人には向いているといえます。作業効率が上がれば、工場内の生産性を上げることに貢献でき、上司から評価されると給料アップも狙えます。

5.ライン作業についていけない人の特徴とは?

ここからは、ライン作業についていけない人の特徴からチェックしていきましょう。詳しくチェックし分析していくと、その原因も見えてくるはずです。

特徴やその原因は一つではありませんので、いくつかのポイントに分けてチェックしていきましょう。

  • 少しでも作業が早くなるよう工夫をしていない人
  • ライン作業が上手な人のやり方をマネしていない人
  • 完璧主義で作業が遅れている人

それぞれの理由をお伝えします。

5-1.少しでも作業が早くなるよう工夫をしていない人

ライン作業についていけなくなってしまう人の多くは、少しでも仕事を早くこなせるような工夫をしていません。

ライン作業に限った話ではなく、どんな仕事にもある程度のマニュアルがあります。そのマニュアルをしっかりと守ることによって、効率的に作業ができるケースもあります。

しかし、あくまでマニュアルはマニュアル。すべての人にとってベストな方法とは限らないのです。マニュアルをベースにして自分の性質に合わせた工夫を取り入れることも重要です。

ちょっと方法を変えるだけで大幅に作業スピードがアップするといったケースも少なくありません。

マニュアルから大きく外れてしまうような改変はよくありませんが、整理整頓など、より作業のスピードアップに繋がるような環境を作るといった工夫だけでも、効率は大きく変わります。

5-2.ライン作業が上手な人のやり方をマネしていない人

マニュアルのみに頼ったり、我流の作業方法でもしっかりと仕事をこなせる人もいます。

ですが、上手な人のやり方をマネすることもおすすめします。ライン作業についていけなくなってしまう人のなかには、同僚や上司などに効率のいい作業方法や、疑問点などを質問することができないというケースも多いようです。

ライン作業をはじめとする工場の仕事では、コミュニケーションが不要だと考えている人もいらっしゃるかもしれません。しかし、困ったことや分からないことがある場合、素直に周囲に頼ることも重要なのです。

プライドが邪魔したり、怒られることを恐れている、または単純に他人とのコミュニケーションが苦手なことで人に頼ることができない人は、ライン作業についていけなくなってしまいがちになります。

コミュニケーションや指導を受けることも仕事の一部だと割り切ることも大切です。

5-3.完璧主義で作業が遅れている人

しっかりと仕事をこなすことは大切ですが、完璧主義な性格が原因で作業が遅れてしまう方もいます。

ほんのわずかなズレや傷が気になってしまい、それを修正しようとするなどで必要以上に時間がかかってしまうのです。

いい製品を製造するためには大切なことかもしれませんが、「検品に通ればOK」といった適度なバランス感覚を持てない方はライン作業についていけなくなってしまいがちです。

生真面目すぎる性格の人は、適度なバランス感覚を身に付けられるようにしましょう。

6.ライン作業の作業効率をあげるためのコツ

お伝えしたとおり、ライン作業にも向き・不向きがあります。

とはいえ、一度ライン作業についていけなくなったからといって、もう続けることができないというわけではありません。

今は作業にまったくついていけない状態だったとしても、ちょっとしたコツさえ掴むことができれば、それだけで大幅に作業スピードがアップすることもあるのです。

そこで、ここでは作業スピードをあげるためのコツをご紹介します。

  • 精神的に余裕をもつこと
  • 慣れるまで反復練習を行う
  • 作業に必要な小さな動きを工夫する

それぞれのコツについて詳しくお伝えします。

6-1.精神的に余裕をもつこと

常にラインが動いているなかでの作業となりますので、ほんのわずかでも遅れてしまうと、他の工程にも影響を与えることになります。そんなプレッシャーから、精神的な余裕を失ってしまう場合もあるでしょう。

しかし、そんな余裕のない状態で作業をしているとミスも増えてしまいますし、作業効率も悪くなってしまいます。

基本的にライン作業の多くはとても単純なものです。そのため、精神的に余裕を持って作業にあたるようにしましょう。それだけでも作業効率は上がるものです。

また、精神的に追い詰められた状態で仕事を続けることは大きなストレスにもなります。

過度のストレスは心身に大きな負担となりますので、仕事を続けられなくなってしまう可能性もあります。長く仕事を続けるためにも、できるだけリラックスして精神的な余裕を持てるように工夫しましょう。

仕事に慣れることによって、自然と精神的な余裕を持てるようになるケースもありますので、最初はついていけなくても、すぐに「自分には向いていない」と決めつけてしまうことのないようにしましょう。

6-2.慣れるまで反復練習を行う

最初は難しいと感じていたことでも「慣れたらできるようになった」といった経験はありませんか?

車の運転も同じです。教習所ではじめてハンドルを握った時は、とても難しく感じるものですが、免許を取得して毎日のように運転していると、特に意識することなく自然に車を操れるようになります。

ライン作業も同じです。慣れるまで反復練習をおこなってみましょう。回数をこなすと、作業を身体で覚え、効率的に作業できるようになります。機械や工具などを練習で使えない場合は、実際の作業をイメージしながらトレーニングするのも効果的です。

ちょっとしたことだと思われるかもしれませんが、繰り返しはとても重要です。ライン作業をはじめたばかりであれば、まずは反復練習・イメージトレーニングを試してみてください。

6-3.作業に必要な小さな動きを工夫する

ライン作業のスピード・効率を上げるためには、自分が作業しやすい状態を作ることが重要です。効率のいい動作や作業の順番、使用する道具の位置などを考え工夫してみましょう。

ちょっとした手順や道具類の位置を変更するだけでも、より自分が作業しやすい状態を作ることができます。何も考えずにマニュアル通りに作業するのではなく、いかに効率的なのかをしっかり考え、仕事の方法をじっくりと見直してみることも大切です。

7.ライン作業で時間の経過を早く感じるためのコツ

ライン作業は基本的に単純作業ですのである程度慣れてくると、とても時間が長く、退屈に感じられるものです。それがストレスになって仕事が嫌になってしまうという方も多いようです。

せっかくライン作業を効率化してついていけるようになっても、ストレスから仕事が続けられなくなってしまっては意味がありません。

そこで、時間を早く感じるための方法をいくつかピックアップしてご紹介します。

  • 休日の予定を立てる
  • ゲーム感覚で作業する
  • 時計を見ないようにする
  • 頭の中で音楽を再生する
  • 仕事にとにかく没頭する

それぞれの方法についてお伝えします。

7-1.休日の予定を立てる

楽しみなことを思い浮かべながら仕事をするのも一つの方法です。

もちろん、集中力が途切れてしまうような考え事はNGですが、休日の予定をちょっと考えてみるくらいなら問題ないでしょう。また、それが楽しみになれば仕事のモチベーションアップにも繋がります。

7-2.ゲーム感覚で作業する

作業をゲーム感覚にしてみるのも一つの方法です

できるだけ作業のスピードを上げてみたり、ちょっとした縛りを加えてみることで、退屈な作業をゲームのような感覚で楽しめるようになります。当然、作業がちょっとでも楽しくなれば時間が経過するのも早く感じます。

7-3.時計を見ないようにする

ずっと時計を見ていると、時間が過ぎるのがとても遅く感じられるものです。そのため、仕事中はできるだけ時計を見ないようにしてみましょう。時間について、できるだけ考えないようにすることがポイントです。

シンプルな方法に思えるかもしれませんが、これがかなり効果的です。仕事中、いつも時計とにらめっこしているのであれば、ぜひ試してみてください。

7-4.頭の中で音楽を再生する

音楽が好きな人は、頭の中で音楽を再生するのもおすすめです。

好きな曲を延々とリピートするのもいいですし、好きなアーティストの曲を思いつく限り順番に再生していくのもいいでしょう。音楽は人の気持ちを高めてくれますし、集中力アップに繋がることもあります。

7-5.仕事にとにかく没頭する

時間のことはもちろんのこと、心を無にして、何も考えずに仕事に没頭するのもおすすめです。

時間の感覚は人によって異なりますが、余計なことを考えていることが時間を長く感じさせる原因になっているケースもあります。そこで、いろんな方法をためしても時間が長く感じられる方は一度お試しください。

MNC0902-02_02

8.まとめ

この記事では、ライン作業の仕事内容や向いている人の特徴などをご紹介しました。

ライン作業はとても単純でシンプルな仕事です。時代を問わず多くの需要があることもあり、実際に働いているという人も、これから転職を考えているという人も多いでしょう。

ただ、そんなライン作業にうまくついていくことができないという人が多いのも事実です。ちょっとしたポイントを押さえることによって、ついていくことができるかもしれません。

この記事が、今ライン作業についていけずに悩んでいる人はもちろんのこと、これからライン作業への転職を検討している人の参考にしていただければ幸いです。ライン作業にも向き・不向きはありますが、慣れればきっと長く続けることができることでしょう。

こ弊社JOBPALでは、ライン作業の求人情報を数多く掲載しています。未経験者でも応募できる求人、研修が充実している企業の求人などもあるのでぜひご覧ください。

関連記事

© 2022 UT Group Co., Ltd. All Rights Reserved.