機械組立の仕事内容|役立つ資格や仕事の魅力・大変な点も紹介

機械組立に興味があるものの、具体的にどういうことをするのかわからない、何か資格が必要なら知りたいという方も多いのではないでしょうか。
機械組立は誰にでもできる作業ではないため、特に不安が大きくなりやすいです。しかし、実は機械組立はやりがいのある魅力的な仕事です。今回は、そんな機械組立の作業の流れと役立つ資格などについてご紹介します。
機械組立とは

機械組立とは、設計図などを元にして機械の部品を組み立てていく仕事のことを指します。
メインの仕事は機械を組み立てることですが、職場や担当によっては検品作業や納品までも任されることがあります。
扱う機械の大きさは特に定まっておらず、数百グラムという小さな機械を担当することもあれば、数トン単位の大きな機械を担当することもあります。
一言で機械と言ってもさまざまな大きさと種類があり、それが機械組立という仕事のおもしろさにもつながっています。
組立作業の種類

機械組立には2種類の作業があります。
まず1つ目は、レーン作業のように組立の一部分だけを担当するものです。
自動車など、部品が多い物を大量生産する機械を作っている企業だと、レーン作業で一部分を担当することになります。
2つ目は、完成まで組立を担当するというものです。
医療機器など特定分野で高度な専門知識が必要とされる機械を生産する企業に多い作業です。負担は大きいものの、組立から完成まで担当することで知識が増え、その分野でのスペシャリストになれる可能性を秘めています。
機械組立作業の流れ

ここでは、機械組立作業の具体的な流れを見ていきます。全体の流れとして、以下の7つに分けることができます。
<機械組立作業の流れ>
- 必要部品の準備
- 組立作業・検査
- 配線作業・確認
- 芯出し作業
- 自動運転確認
- 出荷
- メンテナンス
次項からは、各段階について詳しくご紹介していきます。機械組立はどのような流れで行われるのか、しっかりと把握しましょう。
必要部品の準備
最初は必要部品の準備を行います。
まずは図面を見て完成をイメージします。その上で、組み立てるためにはどんな部品がどれくらい必要か考え、倉庫などから必要部品を揃えます。
大事なのは、いきなり作業に取り掛かるのではなく、きちんとイメージを膨らませてから動くことです。何となく作業をやってもうまく作業することはできません。
組立作業・検査
準備が終わったら組立作業です。図面を見ながら一から組み立てていき、完成へと近づけていきます。
無事組み立てることができたら検査をします。ミスなく図面通り組み立てることができているか、寸法通りの精度かといったことをチェックします。
思い込みで作業している恐れもあるので、きちんと検査をすることが大切です。
配線作業・確認
組立が終わったら、配線作業を行います。
図面を見て配線作業を行いますが、図面上では見やすく書かれているため、現実通りの配線というわけではありません。現実的にどのように配線するかは、作業者の実力にかかっています。
配線作業が無事に終わったら電気の確認です。配管や配線経路に間違いがないか、しっかりとチェックをします。
芯出し作業
手動動作できるまで組立が完了したら、芯出しをして各機器を調整します。
芯出しとは、2つ以上の機器をつなげる際、それぞれの軸が同一直線上になるように位置を調整する作業のことを言います。
芯出し作業は高い精度が求められます。具体的には、3/100~5/100mm以内という精度で芯出しを求められることがあります。
芯出しを丁寧に行わないと、破損が生じたり、寿命が短くなったりします。
自動運転確認
製品の自動運転が可能になったら、自動運転の確認をします。
問題なく動いているのか動作を見て出来栄えに問題がないかチェックします。その上で部品の研磨などの仕上げを行い、製品を完成させます。
最後の仕上げではありますが仕上げ技能士という資格が存在するくらい、大事なことです。機械組立は、最後の最後まで気を抜くことなく作業することが求められているのです。
出荷
作業が全て終わったらいよいよお客様へと出荷します。
実際の納品や設置、現地での最終調整、動作確認まで担当することがあります。
一からその機械の組み立てを担当しており、最もその機械に熟知していることが理由として挙げられます。
メンテナンス
納品が終わっても、機械組立の仕事は終わっていません。
実際にお客様が使用してみて、トラブルが生じたり、どこかに故障が出たりする可能性があるからです。こうしたお客様へのメンテナンス対応も、機械組立の一つであると言えます。
機械組立に役立つ資格・スキル

機械組立の就職は無資格でも可能です。しかし、就職する企業や担当によっては資格が必要だったり、優遇されたりすることがあります。
例えばクレーンやフォークリフトの資格を持っていると、大きな機械を扱う現場で重宝されます。機械組立関連の国家資格としては、以下の3つがあります。
<機械組立に役立つ国家資格>
- 仕上げ技能士
- 機械検査技能士
- 機械保全技能士
次の項目からは、この3つの国家資格について、詳しくご紹介します。
仕上げ技能士
仕上げ技能士とは、工作機械や手工具による機械の仕上げなどに関する技能の国家資格のことです。
特級と1級~3級に分かれています。難易度は3級が比較的簡単で他は普通の難易度です。
3級は受験資格不問ですが、2級は実務経験2年以上または3級合格者、1級は実務経験7年以上か2級合格後2年以上または3級合格後4年以上の実務経験、特級は1級合格後5年以上の実務経験の必要があります。
試験は作業試験と学科試験があり、その中でも治工具仕上げ、金型仕上げは1級と2級、機械組立仕上げは1級~3級まであります。
機械組立仕上げでは、やすりなどを用いての高い精度での加工と組立技術が必要とされます。総合的な仕上げの知識と技術が求められる国家資格であると言えるでしょう。
機械検査技能士
機械検査技能士とは、測定機器を用いて機械部品の検査をする技術に関する国家資格のことです。
特級、1級~3級があり、試験は作業試験と学科試験に分かれています。難易度は、特級と1級が普通レベルで、2級と3級が比較的簡単です。
3級は受験資格不問ですが、2級は実務経験2年以上または3級合格者、1級は実務経験7年以上か2級合格後2年以上または3級合格後4年以上の実務経験、特級は1級合格後5年以上の実務経験が必要になります。
機械検査技能士の試験では、さまざまな機器を使用しての測定の技術が求められます。特に特級では、監督者として活躍できるほどの知識と技能が必要とされています。
機械保全技能士
機械保全技能士とは、機械のメンテナンスに関する国家資格のことです。
特級、1級~3級があり、試験は作業試験と学科試験に分かれています。難易度は、特級と1級が普通レベル、2級と3級が比較的簡単です。
3級は受験資格不問ですが、2級は実務経験2年以上または3級合格者、1級は実務経験7年以上か2級合格後2年以上または3級合格後4年以上の実務経験、特級は1級合格後5年以上の実務経験の必要があります。
機械保全技能士では、機械が正常に動作することを維持し、保全する技術が求められています。多くの企業が資格手当を実施しているため、収入アップにつながる資格です。
機械組立の仕事の魅力

ここでは、機械組立の仕事の魅力についてご紹介していきます。機械組立の魅力はいくつかありますが特に魅力的なのは以下の2つです。
<機械組立の仕事の魅力>
- 収入が安定している
- ものづくりの楽しさを味わえる
この2つの魅力について、詳しく見ていきましょう。
収入が安定している
機械組立の仕事は、収入が安定しています。機械を正確に組み立てて維持する高い技能を求められているため、技術を身につけてしまえば、安定して収入を得ることができます。
業界の平均年収は約430万円と平均よりもやや高めです。32歳前後になれば年収500万円前後が見込め、平均以上の収入を得る可能性がとても高いです。
機械組立の仕事は年々平均年収が上がっており、将来性を期待できる仕事であると言えるでしょう。
ものづくりの楽しさを味わえる
機械組立の仕事は、多くの人と協力して製品を作り上げていきます。他の人が作業しているのを眺めることで、徐々に機械が形になっていくことを実感することができます。
また、自分一人で組み立てる場合も、自分が苦労して組み立てた機械が立派な形になって動き、店頭やお客様のところに届くと考えると、まるで我が子を送り出した親のような気分に浸ることができるでしょう。
自分の仕事が目に見え、ものづくりの楽しさを純粋に実感できることが、機械組立の魅力だと言えます。
機械組立の大変な点

機械組立は、とてもやりがいがあって魅力的な仕事ですが、いいことばかりではなく大変な点も存在します。機械組立の仕事の大変な点としては、以下の2点が挙げられます。
<機械組立の大変な点>
- 肉体的な負担が大きい
- 手先の器用さを求められる
次項では、この2点について具体的な例を挙げてご説明します。
肉体的な負担が大きい
機械組立の仕事は、肉体的な負担が大きいです。
繰り返し同じ態勢で作業するため、身体が痛みやすく体力と根性が必要とされます。
慣れればスムーズに作業することができるようになり精神的負担が減りますが、それまでは身体の負担が大きい状態で単純作業をミスなく延々と続けることに対して、精神的に参ってしまう可能性があります。
特に大型の機械の場合、パーツ自体の重さによって扱うだけで疲れてしまうことがあります。体力に自信がない方にとって機械組立の仕事をこなしていくことは、相当な覚悟が必要であると言えるでしょう。
手先の器用さが求められる
機械組立の仕事は小さな部品を取り扱うだけではなく、作業そのものが細かいです。
そのため、手先の器用さがないとうまく作業をこなすことができません。
手先が器用ではなく細かい作業が苦手な人の場合は、毎日の仕事が苦痛になる可能性があります。逆に手先が器用で細かい作業が好きな人にとっては機械組立の仕事に向いていると言えます。
手先の器用さは、機械組立の仕事をする上で大きな影響を与えると言えるでしょう。
機会組立の正社員になりたい場合は?
機械組立の仕事は、単純に機械を組み立てるだけではなく、さまざまな調整、納品、メンテナンスなどを行う必要があります。
手先が器用で体力に自信がある人や、自分の仕事を目で見て実感したいという人は、機械組立の仕事に向いていると言えます。
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