コロナ禍における転職市場への影響と新しい転職活動の形

※この記事は5分30秒で読めます。
「コロナ禍の転職は難しい?」
「コロナ禍で転職活動を成功させる方法が知りたい」
など、コロナ禍における転職市場の変化に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
コロナ禍における転職市場の状況は業界によりまちまちですが、求職者自身がコロナ禍に求められる人材になることで転職は実現可能です。
今回は、コロナ禍がもたらした転職市場への影響、変化を迎えた転職活動の形や課題、企業が欲しいと感じる人材の特徴、内定獲得のコツなどを解説します。この記事を読めば、コロナ禍における転職市場の状況がよくわかり、この先の転職活動の方向性が明確になります。
1.新型コロナウイルスによる転職市場への影響
2020年から始まった新型コロナウイルスの感染拡大によって、転職市場は大きな変化を見せています。インバウンド需要に依存していたホテルや観光業界、航空業界、飲食業界などを筆頭に、数々の業界で採用活動が縮小または停止しました。その後も感染者数は増減を繰り返していますが、2020年や2021年のような混乱状態は脱し、採用活動を再開する企業は増加傾向にあります。
一方、コロナ禍の影響をあまり受けていない業界も存在します。一部の業界においては感染拡大後も活発に採用活動がおこなわれてきました。特に、即戦力となる経験者に関しては多くの企業が欲していることから情勢の影響をほぼ受けず、比較的スムーズに転職先が見つかる傾向が見られています。
2.コロナ禍によって変わった新しい転職活動の形
新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、新しい転職活動の形が浸透しました。SkypeやZoomなどのオンラインコミュニケーションツールを活用したリモートワーク・テレワークが一般化したのと同様に、人材採用においてもオンライン面接が一気に普及しました。
もちろん以前と変わらず対面の面接を実施している企業・職種もありますが、企業によってはすべての選考をオンラインで完結するケースも珍しくありません。
また、フルリモートやテレワークの求人も増加しているため、日常業務で対面する機会がない企業も多く見受けられます。全国どこにいても仕事ができるリモート環境は多くの労働者から支持を受け、企業側も積極的に導入している状況です。
3.コロナ禍における企業側の転職活動の課題
転職活動を始めたい人やすでに始めている人は、新型コロナウイルスの流行によって業界や企業がどのような影響を受けたのかを把握しておきましょう。また、現状の課題についても把握しておくことが内定を獲得し、転職活動を成功に導くために有効な方法です。
企業が抱える主な課題として挙げられるのは、「リモートワーク・テレワークに適した人材教育手法の見直し」です。リモートワーク・テレワークの普及は、決してメリットばかりではありません。企業側には「人材教育が難しい」という大きな課題が降りかかりました。
従来であれば同じ空間のなかで対面しながら研修や教育を実施するのが当たり前でしたが、やりとりの大半がオンライン化した今では、指揮系統が乱れたり意思疎通が図りにくかったりして、円滑なコミュニケーションに弊害が生じている企業もあります。そのため、即戦力となる人材を効率良く育成したいという企業の思惑はなかなか実現しにくい状況です。
したがって、同業界・同職種ですでに一定のスキルと経験を積んだ人材は、企業から非常に重宝されます。自分自身の転職市場を高める意味でも、スキルや経験を磨く必要性は今まで以上に高まっているといえるでしょう。
4.コロナ禍でも企業が欲しがる人材
コロナ禍であっても、企業が欲しいと思う人材の特徴を知っておけば、的を射た自己アピールが可能になります。以下の3点を備えておけば現在のコロナ禍はもちろん、将来的に別の要因で社会情勢に変化が訪れても転職活動を有利に進めやすくなるでしょう。
4-1.即戦力となる高いスキルを持っている人材
繰り返しになりますが、即戦力となる高いスキルの持ち主は多くの企業が欲する人材です。コロナ禍では、業績にプラスが出た企業もマイナスが出た企業もありますが、双方に共通するのは「今までの業績は死守していきたい」ということであり、そのためにできる限り即戦力として働ける人材が欲しいというのが本音です。
また、企業によっては採用費・人件費の予算が削られているケースも見受けられることから、できる限り少人数で効率的に業務を回したいという思惑があることも想定されます。したがって、今まで以上に経験や実績、スキルを重視した採用選考が実施されている状況です。
4-2.同業界や同職種での経験豊富な人材
同業界・同職種で豊富な経験を積んできた人材は、コロナ禍に関係なく引く手あまたでしょう。
コロナ禍において、企業はいかに業績をキープするか、回復させるかに総力を挙げています。したがって、自社に活きるスキルをもちつつ他社での経験を活かした客観的視点を備えている人材は重宝されます
特に、管理職経験者や業務改善で一定の実績がある人物は、高確率で採用を勝ち取ることができるでしょう。
4-3.同業界や同職種での経験豊富な人材
コロナ禍に限ったことではありませんが、企業が求める人物像にマッチしている人材はすぐにでも採用したい人材でしょう。企業が採用を実施する目的の一つには、「いかに自社に貢献してくれる人材を採用するか」というポイントがあるため、マッチ度は採否に大きな影響を及ぼします。
企業と求職者の間に起きるミスマッチは、早期退職のリスクを高めます。コストや労力をかけてやっと採用した人材がすぐに退職してしまっては、企業にとって大きな痛手です。特にコロナ禍においてはコスト管理がシビアになっている企業が多いので、マッチ度の見極めには慎重になっている企業が多いと考えられます。
5.コロナ禍の転職活動を成功させるためのコツ
コロナ禍であっても、企業から求められる人材になることで内定獲得は十分に実現可能です。その実現のために、以下の3つのコツを意識しましょう。
5-1.スキルや経験を身につける
応募先企業に活かせるスキルや経験を身につければ、転職成功が一気に近づきます。
前述のとおり、即戦力の人材や同業種・同職種の経験を備えている人材は、採用の可能性が高まります。コロナ禍の厳しい転職市場で希望する企業の内定を獲得するには、いかに実務に活きるスキルや経験を身につけているか、それによって他の応募者と差別化できるかが重要です。
たとえ現時点でスキルが不足していても、現職を続けながら新たなスキルや経験を積むことは可能です。下積み期間と割り切ってしばらく経験を積み、スキルと経験、自信を身につけてから転職活動を本格スタートしたほうが、採用の可能性は高まります。
5-2.自分のアピールポイントを整理する
自分のアピールポイントを整理しておくことも、コロナ禍の転職市場で成功するコツの一つです。他の応募者と比べて自分はどのような要素が秀でているのか、長所・アピールポイントを把握しておきましょう。
そのためには、自己分析の実施が効果的です。転職活動の軸を明らかにするとともに、転職後にどのような活躍ができるのか、そのイメージを描くためにも、自己分析は手を抜けません。丁寧におこなえばおこなうほど面接時に深みのある回答ができるようになり、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
また、自己分析をおこなう際には、「応募先企業で自分にできることは何か」「どのように役に立てるのか」「役立てると思う根拠は何か」という3点について具体的に整理しておくと、説得力のあるアピールが可能となります。
自己分析については以下の記事も併せてご覧ください。
5-3.業界や企業研究を丁寧におこなう
応募先企業の業界・企業についての理解が浅いとミスマッチを引き起こす原因となるため、業界・企業研究は徹底的におこないましょう。ミスマッチで早期退職に至った場合、コロナ禍で再度転職活動をすることになるので、大きなエネルギーが必要となります。
応募先企業の事業内容はもちろんですが、経営理念やビジョン、社長の思想、従業員の男女比、社風、職場環境など、多角的な視点で研究することで、本当に自分にマッチする企業なのか見極めやすくなります。
5-4.焦らずじっくりと転職活動を進める
コロナ禍が続く現在、一個人が焦って結果を求めても、社会情勢が変化しない限りコロナ禍前の状況には戻りようがありません。そのため、焦らずじっくり、腰を据えた転職活動をすることが重要です。
たとえ長期戦になったとしても、自分の希望に合う企業に出会い、やりがいを持ちながら長く働けるほうが、キャリアにとっては良いことです。
現職を退職してから転職活動をスタートするのは、少々リスキーな選択です。数ヵ月単位で転職先が決まらない可能性も大いにあるので、現職を続けながらの転職活動をおすすめします。
6.コロナ禍で伸びている業界
冒頭でも触れたように、コロナ禍においても影響を受けることなく伸びている業界があります。主にIT・ゲーム・製薬・物流業界が該当します。
IT・ゲーム業界は、リモートワーク・テレワークの普及が追い風となりました。幅広い層の人材確保のチャンスに恵まれ、未経験者の採用も積極的におこなう企業が増加しています。また、自宅で休暇を過ごす人も増えたことでゲーム需要が高まっていることも、業界にとっては好都合でした。
製薬業界は、マスクや医薬品製造、開発などで市場規模を伸ばしてきました。コロナ禍においても求人数はさほど減少していません。
そして、外出を控える生活様式が推奨されたこともあり、物流業界の需要も高まりました。インターネットショッピングやデリバリーの注文数が一気に増加し、多くの人手が求められるようになっています。
7.まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの生活は一気に変化しました。日本の各業界においてはさまざまな課題を抱えながらも、いかに事業を継続・発展させていこうかと試行錯誤の日々を過ごし続けています。
もちろん転職市場も大なり小なり影響を受けていますが、求職者に必要なのは、コロナ禍であっても「企業に必要とされる人材になること」です。厳しい社会情勢でも、企業側から「自社に貢献してくれる人材だ」と評価されれば、転職は不可能ではありません。今回の記事を参考に、理想的な転職の実現のために自分に必要な要素を考えてみましょう。
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