正社員勤務の悩み
更新日:2024年12月13日

清掃員の正社員はきつい?主な仕事内容と働くメリット、向き・不向きを解説

清掃員の正社員はきつい?主な仕事内容と働くメリット、向き・不向きを解説

この記事で分かること

  • 清掃員は、工場や倉庫、ビル、ホテル、病院など、さまざまなところの清掃作業で活躍している
  • 清掃員の仕事がきついといわれる理由は、頑固な汚れを落とす必要があること、重い掃除道具を運ぶことなど
  • 清掃員の仕事のメリットは、未経験からでも働けることや、人と接することが苦手でも働きやすいことなど
  • 掃除・単純作業が得意な人や好きな人、人の役に立ちたい人は、清掃員の仕事に向いている可能性がある

※この記事は6分30秒で読めます。

「清掃員の正社員はきついって本当?」
「清掃員の仕事内容を知りたい」
など、清掃員の正社員の仕事に関して疑問を持つ人もいるでしょう。

正社員として清掃員の仕事に就くと、頑固な汚れを落とさなければならないことや、体力を求められることなどきつい一面があります。しかし、未経験からでも働きやすく、家庭での掃除の経験が活かせるなどは大きな魅力でしょう。

今回は、清掃員の仕事内容やきついといわれる理由、メリット、向いている人、おすすめの資格などについて解説します。この記事を読めば、清掃員の正社員として働くことの魅力が理解でき、清掃の仕事に取り組む自分をイメージしやすくなります。

目次

  1. 1.清掃員は正社員として働ける?
  2. 2.清掃員の主な種類と仕事内容
    1. 2-1.工場・倉庫清掃員
    2. 2-2.ビル清掃員
    3. 2-3.ホテル清掃員
    4. 2-4.病院清掃員
    5. 2-5.列車清掃員
    6. 2-6.特殊清掃員
    7. 2-7.ゴミ回収業者
    8. 2-8.ハウスクリーニング(家事代行)
    9. 2-9.夜間清掃員
    10. 2-10.研究所清掃員
    11. 2-11.ゴルフ場清掃員
  3. 3.清掃員の仕事がきつい7つの理由
    1. 3-1.頑固な汚れを根気強く落とさないといけない
    2. 3-2.重い清掃道具を運ばないといけない
    3. 3-3.汚いものや不潔な場所を掃除することもある
    4. 3-4.限られた時間内に掃除を終わらせないといけない
    5. 3-5.仕事中に人と会話する機会がほとんどない
    6. 3-6.年齢差がある人と一緒に仕事をしないといけない
    7. 3-7.作業中の体勢がつらいときがある
  4. 4.正社員で清掃員の仕事をする魅力やメリット
    1. 4-1.未経験からでも働ける
    2. 4-2.年齢や学歴を気にせず長期的に働ける
    3. 4-3.自分の得意なことを活かせる
    4. 4-4.人と接することが苦手でも働ける
    5. 4-5.経験を積めば独立も目指せる
    6. 4-6.比較的求人が多い傾向がある
  5. 5.正社員の清掃員が向いている人
    1. 5-1.掃除が得意・好き
    2. 5-2.単純作業が得意・好き
    3. 5-3.人の役に立ちたい
  6. 6.正社員の清掃員はおすすめできない人
    1. 6-1.隙間時間に働きたい
    2. 6-2.デスクワークをしたい
  7. 7.清掃員として働きたい人におすすめの資格
    1. 7-1.ビルクリーニング技能士
    2. 7-2.建築物環境衛生管理技術者
    3. 7-3.清掃作業監督者
    4. 7-4.病院清掃受託責任者
    5. 7-5.ハウスクリーニング技能士
    6. 7-6.ハウスクリーニングアドバイザー
    7. 7-7.清掃マイスター
    8. 7-8.クリンネスト
    9. 7-9.掃除能力検定
    10. 7-10.整理収納アドバイザー
  8. 8.清掃員の正社員面接でチェックされるポイント
    1. 8-1.清潔感
    2. 8-2.忍耐力
    3. 8-3.向上心
    4. 8-4.体力
    5. 8-5.時間管理能力
  9. 9.まとめ

1.清掃員は正社員として働ける?

清掃員はパートやアルバイトで働くイメージを持っている人もいるかもしれませんが、正社員の募集をしている求人もあるため、正社員として働けます。

ただし、企業によっては、正社員は清掃だけでなく、従業員の勤怠管理や本部の連絡など、事務作業を担当する可能性もあります。

そのため、求人情報に記載されている募集要項をよく確認してから、求人に応募する必要があるでしょう。清掃の仕事のみを担当したい人は、業務内容が清掃に限定されている求人を探してみてください。

2.清掃員の主な種類と仕事内容

清掃員の仕事は主に以下の11種類に分類されます。

  • 工場・倉庫清掃員
  • ビル清掃員
  • ホテル清掃員
  • 病院清掃員
  • 列車清掃員
  • 特殊清掃員
  • ゴミ回収業者
  • ハウスクリーニング(家事代行)
  • 夜間清掃員
  • 研究所清掃員
  • ゴルフ場清掃員

それぞれの仕事内容について解説していきます。

2-1.工場・倉庫清掃員

工場・倉庫清掃員は、工場や倉庫の中や、使用されている機械の清掃・洗浄をおこなう仕事です。施設内の天井や床、溝、水回りなどの汚れを、洗剤や清掃用具を用いて取り除きます。

また、工場の清掃員は機械の洗浄を担当することもあり、ベルトコンベアやホースなどの細部まで丁寧に洗浄します。工場によっては機械を分解して洗浄するため、その場合は洗浄後の動作確認が必要です。

なお、工場や倉庫清掃員の勤務時間は日勤が多く、8時〜17時頃の勤務が目安となります。

2-2.ビル清掃員

ビル清掃員は、商業施設やオフィスなどで利用されているビルの清掃をおこなう仕事です。室内清掃では、エントランスや廊下、エレベーター、階段などの人が通行する場所や、トイレや給湯室などの水回り、各室内を清掃します。

室外清掃では、窓ガラスや外壁、屋上、ビル周辺など、多方面の清掃作業をおこないます。清掃範囲が広いため、数名単位のチームで同時に作業を進める場合が多いです。

ビル清掃の仕事では、8時〜17時頃の日中に勤務できる企業もあります。ただし、事務所や店舗など、日中に使用される場所の清掃を担当する場合は、シフト勤務で夜間や早朝に清掃をおこなう可能性もあります。

2-3.ホテル清掃員

ホテル清掃員は、共用部分、客室部分を中心に室内の清掃をおこなう仕事です。共用部分では、エントランスやロビー、廊下、会議室、大浴場などの清掃を実施します。

客室部分は、宿泊客がチェックアウトしたあとのバスルームやトイレの清掃、ベッドメイキング、リネン類やゴミの回収、アメニティの補充作業などをおこないます。その他に、従業員専用スペースの清掃が含まれる場合もあるでしょう。

宿泊客のチェックアウト後から、次の宿泊客のチェックイン前に清掃を終わらせる必要があるため、8時〜9時頃に出勤して朝礼をおこない、10時〜15時の間で清掃作業を進めることが一般的です。

清掃後は遅めの休憩を取り、翌日の清掃箇所の確認などの事務処理を進め、多くの場合は18時頃に退勤します。

2-4.病院清掃員

病院清掃員は、外来患者などの来院者が訪れる外来スペースや、入院患者が過ごす病棟スペース、オペ室の清掃などをおこないます。外来スペースでは、エントランスやロビー、待合室、診察室、検査室、トイレなどを掃除します。

病棟スペースは、病室や浴室、休憩スペース、トイレなど入院患者が使用する場所や、ナースステーションや医局、倉庫、仮眠室など医療スタッフが使用する場所など、広範囲の清掃が必要です。

さらにオペ室では、手術後の室内清掃やゴミの回収などをおこないます。

勤務時間は職場によって異なり、6時〜14時頃のように早朝から勤務するところや、8時〜17時頃が勤務時間のところもあります。

2-5.列車清掃員

列車清掃員は、列車が駅や基地に戻ってから車内や外部の清掃をおこなう仕事です。列車の車内は、座席や棚、床、窓ガラス、トイレ、洗面台などが主な清掃箇所となります。

列車の外は、ブラシで汚れを落とす日常清掃に加え、定期的に洗浄装置を使用して大がかりな清掃も実施します。

運行を終えた列車の清掃作業を担当する場合は、夜勤や昼夜交替で勤務する職場もあります。そのため、勤務時間は8時〜17時頃や、20時〜1時頃までといったように、所属企業によってさまざまです。

2-6.特殊清掃員

特殊清掃員は、室内で亡くなり、発見されるまで時間を要した人の部屋を原状回復する仕事です。血液や体液などの汚れや悪臭のもとを除去し、消毒・消臭、害虫駆除をおこないます。

また、遺品整理や不用品の処分などの場面に立ち会うこともあるため、単なる清掃だけでなく、故人の人生や遺族の思いに触れる仕事でもあります。

勤務時間は、8時〜17時や9時〜18時と定めている企業が一般的です。

2-7.ゴミ回収業者

ゴミ回収業者は、地区やマンションのゴミ集積所を収集車で巡回し、曜日ごとに定められた種別のゴミを回収、運搬する仕事です。

ゴミの分別は、燃えるゴミや燃えないゴミ、資源ゴミ、瓶、缶など地域によって異なり、正しく分別されているかのチェックもおこないます。

勤務時間は、8時〜16時半頃までが一般的ですが、繁華街などでは早朝や夜間、休日に収集作業をおこなう場合もあります。

2-8.ハウスクリーニング(家事代行)

ハウスクリーニングは家事代行ともいわれ、依頼を受けた一般家庭の家屋や住宅設備の清掃をおこなう仕事です。リビングやベッドルーム、キッチンや浴室・洗面所・トイレなどの水回り、窓やベランダ、玄関といった外に面する箇所などを清掃します。

基本的には、自分で掃除しにくい箇所や、汚れを除去しづらい箇所など、清掃に時間を要するところのクリーニングを依頼されることが多くなります。

勤務時間帯は、朝から夕方までが多い傾向にあり、8時〜17時頃が目安となります。

2-9.夜間清掃員

夜間清掃員は、パチンコ店や映画館などの娯楽施設で閉店後に清掃作業をおこなう仕事です。利用者がいない時間帯に遊技機(ゆうぎき)など営業に必要な機械を拭いてきれいにしたり、床やテーブルを清掃したりします。

人の出入りがない時間帯に施設全体をくまなく清掃し、翌日の営業に備えることが目的です。

閉店後に清掃作業をおこなうため、勤務時間は早朝や深夜の場合が多いです。企業によって勤務時間は多少異なりますが、19時〜3時、22時〜5時などの時間に勤務する求人が見つかります。

2-10.研究所清掃員

研究所清掃員は、医薬品や化粧品など、化学薬品などを取り扱う研究所内の清掃作業をおこなう仕事です。

床や棚を掃除する普通の清掃作業において、バケツなど大きな容器を高圧洗浄機で洗うことがある他、食器を洗うように小さな器具や容器を洗浄する仕事もあります。

勤務時間は、8時〜17時などの日勤が一般的です。

2-11.ゴルフ場清掃員

ゴルフ場清掃員は、ゴルフ場のクラブハウスを中心に清掃する仕事です。

ロビーだけでなく、ロッカーや休憩所、大浴場、トイレなど、クラブハウス内の清掃や備品の補充を幅広く担当します。また、クラブハウス以外では、隣接する駐車場やコース内のトイレの清掃も任されます。

勤務時間は、7時頃など早めに始まり、16時頃には退勤になる企業が多くなります。

3.清掃員の仕事がきつい7つの理由

清掃員の仕事は、多方面に活躍できる職場があります。その一方で、「清掃員の仕事はきつい」という声が漏れ聞こえてくるのも事実です。

清掃員の仕事がきついといわれる理由として、主に以下の7つが挙げられます。

  • 頑固な汚れを根気強く落とさないといけない
  • 重い清掃道具を運ばないといけない
  • 汚いものや不潔な場所を掃除することもある
  • 限られた時間内に掃除を終わらせないといけない
  • 仕事中に人と会話する機会がほとんどない
  • 年齢差がある人と一緒に仕事をしないといけない
  • 作業中の体勢がつらいときがある

それぞれの理由について詳しくお伝えします。

3-1.頑固な汚れを根気強く落とさないといけない

清掃員が清掃する場所は、頑固な汚れがこびりついていることも多くあります。そのため、清掃道具や洗剤を駆使して根気強く汚れを落とす作業が、きついといわれる理由として挙げられます。

「汚れが落ちなかった」ではプロの仕事として認められないため、確実にやりきらなければなりません。

3-2.重い清掃道具を運ばないといけない

モップやほうき、ブラシなどの清掃用具は、必要なものを一式集めるとけっこうな重さになるため、運ぶだけできついと感じる人もいるでしょう。

ただし、基本的に清掃用具のすべてを手で持ち運ぶわけではなく、洗剤類なども含めてカートで運搬する形ではあります。それでも、広いフロアや階段しかない建物では移動回数が多いほど体力を消耗してしまい、きついと感じる場合があります。

また、職場によっては、重いごみを運搬することや、掃除する箇所への移動で1日に相当な距離を歩くこともあるため、ある程度の体力が必要です。

3-3.汚いものや不潔な場所を掃除することもある

清掃場所や仕事内容にもよりますが、汚物を取り除くことも仕事の一環であるため、汚いものに触ることに抵抗がある人は、きついと感じてしまうでしょう。

また、場合によっては汚れを取り除くだけでなく、汚れがある場所や悪臭のする場所に入って清掃しなくてはならない可能性もあります。

3-4.限られた時間内に掃除を終わらせないといけない

効率的にテキパキと作業し、限られた時間内に決められた清掃作業を完了しなければならない点も、清掃員がきついといわれる要因です。

全体の作業時間が定められている他、オフィスビルの場合は「12時からミーティングが入っているから、午前のうちに会議室をきれいにしなければならない」などの細かい制限が加わる場合もあります。

のんびり自分のペースでする掃除とは異なり、時間内に確実に終わらせるために効率的な動きを求められます。

3-5.仕事中に人と会話する機会がほとんどない

清掃員は、仕事中に周囲の人と会話する機会がほとんどありません。

基本的には自分の持ち場で一人黙々と作業に取り組むため、人と関わりながら仕事がしたいと思っている人や、一人での作業が孤独で苦痛な人は、清掃の仕事をきついと感じるでしょう。

清掃範囲が広い場合は、複数人のチームで清掃作業を進めますが、トラブルや確認事項がない限りは、基本的にコミュニケーションを取る場面は少ないといえます。

3-6.年齢差がある人と一緒に仕事をしないといけない

清掃員の年齢層は幅広く、10代後半から70代までの人が同じ職場で働いている場合も多くあります。そのため、年の離れた人と働くことに抵抗がある人は、清掃の仕事がきついと感じてしまうでしょう。

また、20代の若手正社員が50代以降のアルバイトスタッフを指導、管理するという場合も、清掃の仕事では大いにあり得ます。そのため、指導する際に、年齢差によって気まずさや仕事のやりづらさをより一層感じてしまう可能性があります。

3-7.作業中の体勢がつらいときがある

清掃の仕事によっては、かがんだ姿勢や中腰で掃除をする箇所もあるため、作業中の体勢がつらいこともきつい理由として挙げられます。

床掃除などで、何度も立ったりしゃがんだりを繰り返すことによって、膝や腰などに負担がかかります。また、天井など高い箇所の掃除では、上を向いての作業となるため、背中に張りを感じる場合があるでしょう。

作業に慣れるまでは筋肉痛になってしまい、身体への疲労感が残る可能性も考えられます。

4.正社員で清掃員の仕事をする魅力やメリット

ここでは、正社員で清掃員として仕事をする魅力やメリットを紹介します。主な魅力やメリットは、以下の6つです。

  • 未経験からでも働ける
  • 年齢を学歴を気にせず長期的に働ける
  • 自分の得意なことを活かせる
  • 人と接することが苦手でも働ける
  • 経験を積めば独立も目指せる
  • 比較的求人が多い傾向がある

それぞれの内容について確認していきましょう。

4-1.未経験からでも働ける

清掃員の仕事は未経験者歓迎の求人が多いため、過去の経験やスキルに関係なく正社員として働けるメリットがあります。

もちろん、入社後に清掃全般に関する知識、道具や洗剤の使用方法などを身につけることは必須です。しかし、入社時点で専門スキルを求められることはほとんどないため、経験を問わずに挑戦しやすい仕事といえます。

4-2.年齢や学歴を気にせず長期的に働ける

清掃員の仕事は、年齢や学歴を問われずに長期的に働けることが魅力です。入社時に学歴の基準はない場合が多く、高卒の人でも求人に応募しやすいでしょう。

また、人が生活や仕事をしている以上、汚れやゴミはなくならないので、清掃業界は全般的に景気の影響を受けにくいといえます。それに加えて、清掃は若手のみならず中高年でも活躍できる仕事のため、正社員になると長く安定的に働き続けられます。

技術を持ち合わせている清掃員であれば、歳を重ねても仕事が途切れることなく活躍できるでしょう。

4-3.自分の得意なことを活かせる

きれい好きな人や家事としての掃除が好きな人は、日常生活で得たスキルを活かして正社員として働けるメリットがあります。

効率的に掃除をする方法を考えたり、もくもくと掃除することに達成感を感じたりできれば、毎日楽しく働けます。

また、掃除はほとんどの人が生活のなかで日常的におこなっていることであり、未経験でも早く仕事内容を覚えられる点も大きなメリットといえるでしょう。

4-4.人と接することが苦手でも働ける

人と接することが苦手でも、正社員として働けることが清掃員の仕事のメリットです。

清掃の仕事は、一人で作業に集中して淡々とこなしていく時間が多いため、同僚や上司と言葉を交わす機会は非常に少なくなります。

声をかけ合ってチームワークで進めていく仕事よりも、自分に与えられた持ち場で黙々と仕事に取り組みたいタイプの人にとって、正社員の清掃員の仕事は適職となる可能性が高いでしょう。

4-5.経験を積めば独立も目指せる

清掃の現場で知識や経験を積み重ね、技術を磨くことで、一社員から独立も目指せます。清掃の需要が減ることはないため、会社を立ち上げ、うまく軌道に乗れば、売上を大きく伸ばしていくことも可能です。

経営者自身が経験豊富で、清掃員として高い能力を持っていると、従業員や顧客からも信頼されやすくなります。独立志向が強い人も、まずは正社員として現場を経験し、清掃業務を極めていくという働き方も選択肢として考えられるでしょう。

4-6.比較的求人が多い傾向がある

清掃の仕事は、ビルやホテル、病院などさまざま職場があります。そのため、比較的多くの求人があり、応募しやすく、自身にあった仕事を選びやすいことがメリットです。

日勤や早朝勤務、夜勤など勤務時間も幅広く、自身の生活スタイルに適した時間帯で働けます。また、清掃の仕事は全国的に求人があるため、引越しすることになった場合でも、転居先で仕事を見つけやすいといえます。

5.正社員の清掃員が向いている人

正社員の清掃員は魅力的な仕事ですが、人によって向き不向きがあります。正社員の清掃員が向いている人の特徴は、主に以下の3つです。

  • 掃除が得意・好き
  • 単純作業が得意・好き
  • 人の役に立ちたい

それぞれについて詳しく解説します。

5-1.掃除が得意・好き

普段から掃除が好きな人や、得意としている人は清掃員が向いています。そのような人は、ごみや汚れの除去に慣れているため、清掃の仕事でもあまり抵抗を感じずに取り組めます。

また、きれい好きであれば、細かな箇所まで汚れを取り除きたいという気持ちが働くため、清掃の仕上がりを評価される可能性が高いでしょう。

5-2.単純作業が得意・好き

清掃員は、同じ作業を繰り返すことが多くなるため、単純作業が苦手でない人におすすめの仕事です。

清掃の仕事は、清掃箇所や汚れの種類などによって、清掃の手順がほとんど決められています。また、自身の担当する場所が決まっている場合もあり、何度も同じ箇所を掃除する可能性もあります。

そのため、単純作業が得意な人や好きな人であれば、集中して仕事に取り決めるでしょう。

5-3.人の役に立ちたい

「人の役に立ちたい」という気持ちがある人に、清掃業はおすすめの仕事です。自宅での掃除は自分や家族のためにおこないますが、清掃の仕事は会社やそこで働いている従業員のために掃除をします。

また、清掃業では、ビルやホテル、電車、病院など、多くの人が利用する場所を掃除する仕事もあります。そのため、さまざまな人の役に立っているという自覚が芽生えやすく、人の役に立ちたい意識が強い人は、仕事でのやりがいを得やすくなるでしょう。

6.正社員の清掃員はおすすめできない人

次に、正社員の清掃員がおすすめできない人について紹介します。おすすめできない人の特徴は、主に以下の2つです。

  • 隙間時間に働きたい
  • デスクワークをしたい

それぞれの内容を詳しく解説します。

6-1.隙間時間に働きたい

隙間時間を使って短時間だけ働きたいと考えている人に、正社員の清掃員の仕事はおすすめできません。

なぜなら、正社員の清掃員は、フルタイム勤務で1日8時間働くことが多いからです。そのため、短時間勤務することは難しく、隙間時間で働きたい人は希望を叶えられません。

清掃業で短時間勤務をしたい場合は、パート・アルバイトで働く選択肢があります。パートやアルバイトであれば、2時間や3時間などの短時間で働けます。また、

週2・3日の出勤など、出勤日の少ない求人もあるため、自身のスケジュールに合わせた働き方が可能です。

6-2.デスクワークをしたい

清掃の仕事は現場で動き回るため、デスクワークをメインにして働きたい人にはおすすめできません。

正社員の場合は、従業員のシフト調整や本部との連絡など、事務仕事をおこなう場合もあります。ただし、勤務時間のすべてで事務仕事に携わるのではなく、清掃作業も担当する時間もあります。

そのため、正社員としてデスクワークを中心に働きたい人は、別の仕事を探すことを検討しましょう。

7.清掃員として働きたい人におすすめの資格

清掃員として働くうえでは、正社員採用であっても入社時に必須となる資格はありません。

しかし、周囲に信頼や安心感を与え、より多くの知識を実務に活かしたい場合は、資格を取得することが有効です。結果的に選考で有利になったり、入社後の活躍の幅が広がったりという副産物が得られるでしょう。

清掃員として働きたい人に特におすすめの資格は、以下のとおりです。

  • ビルクリーニング技能士
  • 建築物環境衛生管理技術者
  • 清掃作業監督者
  • 病院清掃受託責任者
  • ハウスクリーニング技能士
  • ハウスクリーニングアドバイザー
  • 清掃マイスター
  • クリンネスト
  • 掃除能力検定
  • 整理収納アドバイザー

それぞれの資格について詳しく解説します。

7-1.ビルクリーニング技能士

ビルクリーニング技能士は、ビルクリーニングにおける技術力を証明する資格です。取得することで、ビルやマンション、病院などの清掃で役立ちます。

資格は1〜3級と基礎級(技能実習生が対象)の4つに分かれており、3級は清掃の実務経験がない初心者の受験も可能です。

2級は2年以上、1級は5年以上の実務経験などの受験資格があるため、正社員として働きながら受験を目指してみることも仕事のモチベーションにつながります。

7-2.建築物環境衛生管理技術者

建築物環境衛生管理技術者は、延べ面積3,000平方メートル以上の公共施設などを指す「特定建築物」が適切に維持管理されているかを監督、指導するために必要な資格です。

通称「ビル管理士」といわれ、大規模な建築物のビルメンテナンスに携わるうえで役立ちます。そのため、ビルやホテルなどの清掃だけでなく、空調の検査・水質検査など、メンテナンス業務までの仕事の幅を広げられる可能性もあります。

資格の受験には、店舗や事務所、学校、ホテルなど、指定された施設での環境衛生上の維持管理に関する実務経験が2年以上必要です。

7-3.清掃作業監督者

清掃作業監督者は、清掃現場の監督者の能力を証明する資格です。建築物清掃業の登録には、清掃作業を監督する有資格者を1名選任することが義務付けられているため、清掃業全般で重宝される人材となれます。

受験するには、「1級ビルクリーニング技能士」もしくは「建築物環境衛生管理技術者」の取得者であることが必須です。

清掃作業監督者の試験自体は、講習と修了試験への合格が必要となりますが、ほとんどの受験者が合格しています。

7-4.病院清掃受託責任者

病院清掃受託責任者は、病院内の衛生と清掃に関する知識を証明する資格です。清掃業者が病院から清掃業務を請け負うには、病院清掃受託責任者が必要となるため、病院清掃の仕事で評価されます。

受験するには、3年以上の清掃業務経験(医療機関での清掃業務の経験6ヵ月以上を含める)が必要です。講習を受講後、考査に合格すると資格を取得できます。

7-5.ハウスクリーニング技能士

ハウスクリーニング技能士は、ハウスクリーニングに関する唯一の国家資格です。一般的な家屋の清掃に関する知識とスキルを習得していることを証明できるため、ハウスクリーニング(家事代行)の仕事でアピールにつながります。

資格を取得するには、ハウスクリーニングに関する知識を問われる学科試験と、レンジフードや台所などの清掃をおこなう実技試験の合格が必要です。

試験は実務経験が3年以上(おおむね1週間で24時間以上の勤務)あれば申し込めますが、実技試験の合格率は30%前後と難易度の高い資格となります。制限時間内に正しく清掃する知識と技術が求められるため、合格するためには鍛錬が欠かせません。

7-6.ハウスクリーニングアドバイザー

ハウスクリーニングアドバイザーは、用具と洗剤の選び方や、場所に応じた掃除方法など、ハウスクリーニングのスペシャリストとしての技能を証明する資格です。

ハウスクリーニング技能士と同様に、ハウスクリーニング(家事代行)の仕事で役立ちます。プロ視点での家庭の掃除に関する判断やアドバイスができるようになり、講師としての道に進むこともできます。

受験資格はなく、在宅受検であるため、清掃業の経験が浅い人でも比較的挑戦しやすい資格といえるでしょう。

7-7.清掃マイスター

清掃マイスターは、 一般家庭の清掃に使う洗剤や道具の使い方、汚れの取り方を身につけた人に与えられる資格です。リビングやトイレ、お風呂など一般的な住宅での掃除の知識が学べるため、ハウスクリーニング(家事代行)の仕事に活かせます。

資格は2級と1級があり、取得するには日本清掃収納協会がおこなう講座(3〜5時間)の受講と認定テストの合格が必要です。

実務経験がなくても受講可能で、講座を受講することで知識が身につくため、手始めに取得する人も多い傾向があります。

7-8.クリンネスト

クリンネストはハウスキーピング協会がおこなう講座のひとつで、老舗家事代行サービス会社の清掃ノウハウをまとめた方法を体系的に学べる資格です。

家庭内の清掃を効率的におこなう方法を学べるため、ハウスクリーニング(家事代行)に携わりたい人におすすめです。資格は1級と2級があり、2級から受講する必要があります。

1級を取得すると、実技講座や認定試験を受けることが可能です。その後に、2級認定講師試験を受験し、合格することで、クリンネスト講座の講師として指導もできます。

7-9.掃除能力検定

掃除能力検定は、掃除に関する知識やスキルを測定する技能検定です。資格は1級〜5級に分かれており、5級から順に受けなくてはならないと定められています。

戸建ての清掃方法から、オフィス・理髪店・歯科医院などの清掃方法、清掃関連業で独立開業するための知識など、級によって内容や難易度が大きく変わります。

一般家庭以外にも、商業施設や病院などの清掃に関する幅広い知識を学べるため、清掃業全般に活かせるでしょう。

7-10.整理収納アドバイザー

整理収納アドバイザーは、整理整頓や収納、片付けの方法を学べる資格です。

クリンネスト資格講座と同じくハウスキーピング協会がおこなう講座のひとつで、物を整理して収納するノウハウを学べます。そのため、一般家庭の掃除や整理整頓が苦手な人へのアドバイスなど、ハウスクリーニング(家事代行)の仕事に活かせます。

1級・準1級・2級の3つの資格に分かれており、準1級と2級であれば講座の受講で取得できるため、清掃業の経験が浅くても挑戦しやすいでしょう。

8.清掃員の正社員面接でチェックされるポイント

ここでは、清掃員の正社員面接で、人事担当者からチェックされるポイントを紹介します。チェックされるポイントは主に以下の5つです。

  • 清潔感
  • 忍耐力
  • 向上心
  • 体力
  • 時間管理能力

それぞれのチェックポイントと、面接でアピールする際の回答例についてお伝えします。

8-1.清潔感

清掃員に限ったことではありませんが、清潔感の有無は面接の重要なチェックポイントです。

ビジネスパーソンとして最低限の身だしなみを整え、清潔感がある印象を与えられれば、選考が有利に進みます。シワや汚れのないスーツやシャツを着用し、髪はきれいにセットして、爪の長さも整えましょう。

例文)

私は、几帳面な性格で、整理整頓が得意です。家でも効率的に整理整頓できるように収納方法を工夫したり、合理的に片付けできるよう考えながら掃除をしています。

8-2.忍耐力

忍耐力を持ち合わせているかという点も、清掃員の正社員面接で確認されるポイントです。なぜなら、汚れが落ちやすく清掃しやすい場所ばかりではなく、汚れがひどくて落としにくい場所に遭遇することも多々あるからです。

頑固な汚れや臭いの除去に忍耐強く着実に取り組めるかは、採用する企業側が見極めたい要素のひとつでしょう。

忍耐力をチェックするために、圧迫面接をおこなう企業もあります。圧迫面接と感じても、落ち着いて自己PRすると良い評価を得られます。

例文)

私の強みは、忍耐力があることです。どのようなつらい状況に置かれても、努力して目標達成を目指すことにやり甲斐を感じます。以前、怪我でリハビリが必要になったときも、痛みに耐えながら毎日リハビリを続け、お医者様の見立てよりも早く回復させることができました。

8-3.向上心

清掃員には、作業手順を工夫して効率的に清掃することや、新たな技術を学んで清掃技術を向上させることも求められます。そのため、自主的にスキルアップする向上心を備えているかどうかも重視されるでしょう。

例えば、正社員になるために資格を取得したことなどをアピールできると効果的です。

例文)

私は、高みを目指して頑張ることが楽しいと感じるタイプです。知らなかったことを知り、スキルアップすることに喜びを感じます。今回、清掃業界で働くために、関連する資格を取得するための講座を受けました。今後は実務経験を積むことでスキルアップしていきたいと考えています。

8-4.体力

健康体で肉体労働に耐えられる体力があるかという点も、清掃員の正社員面接でのチェックポイントです。

清掃中はかがんだり、中腰になったりと、日常ではあまり取らない姿勢を取ることも多く、きつい姿勢で力を込めて汚れを落としていかなければなりません。

重量のある清掃道具一式の運搬も、積み重なれば負担となります。さらに、清掃場所の環境によっては、夏は暑く冬は寒いなかで長時間作業することもあります。

例文)

私は筋トレとマラソンを趣味としており、体力には自信があります。健康管理のため、10年以上、毎朝ランニングを欠かさず続けてきました。休みの日にはジムに通って体づくりをしているので、掃除道具の運搬など肉体労働には自信があります。

8-5.時間管理能力

清掃の仕事では、時間との戦いになることもしばしばあります。効率良く仕事を進めるためには、時間管理能力が必須です。

しかし、ただ時間管理能力があると主張しても、当たり前のことだと認識される可能性があるので、具体例を含めてマネジメント能力の高さをアピールすると良いでしょう。

例文)

私は効率的に動くことが得意です。時間を守って規則正しい生活を送ることはもちろん、効率的な動きができるよう、日頃から整理整頓することを意識しています。仕事をするうえでも、手順を頭に入れ、効率的に動くことができると思っています。

9.まとめ

清掃員の正社員の仕事は、精神面と体力面のどちらでも、きついと感じる可能性があることは事実です。しかし、人と接することが苦手でも働きやすい、掃除好きな人は仕事で経験を活かせるなどのメリットもあります。

入社する際に特別な資格は求められず、清掃業が未経験の人でも応募可能な求人も多く見つかります。また、清掃は業界的に廃れる恐れがなく、年齢を問わずに長期的に働き続けられるため、正社員として安定して働きたい人におすすめの仕事です。

JOBPALでは、清掃に関わる仕事の求人情報を掲載しています。少しでも気になる求人があれば、ぜひお気軽にご応募・お問い合わせください。

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