清掃員の正社員はきつい?楽?主な仕事内容と働くメリットを解説

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「清掃員の正社員はきついって本当?」
「清掃員の仕事に正社員として就くメリットが知りたい」
など、正社員で清掃業の仕事に就くことに関して、疑問を持っている方もいるでしょう。
正社員として清掃員の仕事に就くことは、確かにきついこともありますが、それに負けない魅力も持ち合わせている仕事です。
今回は、清掃員の種類や仕事内容、きつい理由、メリット、面接時にチェックされるポイントなどについて解説します。この記事を読めば、清掃員の正社員として働くことが理解でき、仕事選びの参考になります。
1.清掃員の主な種類と仕事内容
清掃員の仕事は主に7つに分類されます。
- ビル清掃員
- ホテル清掃員
- 病院清掃員
- 列車清掃員
- 特殊清掃員
- ゴミ回収業者
- ハウスクリーニング(家事代行)
それぞれの仕事内容について解説していきます。
1-1.ビル清掃員
ビル清掃員は、商業施設やオフィス利用されているビルの清掃をおこなう仕事です。
室内清掃では、エントランスや廊下、エレベーター、階段など人が通行する場所や、トイレや給湯室などの水回り、各室内などを清掃します。
室外清掃では、窓ガラスや外壁、屋上、ビル周辺など、多方面の清掃作業をおこないます。清掃範囲が広いため、数名単位のチームで同時におこなうケースが多いです。
1-2.ホテル清掃員
ホテル清掃員は、共用部分、客室部分を中心に室内の清掃をおこなう仕事です。
共用部分では、エントランスやロビー、廊下、会議室、大浴場などの清掃を実施します。
客室部分は、お客様がチェックアウトした後のバスルームやトイレの清掃、ベッドメイキング、リネン類やゴミの回収、アメニティの補充作業などをおこないます。別途、従業員専用スペースの清掃も含まれるでしょう。
1-3.病院清掃員
病院清掃員は、外来患者などの来院者が訪れる外来スペースの清掃や、入院患者がいる病棟スペースの清掃、オペ室の清掃などをおこないます。
外来スペースでは、エントランスやロビー、待合室、診察室、検査室、トイレなどを清掃します。
病棟スペースは、病室や浴室、休憩スペース、トイレなど入院患者が使用する場所の清掃、ナースステーションや医局、倉庫、仮眠室など医療スタッフが使用する場所の清掃と、広範囲の清掃が必要です。
さらにオペ室は、手術後の室内清掃やゴミの回収などをおこないます。
1-4.列車清掃員
列車清掃員は、列車が駅や基地に戻ってから車内や外の清掃をおこなう仕事です。
列車の車内は、座席や棚、床、窓ガラス、トイレ、洗面台などです。
列車の外は、ブラシで汚れを落とす日常清掃に加え、定期的に洗浄装置を使用して大掛かりな清掃も実施します。
1-5.特殊清掃員
特殊清掃員は、室内で亡くなり発見されるまで時間を要した方の部屋を原状回復する仕事です。
血液や体液などの汚れや悪臭のもとを除去し、消毒や消臭、害虫駆除をおこないます。
また、遺品整理や不用品の処分などの場面に立ち会うこともあるため、単なる清掃だけでなく、故人の人生や遺族の思いに触れる仕事でもあります。
1-6.ゴミ回収業者
ゴミの回収業者は、地区やマンションのゴミ集積所を収集車で巡回し、曜日ごとに定められた種別のゴミを回収、運搬する仕事です。
ゴミの分別は、燃えるゴミや燃えないゴミ、資源ゴミ、瓶、缶など地域によって異なりますが、正しく分別されているかのチェックもおこないます。
1-7.ハウスクリーニング(家事代行)
ハウスクリーニングは家事代行ともいわれ、お客様宅の清掃をおこなう仕事です。
自宅に訪問し、リビングやベッドルーム、キッチンや浴室・洗面所・トイレなどの水回り、窓やベランダ、玄関といった外に面する箇所などを清掃します。
基本的には、自分で掃除しにくくかったり、汚れが取れにくかったり、時間がかかって面倒だったりする場所のクリーニングを依頼されるケースが多くなります。
2.清掃員の仕事がきつい5つの理由
上記のように、清掃員の仕事は多方面に活躍の場面があります。その一方で、「清掃員の仕事はきつい」という声が漏れ聞こえてくるのも事実です。清掃員の仕事がきついといわれる理由は、主に以下の5点です。
- 頑固な汚れを根気強く落とさないといけない
- 重い清掃道具を運ばないといけない
- 限られた時間内に掃除を終わらせないといけない
- 仕事中に人と会話する機会がほとんどない
- 年配な方と一緒に仕事をしないといけない
清掃員の仕事がきつい理由について詳しくお伝えします。
2-1.頑固な汚れを根気強く落とさないといけない
清掃員が清掃する場所は、頑固な汚れがこびりついていることも多くあります。
そのため、清掃道具や洗剤を駆使して根気強く汚れを落としていくことになります。「落ちなかった」ではプロの仕事として済まされないため、確実にやりきらなければならない点が、きついといわれる要因の一つです。
2-2.重い清掃道具を運ばないといけない
モップやほうき、ブラシなどの清掃用具は、必要なものを一式集めるとけっこうな重さになるため、運ぶだけできついと感じる方もいるでしょう。
基本的に清掃用具は、すべてを手で持ち運ぶわけではなく、洗剤類なども含めてカートで運搬する形ではあります。ただ、広いフロアや階段しかない建物では移動回数が多いほど体力を消耗してしまい、きついと感じてしまいます。
2-3.限られた時間内に掃除を終わらせないといけない
限られた時間内に決められた清掃作業を完了しなければならない点も、清掃員がきついといわれる要因です。
全体の作業時間が定められているほか、オフィスビルの場合は「12時からミーティングが入っているから、午前のうちに会議室をきれいにしなければならない」などの細かい制限も加わります。
のんびり自分のペースでする掃除とは異なり、仕事ならではの縛りのなかで、確実に終わらせなければならない点は、きつい部分でしょう。
2-4.仕事中に人と会話する機会がほとんどない
清掃員は、仕事中に周りの方と会話する機会がほとんどありません。基本的には自分の持ち場で一人黙々と作業します。
範囲が広い場合は、複数人のチームで清掃を進めますが、トラブルや確認事項がない限りは、基本的にコミュニケーションを取るシチュエーションがありません。
したがって、人と関わりながら仕事がしたいと思っている方や、一人での作業に孤独や苦痛を感じるタイプの方は、清掃の仕事をきついと感じるでしょう。
2-5.年配の方と一緒に仕事をしないといけない
清掃員の年齢層は幅広く、50~70代の年配の方が働いているケースも多くあります。そのため、年の離れた方と働くことに抵抗がある方は、清掃の仕事がきついと感じてしまうでしょう。
「歳の離れた同僚」という関係は、ごく普通にあるパターンです。しかしそれだけでなく、20代の若手正社員が50代以降のアルバイトスタッフを指導、管理するという場合も、清掃の仕事では大いにあり得ます。
年齢によって気まずさや仕事のやりづらさを感じてしまえば、きついと感じる場面は多くなってくるでしょう。
3.正社員で清掃員の仕事をするメリット
正社員で清掃員として仕事をするメリットは、主に以下の4点が挙げられます。
- 未経験からでも働ける
- 年齢を気にせず長期的に働ける
- 人と接することが苦手でも働ける
- 経験を積めば独立も目指せる
それぞれのメリットについて確認していきましょう。
3-1.未経験からでも働ける
清掃員の仕事は、未経験者歓迎の求人が多いため、過去の経験やスキルに関係なく、正社員として働けるメリットがあります。
もちろん、入社後に清掃全般に関する知識や道具、洗剤の使用方法などを身につけることは必須です。しかし、入社時点で専門スキルを求められるケースはほぼないので、挑戦しやすい仕事といえます。
3-2.年齢を気にせず長期的に働ける
清掃員は若手のみならず、中高年でも活躍できる仕事のため、正社員になると長く安定的に働き続けられます。技術を持ち合わせている清掃員は、歳を重ねても仕事が途切れることなく活躍できるでしょう。
また、人が生活や仕事をしている以上、汚れやゴミがなくなることはないので、清掃業界は全般的に、世の中の景気の影響を受けにくい業界です。
3-3.人と接することが苦手でも働ける
人とコミュニケーションを取るのが苦手でも、正社員として働けるのが清掃員の仕事のメリットです。
清掃の仕事は、一人で作業に集中し淡々とこなしていくスタイルのため、同僚や上司と言葉を交わすタイミングは非常に少なくなります。
声をかけ合ってチームワークで進めていく仕事よりも、自分に与えられた持ち場で黙々と仕事に取り組みたいタイプの方にとって、正社員の清掃員の仕事は適職です。
3-4.経験を積めば独立も目指せる
清掃の現場で知識や経験を積み重ね、技術に磨きをかけていけば、会社の一社員から独立も目指せます。
清掃の需要が減ることはないので、会社を立ち上げ、うまく軌道に乗せることができれば、売上を大きく伸ばしていくことも可能です。
経営者自身が経験豊富で、プレイヤーとして高い能力を持っていると、従業員にとってもクライアントにとっても良い影響を及ぼします。独立志向が強い方も、まずは正社員として現場を経験し、清掃業務を極めていきましょう。
4.清掃員として働きたい人におすすめの資格
清掃員として働くうえでは、たとえ正社員採用であっても入社時に必須となる資格はありません。
しかし、周囲に信頼や安心感を与え、より多くの知識を実務に活かしたいと思う場合は、資格を取得することが有効です。結果的に選考で有利になったり、入社後の活躍の幅が広がったりという副産物が得られるでしょう。
以下の5つは、清掃員として働きたい方におすすめできる資格です。
- ビルクリーニング技能検定
- 建築物環境衛生管理技術者
- 清掃作業監督者
- 病院清掃受託責任者
- ハウスクリーニングアドバイザー
それぞれの資格についてお伝えします。
4-1.ビルクリーニング技能検定
ビルクリーニング技能検定は、ビルクリーニングにおける技術力を証明する資格です。
1~3級が用意されており、3級は実務経験がない初心者の受験も可能です。2級は2年以上、1級は5年以上の実務経験が求められるので、正社員として働きながら受験を目指すのも仕事のモチベーションにつながるでしょう。
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参照:ビルクリーニング技能検定の詳細はこちら
https://www.j-bma.or.jp/qualification-training/building-cleaning
4-2.建築物環境衛生管理技術者
延べ面積3,000㎡以上の公共施設などを指す「特定建築物」が適切に維持管理されているかを監督、指導するために必要な資格です。
通称「ビル管理士」といわれ、大規模な建築物のビルメンテナンスに携わるうえで役立ちます。資格の受験には、関連の実務経験が2年以上必要となります。
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参照:建築物環境衛生管理技術者の詳細はこちら
https://www.jahmec.or.jp/
4-3.清掃作業監督者
清掃作業監督者とは、清掃現場の監督者の能力を証明する資格です。
受験は「ビルクリーニング技能検定1級」もしくは「建築物環境衛生管理技術者」の取得者であることが必須です。清掃作業監督者の試験自体は、オンライン講習と修了試験への合格が必要となりますが、ほぼすべての受験者が合格しています。
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参照:清掃作業監督者の詳細はこちら
https://www.j-bma.or.jp/kantoku/
4-4.病院清掃受託責任者
病院清掃受託責任者とは、病院が清掃業務を外部委託するにあたって必要となる「受託責任者」を認める資格です。
受験には、「医療機関での清掃業務を含み、3年以上の清掃業務経験」が必要です。講習を受講後、考査に合格すると資格が取得できます。
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参照:病院清掃受託責任者の詳細はこちら
https://www.j-bma.or.jp/qualification-training/hospital-cleaning
4-5.ハウスクリーニングアドバイザー
ハウスクリーニングアドバイザーは、ハウスクリーニングのスペシャリストとしての技能を証明する資格です。
プロ視点での判断やアドバイスができるようになり、講師としての道に進むこともできます。在宅受検で70%以上の合格率を誇っているため、経験が浅い方でも比較的受験しやすい資格です。
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参照:ハウスクリーニングアドバイザーの詳細はこちら
https://www.nihonsupport.org/sumaishikaku/housecleaning/
5.清掃員の正社員面接でチェックされるポイント
清掃員の正社員の採用面接で人事担当者からチェックされるポイントを紹介します。以下を意識すれば採用の可能性が高まるため、ぜひ覚えておきましょう。
- 清潔感
- 忍耐力・向上心
- 体力
それぞれのチェックポイントについてお伝えします。
5-1.清潔感
清掃員に限ったことではありませんが、清潔感の有無は面接の重要なチェックポイントです。
ビジネスパーソンとして最低限の身だしなみを整え、清潔感がある印象を与えられれば、選考が有利に進みます。シワや汚れのないスーツやシャツを着用し、髪はきれいにセットして、爪の長さも整えましょう。
5-2.忍耐力・向上心
忍耐力や向上心を持ち合わせているかという点も、清掃員の正社員面接で確認されるポイントです。なぜならば、汚れが落ちやすく清掃しやすい場所ばかりではなく、汚れがひどく手強い場所に遭遇することも多々あるからです。
頑固な汚れや臭いの除去に忍耐強く着実に取り組めるか、日常の作業手順を工夫したり、新たな技術を学んだりする向上心を備えているかという点は、採用する企業側が見極めたい要素の一つでしょう。
5-3.体力
清掃中はひざまずいたり、中腰になったりと、日常ではあまり取らない姿勢を取ることも多く、きつい姿勢で力を込めて汚れを落としていかなければなりません。
重量のある清掃道具一式の運搬も、積み重なれば負担となります。さらに、清掃場所の環境によっては、夏は暑く冬は寒いなかで長時間作業することもあるでしょう。そのため、健康体で肉体労働に耐えられる体力があるかという点も、正社員面接でのチェックポイントとなります。
6.まとめ
今回は、清掃員の仕事内容や正社員になるときついと言われる理由についてお伝えしました。
清掃員の正社員の仕事は、精神面でも体力面でもきついと感じる可能性があるのは事実です。しかしながら、その反面清掃員だからこそ味わえるやりがいや喜びも多くあります。
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