HSPの人に合う仕事のタイプ7選と向いている仕事の共通項を解説

この記事で分かること
- HSPの人には感覚が鋭く刺激に敏感で疲れやすい「DOES」という特徴がある
- HSPの特性を活かすには、人との関わりが少なく豊かな感受性が必要な仕事を探すと良い
- HSPの人は人との関わりが多く忙しい仕事には向かない傾向にある
- HSPの人が仕事のストレスを軽減するには、落ち着いた作業スペースの確保や適度な休憩が重要である
※この記事は6分30秒で読めます。
「HSPでも働きやすい仕事ってある?」
「HSPは転職活動でどのようなことに気をつけると良い?」
など、HSPと仕事の関係に悩んでいる人もいるでしょう。
HSPの人は、思慮深く刺激に敏感で人の気持ちに振り回されやすいという特徴があり、仕事が長続きしない人もいます。しかし、HSPの人ならではの強みを活かせる仕事が見つかれば、やりがいを感じながら長く働けるでしょう。
今回はHSPの概要や、特徴を活かせる仕事、向いていない仕事などを解説します。この記事を読めばHSPの人に向いている仕事がよくわかり、今後の転職活動を円滑に進められます。
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1.HSP(Highly Sensitive Person)とは
HSPは「Highly Sensitive Person(ハイリーセンシティブパーソン)」の頭文字からできた言葉です。
HSPは、感受性が高いために環境からの影響を受けやすい性質を持った人を指します。世界人口の15%〜20%が該当するといわれています。
感受性が豊か過ぎるゆえ、非HSPの人との差に自己嫌悪を感じたり無理に合わせたりして生きづらさを感じる場面も多いです。そのため、大きなストレスを抱える人も少なくありません。
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参照:国立病院機構「HSPとは」
https://tottori.hosp.go.jp/files/000193154.pdf
1-1.HSPの人の特徴「DOES」について
HSPについて深く知るなら、該当者の性質・特徴への理解が大切です。
一般的にHSPの人は「DOES(ダズ)」という特徴を持っています。DOESは、以下の特徴の頭文字で構成された造語です。
Depth of processing 考え方が複雑で、深く考えてから行動する |
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Overstimulation 刺激に敏感で疲れやすい |
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Empathy and emotional responsiveness 人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい |
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Sensitivity to subtleties あらゆる感覚がするどい |
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参照:品川メンタルクリニック「HSPとは?チェックリストや向き合い方を解説」
https://www.shinagawa-mental.com/column/psychosomatic/hsp/
2.HSPの人が仕事で感じやすい悩み
HSPの人は、職場環境や人間関係に敏感なため、特有の悩みを抱えがちです。HSPの人が仕事で感じる悩みとしては、以下が挙げられます。
- 職場の騒音、忙しさに対するストレス
- 職場の雰囲気の悪さ、人間関係の不快感
- 批判や指摘に対する過敏な反応
- 必要以上の責任感、プレッシャー
- 刺激の多い職場環境による疲労感
- 新しい環境やルールへのストレス
HSPの人が無理なく働くには、職場環境や人間関係の悩みが少なく、精神的な負担が軽い仕事を探すとよいでしょう。
3.HSPの特性を活かせる可能性が高い仕事のタイプ7選
HSPの人は、自分の特徴を理解して無理なく働ける仕事を探すのが大切です。ここではHSPの人が特性を活かせる可能性が高い仕事をご紹介します。
3-1.人の心や身体と向き合う仕事
HSPの人は、他人の心や体と向き合ってケアするような仕事に向いています。
感受性が非常に強く、他人の気持ちを理解することに長けているため、1対1で患者さんと向き合い、心や身体をケアする仕事は適職といえます。例えば、マッサージ師やエステティシャンなどです。
他者の痛みに敏感で「誰かの役に立ちたい」と思っているなら、上記の仕事がおすすめです。
【こんな人におすすめ】
- 人を助けたい気持ちが強い人
- 目の前の人の役に立ちたい人
- 頑張っている人を支えたい人
3-2.動物や自然と接する仕事
自然や動物と接する仕事も、HSPの気質を持っている人に向いています。
他者が理解できない感情やSOSを読み取れる場合もあるので、自然や動物に関わる仕事にも向いています。例えば、ペットショップの店員やフラワーコーディネーターなどがおすすめです。
人間相手だとうまく関係を構築できない人でも、動物や植物なら強みを存分に発揮できるのではないでしょうか。
【こんな人におすすめ】
- 人以外と関わりを持ちたい人
- 細かい変化や仕草に気付ける人
- 癒される空間で働きたい人
3-3.IT・Web関連の仕事
HSPの人の特徴は、ITやWeb関係の仕事でも活かせます。
HSPの人は思慮深く、丁寧に仕事を進められる傾向にあります。また、在宅ワークなら人と対面しないため、人間関係の構築が苦手な人でも安心して仕事ができる点も特徴です。
IT関連の仕事は、HSPの人にとって適職の可能性があります。例えば、エンジニアやWebデザイナー、Webライターなどがおすすめです。
【こんな人におすすめ】
- 集中して作業をするのが好きな人
- 物事を深く考えるのが好きな人
- 繊細かつ丁寧な作業が得意な人
3-4.クリエイティブな仕事
自分の感情や想いを形にして表現できるクリエイティブな仕事も、HSPの人に向いています。
HSPの人は感受性が強く、人の気持ちに共感したり、あらゆる感覚が鋭かったりする点が特徴です。例えば、カメラマンやデザイナーなどがあります。
そのため、さまざまな感情を形にして表現できるクリエイティブな仕事に向いています。
【こんな人におすすめ】
- 感受性や想像力が豊かな人
- 自分の感性を発揮したい人
- 0から1を生み出す仕事をしたい人
3-5.正確さが求められる仕事
HSPの気質は、正確さが求められる仕事でプラスに働きます。
HSPの人は、細かい部分に気を付けられるという強みを持っています。速さよりも正確さ・精密さが求められる仕事なら、特徴を存分に活かせるでしょう。例えば、工場のライン作業や機械操作(マシンオペレーター)、検品・検査の仕事がおすすめです。
【こんな人におすすめ】
- 丁寧に仕事を進められる人
- 正確さや緻密さに長けている人
- ルーティンワークが好きな人
3-6.人との関わりが少ない仕事
人付き合いが苦手なら、人とあまり関わらずに仕事ができる環境がおすすめです。
HSPの人は、人が怒られているのを見ると自分まで傷つきがちです。また、他人の些細な言葉が気になる傾向にあります。
総じて人付き合いが苦手な人が多いため、一人で黙々と作業ができ集中力を発揮しやすい職場が向いています。例えば、工場作業員やトラックドライバー、清掃員などがおすすめです。
【こんな人におすすめ】
- 周りの人に気を使わずに働きたい人
- 一人で黙々と仕事したい人
- 自分のペースで働きたい人
3-7.在宅でもできる仕事
人付き合いが苦手な傾向にあるHSPの人には、在宅の仕事も向いています。
人と交流するのが苦手だったり、人付き合いに疲れやすかったりするHSPの人にとって、在宅で可能な仕事は適職といえるでしょう。
在宅ワークは、フリーランスとしてクラウドソーシングサービスなどから仕事を受注する方法が一般的です。しかし最近は、企業に勤める正社員でも在宅ワークが浸透しつつあります。
例えば、メールオペレーターやオンライン事務代行、オンライン秘書、Webライターなどがおすすめです。
【こんな人におすすめ】
- 自宅で黙々と仕事したい人
- 他人の目を気にせず働きたい人
- フリーランスとして働きたい人
4.HSPの人に向いている仕事の共通項
HSPの人に向いている仕事には、共通項があります。
4-1.自分が興味を持てる仕事
HSPの人は感受性が強く、周囲だけでなく自分の感情にも敏感です。
他の人が仕事と割り切って我慢して働いていても、HSPの人は「本当にこの仕事に意味があるのか」と考えてしまい大きなストレスになる場合があります。
割り切って働けないHSPの人にとって、自分が興味を持てる仕事かどうかは重要です。
自分が興味を持てる仕事であれば前向きな気持ちで納得して働けるため、やりがいを見いだせるでしょう。
4-2.自分の強みを活かせる仕事
HSPの人は「苦手を克服しなければいけない」という気持ちが強い傾向にあります。
人間関係など苦手な部分を克服しようと頑張る人が多いですが、生まれ持った繊細な気質を直すのは簡単ではありません。
苦手の克服に大きなエネルギーを使うと、失敗して逆に自信を失う可能性もあります。
一方、自分の強みである繊細さ、丁寧さ、深い思考力などを活かす仕事を選べば成果を出しやすいため、自信を持って前向きに仕事ができるでしょう。
4-3.自分のペースで働ける仕事
HSPの人は、人のペースに合わせて仕事をすると疲れやすい傾向にあります。
人間関係は大きなストレスを感じる原因になるため、周りを気にせずに仕事ができる環境に身を置くほうが、のびのびと働けます。
人と協力して進めるよりも、一人で集中できたり物事を深く考えながら進めたりする仕事に向いているでしょう。
4-4.刺激が少ない環境で働ける仕事
HSPの人は、音や匂いといった五感への刺激に敏感です。
工場や土木関係などの騒音がある場所や、小売業や飲食業のように人との関わりが多い仕事は、つらいと感じる傾向にあります。
刺激が少なく自分のことに集中して取り組める仕事であれば、長所を活かしやすいでしょう。
5.HSPの人に向いていない仕事の特徴
長期的に働くことを想定している場合、HSPの人には向いていない仕事は避けたほうが賢明です。
5-1.競争が激しい仕事
競争が激しい職場やノルマが設定された仕事は、スピードを重視する場合が多いです。そのため、丁寧に作業をしたいHSPの人はストレスを感じるでしょう。
代表的なのは営業職で「よい成績を残さないといけない」という緊張感が強いストレスとなり、早期退職につながるおそれがあります。
5-2.忙しすぎる仕事
集中してじっくり仕事に取り組みたいと考えるHSPの人にとって、忙しすぎたり騒がしすぎたりする仕事は向いていません。
例えば、飲食店のホールは昼食時や夕食時は非常に忙しく、お客様の声や厨房からの音が響くため、集中できない場合があります。気が散って仕事が手につかず、大きなストレスを抱えるかもしれません。
自分が興味のある分野なら忙しくても集中力を高めて乗り切れますが、違う場合は忙しさを我慢しながら働くのは避けたほうがよいでしょう。
5-3.興味がない仕事
HSPの人は、給与などの待遇よりも仕事への納得感や精神的な満足感を重視する傾向にあります。
そのため、好待遇でも興味のない仕事を我慢して続けるのは向いていません。
退屈に感じる仕事を何とかこなすよりも、自分が興味のある分野に集中して取り組むほうが精神的な充足感は大きくなるでしょう。
5-4.人との関わりが多い仕事
繊細で他人の他愛ない言葉に傷つきやすいHSPの人にとって、人との関わりが多い仕事は向いていません。
販売や営業、窓口対応などは人とコミュニケーションを取る仕事が主なため、ときには強いクレームを受ける場合もあります。他人の言葉で気疲れしてしまう営業や接客業は、避けたほうがよいでしょう。
他人と関わらず作業を黙々とこなせる分野の仕事がおすすめです。例えば、データ入力やハンドメイド作家などの仕事があります。
6.HSPの人ならではの強みと弱み
HSPの人の強みや弱みは、以下のとおりです。
弱み | 強み |
---|---|
必要以上に失敗を恐れてしまう | コツコツと地道に努力できる |
物事をマイナスにとらえがち | 人の痛みがわかる |
些細なことで傷つきやすい | 些細なことまで気付く力がある |
空気を読みすぎてストレスを感じやすい | 空気を読んだり察したりする能力が高い |
過去のできごとを引きずってしまう | 記憶力がよい |
周りの人の行動や言語を気にしすぎる | 誰とでも平等に接し共感力が高く人の気持ちに寄り添える |
周りの音や光、温度の変化に敏感すぎる | 感受性や創造性が豊かで芸術的なセンスがある |
効率やスピードを重視できず時間がかかる | 質が高く丁寧な仕事ができる |
マルチタスクが苦手 | 集中力が高い |
HSPの人は、失敗を恐れたりストレスを感じやすかったりする点が弱みです。また、環境の変化に敏感な点が仕事に悪影響をおよぼす恐れがあります。
一方で、集中力が求められる、高品質で丁寧な仕事が得意です。些細なことに気付く力や人の気持ちに寄り添える点も長所なため、活かした仕事に就ければ活躍できるでしょう。
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参照:品川メンタルクリニック「HSPとは?チェックリストや向き合い方を解説」
https://www.shinagawa-mental.com/column/psychosomatic/hsp/
7.HSPの人が仕事のストレスを軽減するための対処法
HSPの人が、仕事のストレスを軽減するための対処法を解説します。
7-1.静かな環境や作業スペースを確保する
HSPの人が仕事をする際は、静かな環境や作業スペースを確保し、集中できる空間を作るのがおすすめです。
雑音が気になる場合、イヤホンで音楽を聴けば気が散らず、仕事に集中しやすくなります。また、作業スペースの周りを整理して、視覚的な刺激を減らすのもよいでしょう。
7-2.適度に休憩を取りながら仕事をする
HSPの人は仕事中に適度な休憩を取り、リフレッシュする習慣をつけるのがおすすめです。例えば、1時間ごとに小休憩を取れば、心身ともに休めるでしょう。
休憩時間を確保すると疲労やストレスの蓄積を防げるため、集中して仕事に取り組めます。仕事に集中できれば、よい成果を出しながら無理なく働き続けられます。
7-3.タスクの優先順位を決める
HSPの人は一度に多くの作業に取り組むのが苦手なため、タスクの優先順位を決めておきましょう。取り組むべき仕事を細分化し、優先順位を決めて一つずつ進行しましょう。
作業に優先順位をつければ、精神的な負担を減らしながら仕事ができます。
7-4.周りの人と適度な距離を取る
HSPの人は他人の感情に敏感なため、周囲と適度な距離感を保つと疲労やストレスを軽減できます。
周りの人の状況や感情に引き込まれると、気が散り集中力が下がったりマイナスに考えたりする可能性があります。自分のペースで仕事を進めるためにも、周りの人との距離感を意識しましょう。
7-5.仕事とプライベートのオン・オフをしっかり作る
HSPの人は仕事のストレスを引きずりやすい面があるため、しっかりとオン・オフを切り替えることが大切です。
オン・オフの切り替えが身につけば、プライベートの時間をより充実させられます。退勤後は仕事から完全に離れて、趣味の時間やリラックスする時間を設けましょう。
8.今の仕事がつらく、自分に合う仕事を探したいなら
自分がHSPという自覚がある人は、強みを活かすとともに、弱みに関連しない仕事を見つけるのが大切です。ここではHSPの人が適職を探す方法をご紹介します。
8-1.丁寧に自己分析をおこなう
HSPの人は自己肯定感が低い傾向にあり、自分の強みや特徴を認識できない場合があります。そこでおすすめしたいのが、自己分析です。
自己分析をすれば、どのような仕事なら長所を活かして働けるか、自分に合っているかを判断しやすくなります。
例えば、一つのことを深く考える性質がある人なら、分析・考察能力が活かせる研究職や品質管理などの仕事が向いています。
音楽や漫画に感情移入しやすい性質なら、音楽家や漫画家、作品を取り上げるメディアでの仕事やWebライターなどがおすすめです。
自己分析の具体的な進め方は、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
8-2.自分の希望条件を整理する
自己分析の結果をもとに苦手な仕事と得意な仕事を考え、求める条件や職場環境を整理しましょう。具体例は以下のとおりです。
- 忙しい時間が長時間続かないか
- 騒がしい職場ではないか
- チームワークを求められずに集中できるか
- 在宅ワークができるか
自己分析の結果に沿った職場環境の細かい条件を、すべて書き出します。
出した条件のすべてが叶う職場は、滅多に見つかりません。条件には優先順位をつけ、妥協できる部分を残しておくと、円滑に会社探しが進みます。
企業に求める条件を整理する際は、以下の記事を参考にしてください。
8-3.職場環境を丁寧にリサーチする
HSPの人は騒がしい職場やストレスフルな職場など、環境によって働きづらさを感じる可能性があるため、丁寧なリサーチが大切です。
職場の雰囲気や社風に関する情報は、会社のホームページにくわえて口コミサイトを参考にしましょう。また、可能な場合は面接時に職場見学をさせてもらうと、リアルな空気感や雰囲気などを確認できるため、自分に合う職場かどうかを判断しやすくなります。
無理なく働くためにも、職場の環境や働きやすさは事前にしっかりと確認するのがおすすめです。
8-4.福利厚生やサポート体制の確認する
HSPの人は体調面、精神面でのサポート体制が重要です。サポート体制には、仕事から離れてリフレッシュするための休暇制度や、体調に合わせて働ける柔軟な勤務体制などがあります。
また、働き方だけでなく、万が一体調を崩した場合に相談できる社内カウンセラーや窓口がある企業を探すのもよいでしょう。
福利厚生の種類や制度が整っている企業の見極め方などは、以下の記事で詳しく解説しています。
8-5.転職の相談をする
転職を成功させたいなら、自分だけで探さずに、HSPのことや希望職種を相談できる求人サイトや転職エージェントに登録するのがおすすめです。
キャリア面談や転職相談サービスを活用すれば、自分だけでは見つけられなかった求人を紹介してもらえる可能性があります。
JOBPALでは面談サービスを提供しており、仕事探しにおける不安を何でも相談できます。ぜひお気軽にご相談ください。
9.まとめ
HSPの人は感受性が豊かで、他者との人間関係に疲れやすかったり、些細なひと言に傷つきやすかったりする特徴があります。そのため、人間関係が複雑な職場や、チームワークが要求されるような職場には向いていません。
一方思慮深くて、動物や子どもに共感できるという個性もあります。弱みを無理に克服するのではなく、自己分析を徹底したうえで個性を活かせる仕事探しを意識しましょう。
また、自分の弱みと向き合うには、全員に好かれようとせず些細なことでも誰かに相談するなどの心がけが大切です。
JOBPALでは、ご自身に合う会社に関して面談で相談できます。転職活動に不安がある人は、ぜひお気軽にご利用ください。
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