繊維工場の仕事内容とは?資格や働くメリット、向いている人を解説
※この記事は5分で読めます。
「繊維工場にはどんな仕事がある?」
「繊維工場で働くメリットが知りたい」
など、繊維工場に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
繊維工場は衣類や自動車のクッションなど、さまざまな製品を生産しているのが特徴です。
今回は、繊維工場の概要、仕事内容、メリットや向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めば、繊維工場のことがよくわかり、自分が働く姿をイメージできるようになります。
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1.繊維工場とは
繊維工場は主に「紡糸」「紡績」「製糸」「縫製」「染色」などの工程を経て、天然繊維や化学繊維の糸を紡ぎ、布にしたり服などに加工したりする工場のことです。布の裁断・加工、再生原料の溶融・紡糸・加工など、工場によって細かな業務範囲は異なります。
作られる製品もさまざまで、衣服だけでなく、車のシートに使われるクッション材やエアバッグ、カーペットなどもあります。
2.繊維工場の仕事内容
繊維工場の仕事は、「加工・製造」「検品・検査」「梱包」の3段階に分かれます。
2-1.加工・製造
工場によって対応している加工や製造の内容はさまざまですが、ここでは代表的な加工・製造内容をご紹介します。
2-1-1.繊維を作る
原料を溶かして繊維を作る工程です。
繊維の原料としては、主に樹脂やガラスが用いられます。これらを熱で溶かして細長く押し出し、乾燥させたり冷やして固めたりすることで繊維になるというのが、繊維を作る基本的な流れです。
繊維を作る現場では、装置に原料を入れる仕事や、繊維を巻き取る機械に芯をセットしたり取り外したりする仕事などがあります。
2-1-2.繊維を生地にする
前工程で製造した繊維を紡ぎ合わせて生地にする工程です。例えば、羊毛などの天然繊維では長い糸に加工する工程(紡績)がおこなわれ、ポリエステル繊維、家庭で不要になったリサイクル繊維などを混合して使用されます(混紡)。
そのあと、たて糸によこ糸を交差させ布を織る工程(製織)によって生地に仕上げていきます。そこから生地のコーティングやプリント、染色をおこなうこともあります。
2-1-3.生地を加工する
生地を加工し、衣類やカーテンなどの日用品として最終製品にする工程です。生地をミシンで加工したり、生地にコーティングやプリントをしたりといった流れで製品として完成させます。
2-2.検品・検査
できあがった製品にほつれや破れ、汚れ、色ムラがないかをチェックする工程です。機械を使った作業だけでなく、担当者が目視でおこなう検品作業もあります。
目視は担当者のスキルが重要で、丁寧、慎重かつ細かな異常を発見できる力が求められます。
2-3.梱包
仕分けやピッキング、梱包作業といった出荷準備をおこなう工程です。
- 仕分け:集められた製品を送り先、利用使途に応じて分類する作業
- ピッキング:フォークリフトなどを使い、仕分けされた製品を指定の場所まで運ぶ作業
- 梱包:製品を段ボールなどに入れて出荷準備をする作業
梱包は地味な作業に思えますが、衝撃による破損を防ぐためにエアパッキンなどの緩衝材でしっかりと保護することで製品の破損を防ぐ重要な仕事です。
3.繊維工場の仕事におすすめの資格
繊維工場で働くにあたっては、特別な資格や経験は必要ありません。ただ、原料の運搬や完成品の梱包・出荷の仕事に携わるうえでフォークリフトの免許を持っておくと重宝されます。
3-1.フォークリフト運転技能講習修了証
原料を運搬したり、できあがった製品を出荷前にピッキングしたりする作業では、人の力では困難な場面が少なからず出てきます。そのような重量物の運搬ではフォークリフトが使用されるため、フォークリフトの運転資格を持っておくと任される仕事の幅が広がるでしょう。
フォークリフトの取得難易度は決して高いものではなく、繊維工場に限らず多くの製造業で重宝されます。製造業界への転職を目指すなら、取得しておいて損はありません。
以下の記事ではフォークリフトの仕事について詳しく解説しています。
3-1-1.資格の取得方法
最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転業務は、技能講習を修了しなければ就業できず、国家資格の「フォークリフト運転技能講習」の資格が必須です。
受験資格は「満18歳以上の者」であり、普通自動車免許を持っていなくても年齢要件さえ満たせば受講することが可能です。
コースの区分と受講内容は、保有する免許に応じて異なります。
コース区分 | 現在保有している資格及び業務経験 |
11時間 | 大型特殊免許(カタピラ限定を除く)所有者。普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許を有し、小型フォークリフト特別教育修了後、最大荷重が1t未満のフォークリフトの業務経験が3ヵ月以上ある方。 |
15時間 | 小型フォークリフト特別教育修了後、最大荷重が1t未満のフォークリフトの業務経験が6ヵ月以上ある方。 |
31時間 | 普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許所有者。 |
35時間 | 上記のいずれにも該当しない方 |
受講内容は、学科と実技に分かれています。コース区分によって学科が7~14時間、実技4~24時間の区分があり、11時間や15時間のコースでは実技の「走行の操作」20時間分が免除されます。
種別 | 科目 | 時間 | コース | |||
11時間 | 15時間 | 31時間 | 35時間 | |||
学科 | 走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 4時間 | 免除 | 〇 | 免除 | 〇 |
荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 4時間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
運転に必要な力学に関する知識 | 2時間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
関係法令 | 1時間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
実技 | 走行の操作 | 20時間 | 免除 | 免除 | 〇 | 〇 |
荷役の操作 | 4時間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
合計 | 35時間 | 11時間 | 15時間 | 31時間 | 35時間 |
フォークリフトの免許取得にかかる費用は受講するコースによって異なるため、事前に調べておく必要があります。
一般的には自動車の普通免許を所持している場合で4万円程度、普通免許などを所持していない場合は4万5,000円程度の費用が必要になることが多いようです(※2023年3月現在)。
4.繊維工場で働くメリット
繊維工場で働くことにはさまざまなメリットがあります。これから繊維工場への転職を検討している人にとってメリットとなる情報を3つご紹介します。
4-1.未経験でも働きやすい
繊維関連の仕事は職人の手仕事というイメージをお持ちの人も多いかもしれませんが、繊維工場では未経験者向けのマニュアルが整備されていることも少なくありません。
先輩から丁寧に教わることで一定レベルの仕事をこなしやすいことから、初心者や未経験でも仕事を始めやすいでしょう。
4-2.力仕事は少ない傾向にある
力仕事の量は扱う製品によっても異なりますが、ウレタンや衣服などの軽い製品を扱う工場であれば、重いものを運ぶことはほとんどありません。
重量物を扱う時はフォークリフトをはじめとした機械を使うため、腕力が求められる場面は少ない傾向があります。体力に自信がない人や女性でも無理なく働けるでしょう。
4-3.布製品の理解を深められる
繊維工場で働くと、新しい素材についていち早く知る機会を得られます。
また、工場のどの工程に配置されるかで携わる業務内容がまったく異なるため、繊維から生地を作るあらゆる工程を学ぶチャンスがあるのもメリットです。
5.繊維工場の仕事に向いている人
繊維工場は仕事の丁寧さが要求されるため、向き不向きがあります。ここでご紹介する繊維工場での仕事に向いている人の特徴から、自分に向いた仕事かどうか確認してみてください。
5-1.手先が器用な女性
繊維工場では特別な資格は必要ありませんが、手先が器用な人に向いています。手先の器用さに自信があれば、ミシンを使って服や日用品を作る部署で重宝されるでしょう。
以下の記事では、工場勤務で女性が働くうえでのメリットをご紹介しています。
5-2.根気のある人
繊維工場に限った話ではありませんが、工場では臨機応変に仕事をするよりも、与えられた役割をきっちりこなすことが求められます。
同じ作業を繰り返すことになるため、忍耐強く、かつ根気良く作業に取り組める人に向いているでしょう。
以下の記事では工場での仕事についてより詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
5-3.繊維に興味がある人
繊維工場ではさまざまな布製品を作ることから、普段から布製品に親しんでいる人なら始めやすいでしょう。
衣類や日用品などの繊維に興味があれば、新素材が登場してもすぐに頭に入れることができ、楽しんで取り組めるでしょう。
6.まとめ
繊維工場の仕事はおおまかに「加工・製造」「検品・検査」「梱包」という工程に分かれており、扱う繊維や製品によって作業工程はさらに細かく分かれます。
フォークリフト免許があれば優遇されますが、無資格でも働き始めることが可能です。また、細かな手作業が得意な人は重宝されるでしょう。
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