QC検定2級(品質管理検定2級)とは?試験概要や難易度、勉強方法を解説
※この記事は5分30秒で読めます。
「QC検定2級ってどういう資格?」
「品質管理検定2級の試験の難易度や資格を取得するメリットを知りたい」
など、QC検定2級(品質管理検定2級)に関して気になっている方もいるでしょう。
QC検定2級(品質管理検定2級)を取得すると、品質管理の知識を得られるだけでなく、特定の職種への転職に有利に働いたり、資格手当が支給されたりする場合があります。
今回は、QC検定2級(品質管理検定2級)の概要、メリット、資格を活かせる仕事や試験概要、勉強方法などを解説します。この記事を読めば、資格の概要や効率的な勉強方法について、より深く理解できるでしょう。
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1.QC検定2級(品質管理検定2級)とは?
まずは、QC検定2級(品質管理検定2級)がどのような資格なのか、その概要と、この資格が役立つ職種などについて解説します。
1-1.QC検定2級(品質管理検定2級)の概要
QC検定2級について知る前に、QC検定がどういったものなのかを知っておきましょう。
QC検定(品質管理検定)は、あらゆる業界・分野で必要となる「品質管理」の知識を問われる資格の一つです。さまざまな資格のなかでも比較的新しく、2005年に第1回の試験が実施されました。
これまでに全国で累計120万人以上が受検し、66万人以上の合格者を出している需要の高い資格です。
QC検定は1〜4級に分かれており、級ごとに難易度が異なります。このうち、QC検定2級は「基本的な管理・改善活動を自立的におこなえるレベル」の知識・能力があるかどうかを測る資格です。
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参照:日本規格協会グループ「品質管理検定(QC検定)とは」
https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/qc/qc_qc1/
1-2.QC検定2級(品質管理検定2級)はどこで役立つ?
QC検定2級の資格は、製造業の品質管理部門に勤務する方はもちろん、自社の品質問題の解決に携わる方にも役立ちます。
また、品質管理に限らず、製品・サービスの品質に深く関わる部署の管理職やスタッフの方にも、資格の取得を目指すことはおすすめです。
2.QC検定2級(品質管理検定2級)を取得するメリット
QC検定2級(品質管理検定2級)を取得するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 品質管理に関する知識を得られる
- 製造業への就職や転職が有利になる
- 資格手当が支給されることもある
それぞれ詳しく解説します。
2-1.品質管理に関する知識を得られる
QC検定2級の取得によって、「QC七つ道具」を活用し、製品・サービスの品質や製造工程の課題を自ら解決・改善できるようになります。QC七つ道具とは、以下に示す7つの手法のことです。
- チェックシート
- 管理図
- パレート図
- 特性要因図
- グラフ
- ヒストグラム
- 散布図
また、現在では言語データを図式化した「新QC七つ道具」も登場しています。新QC七つ道具には、以下の7つの手法が該当します。
- 親和図法
- 連関図法
- 系統図法
- マトリックス図法
- PDPC法
- アローダイヤグラム
- マトリックスデータ解析法
これらの手法をはじめとした資格取得で得た知識は、製品の品質保証や製造工程の最適化など、さまざまな業務に役立ちます。
2-2.製造業への就職や転職が有利になる
品質管理を重視している製造業界では、QC検定2級を必須資格としている企業も少なくありません。そのため、あらかじめ資格を取得しておけば、製造業への就職・転職を有利に進めやすくなります。
資格取得によって、製造に欠かせない品質管理に対する意識をきちんと持っていることをアピールでき、即戦力となる人材として評価されやすくなるでしょう。
また、転職・就職後に管理職へのキャリアアップを目指している場合は、管理者を対象にしている2級の取得が重要となります。
2-2.資格手当がもらえることもある
企業によっては、QC検定2級の資格を取得することで、資格手当の支給を受けられるケースがあります。給与をアップさせたいと考えている方にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
また、資格取得によって評価が上がり、昇進につながる場合もあります。給与アップだけでなく、キャリアアップを目指すことも可能です。
3.QC検定2級(品質管理検定2級)を活かせる仕事
次に、QC検定2級(品質管理検定2級)を取得するとどのような仕事に活かせるのか詳しく解説します。
3-1.品質管理のリーダー業務
QC検定2級は、品質問題の解決をリードできる従業員(管理職など)を対象とした資格であるため、取得することで活躍の場が広がるでしょう。
品質管理業務では、製品が完成するまでの間に不良品や不備のある箇所がないかをチェックし、製品の品質改善をおこないます。
また、顧客が求める品質の製品をより効率的に生産できる方法を考え、実際の製造過程に反映させる役割も担っています。
品質管理業務を重視している製造業などでは、資格取得者に対して、「品質に関する知識や技術を持っている」と高く評価する会社も少なくありません。
資格がアピールポイントとなり昇進・昇格した結果、品質管理のなかでも、業務全体を取りまとめるリーダー業務を任される可能性もあるでしょう。
3-2.カスタマーサポート業務
カスタマーサポート業務では、企業やコールセンターで顧客からの問い合わせやクレームなどの電話に対応します。
企業によっては、電話対応に加え既存の顧客に対して営業活動をおこなうケースもありますが、基本的には用意されたマニュアルに従い業務を遂行します。
QC検定2級は、カスタマーサポート業務におけるクレームの発生状況の確認や、発生原因の調査などの際にも生かせます。
品質管理の知識を活かすことで、クレームの原因となった製品の品質を含めた詳細な情報を製造部門にフィードバックできるため、製品の品質改善に役立てられるでしょう。
4.QC検定2級(品質管理検定2級)の試験概要
次に、QC検定2級(品質管理検定2級)ではどのような試験が実施されるのか、試験概要について詳しく解説します。
4-1.QC検定2級の出題範囲
QC検定2級の出題範囲は、大きく「品質管理の実践」と「品質管理の手法」の2つに分けられます。
「品質管理の実践」では、品質管理に必要なものの考え方・見方をはじめ、以下に関連する問題が出題されます。
- 品質の概念
- 管理方法
- 品質保証
- 品質経営の要素
- 倫理や社会的責任
- 品質管理周辺の実践活動 など
「品質管理の手法」では、前述の「QC七つ道具」および「新QC七つ道具」をはじめとした、統計的な手法を活用できているかが問われます。
2級では、2級から新しく出題される問題に加えて、3・4級の範囲からも出題されるため、下の級と比べると試験範囲がより広くなるのが特徴です。
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参照:日本規格協会グループ「品質管理検定レベル表」
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4608.pdf
4-2.QC検定2級の試験時間や回答方式
QC検定2級は、試験時間90分のマークシート方式でおこなわれます。
受検地は全国各地に設置されていますが、試験会場は実施回によって異なります。受検地は選択可能ですが、試験会場の指定はできない点に留意しましょう。
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参照:日本規格協会グループ「QC検定試験要項」
https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/qc/qc_next_kentei/
4-3. QC検定2級の難易度
2023年3月に実施されたQC検定2級の検定試験では、8,621名が受検し、合格者は2,162名でした。2級の合格率は25.08%となっており、4級合格率が84.95%、3級合格率が49.91%であることを考えると、難易度は高めといえるでしょう。
試験の合格ラインは、出題範囲である「品質管理の実践」「品質管理の手法」の得点がそれぞれおおむね50%以上であり、総合得点がおおむね70%以上であることとされています。
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参照:日本規格協会グループ「QC検定受検者データ」
https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4798.pdf -
参照:日本規格協会グループ「QC検定合格基準」
https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/qc/qc_level2/#level2
5.QC検定2級(品質管理検定2級)の勉強方法
QC検定2級(品質管理検定2級)の試験対策では、過去問や問題集を繰り返し解き、試験範囲の内容をインプットするのが効果的です。
過去問や問題集を何度も解くうちに、不正解が多い範囲や理解度が低い部分を見つけやすくなり、苦手部分を重点的に勉強し直すこともできるでしょう。
勉強と仕事を上手に両立させたいと考える方には、「通信講座」の受講がおすすめです。
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6.まとめ
QC検定2級(品質管理検定2級)の資格を取得すると、品質管理業務に役立つことはもちろん、品質管理の知識を持つ証明になり、キャリアアップや給与アップにつながります。
また、転職や就職の際のアピールポイントにもなるため、選考で有利にはたらく可能性もあるでしょう。
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