第二種電気工事士とは?仕事内容ややりがい、平均年収などを解説

この記事で分かること
- 第二種電気工事士とは、電気工事の技能を持った専門家として認められた国家資格
- 第二種電気工事士が従事できるのは、小規模施設や一般住宅など、600V以下で受電する設備の工事のみ
- 第二種電気工事士の仕事のやりがいは、社会や顧客への貢献が感謝につながり、評価してもらえること
- 第二種電気工事士に向いているのは、電気技術に興味がある人や細部に注意を払える人
※この記事は5分30秒で読めます。
「第二種電気工事士ってどのような資格?」
「第二種電気工事士があるとどのような仕事ができる?」
など、第二種電気工事士に関して詳しく知りたい人もいるでしょう。
第二種電気工事士は国家資格であり、電気設備工事や保守、修理などのプロフェッショナルです。
今回は、第二種電気工事士の概要、魅力、仕事内容、やりがい、向いている人の特徴、年収などを解説します。この記事を読めば、第二種電気工事士のことがよくわかり、資格取得に向けて動き出すことができます。
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1.第二種電気工事士とは
第二種電気工事士とは、電気工事の技能を持った専門家です。経済産業省指定の国家資格であり、電気工事をおこなう際にはこの資格を持っていなければなりません。
第二種電気工事士がおこなえる仕事内容としては、住宅や商業施設の電気設備工事・保守・修理などが挙げられます。
第二種電気工事士の資格を保有すれば、レベルの高い仕事に携わる機会が得られ、キャリアアップなどのチャンスにつながる可能性が高まるでしょう。
また、専門職としての技能を習得できることから、独立を考えている人や副業、兼業を考えている人にもおすすめの資格です。
2.第二種電気工事士と第一種電気工事士の違い
第二種電気工事士には上位資格である第一種電気工事士があり、おこなえる作業内容に違いがあります。第二種電気工事士が従事できる作業は、小規模施設や一般住宅など、600V以下で受電する設備の工事のみです。
一方で、第一種電気工事士の場合は、第二種電気工事士の作業範囲に加え、最大電力が500kW未満の工場やビルなどの電気工事をおこなえます。
3.第二種電気工事士の仕事内容
第二種電気工事士がおこなえる仕事内容は、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、具体的な仕事内容を紹介します。
3-1.住宅や商業施設での電気工事
第二種電気工事士は、住宅や商業施設の配線、照明設備やコンセントの設置などをおこないます。第一種電気工事士よりも、小規模な作業といえるでしょう。
配線工事以外にも、配管を通すための作業もあるため、他の作業員と連携を取りながら作業を進めることが大切です。
3-2.工場や家庭用発電の電気工事
第二種電気工事士は、小規模な工場やオフィス、家庭用の発電設備の電気工事をおこなうことがあります。屋外の電気工事をおこなうこともあるため、快適とはいえない環境での作業があることも理解しておかなければなりません。
作業内容は多岐にわたり、電気設備やコンセントの設置および交換なども含まれます。実務経験を積んでいる人であれば、現場代理人(現場監督)を担当することも可能です。
3-3.電気設備の点検・保守・修理
建物の配線や電気設備は、常に安心して利用できる状態でなければなりません。そのためには、日頃から点検や保守をおこない、必要に応じて修理することが大切です。
実際にトラブルが発生した場合、速やかに対応することが求められます。第二種電気工事士は電気工学などの専門知識があるため、迅速かつ適切な対応ができるでしょう。
4.第二種電気工事士の仕事のやりがい
第二種電気工事士の仕事に興味はあるけれど、どのようなことにやりがいを感じるのか気になる人もいるでしょう。
ここでは、第二種電気工事士の仕事のやりがいについてご紹介します。
4-1.社会インフラに貢献できる
電気の供給は、人々の日常生活に欠かせないものです。また、さまざまなビジネスで機械の導入が増えているため、第二種電気工事士の需要はますます増えていくと予想されます。
第二種電気工事士は、建物や施設の電気設備を構築・メンテナンスし、人々の生活を支える重要な役割を担っています。社会インフラへの貢献を実感できることでやりがいを感じられるでしょう。
4-2.顧客に感謝や評価をしてもらえる
第二種電気工事士は、顧客とコミュニケーションを図りながら必要なサービスを提案・提供します。
スムーズな対応やニーズに合った提案により、顧客との信頼関係を築くことができ、感謝や評価をしてもらえる場面があります。現場で得られる感謝や評価は、達成感ややりがいを感じる要因の一つです。
また、工事現場では、他の建築関係者や職人と協力しながら工事やプロジェクトを進めます。専門性を活かしながらチームと一緒に完成させた工事では、評価してもらえる場合もあるでしょう。
4-3.問題解決能力を活かせる
第二種電気工事士の現場では、さまざまな電気系統のトラブルや課題に対処する必要があります。
トラブルへの対応や改善するための提案に、問題解決能力を活かせる点も、やりがいの一つといえるでしょう。自分の力で問題を解決できたとき、非常に高い充実感を得られます。
4-4.新しい技術や機器に触れられる
第二種電気工事士は、技術の進化が著しい分野のため、常に最先端のトレンドを学んでいく必要があります。
また、最先端の機器の導入に携われるのも、第二種電気工事士の魅力です。
常に自分の知識や技術を成長させていける環境で仕事ができ、現場体験を積みながら第二種電気工事士としての視野を広げていけます。
5.第二種電気工事士に向いている人の特徴
第二種電気工事士に向いている人は、以下の4つの特徴が挙げられます。
- 電気技術に興味がある人
- 細部に注意を払える人
- 責任感が強い人
- 協力しながら働ける人
自分に第二種電気工事士に向いている特徴があるか、参考にしてください。
5-1.電気技術に興味がある人
第二種電気工事士の仕事に向いている人の特徴は、電気技術や電気工事に興味があり、電気回路の仕組みや原理を理解しようとする人です。
電気工事士の仕事は日々、電気回路の設計や保安装置の点検などをおこなうため、知識や技術力が重要です。
電気技術に興味のある人は、現場作業を覚えるのも早く、自発的に勉強して成長していけます。
5-2.細部に注意を払える人
第二種電気工事士の仕事は、細かな作業が多いため、正確さや注意深さが求められます。
ミスや不注意が、重大な事故につながる可能性があるため、作業の細部まで注意が払える慎重な人に向いているでしょう。
5-3.責任感が強い人
電気工事士の仕事は、少しのミスが人の安全に関わる作業が多いため、責任感が強い人に向いています。
重大な事故につながらないように、作業一つひとつを、作業員全体や市民の安全に関わっているという意識を持って仕事に取り組める人が向いているといえます。
5-4.協力しながら働ける人
電気工事や作業現場では、他の職種と連携しながら作業を進めていきます。通電状態や電気工事ができる状態になっているのかを、周囲と確認することも多いです。
周りと協力しながら、作業を進めていないと重大な事故や火災に繋がるリスクがあるため、周りとコミュニケーションを取りながら働ける人が向いているでしょう。
6.電気工事士の平均年収
第二種電気工事士は、どの程度の年収を得られるのでしょうか。また、第一種電気工事士が得られる年収との違いも気になるところです。それぞれの年収額を確認していきましょう。
6-1.第二種電気工事士の平均年収
第二種電気工事士の平均年収は、300万円~450万円程度と考えられます。企業によって給与体系は異なりますが、電気工事士の給与は勤続年数や年齢をもとにした基本給に、資格手当が上乗せされる形式であることが多くあります。
正社員であれば、ボーナスの支給により年収アップが期待できます。企業それぞれが定めた規程により支給額は異なりますが、経験を積むことで支給額の増加が期待できるでしょう。
また、上位資格を取得することで、自身のスキルアップと年収アップの両方を実現することが可能です。
6-2.第一種電気工事士の平均年収
第一種電気工事士の年収は、400万円~500万円程度と考えられます。第二種電気工事士よりも対応できる業務範囲が広いため、第一種電気工事士のほうが収入は多くなります。
第一種電気工事士にも資格手当があり、金額は第二種電気工事士の倍ほどになることもあるようです。
第二種電気工事士と比較すると、第一種電気工事士は携わるプロジェクトや求められるパフォーマンスに違いがあるため、ボーナスにも違いが表れるでしょう。
7.第二種電気工事士の資格取得のための対策
第二種電気工事士の資格を取得するための勉強方法には、以下の2つが挙げられます。
- 独学での学習
- 専門学校や通信教育での学習
勉強方法と併せて、資格取得のための対策試験の申し込み方法も解説します。
7-1.独学での学習
第二種電気工事士の資格は、独学でも取得可能です。自分のペースで進められる点や費用を抑えて学習できる点は、独学ならではの魅力といえるでしょう。
独学の際は、簡単な分野から学習を進めていくのが効果的です。工具の名前や専門用語は暗記し、過去問を繰り返し解いて内容を理解していきましょう。
7-2.専門学校や通信教育での学習
専門学校や通信教育を利用すれば、整備されたカリキュラム(教育課程)のもとで効率的に学習することが可能です。わからないことがあっても講師に質問して解決できるため、学習をスムーズに進められるメリットがあります。
働きながら資格取得を目指す場合は、専門学校や通信教育にどのようなプランがあるのかを調べておくことが大切です。休日のみ勉強したい、実技のみ教えてほしいなど、自身のライフスタイルに適したプランを選ぶと良いでしょう。
8.第二種電気工事士の資格試験の申し込み方法
令和6年上期より、第二種電気工事士試験を受ける際は原則インターネットのみの申込みになりました。受験手数料は9,300円です。
第二種電気工事士試験は、上期(4月~7月)と下期(9月~12月)の年2回おこなわれます。
上期に受験する場合は3月中旬~4月上旬、下期に受験する場合は8月下旬~9月上旬に申し込む必要があるため、日程をしっかりと確認しておきましょう。
9.第二種電気工事士の資格が活かせる職場3選
第二種電気工事士の資格を持っていれば、以下のような職場で活躍することが可能です。
- 設備管理会社
- 電気工事会社
- 工務店や建設会社
それぞれ、どのように資格を活かせるのかを解説します。
9-1.設備管理会社
第二種電気工事士が求められる職場として挙げられるのが、設備管理会社です。設備管理会社では、主にビルや施設の設備メンテナンスをおこないます。
ビルや施設では電気を使用した設備が多くあるため、これらの維持・管理において第二種電気工事士は重要な役割を担っています。特に、ブレーカーに触れる作業がある場合は、第二種電気工事士の資格が必要です。
9-2.電気工事会社
電気工事会社では、戸建て住宅から大型施設と、幅広い規模の案件を抱えています。そのため、第二種電気工事士の資格保有者にとっては、代表的な職場の一つといえるでしょう。
第二種電気工事士に大型施設の案件は関係ないと思うかもしれませんが、家電の設置やコンセントの取りつけなど、活躍できる機会は多く存在します。
さまざまな案件に携わっていればスキルを磨くことができ、キャリアアップにもつながるでしょう。
9-3.工務店や建設会社
工務店や建設会社が工事を請け負う場合、電気工事などの専門的な資格が必要な作業は外注するのが一般的です。しかし、企業によっては、自社で電気工事士を雇用して施工までおこなうケースもあります。
外注せずに自社で施工すれば、コストを抑えることが可能です。そのため、工務店や建設会社においても需要のある資格といえるでしょう。
10.まとめ
電気工事の必要な設備において、第二種電気工事士は非常に重要な役割を担っています。
第二種電気工事士の資格を保有すれば、レベルの高い仕事に携わる機会が得られ、キャリアアップなどのチャンスにつながる可能性が高まります。
将来的に活躍の場を広げたい場合は、上位資格である第一種電気工事士の資格を取得すると良いでしょう。あらゆる経験を積みながら資格を取得することで、将来のキャリアアップも着実に見えてくるのではないでしょうか。
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