年をとってもできる仕事はある?高齢者雇用の現状と今後の見通し
※この記事は5分で読めます。
「年をとってもできる仕事はある?」
「年を重ねても長く仕事を続けるには?」
など、仕事に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
年をとってもできる仕事には、検品・軽作業などの工場作業員や警備員、清掃員などがあります。これらの仕事は、比較的身体的な負担が少なく、高齢者が働きやすい環境が整っている傾向にあります。
今回は、年をとってもできる仕事の概要や、長く働くメリットを解説するとともに、おすすめの仕事9選を紹介します。この記事を読めば、年をとってからでもできる仕事のことがよくわかり、自分に合う仕事を見つけられるようになります。
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1.高齢者の雇用の現状と今後の見通し
内閣府の「令和4年版高齢社会白書(全体版)」によると、日本の高齢者の雇用状況は、65~69歳の労働者数が410万人、70歳以上の労働者数が516万人となり、65歳以上の労働者が労働人口総数の13.4%を占めています。
この割合は年々上昇し、シニア層の就労は今後ますます拡大していく見込みになっています。
人口減少が進むなか、労働者を確保しようと高齢者の雇用促進が政府主導で進められており、今後シニアの活躍の場はさらに増えることが予想されます。
「健康な限り働き続けること」が、新たな日本のスタンダードになりつつあるといえるでしょう。
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参照:内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版) 1 就業・所得」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/zenbun/s1_2_1.html
2.年をとっても働くメリットとは?
年をとっても働くことは、どのようなメリットがあるのでしょうか。2つのメリットを見ていきましょう。
- 年金以外の収入を得られる
- 心身ともに若々しさを保ちやすい
それぞれのメリットについてお伝えします。
2-1.年金以外の収入を得られる
退職後、多くの方は公的年金が主な収入源となるでしょう。
この場合、日々の生活費は年金と貯蓄でまかなうことになりますが、少子高齢化の影響もあり、受け取れる年金の金額は将来的に減少する可能性も否定できません。
そこで、老後の経済的不安の解決策として、継続的に働き続けるという選択肢が生まれます。
働き続けて年金の加入期間が増えれば、支給される年金額の増加も期待できるのです。
2-2.心身ともに若々しさを保ちやすい
退職すると、他者とのコミュニケーションの機会が減少しがちです。
退職を機に家に引きこもり、社会とのつながりがなくなると、身体を動かしたり頭を働かせたりする機能が低下し、一気に老け込んでしまう方も少なくありません。
一方で、高齢になってからも働き続けることで、社会とのつながりを維持し、精神的にも肉体的にも、若々しくいられる方も数多く存在します。
仕事で身体を動かしたり、パソコンを使ったりすることは、いわゆる「頭の体操」としても有効だといわれています。心身ともに元気でいれば、医療費を抑えることにもつながるでしょう。
3.年をとっても資格なしでできる主な仕事9選
ここでは、年をとってもできる仕事9選を紹介します。
- 検品・検査
- ピッキング
- 清掃員
- 事務職
- 警備員
- マンション管理員
- 調理補助
- 販売員
- Webライター
それぞれの特徴を知って、自分に合った仕事を見つけてみてください。
3-1.検品・検査
検品・検査は、生産した製品に不備がないかを確認する仕事です。単純作業ではありますが、正確性や忍耐力、集中力が求められます。
一方で、体力はあまり必要とされないため、年をとっても無理なく働きやすいというメリットもあります。
手先を動かす作業が得意な方や几帳面な方には、特に向いている仕事です。
3-2.ピッキング
ピッキングは、倉庫などで指定の商品を集める仕事です。
倉庫内のルールや作業手順を覚える必要があるため、最初はマニュアルを読み込み、先輩の指導のもとで、徐々に仕事に慣れていくことになるでしょう。
ピッキングでは倉庫内を歩いて商品を集めるケースが多いため、仕事を通じて軽い運動をしたい方、身体がなまらないようにしたい方におすすめです。
3-3.清掃員
清掃員は、主にオフィスビルや商業施設などの清掃をおこなう仕事です。
シニアの仕事として代表的なものの一つですが、担当業務によっては、それなりに体力を要することもあります。
清掃の仕事は、人の役に立っている実感が持てる仕事をしたい方、同年代の方が多い職場で働きたい方に特におすすめです。
3-4.事務職
事務の仕事では、来客対応や書類整理など幅広い業務をおこないます。
座り仕事が中心で、体力もそれほど必要ないため、シニアを積極採用する職場もあります。
人生経験によって得られた知恵や、気遣いのスキルが役立つケースもあるため、比較的働きやすい仕事といえるでしょう。
3-5.警備員
警備の仕事では、施設の定期的な巡回などをおこない、利用者の安全を守ります。
年齢が問われないケースが多いため、シニアの方でも職場に馴染みやすいのがうれしいポイントです。
警備をおこなう手順はある程度決まっているのが一般的で、一度仕事を覚えてしまえば、精神的にも比較的楽に働けるでしょう。
3-6.マンション管理員
マンション管理員は、マンションの掃除や人の出入りの監視などをおこないます。
基本的には、管理室に座って待機する時間が長いため、体力にあまり自信がないシニアの方でも無理なく働けるでしょう。
マンションの住民とのちょっとしたコミュニケーションを楽しめる方には、特におすすめの仕事といえるかもしれません。
3-7.調理補助
飲食店やスーパーの総菜売り場などで、食材の洗浄や食器の準備・片付けなどをおこなう調理補助も、シニアにおすすめの仕事です。
一般的には、業務の進め方がマニュアルで決められており、スピードが重視されるなど、家庭での料理とは異なる面もあります。
しかしながら、これまで趣味で料理をしてきた方や長年厨房に立ってきた方は、経験を存分に活かせるでしょう。
3-8.販売員
販売員は、スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストアなどで、レジ打ちや品出しなどの業務を担当する職種です。
小売店は店舗数が多く、求人の数も多いため、シニアの方にも就職のチャンスがあるかもしれません。
立ち仕事がメインの職場が多いものの、勤務時間を調整すれば、体力や体調に合わせて働けるでしょう。
3-9.Webライター
Webライターは、パソコンを使って文章を執筆する仕事です。
文章の作成が得意で、パソコンで文字入力ができる方であれば、誰にでもチャンスがあります。
また、作業環境が整っていれば、在宅で働ける求人もあります。
「可能であれば、自宅でのんびり働きたい」「長時間のパソコン作業が苦にならない」という方には特におすすめです。
4.年をとってもできる仕事を探すときのポイント
年をとってもできる仕事を探すには、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。ここでは、仕事探しのポイントを4つ解説します。
- 肉体的な負担が少ない仕事を探す
- 正規雇用にこだわりすぎない
- 現役時代のキャリアや待遇と比較しない
- 将来役に立ちそうな資格を早めに取得しておく
それぞれのポイントについて解説します。
4-1.肉体的な負担が少ない仕事を探す
年をとってもできる仕事を探すうえで、力仕事などの体力を消耗する仕事は避けたほうが良いでしょう。
高齢になると、重い物の持ち運びや長時間の立ち仕事が年々しづらくなる傾向にあり、少しの怪我や疲労から働けなくなる恐れもあります。
長い目で見て無理なく続けやすいデスクワークや、肉体的な負担が比較的少ない軽作業の仕事を選ぶのがおすすめです。
4-2.正規雇用にこだわりすぎない
現役時代、正社員として長く働いていた方のなかには、非正規での仕事に抵抗を感じる方もいるかもしれません。
しかし、年をとってからの仕事選びでは、正規雇用にこだわる必要はないでしょう。
雇用形態よりも、肉体的・精神的に消耗せず、ゆったりと働ける仕事を選ぶことが、長期的に働くコツです。
4-3.現役時代のキャリアや待遇と比較しない
現役時代のキャリアや待遇と、シニアになった現在の状況を比較してしまい、仕事探しがスムーズに進まない方もいます。
「昔は月収40万円だったのに」「自分よりもはるかに年下の方が上司になるなんて」などと考えると、前向きに働くことが難しくなるでしょう。
現役時代と現在とを比較しすぎず、第二のキャリアとして一からスタートを切る心構えが大切です。
4-4.将来役に立ちそうな資格を早めに取得しておく
「定年退職までまだもう少し時間があるけれど、将来の再就職に向けてできることをしておきたい」という方は、役に立ちそうな資格を早めに取得しておくのも一案でしょう。
登録販売者や調理師、ファイナンシャルプランナー、介護福祉士などは比較的取得しやすく、シニアにも人気の資格です。
どのような働き方をしたいかを考え、目指す働き方に役立つ資格の取得を目指してみてください。
5.年をとってもできる仕事の見つけ方
最後に、年をとってもできる仕事を見つける主な方法について解説します。
- 求人誌・求人サイトを利用する
- シルバー人材センターを活用する
- ハローワークに相談する
それぞれの方法を見ていきましょう。
5-1.求人誌・求人サイトを利用する
求人誌や求人サイトなら、幅広い選択肢のなかから希望に合う仕事を見つけられます。
特に求人サイトは利便性が高いですが、パソコンやスマートフォンの操作に不慣れな方は、やや使いづらいと感じるかもしれません。
そこでおすすめなのが、専任のキャリアパートナーに相談をしながら就職活動を進められる、JOBPALの面談サービスです。
JOBPALでは、オンラインだけでなく、対面での相談にも対応しています。キャリアパートナーと話してみることで、これからどう働いていきたいか、自分の考えを見つめなおせるかもしれません。
5-2.シルバー人材センターを活用する
公益社団法人シルバー人材センターは、各都道府県に設置されている機関です。
「収入」よりも「生きがい」を得ることを目的とした求人の取り扱いが中心であるのが特徴です。
生活にかかる費用をすべてまかなう収入を得るのは難しいケースもあるため、年金を受け取りながら、「もう少し収入が欲しい」「社会との関わりを持ちたい」といった方におすすめの方法です。
5-3.ハローワークに相談する
厚生労働省が運営する職業紹介機関のハローワークなら、地元の求人を紹介してもらえます。
相談は無料で、履歴書の書き方や面接などのアドバイスを受けられるところもあるため、積極的に活用するのがおすすめです。
職業訓練を受けることもできるため、これから働く仕事に必要な知識やスキルを事前に磨くこともできます。
6.まとめ
定年退職を迎えたあとでも、何らかの形で働き続ける方は少なくありません。
年をとってからも働き続けると、収入源を確保できるだけでなく、社会とのつながりを保って、若々しく第二の人生を楽しむことができます。
どのような仕事が自分に合っているのかを知り、自分のペースでゆったりと無理なく働ける職場を探してみてください。
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