工場の仕事内容
更新日:2024年01月26日

プレス工場の仕事内容とは?働くメリットや活かせる資格、向いている人を解説

プレス工場の仕事内容とは?働くメリットや活かせる資格、向いている人を解説

※この記事は5分で読めます。

「プレス工場にはどんな仕事がある?」
「プレス工場に向いているのはどんな人?」
など、プレス工場に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

プレス工場は金属板などに圧力をかけて変形させることが主な仕事で、家電やスマートフォンの部品、自動車など身近な製品作りを支えています。

今回は、プレス工場の仕事の概要、プレス工場で役立つ資格、向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めばプレス工場の仕事内容がよくわかり、転職活動の参考になります。

1.プレス作業とは

プレス作業とは、プレス機械で圧力をかけて金属板などを変形・成形する作業のことです。

プレス作業で作る製品は、車のボディや家電製品、小型の工業用部品やICチップなど多岐にわたります。製造業で取り扱うほとんどの商品でプレスが必要であることから、製造工場において欠かせない工程です。

2.プレス工場の仕事内容3つ

プレス工場では金属板にプレスをかけることで形状を変形させて製品にしていきますが、大まかな仕事内容は以下の3つに分かれます。

2-1.金型をセットする

プレス機械に金属板など材料をセットする作業です。曲げることに特化した機械や細かなデザインを施すものまで多くの種類があり、対象となる製品ごとにセットする金型が異なります。

2-2.機械でプレスする

プレス機械で圧力をかけ、成形をおこなう工程です。大きく分けて「機械式」「液圧式」に分かれます。

2-2-1.機械式プレス

モーターの回転力でプレスをおこなう方式です。加工スピードが速く生産性が高いため、現在の製造業の現場で使用されているプレスのほとんどはこの機械式プレスでおこなわれます。

2-2-2.液圧式プレス

油圧や水圧などを用いて金型をスライドさせ圧力をかける方式です。大きな「絞り加工」や「曲げ加工」に向いていますが、機械プレスに比べてスピードが遅いというデメリットもあります。

2-3.仕上げる

プレスが終わったら、表面のケアや仕上げをおこないます。具体的な方法はプレス工場や製品によって異なりますが、研磨をおこなって表面をきれいに仕上げるのが一般的です。また、製品によってはめっき処理や塗装などの方法で仕上げをおこなうこともあります。

仕上げの工程のうち「研磨」については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

3.プレス工場の仕事に必要な資格

プレス工場で働くだけなら資格は必要ありません。ただ、資格を取得することで業務のスキル向上に役立ったり、昇進や転職などのキャリアアップに活かせたりします。勤務年数などの条件を満たせば、積極的に資格取得を目指すと良いでしょう。

ここでは、プレス工場に関連する資格をご紹介します。

3-1.プレス金型取替作業者

プレス金型取扱作業者は、労働安全衛生法に基づいた国家資格です。必須の資格ではないものの、プレスに使う金型や刃物、安全装置などを取り替える際に必要になるため、資格を保有しておくと仕事の幅が広がるでしょう。

3-1-1.資格の取得方法

プレス金型取替作業者の資格は所定の講習を受けることで取得でき、満18歳以上であれば受講可能です。受講内容は以下のとおりとなります。

講習内容 講習時間
プレス機械またはシャー、およびこれらの安全装置または安全囲いに関する知識 2時間
プレス機械またはシャーによる作業に関する知識 2時間
プレス機械の金型、シャーの刃部またはプレス機械もしくはシャーの安全装置、もしくは安全囲いの点検、取付け、調整等に関する知識 3時間
関係法令 1時間
実技 3時間

受験費用は実施機関によって異なりますが、1万円程度となっています。

3-2.金属プレス加工技能士

金属プレス加工技能士は、金属プレスに関する技能や知識を証明する国家技能検定です。特級、1級、2級に分かれており、合格することで名乗ることができます。

3-2-1.資格の取得方法

金属プレス加工技能士の受験資格や試験内容は以下のとおりです。

受験級 受験資格
2級 実務経験が2年以上
1級 ・実務経験が7年以上
・3級合格後4年以上の実務経験
・2級合格後2年以上の実務経験
特級 ・1級合格後5年以上の実務経験

試験内容:受験級に応じた学科試験・実技試験

受験費用は受験地によって異なる場合がありますが、学科試験が3,100円、実技試験が1万8,200円となっています(※2023年3月現在)。

3-3.工場板金技能士

工場板金技能士は、板金プレスに関する国家技能検定です。特級、1級、2級、3級があり、特級は、工場で生産ラインを統括する管理者向けの資格となっています。

3-3-1.資格の取得方法

工場板金技能士の受験資格や試験内容は以下のとおりです。

受験級 受験資格
3級 受験資格なし
2級 実務経験が2年以上
1級 ・実務経験が7年以上
・3級合格後4年以上の実務経験
・2級合格後2年以上の実務経験
特級 ・1級合格後5年以上の実務経験

試験内容は、受験級に応じた学科試験・実技試験になります。

また、受験費用は受験地によって異なる場合がありますが、金属プレス加工技能士と同様、学科試験が3,100円、実技試験が1万8,200円となっています(※2023年3月現在)。

3-4.プレス機械作業主任者

プレス機械作業主任者は、労働安全衛生法に基づいた国家資格です。5年以上の実務経験者に受験資格があり、資格を取得することで現場作業の指揮や機械点検といった業務に就けます。

5台以上のプレス機械がある工場には有資格者を置くことが義務付けられているため、資格を持っておくと就職でも有利になる可能性があります。

3-4-1.資格の取得方法

プレス機械作業主任者の受験資格や受講内容は以下のとおりです。

受験資格
  • 満18歳以上
  • プレス機械による作業に5年以上従事した経験を有する者
  • その他厚生労働大臣が定める者
講習内容(学科講習2日間) 講習時間
1 作業に係る機械、その安全装置等の種類、構造および機能に関する知識 6時間
2 作業に係る機械、その安全装置等の保守点検に関する知識 2時間
3 作業の方法に関する知識 5時間
4 関係法令 2時間
5 修了試験 1時間

受講料は開催場所によって異なる場合がありますが、1万1,800円+テキスト代1,540円(税込)となっています(※2023年3月現在)。

4.プレス工場で働くメリット

プレス工場での仕事には、以下にご紹介する4つのメリットがあります。

4-1.未経験でも働きやすい

プレス工場の求人は学歴不問のケースが多く、未経験からでも始められます。機械を扱うため細心の注意が必要な一方、作業自体は複雑ではなく、機械操作のマニュアルを覚えることで誰でも品質にばらつきが出ない一定レベルの製品を作ることができます。現場で仕事を覚えていけば、誰でも活躍できるでしょう。

仕事を通じて専門的な知識やスキルを身につけて資格を取得すれば、さらなるキャリアアップも可能です。

4-2.安定的に需要が見込まれる

自動車や家電などの大型製品から、ネジやスマートフォンのパーツなどの小型部品まで、プレス加工は暮らしに欠かせない身近な金属製品に使われます。そのため今後も安定して高い需要が見込まれるでしょう。

以下の記事では、自動車の製造工場で働く魅力について解説しています。

4-3.さまざまな工場で働ける

プレスは製造系の工場に欠かせない工程です。プレス工場で働くために必要な資格を取って技術を磨けば、ほかの工場でも活躍できる人材に成長できるでしょう。

特に「プレス機械作業主任者」は5台以上のプレス機械がある工場に有資格者を置くことが義務付けられている必置資格であり、取得すれば企業からの評価も大きく向上します。

製造業については以下の記事でより詳しく解説しています。

4-4.女性でも作業できる

プレス工場では金属を扱うことから、腕力が必要な男性の職場というイメージがあるかもしれません。たしかに体力や腕力を使う場面もゼロではありませんが、メインの仕事であるプレス作業は機械を操作していくため、力に自信がない方やシニア世代でも活躍できます。

5.プレス工場の仕事に向いている人

プレス工場は機械を使って淡々とプレスをかける仕事であり、人によって向き不向きがあります。プレス工場に興味がある人は、自身の特徴とマッチしているか確認してみましょう。

5-1.集中して取り組める人

プレス加工は機械で作業をしていくため、マニュアルに沿って仕事を進めることになります。比較的単調な仕事ですが、その反面、操作を誤ると危険です。長時間にわたって作業に集中して取り組まないと、思わぬケガにつながります。

また、金型にズレやゆがみがあると不良品が生産されるため、機械任せにせず、手触りや目視などを通して細かな部分まで確認し、不良品を見抜くスキルも要求されます。

黙々と集中して取り組むことができる人、注意力・集中力が長く持続できる人に向いている仕事といえるでしょう。

5-2.ものづくりが好きな人

プレス作業はあらゆる製造業で必要な工程であり、海外から受注する中小企業も少なくありません。

世界でも評価される日本の技術の一つであり、プレス作業を通じて「ものづくり」に貢献することに喜びや達成感が感じられます。そうした喜びを感じられる人なら、生産される製品への責任感を持ち、より良い製品づくりを目指してどんどんスキルアップしていけるでしょう。

ものづくりについてより詳しく知りたい場合は、以下の記事も併せてご覧ください。

6.まとめ

プレス工場は、圧力をかけて金属板などを変形加工する「プレス作業」を主な仕事にしている工場です。未経験でも始めることができ、マニュアルに沿って機械を動かすことで誰でも均一なクオリティの製品を作れます。実務経験に応じて国家資格を取得すれば、さらなるレベルアップも可能です。

プレス工場の仕事に興味をお持ちであれば、JOBPALの製造・工場系の求人をぜひ一度ご覧ください。

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