化粧品工場の仕事内容とは?役立つ資格や仕事の魅力を徹底解説
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「化粧品工場の仕事ってどんな内容?」
「化粧品工場で働くメリットが知りたい」
など、化粧品工場の仕事に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
化粧品工場は、未経験でも働き始められる、年齢や性別を問わず活躍できるなどの特徴があります。
ここでは、化粧品工場の仕事の概要、メリット・デメリット、向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めば化粧品工場のことがよくわかり、自分に合う仕事か判断ができるようになります。
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1.化粧品工場の主な作業内容
化粧品工場の仕事は主に6つの工程に分けられます。流れにそって具体的な内容を解説していきます。
1-1.調合・秤量
化粧品の製造に必要な原材料を運搬し、調合・秤量をおこないます。運搬はある程度の力仕事であるのに対して、調合・秤量は緻密さや正確さが求められる作業です。
1-2.製造
調合・秤量した原材料を用いて、基礎化粧品やメイクコスメなどを製造する工程です。コスメの調色やできばえの評価、作業データ入力の業務もおこないます。
1-3.バルク検査
製造工程で仕上がった、ボトルなどの容器へ詰める前の化粧品のことを「バルク」と呼びます。バルク検査は、仕上がった製品が規定の基準を満たしているかをチェックする工程です。
1-4.充填作業
充填作業では、検査の済んだバルクを実際の商品パッケージへ詰めていきます。キャップを閉めたり容器にシールを貼ったりする作業もこの段階でおこないます。
1-5.検査・検品業務
できあがった製品の容器に破損がないかを確認する工程です。チェックポイントは、容器の破損・液漏れの有無・蓋の開閉動作・使用時の発色・付属品の確認など数多くあります。
1-6.包装・梱包作業
検品まで済んだ製品をパッケージに入れ、必要に応じて取扱説明書の添付やシール貼りなどをおこないます。
2.化粧品工場の種類
化粧品工場は、設備や許可の有無によって3つの種類に分類されています。これは法律に基づく分類であり、それぞれに業務内容や扱う製品の種類が異なってくるので、事前に把握しておくと良いでしょう。
2-1.化粧品製造業許可を保有する工場
「化粧品製造業許可」を受けている工場では、化粧品の製造から小分け、調合・包装、保管までの工程をおこなうことが可能です。ただし、製造した化粧品を販売することはできません。
また、化粧品製造許可には1号区分と2号区分の2種類があります。1号区分では製造から梱包・保管業務まで一貫しておこなえますが、2号区分では製造・バルク検査の工程はおこなえません。
2-2.化粧品製造販売業許可を保有する工場
「化粧品製造許可」に加え「化粧品製造販売許可」を持つ工場では、製造から流通まですべての工程を自社でおこなえます。特定企業の化粧品が好きで、その製造に関わりたいという希望がある場合はこのタイプの工場を選ぶとやりがいを持って働けるでしょう。
2-3.化粧品製造の委託を受けるOEM会社
OEMとは、委託元の企業が所有するブランド製品の製造を請け負う仕組みを指す言葉です。商品の企画・開発や流通は委託元の企業がおこない、OEM会社は製造のステップのみを担います。
複数企業からの製造依頼を請ける工場が多いため、いろいろな化粧品の製造に関わりたいという人にピッタリです。
3.化粧品工場で活かせる資格
化粧品工場で働くときに活かせる資格について解説します。いずれも必須のものではありませんが、当てはまる資格があれば採用の際に有利になるでしょう。
3-1.化粧品製造所責任技術者
化粧品を製造する際は、化粧品製造所責任技術者の資格を持つ者を常勤で配置しなければなりません。そのため、この資格を持っていると化粧品工場への就職が有利になります。
3-2.官能評価士
官能評価とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を活用して品質を測定する手法です。専門の知識と技術を持っている官能評価士は、官能検査員として働くことができます。化粧品のなかでも高級コスメや敏感肌用の製品を扱う仕事で活躍できるケースがあります。
3-3.薬剤師
化粧品の製造には、都道府県知事が出す化粧品製造業許可が必要です。この許可を受けるための要件には「薬剤師の資格を持つ者を含む役員の設置」という項目が設けられています。
そのため、薬剤師資格を持つ人は化粧品工場に欠かせない人材となります。
3-4.フォークリフト運転技能者
化粧品を製造するための原材料を運搬する際にフォークリフトを使用する場面があります。担当する工程によって必要性は異なりますが、所持している場合はアピールポイントの一つとなるでしょう。
以下の記事では、フォークリフト運転手について詳しく解説しています。
3-5.衛生管理者
50人以上の労働者を抱える事業者は、衛生管理者の配置が義務付けられています。特に化粧品工場の場合は第一種衛生管理者の配置が求められており、資格保有者は採用時に有利です。
化粧品工場では肌に直接つける製品を作っているため、衛生管理の徹底が必要です。有資格者にとってはやりがいを感じながら仕事ができるでしょう。
以下の記事では、衛生管理者の内容について詳しく解説しています。
4.化粧品工場の仕事に向いている人
では、化粧品工場の仕事に向いている人とは具体的にどういった人なのでしょうか。
4-1.真面目な人
製品の品質を保つためには、調合・秤量の工程を正確におこなう必要があります。ミスなく正確な作業を続けられる真面目な人に向いているでしょう。
4-2.根気強い人
検査の工程では、人の手でおこなう地道な作業も多くあります。そのため、根気強く製品のチェックにあたることのできる人が求められています。
4-3.単純作業が苦にならない人
ライン製造の工程では、同じ作業を数時間にわたり繰り返すことも珍しくありません。必然的に単純作業に対して集中を切らさずに取り組める人は適任となります。また、少しでも作業を効率的に進められるよう考えられる人も重宝されます。
4-4.化粧品が好きな人
普段はなかなか知ることのできない化粧品の製造工程に携われるため、コスメ好きの女性にピッタリの職場でもあります。特に検品や梱包の工程では製品に触れながら作業ができるため、楽しみながら働けます。
5.化粧品工場は女性でも活躍できる?
化粧品工場の仕事内容は工程によってさまざまで、女性が活躍できる場面も数多くあります。
特にバルク検査や検品、包装・梱包は集中力や正確さが求められる作業であり、どちらかというと女性向きの仕事といえるでしょう。対して、力仕事もある調合・製造の工程は体力に自信のある男性向きです。
以下の記事では、女性の工場勤務について詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
6.化粧品工場で働くメリット
化粧品工場で働くメリットにはさまざまなものがありますが、なかでも一般的なものを3つご紹介します。
6-1.年齢・性別問わず活躍できる
前述のとおり、化粧品工場の仕事は多岐にわたります。性別だけでなく年齢も問わず活躍できるチャンスのある職場です。実際、さまざまな年齢の人が性別を問わず働く化粧品工場も多く見られます。
6-2.未経験でもチャレンジしやすい
化粧品に限らず、工場での仕事はマニュアル化されている作業がほとんどです。そのため、未経験でも働き始めやすいという特徴があります。他業種からの転職でもチャレンジしやすい職業です。
6-3.安定して働ける
日本製の化粧品はアジアを中心とした海外で高い人気を誇っています。これは品質の高さが評価された結果で、今後も需要は高まると予想されます。そのため、長く安定して働きたいと考えている人にもピッタリの業界です。
これから化粧品工場で働いてみたいと考えている方は、ぜひお気軽に下記からご相談ください。
7.化粧品工場で働く際の注意点
メリットの多い化粧品工場での仕事ですが、事前に知っておきたい注意点も2つあります。これから働くことを考えている人はぜひチェックしておきましょう。
7-1.衛生管理が徹底している
化粧品を製造する際には、徹底した衛生管理が必要です。作業着に着替えたうえでマスク・ヘアーキャップ・ゴム手袋などの着用を都度おこないます。
出退勤の際は毎回着替えをすることになるので、手間に感じてしまう人もいるでしょう。
7-2.作業環境の温度差が大きい
化粧品工場での仕事は屋内での作業となりますが、製造工程では加熱や冷却をすることで室温が大きく変化します。いつも適温での作業ができるわけではないので注意が必要です。
温度変化が苦手な人や、体力にあまり自信がない人にとっては辛く感じてしまうかもしれません。
8.まとめ
化粧品工場の仕事は工程によって業務内容が大きく異なります。年齢や性別を問わず活躍できるポジションもありますし、マニュアル化されているので未経験から働き始めることも可能です。
今後も海外からの需要が高まると予想される業界でもあるので、工場勤務を検討している人は候補の一つとしてみてはいかがでしょうか。