工場の仕事内容
更新日:2023年04月03日

板金とは?必要な資格や働くメリット、活躍できる職場を解説

板金とは?必要な資格や働くメリット、活躍できる職場を解説

※この記事は6分で読めます。

「板金ってどんな仕事?」
「板金って未経験者でもできるの?」
など、板金に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

板金は板状に伸ばした金属を加工する仕事であり、自動車や建築などさまざまな業界で需要があります。

今回は、板金の概要、板金に関連した資格の内容、向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めば板金のことがよくわかり、転職に向けて有利な情報を得ることができます。

1.板金ってそもそも何?

そもそも「板金」とはどのような仕事なのでしょうか。まずは板金の意味や仕事内容について解説します。

1-1.板金とは

板金とは、板状に薄く打ち延ばした金属板を加工する仕事のことです。金属板に圧力をかけて曲げたり、専用の機械で形を整えたりしながら、製品の形に仕上げていきます。

1-2.板金加工という技術

「板金加工」という言葉を耳にしたことがある人も多いと思いますが、これは薄い金属板を切ったり曲げたり溶接したりして製品の形状にするなどの加工を施すことを指します。

切断する場合は、「せん断機」と呼ばれる板金素材の切断専用の機械を使ったシャーリング加工のほか、レーザーやウォータージェットを用いることもあります。

曲げる場合は、専用機械で上から圧力をかけて金属を曲げて加工します。直線的に曲げる「直角曲げ」や湾曲した形状に仕上げる「R曲げ」などの種類があります。

溶接は、板金同士や板金と他の金属をつなぐ作業です。

その他、一枚の板金に圧力をかけて円錐、円筒、角筒など底のある凹形の容器を作る「絞り」と呼ばれる作業もあります。一枚の板から作ることでつなぎ目がなく、ボトルやフライパン、鍋などを作る際に「絞り」の技術が用いられます。

1-3.板金が使われている製品

一般的に板金というと凹んでしまった車の修理を思い浮かべる人が多いと思いますが、それだけではありません。

パソコンなどのOA機器や、冷蔵庫や洗濯機などの家電、厨房機器や放送機器、医療機器、建築物など、板金の技術が活用されている製品はさまざまです。

2.板金の仕事内容3つ

板金には大きく分けて3つの仕事があります。それぞれの仕事の種類や特徴を見ていきましょう。

2-1.自動車板金

自動車板金は、自動車のボディや内部パーツに利用される板金のことです。傷がついた自動車の車体を板金作業や塗装作業で修復します。

自動車板金の仕事に必要な資格はなく、就職先で技術を教わりながら働けます。ただし、自動車は曲面が多いことから、板金には高い修理技術が要求されます。

2-2.建築板金

建築板金は、住宅の屋根や外壁、ダクト、トタン屋根、建築物に関する板金のことです。使用される材料は「トタン板」と呼ばれる亜鉛メッキ鋼板やステンレス、アルミ合板など多岐にわたります。

外観デザインとの兼ね合いがあるため、板金の技術以外にデザインセンスが求められる仕事です。

2-3.工場板金

工場板金は、薄い金属板を加工し部材や製品を製造する板金のことです。スマートフォンや携帯電話、家電など、私たちが日常的に利用しているツールには工場板金の技術が利用されています。

大量生産では金型を使ってプレス加工をおこないますが、プレスできない形状のものはカスタマイズ性の高い「精密板金加工」が施されます。

3.板金の仕事に必要な資格

板金の仕事に携わるにはどのような資格が有効なのでしょうか。国家資格である2つの資格をご紹介します。

3-1.建築板金技能士

厚生労働省が認定している国家資格で、住宅や建物に関する板金技術の検定試験です。合格すると建築板金技能士を名乗ることができます。

3-1-1.資格の取得方法

建築板金技能士の資格を取得するには、都道府県職業能力開発協会が実施する国家試験に合格することが必要です。

この資格には「内外装板金作業」と「ダクト板金作業」の2つの区分があり、前者は1級から3級、後者は1級と2級の級位が用意されています。実技では、溶融亜鉛めっき鋼板の加工や製品の製作、ダクトへの取り付け等の試験をクリアする必要があります。

受験費用は、学科のみの受験なら3,100円です。実技は受験級と年齢、職業訓練施設などの訓練生や在校生に該当するかどうかで3,100円~18,200円まで分かれています (東京都のケース)。

受験する自治体によって受験費用は異なる場合もあるため、詳しくはお住まいの都道府県職業能力開発協会に問い合わせしてみましょう。

3-2.工場板金技能士

工場板金技能士は、工場板金技能試験に合格すると取得できる資格です。建築板金と異なり、主に厚い金属板(厚もの)を使用して板金加工をおこないます。

3-2-1.資格の取得方法

工場板金技能士には「曲げ板金作業」「打出し板金作業」「機械板金作業」「数値制御タレットパンチプレス板金作業」の4つの区分があり、それぞれ特級・1級・2級(曲げ板金作業のみ3級もある)に分かれます。

受験級ごとに必要な実務経験は異なり、例えば曲げ板金作業の3級は未経験者でも受験できますが、2級を受けるには実務経験2年以上か3級合格者であることが必要です。

また1級になると、7年以上の実務経験を持っている人や、3級合格後4年以上の実務経験を持っている人、2級合格後2年以上の実務経験を持っている人、といったように、区分によってそれぞれ異なる長い実務経験が求められます。特級を受験するなら、1級合格後5年以上の実務経験が必要です。

ただし、上記は実務経験のみで必要になる年数であり、卒業した学校によっては必要な実務経験が短くなります。

4.板金の仕事に関連する資格

板金技能士の資格があれば板金加工の現場で働くことは可能ですが、これからご紹介する関連資格を取得しておくことで、仕事の幅を広げることができるでしょう。

4-1.金属塗装技能士

国家資格の一つ「塗装技能士」は建設、木工、鋼橋、金属、噴霧の5種類に分かれており、それぞれ1〜3級までの段階があります。

取得することで、金属に対する塗装技術の向上だけでなく、お客様からの信頼を得ることにもつながります。

4-2.有機溶剤作業主任者

有機溶剤作業主任者は、有機溶剤を使った作業を安全に進めるための監督・指揮をおこなう資格です。塗装などで有機溶剤を使用する工場では、有機溶剤作業主任者を選任する必要があります。

自動車などの板金塗装の現場では、ウレタン塗料に使う「シンナー」が有機溶剤にあたり、有資格者がいないと塗料を塗ることができません。板金加工の作業者が資格を持つことでスムーズな仕事につながるため、あらかじめ取得しておくと良いでしょう。

4-3.アーク溶接作業者

アーク溶接とは、火花を使って溶接する方法です。溶断・溶接・加熱といった作業は板金塗装では頻繁に発生しますが、アーク溶接技能士がいないと作業ができません。

講習を修了すれば取得できる資格で難易度は高くないため、金属を加工・塗装するなら資格を取得しておくと良いでしょう。

なお、以下の記事では溶接工の仕事について詳しく解説しています。

4-4.ガス溶接技能者

ガス溶接とはガスの炎を使って溶接する方法です。ガス溶接の現場では有資格者がいないと作業をすることができません。アーク溶接と同じく講習を修了すれば取れる資格で、金属加工の仕事をするなら取得をおすすめします。

5.板金の資格者が活躍できる職場

次に、板金加工に関する資格を保有するとどのような現場で活躍できるかを解説します。

5-1.自動車整備工場

自動車整備の仕事には大きく分けて「点検整備」「分解整備」「板金塗装」の3つがあり、板金塗装の分野で板金の技術やスキルを活かせます。

自動車整備工場で働く板金工に特別な資格は必要ありませんが、前述の金属塗装技能士の資格があれば任される仕事の幅が広がるため、キャリア形成に有利となります。

なお、以下の記事では自動車整備士の仕事についてより詳しく解説しています。

5-2.建設会社

建築会社のなかには、「建築板金」によって薄い金属板を切断したり貼り合わせたりして加工し、屋根や外壁、ダクト、内壁などの板金製品として製造や建物への取り付けをおこなう業者があります。

建築板金技能士は、建築板金を手掛ける建設会社への転職活動で有利になるでしょう。

5-3.製造工場

自動車部品や家電等の工業品、鍋・フライパンなどの日用品を作る工場では日常的に板金の技術が利用されています。工場板金技能士の資格があれば、このような板金加工の工場への就職・転職で有利となるでしょう。

製造業の仕事については以下の記事で詳しく解説しています。製造業に興味のある場合はぜひご覧ください。

6.板金工として働くメリット

板金工として働くことのメリットは主に4つあります。それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

6-1.未経験でも働くことができる

板金工で働くことのメリットは、未経験でも働けることです。高い技術力が求められる仕事ではありますが、採用に関しては学歴不問としている現場も少なくありません。未経験者は見習いとして技術を覚えながら資格を取得できます。

6-2.安定的に需要が見込まれる

金属を用いた製品の加工や建築、自動車の需要は今後もずっと続くでしょう。そうなると当然、それらを作る仕事である板金の仕事もなくなることはなく、将来的に安定して活躍できる仕事といえます。

6-3.さまざまな業界で働ける

自動車整備工場や製造工場、建築現場など、板金の仕事はさまざまな業界にあるため、知識や技術を磨けば幅広い業界で働くことができます。今はまだ転職したい業界が定まっていない人でも、下位資格の勉強を通じて希望する業界を絞り込むためのヒントが見つかるかもしれません。

6-4.長く働くことができる

板金は学歴ではなく経験と技術力が求められる仕事なので、資格をとって技術を磨いていけば長く現場で重宝されます。スキルを認めてもらえば年齢を問わず長く働けるでしょう。

7.板金の仕事に向いている人

板金の仕事に向いている人には、下記のような共通する特徴が見られます。

7-1.こまかい作業が好きな人

板金の現場ではこまかな作業をコツコツと続けることになります。こまかな仕事の連続で手先の器用さが求められるだけでなく、同じ作業を繰り返すことに耐えられる集中力も必要です。

手芸やDIYなどが好きな人なら、扱うものは違っても手先の器用さや忍耐強さを活かせるため、男女問わず活躍できる仕事です。

7-2.職人気質な人

板金工には、良い意味で諦めが悪く、向上心のある職人気質な人が向いています。こまかな作業が多く、一つひとつの仕事にコツがある板金の仕事は、少し技術力が向上するだけで出来栄えがまったく異なることもあります。

「なぜ上手にできないのか」「美しく作るには何が足りないのか」といったことを主体的に考え仕上がりにこだわって仕事ができる人なら、良い板金工になれるでしょう。

以下の記事では、職人気質について詳しく解説しています。

7-3.ものづくりが好きな人

工場板金は一枚の金属板からさまざまな部品を作り上げる仕事のため、ものづくりが好きな人に向いています。達成感を味わいたい人、自分が作ったものが世の中に出ることにやりがいと誇りを感じる人にぜひ目指していただきたい職種です。

ものづくりの仕事に興味のある場合は、以下の記事を併せてご覧ください。

8.まとめ

板金は薄く伸ばした金属を加工する仕事であり、技術の習得には知識と経験が不可欠です。しかし、未経験でも始めることができ、働きながら資格やスキルを身につけられます。

熱を扱う仕事のため危険な部分もありますが、日用品、家電、自動車など、私たちの生活においてなくてはならないものを作る仕事のため、習得すれば年齢に関係なく長く働くことができるでしょう。

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