飲料メーカーの工場で働く!主な仕事内容や平均年収を解説
※この記事は6分30秒で読めます。
「飲料の工場の仕事ってどのような仕事?」
「飲料の工場で働く魅力が知りたい」
など、飲料の工場の仕事に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
飲料工場では未経験からオペレーターとして働くことができ、徹底した品質管理や衛生管理を学べます。
今回は、飲料メーカーの工場の仕事内容、仕事の魅力やきつさ、向いている人の特徴などを解説します。この記事を読めば飲料メーカーの工場のことがよくわかり、転職活動の参考にできます。
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1.飲料メーカー工場の主な仕事内容
飲料メーカーの工場の仕事には、主に以下の4つがあります。
- 飲料の製造
- 容器(ペットボトルや缶など)の製造
- 飲料の出荷作業
- 品質管理・製造管理
各工程の仕事内容について詳しく解説します。
1-1.飲料の製造
原材料を配合し、飲料(ジュース・コーヒーなど)を作る仕事です。お茶・コーヒー系の飲料であれば茶葉やコーヒー豆からの抽出作業、ジュースなら果汁と原料の混合といった作業があります。
飲料ごとに使用する原材料の種類や調合比率が決まっているため、原材料をその比率通りにタンクに流し込むことで調合をします。
炭酸飲料の場合は、追加の工程として炭酸ガスを注入したタンクに飲料を投入する工程も必要です。また、製造した飲料を出荷できる状態にするための殺菌などの仕事もあります。
1-2.容器(ペットボトルや缶など)の製造
飲料を充填するためのペットボトルや瓶、缶といった容器を作るのも、飲料メーカーの仕事の1つです。容器用の原料を加工し、規定のサイズを守った容器の大量生産をおこないます。
他の工場に外注することもありますが、品質管理を徹底する目的もあって飲料と同じ工場内で作られるのが一般的です。
ペットボトルや缶などの容器が完成したあとは、容器に飲料を詰める作業に入ります。ベルトコンベアにペットボトルや缶が乗せられ、次々に充填されていきます。クリーンルーム内でキャップの密閉などをおこなえば、飲料製品の完成です。
1-3.飲料の出荷作業
飲料の充填が完了した商品にラベルを貼りつけたり、賞味期限を印字したりする仕事です。そのあとは梱包済みの製品をトラックに積み込んで、全国各地に出荷します。
品質管理をパスしたあとの賞味期限の印字や出荷ケースへの箱詰めは、機械でおこなうのが一般的です。
1-4.品質管理・製造管理
製造された飲料の品質に問題がないか、完成した商品の包装やラベルの内容に間違いがないかをチェックする工程です。
機械を使った検品・選別や薬品を用いた成分検査、作業員による色味や臭いのチェックなど、品質管理の項目は多岐にわたります。
2.飲料メーカーの工場勤務の平均年収
国税庁が公表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、給与所得者の1人あたりの平均給与は458万円でした。それに対し、製造業に従事する人の平均給与は533万円となっています。
この額は飲料メーカーのみの平均給与ではないものの、飲料メーカーの平均給与を考えるうえで参考になる数値です。飲料メーカーを含む製造業の給与水準は全体平均と比較して決して低くはなく、高年収を狙う人にとって有力な選択肢となるでしょう。
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参照:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2022/pdf/000.pdf
3.飲料メーカーの大手企業の例
ひとくちに飲料メーカーといっても、日本にはさまざまなメーカーがあります。
- ビールを中心にアジア地域でグローバルに事業を展開する、医療用医薬品の持ち株会社もある企業
- ソフトドリンクを中心に事業展開する一方、ウイスキー事業でも世界的に成功している企業
- ビールの有名商品を多数輩出している他、国民的な乳性飲料でも知られている企業
など
このような全国的に有名なメーカーの工場は全国各地にあり、契約社員や派遣社員などさまざまな雇用形態で求人募集されています。飲料業界の経験がなくても、工場の作業員として大手飲料メーカーで働ける可能性は十分にあります。
4.飲料メーカーの工場の仕事の魅力
飲料メーカーの工場で仕事をすることには以下のような魅力があります。
- 未経験や資格なしでも働きやすい
- 機械操作やメンテナンス技術を学べる
- 衛生管理や品質管理が身につく
それぞれ解説します。
4-1.未経験や資格なしでも働きやすい
飲料メーカーの仕事には、専門的な知識が必要になる品質管理などの仕事ばかりでなく、ライン作業や運搬、梱包といった単純作業も多くあります。
キャリアを積んでいない未経験の人でもこなせる仕事があるのが、飲料メーカー工場の魅力といえるでしょう。
もちろん、仕事の経験を積んで担当できる仕事を増やしたり、資格を取得したりすれば、より専門的な知識が求められる仕事を任されるようなキャリアアップも可能です。
以下の記事では、未経験スタートから工場勤務で正社員になれる職種について具体的にご紹介しています。
4-2.機械操作やメンテナンス技術を学べる
工場の機械オペレーターとして働く場合、その重要な仕事の1つに機械のメンテナンスがあります。
機械の不具合をそのままにしておくと、稼働効率が落ちるばかりか、不良品を製造してしまう原因になりかねません。不具合が起きたときには、早急に修理するだけでなく、普段から故障を発生させないようなメンテナンス技術が必要です。
機械オペレーターとして経験を積めば、機械操作だけでなく高度なメンテナンス技術を身につけることもできるでしょう。不具合が起きたときにスピーディかつ正確に対応できるようになれば、昇進・昇給の可能性も高まります。
機械オペレーターの仕事に興味がある方は以下の記事も併せてご覧ください。
4-3.衛生管理や品質管理が身につく
飲料に限らず、人の口に入るものの製造では品質管理や衛生管理が徹底しておこなわれます。
毎日のルーティン作業で必ず品質に関するチェックが入ることになるため、仕事を通じて自然と品質管理・衛生管理の知識や技術が身についていくでしょう。
飲料メーカー社員としてのスキルアップだけでなく、世の中の人が安心して飲料を口にするための社会貢献というやりがいにもつながります。
5.飲料メーカーの工場の仕事のきつさ
未経験でも働けて機械操作や品質管理のノウハウが身につく飲料メーカーの仕事ですが、以下のような大変さもあります。
- 単純作業で飽きやすい
- 立ち作業で肉体的にきつい
それぞれ詳しくご紹介します。
5-1.単純作業で飽きやすい
飲料メーカーの工場では、製造ラインで仕事をすることになります。
ひたすら同じ単純作業を繰り返すことになるためモチベーションが維持しにくく、飽きやすいというデメリットがあります。特にラインのチェックや見守りをずっと続ける時間は「つまらない」と感じるかもしれません。
専門的な知識でクリエイティブに仕事をするよりは定められたタスクをきちんとやり切ることが求められるため、自分が理想とする将来のキャリアを描くのが難しいと感じてしまうこともあるでしょう。
5-2.立ち作業で肉体的にきつい
工場のラインでの作業は立ち仕事が中心であり、休憩時間以外はずっと立ったまま作業をすることも珍しくありません。
これまで事務職などの座り仕事を経験してきた人が工場のラインに入ると、体力的にきつさを感じることもあります。また、長時間の立ち仕事によって膝や腰に過度の負担がかかるリスクも考えられます。
飲料メーカーで長期間にわたって働くなら、立ちっぱなしでも問題なく働ける体力をつけるためにトレーニングをするなどの対策が大切です。
6.飲料メーカーの工場勤務に向いている人
飲料メーカーの仕事に向いているのは、以下のような特徴を持った人です。
- 単純作業を続けることが苦にならない人
- 高い衛生意識を持って仕事ができる人
それぞれ詳しく解説します。
6-1.単純作業を続けることが苦にならない人
飲料メーカーの工場での仕事では、ラインに沿った単純作業を繰り返すことになります。そのため、長時間同じ作業を続けるのが苦にならない人に向いています。
6-2.高い衛生意識を持って仕事ができる人
人の口に入る飲料を扱う工場では、工業用品を扱う工場と比べて高い衛生レベルが求められます。
万が一、髪の毛や虫などが混入していれば大クレームにつながるため、工場で設定された衛生管理マニュアルを徹底的に守らなければいけません。
出社のたびに手洗いを徹底する、服装や髪型のルールを守るなどの対策をいくつも求められることを苦に感じない人や、普段から衛生管理の意識が高い人には、飲料メーカーの工場の仕事は向いているでしょう。
7.飲料メーカーの工場の仕事に役立つ資格
飲料メーカーの工場で役立つ資格としてまず挙げられるのは、フォークリフトを運転するための資格です。フォークリフトを運転できれば梱包済みの飲料を効率的に運搬できるため、出荷準備のチームに配属された際に重宝します。
その他、床上操作式クレーン運転技能講習や、現場の酸素濃度の測定方法を学ぶ酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者も有力な資格です。
ただし、多くの場合、これらの資格は求人に応募する時点では取得が必須ではありません。大手飲料メーカーの工場に入社したあとに働きながら取得することもできます。取得ができれば、仕事の幅が大きく広がるでしょう。
7-1.フォークリフト運転技能講習
フォークリフト運転技能講習は、最大積載荷重量が1トン以上のフォークリフトを運転するために必要な資格(講習)です。講習を受講後に学科試験・実技試験を受けて合格すれば、フォークリフト運転技能講習修了証明書が発行されます。
フォークリフトを運転することができれば、人の手では運べない重量の飲料ケースを大量に出荷場に運送できます。
フォークリフトに関しては以下の記事でより詳しく解説しています。
7-2.床上操作式クレーン運転技能講習
床上操作式クレーンとは、天井からぶら下がっているクレーンのうち、運転士が操作する際に荷物と運転者が一緒に移動するクレーンのことです。
技能講習を受けて試験をパスすることで、天井クレーン、ジブクレーン、橋形クレーンといった複数の種類のクレーンを運転できるようになり、フォークリフトと同様に出荷業務に役立ちます。
7-3.酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
酸素欠乏や硫化水素中毒に陥る可能性のある現場の作業方法や、換気点検に関係する資格です。
飲料品の製造現場では材料を攪拌(かくはん)するためのタンクがあり、その場所の換気が不十分だと低酸素症を引き起こす可能性があります。この資格を取得して現場での換気などに活かすことで、作業員の人命を守る重要な役割を担う ことができます。
工場勤務の際に役立つ資格に関しては以下の記事でもご紹介しています。併せてご覧ください。
8.飲料メーカーの工場の求人の探し方
最後に、飲料メーカーの工場求人の探し方をご紹介します。
8-1.求人サイトから応募する
大手飲料メーカーは全国に工場を持っており、求人サイトで募集をかけることも多くあります。自身が住む地域に近い工場で求人が出ているかチェックしてみましょう。
JOBPALでは製造業の求人を多数ご紹介しており、飲料メーカーの求人が掲載されることもあります。
また、飲料メーカーの工場で働くことにご興味をお持ちの場合は、ぜひ一度JOBPALの面談を受けてみることをおすすめします。工場の場所や働き方などのご希望をヒアリングしたうえで、理想の求人をご紹介します。
8-2.ハローワークに相談に行く
ハローワークに出向いて求人をチェックしてみるのも1つの方法です。ハローワークには地元に密着した中小企業の求人が比較的多いのが特徴で、地域に進出している飲料メーカーの工場の求人が見つかる可能性もあります。プロのキャリアコンサルタントに就職に関する不安点を相談できるので、対面で悩みを相談したい方にも向いています。
また、転職サイトのようにオンラインで全国の求人を探すことも可能です。
8-3.派遣会社に登録に行く
正社員や契約社員だけでなく、派遣社員として飲料メーカーで働くという方法もあります。
正社員よりも働くハードルが低く、経験を積むことで将来的に正社員登用試験を受けられる可能性もあります(ただし、正社員登用制度がある場合に限る)。
派遣会社への登録方法や選び方は以下の記事を参考にしてください。
8-4.知人・友人に紹介してもらう
飲料メーカーの工場で働いている知人・友人がいれば、人事の担当者を紹介してもらうことで働くきっかけがつかめるかもしれません。
求人が掲載されていなくても、社員の紹介ということであれば面接を受けられる可能性があります。
8-5.工場見学に行く
飲料メーカーには、一般消費者向けに工場見学を実施しているケースがあります。興味がある飲料メーカーがあれば、工場見学に参加してみるのも選択肢の1つです。
見学するだけでは応募や採用になるわけではありませんが、工場見学に参加したことやそこで感じたことを面接で話せば、その企業に入社したいという熱意や行動力を示すことができます。
なお、工場の仕事の探し方は以下の記事でも詳しく解説しています。
9.まとめ
飲料メーカーの工場では業界未経験でも働くことが可能です。入社後に飲料製造に関する知識や品質管理のノウハウを身につけることで、主任やチーフへの昇進、品質管理スタッフへの配置転換といったキャリアアップも狙えます。
一方、単純作業が多く仕事に飽きやすいというデメリットや、工場の立地が郊外になりがちといった懸念点もあります。自身の理想の働き方ができるか、求人情報をよく確認してみましょう。
JOBPALでは、飲料メーカーの工場を含め、製造業の求人を多数掲載しています。以下のリンクからぜひ求人をご覧ください。