ダンボール工場とは?主な仕事内容やきつい点、向いている方の特徴を解説
※この記事は6分で読めます。
「ダンボール工場にはどのような仕事がある?」
「ダンボール工場に向いている人の特徴を知りたい」
など、ダンボール工場に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
ダンボール工場は、流通に欠かせないダンボールを作る工場であり、持ち場の仕事をコツコツと進めていく作業が多くなります。
今回は、ダンボール工場の概要、主な仕事内容、向いている方の特徴などを解説します。この記事を読めば、ダンボール工場のことがよくわかり、転職活動の参考にできます。
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1.ダンボール工場とは?
ダンボール工場は、ダンボール(段ボール)を製造・出荷する工場のことです。
ダンボールは紙と紙を合わせて作り上げる丈夫な梱包資材のことで、主に商品を入れる箱として利用されます。インターネット通販や引越し、郵送など、私たちの日常になくてはならない存在です。
2.ダンボールができるまでの工程
ダンボールの製造は、原材料になるダンボール原紙を製紙工場で作ることから始まります。ダンボール原紙はダンボール工場に運び込まれ、ダンボールへと加工されていきます。
ダンボールがどのようにできていくのか、製造工程をご紹介します。
2-1.STEP1:ダンボールシートを作る(貼合工程)
ダンボールは、3枚のダンボール原紙を貼り合わせるところから製造がスタートします。
コルゲータという機械のシングルフェーサと呼ばれる部分でダンボール原紙の中しん原紙を波型に成形し、糊をつけます。その状態に裏ライナと呼ばれるダンボールの片面を貼り付ければ、片面ダンボールの完成です。
続いて、もう片面に糊をつけて表ライナと呼ばれるダンボールのもう片面を貼り合わせ、180度の熱で乾燥させれば、ダンボールの見た目が完成します。
2-2.STEP2:ダンボール箱に加工する
STEP1の時点でできたダンボールは、まだ長大なシートの状態です。そこに、切れ目や折れ目を入れる工程、裁断する工程を経て、ダンボールの形状ができあがります。
さらに、シートを1枚ずつ機械に供給してダンボールに印字をします。このあと、抜き型で手をかける穴をあける場合もあります。
続いて接着剤を塗布したダンボールシートをベルトで徐々に折り曲げて矯正・接着すれば、普段私たちが目にするダンボールが完成します。
できあがったダンボールは、所定の枚数まで積み上げたあとにひもをかけ、パレットに乗せて出荷となります。
3.ダンボール工場の主な仕事内容
ダンボール工場には、工場外の作業として、営業、デザイン、設計、経理、出荷などの部門があります。これらの仕事はダンボール工場以外の製造業や他業種にもありますが、仕事内容は大きくは変わりません。
ここではダンボール工場ならではの仕事である機械操作、パレット積み、結束、梱包をご紹介します。
3-1.機械操作
機械操作は「マシンオペレーター」とも呼ばれており、製品素材の準備や加工のために機械操作をする工程です。
例えばダンボールに印字をする工程では、以下のような機械操作をおこないます。
- ダンボールに印刷するプラスチック板を機械にセットする
- ボタンを押して必要枚数を印刷する
- 印刷が正しくされているかチェックし、必要に応じて印刷版の汚れを取り除いたり、セット位置を修正したりする
以下の記事では、機械操作(機械オペレーター)の仕事について詳しく解説しています。
3-2.パレット積み
完成したダンボールをパレットに積む作業です。ダンボールの製造はすべて機械によっておこなわれますが、このパレット積みに関しては人の力でおこなわれます。
積み方が悪いとダンボールが落下したり、1回に運べる量が少なくなったりするため、いかに作業効率を落とさず丁寧に積み上げられるかがポイントです。
紙製のダンボールとはいえ、まとめるとかなりの重量になるため、パレットに積むには体力・腕力が必要になります。
3-3.結束
結束は、製品として完成したダンボールが出荷時にずれてしまわないよう、枚数を揃えてポリエチレンの紐で結ぶ仕事です。
結束機という機械を使っておこないます。全自動で結束がおこなわれる自動式、人の足踏みによって結束する半自動の足踏式にわかれています。
3-4.梱包
検査・検品まで完了したダンボールを梱包する仕事です。ダンボールに傷がつかないように気を付けつつ、スピーディに作業を進める必要があります。
以下の記事では、梱包の仕事について詳しく解説しています。
3-5.検品
ダンボール工場では、一般的な製造工場と同じように出荷前の検品・検査がおこなわれます。
荷前のダンボールに傷がないか、汚れや欠陥がないかなどを確認することが主な仕事です。
傷や汚れを見落として出荷してしまうとクレームにつながるため、絶対に不具合を見落とさないという強い責任感が必要になる仕事です。
以下の記事では、検品の仕事について詳しく解説しています。
4.ダンボール工場が向いている方の特徴
ダンボール工場に向いている方の特徴には、主に以下の3つが挙げられます。
- 単調な作業が得意
- 常に体を動かしていたい
- 一人で集中して作業を進めたい
具体的にみていきましょう。
4-1.単調な作業が得意
ダンボール工場に限った話ではありませんが、機械が自動的に製品を作り上げてくれる工場では、オペレーターの仕事は単調になりがちです。
毎日決まった作業を繰り返すことになるので、クリエイティブな仕事をしたい方には向いていない可能性があります。
逆に、単純作業が得意で何時間でも同じ仕事を続けられる方や、同じ作業に没頭するのが好きな方であれば、ダンボール工場の仕事は向いているといえます。
4-2.常に体を動かしていたい
ダンボールの製造そのものは機械でおこなわれますが、製造された段ボールの検品や梱包・出荷といった作業は人の手でおこなわれます。
ずっと立ちっぱなしで仕事をする、ダンボールを何回も積み上げるなど、意外と体力が要求されるため、体力に自信がある方に向いている仕事といえます。
4-3.一人で集中して作業を進めたい
ダンボール工場では一人ひとりが自分の持ち場を与えられ、決められた作業をコツコツと進めることになるのが一般的です。複数人で同時に大きなタスクをこなすよりも、一人だけで作業を進めたい方に向いているでしょう。
ただし、単純作業が多いことで飽きやすい一面があり、集中力が落ちてミスにつながる可能性もあります。
また、一人で作業を進めるためミスの発見が遅れる恐れもあります。不注意でミスが起きないよう、高い集中力が維持できることも求められます。
5.ダンボール工場の仕事にはきつい点もある
ダンボール工場は一人でコツコツと仕事を進めたい方におすすめの職場ですが、人によってはきついと感じる部分もあります。ここでは、ダンボール工場できついと思われる点についてご紹介します。
5-1.体力が求められる
ダンボールは、1枚1枚は大した重さではありませんが、何十枚も束になることでかなりの重量になります。特にパレット積みの作業は、ダンボールをパレットの上に重ね、まとめてトラックに積み込むというかなりの重労働です。
重いダンボールを運搬する作業を何時間も続けるには、それなりの体力が求められます。梱包や出荷の部門に配属されると、慣れるまでは全身が筋肉痛になることもあるでしょう。
ただし、作業場のなかには力に自信がない方でも問題なくこなせる仕事もあります。面接時に相談してみましょう。
5-2.臭いに慣れるまできつい
ダンボールは紙でできていることから、独特の紙の臭いがあります。
少量のダンボールの臭いなら耐えられても、大量のダンボールに囲まれると臭いに我慢できない方もいるかもしれません。
しかし、慣れてくれば臭いが気にならなくなるという方も少なくありません。慣れてくるまではマスクを着用するなどの対策をとることで臭いに悩まされにくくなるでしょう。
マスクをつけて作業をすることで、粉じん対策にもなります。
5-3.トイレに行きづらい工場もある
ダンボール工場では常に機械が作動し、どんどんダンボールができあがっていくので、就業中にトイレに行きにくい雰囲気の工場もあります。
工場内の作業を止めないためにも、休憩時間以外はトイレに行かなくても良いように対策しておきましょう。始業前にトイレを済ませておく、休憩時間まで我慢するといったことのほか、水分を取るときは一度に大量に飲むのではなくこまめに取ることをおすすめします。
5-4.夜勤がつらい
多くのダンボール工場は24時間稼働しているため、二交代や三交代の夜勤業務が発生します。
仕事の時間と寝る時間が変則的になると生活リズムが崩れてしまい、ストレスや体調不良の原因になるので注意が必要です。
夜勤に慣れない最初のうちは辛く感じることもあるかもしれませんが、仕事を続けるうちに慣れてくる場合もあります。本当に体質に合わない方もいますが、しばらくは様子を見てみても良いでしょう。
なお、夜勤ありの現場では夜勤手当が受け取れるため、高年収を狙いやすいメリットもあります。
以下の各記事では、夜勤の仕事について詳しく解説しています。
6.ダンボール工場の将来性
全国ダンボール協会の部門別消費動向によれば、2022年のダンボール消費量は2016年時点に比べ108%となっており、特に加工食品(飲料含)、通販・宅配・引越し用で前年比100%超えを記録しています。
多少の増減はありますが、右肩上がりの傾向で消費量が推移している状況です。
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参照:段ボール部門別消費動向
https://zendanren.or.jp/data/
新型コロナウイルスの影響も落ちつきを見せつつある中、経済活動がコロナ禍以前並みに活発になれば、今後も更なる需要アップも期待できるでしょう。
7.まとめ
ダンボールは商品を梱包する際に必ずといって良いほど使われる資材で、日常生活にも経済活動にも欠かせない重要なものです。
その製造工程は地味でコツコツと進めるものが多いですが、ダンボールがなければ経済活動は成り立ちません。仕事を通じて経済に貢献できる、やりがいに満ちた仕事でもあります。
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