早期退職者のその後のキャリア|退職決断前に準備すべきこと

※この記事は6分で読めます。
「仕事を早期退職することを考えている」
「早期退職した後は何をすべき?」
など、早期退職について悩みや不安を抱いている方も多いでしょう。
近年、早期退職の制度を導入する会社が増えていますが、メリット・デメリットがあるため、じっくり考えたうえで決断することが大切です。
今回は、早期退職の概要を踏まえつつ、早期退職者のその後のキャリア、早期退職のメリット・デメリット、退職前の準備などについて解説します。この記事を読むことで、早期退職を成功させるコツがわかり、自分に合った人生設計ができるようになるでしょう。
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1.そもそも早期退職とは?
早期退職とは、社員が定年を迎える前に自らの意思で退職することです。「早期退職優遇制度」と呼ばれることもあります。
「自らの意思で退職」というと希望退職と混同されがちですが、早期退職は「福利厚生制度」の一環として、恒常的に退職者を募集し、ライフプラン再設計の支援や組織の活性化を目指すものです。
一方の希望退職は、「経営悪化にともなう人件費削減」などを目的に、企業が期間限定で退職者を募集するもので、経営改善やリスク対策という意味合いが強いといえます。
また、早期退職は「自己都合退職」になりますが、希望退職は「会社都合退職」になる点も異なります。その代わり、早期退職はさまざまな優遇措置を受けられるのが一般的です。
なお、早期退職・希望退職するかどうかは、社員自身で決めることができます。
2.早期退職者のその後のキャリア
早期退職者のその後のキャリアとしては、以下のような選択肢があります。
- 再就職する
- 独立・起業する
- セミリタイアする
- 第二の人生を楽しむ
それぞれのキャリアについて見ていきましょう。
2-1.再就職する
会社を早期退職したあと、別の会社に再就職(転職)するパターンです。
一般的に会社を辞めると、日々の生活を支える収入源が途絶えてしまいますが、再就職によって引き続き安定的な給与収入を得ることができます。
また、従来とは異なる職場やポジションで働けば、新たなスキルや経験を身につけられるため、さらなるキャリアアップを実現できる可能性もあるでしょう。
2-2.独立・起業する
会社員として働くなかで培ったノウハウや人脈を活かし、自分で会社を立ち上げたり、フリーランスとして働いたりする方もいます。
早期退職した場合、会社から退職金が多めに支給されるケースも多いため、それを独立・起業の資金に充てることも可能です。
また、会社という組織に縛られず、ライフスタイルに合った働き方を実現することもできるでしょう。
2-3.セミリタイアする
セミリタイアとは、投資や負荷の軽い労働などである程度の収入を確保しつつ、余暇の時間を楽しむスタイルのことです。近年、「サイドFIRE」などと呼ばれ、注目を集めています。
早期退職後も、社会と接点を持って収入源を確保しながら、より自由に時間を使えるようになる点がセミリタイアのメリットです。
「仕事を辞めて自分の時間を増やしたいけれど、無収入になるのは不安」という方に適した道といえるでしょう。
2-4.第二の人生を楽しむ
早期退職後の生活のために十分な資金を確保できているなら、仕事から完全にリタイアして、優雅に第二の人生を楽しむのも一案です。
仕事のストレスや疲れから解放されることはもちろん、家族旅行や趣味を思う存分楽しんだり、勉強や習い事に時間を費やせるため、充実したセカンドライフを実現できます。
ただし、それ相応の資金や不労所得が必要なので、入念に準備しなければなりません。
3.早期退職をするメリット
会社を早期退職すると、以下のようなメリットがあります。
- 退職金の割増が見込める
- キャリア形成の自由度が上がる
- 自由な時間が手に入る
- 再就職支援を受けられることがある
各メリットについてお伝えします。
3-1.退職金の割増が見込める
早期退職をすることで、会社からの退職金が割増で支払われる可能性があります。
厚生労働省が2018年に発表した「就労条件総合調査」によると、定年退職者が受け取った退職金の平均額は1,983万円であるのに対し、早期退職者は2,326万円となっています。
平均額はあくまで目安ですが、定年退職するより退職金が300万円以上も多いことがわかりました。
割増で受け取った退職金は自由に活用できるので、独立・起業やセカンドライフの形成に役立つでしょう。
3-2.キャリア形成の自由度が上がる
早期退職後には新たな会社で働いたり、独立・開業して自分の裁量で働いたりするなど、自由にキャリアを形成できます。
特に早期退職のメイン層である40~50代は、体力的にまだまだ余裕のある方が多く、さらに自分のキャリアを高めていくことも可能です。
なおかつ、退職金も割増で支給されるため、独立・起業を目指す場合にも、有利な条件が整っているといえるでしょう。
3-3.自由な時間が手に入る
早期退職をすると、会社で働いていた頃より時間に余裕が生まれるため、自分がやりたいことに多くの時間を費やせるメリットがあります。
例えば、音楽、映画、料理、カメラといった趣味に没頭する、家族で旅行や食事に出かける機会を増やすなど、時間を自由に使うことができます。
難関資格にチャレンジしたり、ボランティア活動に勤しんだりするのも良いでしょう。
3-4.再就職支援を受けられることがある
早期退職の制度を利用した場合、優遇措置として会社の再就職支援を受けられる場合があります。
40代以降の再就職は、特別なスキルや人脈がないと難航しやすいため、支援制度があるなら活用したいところです。
支援内容は会社によって異なりますが、好条件の仕事を斡旋してもらえたり、グループ会社での仕事を紹介してもらえたりする可能性があります。
早期退職後に再就職を考えている方は、仕事探しの手間を省けるでしょう。
4.早期退職をするデメリット
早期退職には、以下のようなデメリットもあるので注意しましょう。
- 収入が減るリスクがある
- 再就職がうまくいかない可能性がある
- 仕事への意欲を失う可能性がある
- 年金支給額が下がる可能性がある
それぞれのデメリットを見ていきましょう。
4-1.収入が減るリスクがある
早期退職をすると、再就職・独立・資産運用などに成功するまで、安定した収入がなくなってしまいます。
仮に収入源を確保できたとしても、早期退職前より収入が減ることも考えられるため、生活が苦しくなるかもしれません。
早期退職後も安定した生活を送るためには、家族の生活費や収入の目安、貯金の増減などを考慮しつつ、事前に長期的なシミュレーションをしておくことが大切です。
4-2.再就職がうまくいかない可能性がある
再就職するつもりで早期退職したものの、希望する条件に合う仕事がなかなか見つからない可能性もあります。
早期退職者は40~50代の方が多い傾向にありますが、一般的に年齢が高くなるほど再就職の難易度は上がるため、採用のハードルは高いといえるでしょう。
早期退職後の就職活動に不安を感じているなら、転職エージェントに相談するなど早めの対策が大切です。その他、会社の再就職支援や今まで築き上げた人脈も活用しましょう。
製造・工場系の技術職を中心にさまざまな仕事を取り扱う求人サイト「JOBPAL」では、専任のキャリアパートナーによる就職活動支援サービスも提供しています。興味がある方は、ぜひ以下の応募フォームから一度お問い合わせください。
4-3.仕事への意欲を失う可能性がある
早期退職後も働くつもりでいたものの、いざリタイアすると仕事への意欲を失ってしまうケースもあります。
再就職先をなかなか決められず、無職のまま長期間を過ごしてしまうことなどが原因です。当初の計画が狂うと、キャリアのみならず、金銭面の問題にも発展しかねません。
そのような事態に陥らないためには、早期退職後から再就職までの空白期間を空けすぎないこと、やりたい仕事を決めておくことが大切です。
4-4.年金支給額が下がる可能性がある
会社で働く際に加入する厚生年金は、加入期間や給与に応じて支給額が決まります。
早期退職によって空白期間が生じると、厚生年金の加入期間も短くなるため、将来的に受け取れる年金が減ってしまうこともデメリットです。
また、再就職後の収入が減ることで、将来的な年金支給額も減少してしまう可能性があります。
以下のようなシミュレーターを活用し、事前に年金支給額を試算しておきましょう。
5.早期退職者におすすめの再就職先
早期退職後の再就職先としては、さまざまな選択肢がありますが、健康維持という観点から考えると、適度に身体を動かす仕事がおすすめです。
JOBPALでは、製造・工場系の技術職を中心に、ミドル層向けの身体を動かす仕事を多数紹介しています。
「これまでずっとデスクワークをしてきたが、別のタイプの仕事に挑戦してみたい」「長期的に無理なく、のびのび働ける仕事に就きたい」といったニーズにも対応可能です。
再就職に不安がある場合には、専任のキャリアパートナーによる就職活動支援サービスをぜひご活用ください。
6.早期退職を決断する前の準備
早期退職を考えている場合には、決断前に以下のような準備をしておくことをおすすめします。
- キャリアプランを明確にする
- 十分な資金を準備しておく
- 家族の理解を得る
それぞれについてお伝えします。
6-1.キャリアプランを明確にする
会社を早期退職するにあたり、事前にキャリアプランを明確にして、今後の方向性を決めておくことが大切です。
ただ単に、「再就職したい」「セミリタイアしたい」といったゴールを決めるのではなく、そのゴールに向けて何をすべきかというプロセスまで検討する必要があります。
例えば、再就職ならどの業種・職種に応募するか、セミリタイアなら生活費をどう工面するかといったことを決めておけば、あとで苦労する可能性も減るでしょう。
6-2.十分な資金を準備しておく
総務省統計局の「家計調査2023年(令和5年)7~9月期平均」によると、総世帯における月間消費支出の平均は、1世帯あたり24万1,159円となっています。
早期退職する年齢や貯蓄額、家計の状況によっても変動しますが、一般的には年金を受給できる65歳までの間に、数百万円から数千万円の生活資金が必要です。
早期退職後のキャリアプランも考慮しつつ、資金には十分余裕を持つようにしましょう。
6-3家族の理解を得る
早期退職に関する人生設計については、あらかじめ家族によく相談してから決めることも大切です。
特に成人前の子どもがいる場合、生活費に加えて学費なども考慮する必要があります。
早期退職の理由や今後のプランをきちんと伝えて、家族の理解が得られれば、より楽しく自由な生活を実現できるでしょう。
7.まとめ
会社を自らの意思で早期退職すると、退職金が割増で支払われたり、自由に使える時間が増えたりするなど、さまざまなメリットがあります。
一方で、収入ダウンや再就職が難しいといったデメリットもあるため、それぞれを踏まえて検討・決断することが大切です。
早期退職後に後悔しないためにも、あらかじめゴールとプロセスをしっかり設定したうえで決断しましょう。
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