工場の仕事内容
更新日:2024年01月30日

物流倉庫とは?主な仕事内容と働くメリット・デメリット、向いている方

物流倉庫とは?主な仕事内容と働くメリット・デメリット、向いている方

※この記事は6分30秒で読めます。

「物流倉庫の仕事内容には何がある?」
「物流倉庫で働くメリットが知りたい」
など、物流倉庫の仕事に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

物流倉庫とは、荷物の仕分けや配送を担う施設であり、大きく分けて9つの業務から成り立っています。

今回は、物流倉庫の役割や種類、業務内容、やりがい、働くメリット・デメリット、向いている方などを解説します。この記事を読めば物流倉庫の仕組みがよくわかり、自分に向いている仕事かどうかを判断できるようになります。

1.物流倉庫とは?役割を解説

物流倉庫とは、商品が購入者の手元に届くまでに生じる仕分け・配送をおこなう施設です。現代の物流の根幹を担う重要な役割を担っています。

物流業界は発展が目覚ましく、システムが多様化しているため、物流倉庫に求められる役割も拡大しています。

従来の物流といえば、商品を製造した企業が自社で設備投資をおこない、在庫管理から出荷作業まで一貫しておこなっていました。しかし近年では、物流倉庫を効果的に活用することで、労働力やコストを大幅に削減しています。

2.物流倉庫の主な4つの種類

物流倉庫には、主に4つの種類があります。それぞれの特徴について理解しておきましょう。

2-1.トランスファーセンター(TC)

在庫管理や保管はおこなわず、荷物の中継地点となるのがトランスファーセンター(TC)です。各方面から運搬されてきた荷物を店舗別や方面別に仕分けしたり、積み替えたりする作業を専門としています。

メーカーにとっては、在庫保管が発生しないことから省スペースで設置でき、賃料や管理費などのコストが抑えられる点がメリットです。

2-2.ディストリビューションセンター(DC)

多くの人がイメージする倉庫の形が、ディストリビューションセンター(DC)でしょう。在庫型の倉庫で、保管・ピッキング・出荷までをワンストップでおこないます。

在庫はあらかじめ揃っているため、注文から出荷までスピーディーに対応できる点が強みです。

2-3.プロセスディストリビューションセンター(PDC)

ディストリビューションセンターの倉庫機能に加えて流通加工機能を備えているのが、プロセスディストリビューションセンター(PDC)です。

流通加工とは、食品の加工や家具・機械の組み立て、商品の箱詰め、ラベル貼りなどによって商品の価値を高める作業のことです。

倉庫としての付加価値は高いものの、人件費や設備費などのコストを要します。

2-4.フルフィルメントセンター(FC)

注文を受けてから配送までの一連の工程をワンストップで担うのが、フルフィルメントセンター(FC)です。

荷物が倉庫に到着してから消費者の手元に渡るまで、すべて完結する点が大きな特徴です。返品対応やコールセンター業務の委託もできるため、メーカーから重宝されている物流倉庫です。

3.物流倉庫の主な業務内容

物流倉庫には主に9つの業務があります。実際に物流倉庫で働く際は自分の持ち場以外の業務についても知っておく必要がありますので、頭に入れておきましょう。

3-1.入荷・入荷検品

メーカーから届いた商品を物流倉庫で受け取ります。この時点で、商品に破損や不具合がないかどうか検品作業をおこないます。

3-2.入庫

検品した商品を保管場所へ格納します。入庫数や入庫日を記録し、品質管理に役立てます。

3-3.保管

保管場の環境整備を継続的におこないます。品質を損なわないよう、商品の特性に応じた保管方法を採用します。

3-4.ピッキング(仕分け)

指示書の内容に従って商品を揃えていきます。商品は物流倉庫内の各保管場所から集めてくることになるため、保管場所と商品名をいかに把握できているかが効率化の鍵となります。

ピッキング作業の詳細については、以下の記事をご覧ください。

3-5.フォークリフト操作

車両前方にあるフォークを上下させて荷物を積載・運搬できるフォークリフト(荷役用の特殊自動車)を操作する仕事です。

重いものや高い場所にある荷物の運搬に使え、前述のピッキングとセットで1人で作業することもあります。人間の力だけでは運ぶのが難しい荷物を運搬でき、効率的に作業を進められます。

なお、フォークリフトの運転には免許が必要です。資格があれば手当がもらえる場合もあり、ほかの倉庫内作業よりも高給が期待できます。

フォークリフトについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

3-6.流通加工

消費者の要望に添った加工を施します。内容は多岐にわたりますが、単品商品の詰め合わせやラベル貼りなどが挙げられます。

3-7.ラベル貼り

文字通り、ラベルやシールを荷物に貼りつける仕事です。荷物に宛名シールや値段シール、成分表、ラベル、ロゴ、タグシール、パンフレットの訂正シールなどを指示にしたがって貼り付けていきます。

ラベル貼りは一般的に軽作業に分類され、難しい仕事ではありません。ただし、大量のシール・ラベルを正確にまっすぐ貼る必要があるため、手先の器用さや慎重さが求められます。

ラベル貼りについては以下の記事で詳しく解説しています。

3-8.梱包・箱詰め

梱包・箱詰めは、ピッキングで集めた荷物の大きさに合うダンボールに梱包したり、包装したり、発送できる状態にしたりすることです。

ダンボールのなかに隙間ができると商品の破損につながるため、発泡スチロールやエアークッションなどを敷き詰めることもあります。

3-9.出荷検品・出荷

出荷前には出荷検品と呼ばれる作業をおこないます。品物に破損や汚損がないか、注文内容と発送内容に差異がないかなどを確認したあと、消費者のもとへ出荷します。

検品作業の詳細については、以下の記事も併せてご覧ください。

4.物流倉庫の仕事のやりがい

物流倉庫の仕事は宅配や郵便といった日常生活に欠かせないサービスを実現するのに不可欠であり、仕事を通じてさまざまなやりがいが得られます。ここでは、物流倉庫の仕事で感じられるやりがいを2つご紹介します。

4-1.人々の生活のサポートになる

物流倉庫の仕事は、日常生活になくてはならないものです。

最近はインターネット通販でのショッピングが一般的になっていますが、指定した日付・時間で各家庭に商品を届けるためには物流倉庫や物流センターの存在が欠かせません。

それ以外にも、スーパーやコンビニなどの小売業、レストランなどの飲食業、建築業など、あらゆる業界において物流業界の存在は必須です。

自分が検品・梱包したものが各業者や家庭に届くことで経済が回ったり、人々の生活の役に立ったりすることから、大きなやりがいを感じられるでしょう。

4-2.未経験でも即戦力になれることもある

物流倉庫の仕事は、特別なスキルや資格がなくても始めることができ、未経験から始めても即戦力になれます。

今回紹介したなかではフォークリフトの運転に免許が必要ですが、普通運転免許所持者なら「1日の学科講習+3日間の実技講習」を受けて試験に合格すれば運転できるようになります。

即戦力として認められ、会社の戦力として期待されることは、やりがいを感じるうえで大切な要素です。

5.物流倉庫で働くメリット

物流倉庫で働くメリットは、主に4つ挙げられます。ご自身にとってメリットになるポイントがあるかどうかチェックしていきましょう。

5-1.黙々と作業ができる

物流倉庫では、一部例外はあるものの毎日同じ作業を繰り返す「ルーティン業務」が多くを占めます。

マニュアルもしっかり整備されており、入社時に高いスキルや経験は求められないことがほとんどなので、比較的早い段階で作業を覚えることができます。

ルーティン作業が苦にならない、むしろ同じ作業を続けることが好き・得意という方にとっては、物流倉庫で働く大きなメリットになるでしょう。

単純作業の詳細については以下の記事もご覧ください。

5-2.給与などの待遇が良い

給与面を含む待遇が手厚い点も物流倉庫の仕事の大きなメリットです。近年、製造・物流業界全体が人手不足となっており、企業はあの手この手で人材確保に乗り出しています。

基本給の底上げだけでなく、手当を支給したり、長く働きやすい福利厚生を充実させたりと、他社と明確に差別化しようとする企業も多く見られるようになりました。

遠方からの人材を迎え入れるために寮を完備したり、初任給が支給されるまでの生活を支援する入社祝い金が用意されていたりするケースもあるため、ぜひチェックしておきましょう。

工場・製造業の給与に関する詳細については以下の記事もご覧ください。

5-3.勤務時間が幅広い

24時間稼働、シフト制を採用している物流倉庫も多いため、幅広い時間帯から労働時間を希望できることも物流倉庫ならではのメリットの一つです。

プライベートを大切にしながら働きたいという人は利点に感じやすいでしょう。

夜勤の仕事については以下のページで解説しています。

5-4.正社員を目指せる

将来性やキャリア構築を重視する人にプラスとなるのが、非正規雇用から正社員を目指せる仕事であるということです。

物流倉庫はアルバイトや派遣社員などが多い職場ですが、ある程度経験を積んだスタッフを正社員登用するケースも多くあります。求人を出すよりも、働きぶりや人柄を理解している既存スタッフを引き上げたほうが、企業にとってもメリットが大きいためです。

正社員登用制度がない場合でも、上司から評価されれば人事側に雇用形態の切り替えを打診してもらえる可能性もあります。

6.物流倉庫で働くデメリット

魅力的なメリットがある一方、物流倉庫で働くうえではデメリットも存在します。自分にとってこれらのデメリットが受け入れられるものであるかどうかを一つずつ確認していきましょう。

6-1.単純作業に飽きてしまう

単純作業が多い点は、人によってデメリットにもなりうるポイントです。仕事を覚えやすい一方、飽きを感じるのも早くなります。

毎日同じ景色で同じ作業を繰り返すことに、苦痛を感じてしまう人も出てくるでしょう。

惰性で仕事をこなしてしまったり、集中力が保てずミスを連発したりすれば、周囲に迷惑をかけ、自らの評価を落とすことになります。

6-2.ある程度の体力が必要になる

ある程度の体力が必要になる点も、物流倉庫で働くデメリットの一つです。

基本的に立ちっぱなしで仕事をすることになるので、足腰や肩に疲労が溜まります。配属先によっては重量のある荷物を運ぶ機会もあるため、体力に自信がない方にはつらい環境かもしれません。

また、倉庫によっては冷暖房が完備されていない点も体力を消耗する要因です。夏場は高温とジトジトとした湿度のなかで、冬は極寒のなかで仕事をすることになるため、軽作業とはいっても体力を消耗しやすいでしょう。

しかし、仕事ではどのような作業でも多かれ少なかれ体力を消耗します。長く働き続けるためには、ある程度の基礎体力や体のメンテナンスが必要になります。

6-3.ミスできないプレッシャーがある

どの仕事でもいえることですが、物流倉庫でもミスができないプレッシャーはつきまといます。物流倉庫の仕事は工程が多く、自分一人で完結するものではありません。

そのため、ミスが起きても自分一人の処理では解決できないケースが多い点が、物流倉庫の仕事におけるデメリットです。倉庫全体でノルマが課されている場合もあるので、一人のミスが致命的なミスになりかねません。

緊張感をコントロールし上手に気分転換ができないと、長く働き続けるのは厳しいでしょう。

7.物流倉庫の仕事に向いている方

物流倉庫の仕事に向いている方には、以下のような特徴が挙げられます。

  • 作業に集中したい方
  • 几帳面な性格の方
  • 柔軟な対応ができる方
  • 基礎体力に自信がある方
  • 夜勤で稼ぎたい方

7-1.作業に集中したい方

物流倉庫の仕事では、営業や事務などの仕事と違い、社外の方とコミュニケーションを取ることはあまりありません。

自分が担当する場所で黙々と仕事をすることが多いため、集中して1つの仕事に取り組みたい方は物流倉庫に向いています。

7-2.几帳面な性格の方

物流倉庫の仕事は体力や腕力さえあればOKという印象があるかもしれませんが、手先の器用さや几帳面さも重要です。

例えば、ラベルの貼り方が指示と違ったり曲がっていたりするとクレームのもとになるため、ぴったりと指示どおりの位置に貼りつけることが求められます。

そのため、小さな不良も見逃さないようなこまかさや几帳面さがある方は、物流倉庫に向いているでしょう。

7-3.柔軟な対応ができる方

物流の世界では、台風や渋滞で荷物が時間どおりに届かない、完成品に不備があって出荷できない、病欠が多く人員配置が不足しているなど、さまざまなトラブルが想定されます。

こうしたトラブルが起きても慌てず、上司と相談しながら対策を考えて動く対応力が必要です。そのため、臨機応変に柔軟に処理できる方は物流倉庫に向いているでしょう。

7-4.基礎体力に自信がある方

物流倉庫の仕事は基本的に立ち仕事であることから、少なからず体力を使います。

また、前述のとおり冷暖房設備がない倉庫も多く、温度や湿度の影響で体調を崩す可能性もあります。そのため、健康不安がなく体力に自信がある方は物流倉庫の仕事に向いているでしょう。

7-5.夜勤で稼ぎたい方

多くの物流倉庫では夜勤の仕事もあるため、がっつり稼ぎたい方にもおすすめです。

労働基準法第37条では深夜割増賃金について定めがあり、午後10時から午前5時までの時間帯に働いた場合は深夜手当として通常賃金の1.25倍の賃金を受け取れます。

以下の記事では夜勤手当について詳しく解説しています。併せてご覧ください。

8.まとめ

物流倉庫に求められる役割は時代とともに変化しています。近年の物流はインターネット通販が人気になったことで重要性が増しており、業界全体が成長拡大しています。将来性も高いため、長く安定して働きたい方にはおすすめの仕事です。

「物流倉庫の仕事に興味が出てきた」「実際の求人を見てみたい」という方は、ぜひ以下のページより自分に合った職場を探してみましょう。

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