物流倉庫とは?主な業務内容と働くメリット・デメリット

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「物流倉庫って何をする場所?」
「物流倉庫で働くメリットが知りたい」
など、物流倉庫での仕事に関して疑問を持っている方もいるでしょう。
物流倉庫とは、荷物の仕分けや配送を担う設備であり、大きく分けて6つの業務から成り立っています。
今回は、物流倉庫の役割や種類、業務内容、働くメリット・デメリット、向いている人などを解説します。この記事を読めば、物流倉庫の仕組みがよくわかり、自分に向いている仕事かどうかを判断できるようになります。
1.物流倉庫とは?役割を解説
物流倉庫とは、商品が購入者の手元に届くまでに生じる仕分け・配送をおこなう施設です。現代の物流の根幹を担う重要な役割を担っています。
物流業界は発展が目覚ましく、システムが多様化しているため、物流倉庫に求められる役割も拡大しています。
従来の物流といえば、商品を製造した企業が自社で設備投資をおこない、在庫管理から出荷作業まで一貫しておこなっていました。しかし近年では、物流倉庫を効果的に活用することで、労働力やコストを大幅に削減しています。
2.物流倉庫の主な4つの種類
物流倉庫には、主に4つの種類があります。それぞれの特徴について理解しておきましょう。
2-1.トランスファーセンター(TC)
在庫管理や保管はおこなわず、荷物の中継地点となるのがトランスファーセンター(TC)です。各方面から運搬されてきた荷物を店舗別や方面別に仕分けしたり、積み替えたりする作業を専門としています。
メーカーにとっては、在庫保管が発生しないことから省スペースで設置でき、賃料や管理費などのコストが抑えられる点がメリットです。
2-2.ディストリビューションセンター(DC)
多くの人がイメージする倉庫の形が、ディストリビューションセンター(DC)でしょう。在庫型の倉庫で、保管・ピッキング・出荷までをワンストップでおこないます。
在庫はあらかじめ揃っているため、注文から出荷までスピーディーに対応できる点が強みです。
2-3.プロセスディストリビューションセンター(PDC)
ディストリビューションセンターの倉庫機能に加えて流通加工機能を備えているのが、プロセスディストリビューションセンター(PDC)です。
流通加工とは、食品の加工や家具・機械の組み立て、商品の箱詰め、ラベル貼りなどによって商品の価値を高める作業のことです。
倉庫としての付加価値は高いものの、人件費や設備費などのコストを要します。
2-4.フルフィルメントセンター(FC)
注文を受けてから配送までの一連の工程をワンストップで担うのが、フルフィルメントセンター(FC)です。
荷物が倉庫に到着してから消費者の手元に渡るまで、すべて完結する点が大きな特徴です。返品対応やコールセンター業務の委託もできるため、メーカーから重宝されている物流倉庫です。
3.物流倉庫の主な業務内容
物流倉庫には主に6つの業務があります。実際に物流倉庫で働く際は自分の持ち場以外の業務についても知っておく必要がありますので、頭に入れておきましょう。
3-1.入荷・入荷検品
メーカーから届いた商品を物流倉庫で受け取ります。この時点で、商品に破損や不具合がないかどうか検品作業をおこないます。
3-2.入庫
検品した商品を保管場所へ格納します。入庫数や入庫日を記録し、品質管理に役立てます。
3-3.保管
保管場の環境整備を継続的におこないます。品質を損なわないよう、商品の特性に応じた保管方法を採用します。
3-4.ピッキング(仕分け)
指示書の内容に従って商品を揃えていきます。商品は物流倉庫内の各保管場所から集めてくることになるため、保管場所と商品名をいかに把握できているかが効率化の鍵となります。
ピッキング作業の詳細については、以下の記事をご覧ください。
3-5.流通加工
消費者の要望に添った加工を施します。内容は多岐にわたりますが、単品商品の詰め合わせやラベル貼りなどが挙げられます。
3-6.出荷検品
出荷前には検品作業をおこないます。注文内容と発送内容に差異がないか確認したあと、消費者のもとに送り出します。
検品作業の詳細については、以下の記事も併せてご覧ください。
4.物流倉庫で働くメリット
物流倉庫で働くメリットは、主に4つ挙げられます。ご自身にとってメリットになるポイントがあるかどうかチェックしていきましょう。
4-1.毎日同じ単純作業ができる
物流倉庫では、一部例外はあるものの毎日同じ単純作業が多くを占めます。
マニュアルもしっかり整備されており、入社時に高いスキルや経験は求められないことがほとんどですので、比較的早い段階で作業を覚えることができます。
ルーティン作業が苦にならない、むしろ同じ作業を続けることが好き・得意という人にとっては、物流倉庫で働く大きなメリットになるでしょう。
単純作業の詳細については以下の記事もご覧ください。
4-2.給与などの待遇が良い
給与面を含む待遇が手厚い点も物流倉庫の仕事の大きなメリットです。近年、製造・物流業界全体が人手不足となっており、企業はあの手この手で人材確保に乗り出しています。
基本給の底上げだけでなく、手当を支給したり、長く働きやすい福利厚生を充実させたりと、他社と明確に差別化しようとする企業も多く見られるようになりました。
遠方からの人材を迎え入れるために寮を完備したり、初任給が支給されるまでの生活を支援する入社祝い金が用意されていたりするケースもあるため、ぜひチェックしておきましょう。
工場・製造業の給与に関する詳細については以下の記事もご覧ください。
4-3.勤務時間が幅広い
24時間稼働、シフト制を採用している物流倉庫も多いため、幅広い時間帯から労働時間を希望できることも物流倉庫ならではのメリットの一つです。
プライベートを大切にしながら働きたいという人は利点に感じやすいでしょう。
夜勤の仕事については以下のページで解説しています。
4-4.正社員を目指せる
将来性やキャリア構築を重視する人にプラスとなるのが、非正規雇用から正社員を目指せる仕事であるということです。
物流倉庫はアルバイトや派遣社員などが多い職場ですが、ある程度経験を積んだスタッフを正社員登用するケースも多くあります。求人を出すよりも、働きぶりや人柄を理解している既存スタッフを引き上げたほうが、企業にとってもメリットが大きいためです。
正社員登用制度がない場合でも、上司から評価されれば人事側に雇用形態の切り替えを打診してもらえる可能性もあります。
5.物流倉庫で働くデメリット
魅力的なメリットがある一方、物流倉庫で働くうえではデメリットも存在します。自分にとってこれらのデメリットが受け入れられるものであるかどうかを一つずつ確認していきましょう。
5-1.単純作業に飽きてしまう
単純作業が多い点は、人によってデメリットにもなりうるポイントです。仕事を覚えやすい一方、飽きを感じるのも早くなります。
毎日同じ景色で同じ作業を繰り返すことに、苦痛を感じてしまう人も出てくるでしょう。
惰性で仕事をこなしてしまったり、集中力が保てずミスを連発したりすれば、周囲に迷惑をかけ、自らの評価を落とすことになります。
5-2.ある程度の体力が必要になる
ある程度の体力が必要になる点も、物流倉庫で働くデメリットの一つです。基本的に立ちっぱなしで仕事をおこなうことになるので、足腰や肩に疲労が溜まります。
配属先によっては重量がある荷物を運ぶ機会もあるため、体力に自信がない人には辛い環境かもしれません。
どの作業でも多かれ少なかれ体力を消耗することになるため、長く働き続けるためにはある程度の基礎体力や体のメンテナンスが必要になります。
5-3.ミスできないプレッシャーがある
どの仕事でもいえることですが、物流倉庫でもミスができないプレッシャーはつきまといます。物流倉庫の仕事は工程が多く、自分一人で完結するものではありません。
そのため、ミスが起きても自分一人の処理では解決できないケースが多い点が、物流倉庫の仕事におけるデメリットです。倉庫全体でノルマが課されている場合もあるので、一人のミスが致命的なミスになりかねません。
緊張感をコントロールし上手に気分転換ができないと、長く働き続けるのは厳しいでしょう。
6.物流倉庫の仕事に向いている人
物流倉庫の仕事に向いている人には、以下のような特徴があります。
- 単純作業が苦にならない
- 毎日同じ仕事をしたい
- 基礎体力に自信がある
- 夜勤をして稼ぎたい
単純作業が苦にならず淡々とこなせる人や、基礎体力がある人は、まさに物流倉庫向きのタイプです。自分なりに仕事のやりがいや価値、面白味を見出せる人であれば、物流倉庫で活躍できる人材となれるでしょう。
また、高収入を目指したいという人にも物流倉庫の仕事はおすすめです。企業によっては夜勤シフトがあるため、深夜手当などが支給されるぶん効率良く稼げます。収入が働くモチベーションになるという人は、物流倉庫の仕事に向いているでしょう。
7.まとめ
物流倉庫に求められる役割は時代とともに変化しています。近年では多種多様な機能を備え、充実したサービスを提供するようになりました。そのぶん業務内容も幅広いため、意欲次第では活躍のチャンスを多くつかめるでしょう。
近年、物流業界全体が成長拡大していることから、物流倉庫での仕事は将来性も高く、末永く安定的に働ける仕事です。
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