工場の仕事内容
更新日:2024年02月29日

プラスチック工場の主な仕事内容!働くメリットと勤務イメージ

プラスチック工場の主な仕事内容!働くメリットと勤務イメージ

※この記事は6分30秒で読めます。

「プラスチック工場にはどのような仕事がある?」
「プラスチック工場で働くメリットが知りたい」
など、プラスチック工場に関して疑問を持っている方もいるでしょう。

プラスチック工場は材料の充填や成形といった製造業務や検査・検品などの業務があり、未経験でもチャレンジできる特徴があります。

今回は、プラスチック工場の仕事内容、働くメリット・デメリット、求人の見つけ方などを解説します。この記事を読めば、プラスチック工場のことがよくわかり、転職活動の参考にできます。

1.プラスチックの製造工程の流れ

プラスチックを製造する工程には、主に以下の4つがあります。

  • 工程1:充填
  • 工程2:成形
  • 工程3:バリ取り・研磨作業
  • 工程4:品質検査

それぞれの製造工程の内容について、詳しく解説します。

1-1.工程1:充填

プラスチックの原材料は樹脂です。その樹脂を型や機械に流し込んで後述の成形の準備をする工程を充填(じゅうてん)と呼びます。

なお、樹脂は無色透明であるため、着色をする場合は充填の段階でおこなう必要があります。塗料や顔料と樹脂を練り込んで色づけをしてから充填作業に入ります。

1-2.工程2:成形

型や機械に流し込まれた樹脂を固めて製品の形に作り上げる工程です。樹脂を加熱して溶かしたあとに製品の形に固めることになりますが、その方法には射出形成と圧縮形成の2種類があります。

射出形成(しゃしゅつけいせい) 溶かした樹脂を機械にいれて射出機から金型に射出する方法
圧縮形成(あっしゅくけいせい) 金型のなかで樹脂を圧縮する方法

オーソドックスなのは射出形成のほうで、複雑な成形に対応できる点がメリットです。

一方の圧縮成形は複雑な形状の整形には向きませんが、材料が無駄になりにくい、金型製作のコストを抑えやすいといったメリットがあります。

1-3.工程3:バリ取り・研磨作業

射出成形・圧縮形成で作られた製品には、型からはみ出した部分が残っています。はみ出した部分は「バリ」と呼ばれ、そのバリを取り除くのがバリ取りの工程です。

専用ブラシやカッターでバリを取り、そのあと、表面をきれいにする目的で研磨をします。

1-4.工程4:品質検査

製品が完成したら、マニュアルをもとに不良品の有無をチェックします。目視でキズや色ムラをチェックする場合もあれば、機械や検査器具で寸法公差などの規格を検査することもあります。

2.プラスチック工場にある主な仕事内容

プラスチック工場では、材料を充填する工程から成形、検査、出荷まで、一連の工程をさまざまな職種の従業員が担当します。プラスチック工場で働く場合の主な職種をご紹介します。

2-1.機械オペレーター

プラスチックの原材料になる樹脂を充填・成形する製造工程を担う職種です。

プラスチックの製造工程はほとんどが機械でおこなわれるため、プラスチックの現場作業員として機械オペレーターが多く募集されます。

工場によって担当する仕事内容は異なりますが、主に以下のような内容が仕事に含まれます。

  • 原材料(樹脂)の投入
  • 機械操作による射出成形・圧縮成形
  • 成形された製品の取り出しと次の工程への運搬
  • 機械の動作チェック、メンテナンス

成形の工程は機械によっておこなわれますが、機械オペレーターは何もしなくて良いということではありません。

成形済みの製品の外観を確認してヒビや色ムラがないかを確認したり、かごが製品でいっぱいになったら次の工程に回したりするなど、さまざまな業務を同時並行でおこないます。

また、作業を進めていくうちに機械内の材料がなくなることもあり、その場合は再度の充填作業も必要です。不良品が成形された場合は素早く原因を特定して上司に報告することも求められます。

機械オペレーターの仕事に興味のある方は以下の記事も併せてご覧ください。

2-2.検査・検品作業

検査は、完成したプラスチック製品をチェックし不良品を取り除く工程です。バリの有無や色ムラ、サイズの寸法公差などを目視や機械でチェックします。

不良品を見逃して出荷してしまうと企業の信頼や売上の低下につながるため、スピーディーかつ正確に不良品を見つけ出すことが求められます。

検品も完成品のチェックが仕事ですが、袋詰めされた製品の数が間違っていないかを重量で確認するなど、検査とは違う方法で出荷前のチェックをすることもあります。

検査や検品作業についてより詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。

2-3.梱包作業

良品として梱包場所まで運ばれた製品を箱や袋に詰め、出荷場に移動させる工程です。梱包の方法は製品ごとにマニュアルが作られており、梱包する際に傷がつかないようにするためにも、マニュアルを守った作業が求められます。

梱包作業の仕事内容については以下の記事でより詳しく解説しています。

3.プラスチック工場で働く6つのメリット

プラスチック工場で働くことにはさまざまなメリットがあります。ここでは以下の6つのメリットをご紹介します。

3-1.未経験者でも比較的働きやすい

未経験からでも就職できる可能性があるのが、プラスチック工場のメリットの1つです。機械オペレーターや検査・検品、梱包といった職種では、いずれも資格や学歴は求められません。

機械オペレーターは機械のメンテナンスなど専門的な知識も必要ですが、入社当初は先輩の作業のサポートで単純作業をすることも多くあります。

梱包や出荷場の作業は単純作業であり、作業を覚えること自体は難しくありません。検査や検品も責任は重大ですが、作業は専門的な知識がなくても始められます。工場ごとにマニュアルも完備されているため、未経験でも安心して働けるでしょう。

未経験から工場勤務の仕事で正社員を目指す方は、ぜひ以下の記事も併せてご覧ください。

3-2.黙々と作業をすることができる

プラスチック工場の仕事は営業や飲食、販売などと違い、社外のお客さまとコミュニケーションを取る機会はあまりありません。

最初は仕事を覚えるために上司や先輩と一緒に作業をしますが、一度仕覚えてしまえば、あとは黙々と作業を続けられます。

接客や営業のようなコミュニケーションを多く取る必要がある仕事が合っていないと感じる人でも、黙々と作業ができるプラスチック工場はおすすめできます。

以下の記事では、他にも黙々とできる仕事をご紹介しています。

3-3.さまざまな雇用形態の求人がある

プラスチックは製品として需要が大きく、求人が多く見つかる傾向にあります。多くの人を募集するため、さまざまな雇用形態の求人が見つかります。

正社員だけでなく、契約社員やアルバイト、派遣社員など、さまざまな雇用形態から自分に合ったものを選択して応募できるのも、プラスチック工場のメリットといえるでしょう。

雇用形態の違いについては以下の記事でより詳しく解説しています。

3-4.男女関係なく活躍できる

プラスチック工場には原材料である樹脂や完成した製品を運ぶといった肉体労働もありますが、腕力が必要な力仕事はさほど多くありません。重い材料や荷物はフォークリフトや台車を使って運搬できるため、男女関係なく活躍できます。

女性は手先の器用さや正確性が求められる仕事で活躍できるケースが多く、検査・検品、梱包といった仕事では女性が重宝されるでしょう。

3-5.資格を取ればキャリアアップを狙える

プラスチック工場では無資格・未経験であっても機械オペレーターや検査・検品といった仕事で働けますが、努力次第で更なるキャリアアップも可能です。

機械オペレーターなら、プラスチック製造に関する国家資格であるプラスチック成形技能士(射出形成技能士)を取得できると、資格手当を受け取れたり昇進の要件を満たしたりすることで、待遇向上やキャリアアップが狙えます。

3級~1級までは射出成形技能士、特級になるとプラスチック成形技能士と呼ばれ、上位資格を取得することでさらに専門的な仕事を任されるようになります。

3-6.プラスチック製品の需要が増加傾向にある

プラスチックは、私たちの日常生活のどこでも目にする、ありふれた素材です。逆にいえば、プラスチックなしで現代の人間社会は成り立たないといえます。

日本プラスチック工業連盟の資料によれば、プラスチック原材料、プラスチック製品の生産・販売実績は安定して推移しています。

最近では、SDGsをはじめとする環境への配慮から、環境に優しいバイオプラスチック、生分解性プラスチックの製造が進められています。将来的にも高い需要が見込めるため、プラスチック工場に就職・転職すれば長く安定して働けるでしょう。

4.プラスチック工場で働く3つのデメリット

男女関係なく未経験からでも働けるうえ、将来的な需要も大きいプラスチック工場。しかし、以下のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。

4-1.単純作業に飽きてしまう

入社してしばらくは、機械オペレーターでも検査・検品でも基本的な作業の繰り返しになることが多いでしょう。

毎日同じ作業を黙々と続けるのが好きな人なら苦にはなりませんが、人によっては単純作業に飽きてしまい、「もっとクリエイティブな仕事がしたい」といった不満がたまる可能性もあります。

自分が単純作業に耐性があるか、プラスチック工場の求人に応募する前に振り返っておきましょう。

4-2.工場内が暑い場合がある

プラスチック工場の機械はプラスチックを溶かすために高温になり、その熱が工場内に充満します。特に、熱した材料の近くで働く機械オペレーターは季節に関係なく暑さを感じながら仕事をすることになります。

ただ、近年は従業員の就労環境を整えるように努力する企業も多く、換気や空調で対策をしているケースもあります。気になるプラスチック工場がある場合は、夏場の熱中症対策などの取り組みを採用担当者に確認してみると良いでしょう。

4-3.独特な薬品のような臭いがきつい

プラスチック製品を製造する際はプラスチックを溶かす薬品を利用するため、工場内に独特の臭いが充満している場合があります。人によっては臭いがきつく感じられ、気分が悪くなってしまう人もいるようです。

また、臭いが体についてしまえば、休憩時間中にコンビニや飲食店に行くようなことも難しくなります。

強い臭いが苦手な人はプラスチック以外の製品を作る工場のほうが向いているかもしれません。

5.プラスチック工場の勤務のイメージ

プラスチック工場は24時間常に稼働していることが多く、従業員の働き方は夜勤がある昼夜の二交代制、朝夕夜の三交代制が中心となります。夜間に働くことも多く、生活リズムが不安定になりがちです。

そもそも体質的に夜勤や二交代、三交代に向かない人の場合は、日勤のみの働き方はできないかを面接時に相談しましょう。夜勤が避けられないなら、働き方が日勤のみの工場に絞って転職活動をしたほうが良いでしょう。

6.プラスチック工場の勤務に向いている人の特徴

プラスチック工場は熱や臭いが発生しやすいこともあり、工場としては向き・不向きがはっきりする仕事です。ここでは、プラスチック工場に向いている人の特徴を解説します。

6-1.黙々と仕事をしたい人

入社してしばらくは、基本的に単純作業を多く任されることになります。

機械オペレーターでも検査・検品でも黙々と作業をすることになるため、1人でコツコツと仕事を進めたい人にはプラスチック工場が向いています。

6-2.集中力が高い人

プラスチック工場の仕事は黙々と作業をする仕事であり、難易度は決して高くありませんが、集中しないと不良品を見逃してしまう可能性があります。

淡々と作業しつつ高い集中力が必要になるのがプラスチック工場の仕事です。製造や検査・梱包といった製造ラインで1つでもミスが出ると他の工程すべてに影響するため、仕事中に高い集中力を保てる人にプラスチック工場の仕事は向いています。

6-3.ものづくりが好きな人

プラスチック工場に限らず、工場の仕事はものづくりが好きな人に向いています。製造オペレーターになれば、プラスチックの製造工程を間近で見ることができます。

世の中に欠かせないプラスチックを作って出荷する仕事にやりがいも得られるでしょう。

以下の記事では、さまざまなものづくりの仕事をご紹介しています。

6-4.機械操作が好きな人

検査や検品など、一部には人の能力が欠かせない部署もありますが、製造ラインの多くは機械化されています。そのため機械を触るのが好きな人に向いているでしょう。

また、経験を重ねれば、機械に関してさらに高度な仕事をすることもあります。入社当初は機械操作だけでも、経験を積むことでメンテナンスや機械操作に関する技術指導を任されることもあるでしょう。

以下の記事では機械オペレーターの仕事についてより詳しく解説しています。

7.プラスチック工場の求人の見つけ方

プラスチック工場での仕事に興味がわいたら、実際に求人を探してみましょう。以下のような方法で探してみてください。

7-1.求人サイトを使う

転職先を見つけるための方法として手軽かつ人気なのが、求人サイトを利用する方法です。自宅にいながら全国の求人にアクセスできます。

求人サイトには、全国の求人をくまなく紹介している総合型求人サイトのほか、製造業に特化したサイトもあります。

プラスチック工場を探すなら製造業に特化した求人サイトがおすすめですが、ときには総合型の転職サイトをチェックすると、特化型にない求人が見つかることもあります。総合型求人サイトと製造業に特化した求人サイトに1つずつ会員登録してみましょう。

製造業特化型の求人サイトとしてはJOBPALがあります。JOBPALでは自分にマッチした求人を紹介してもらえる面談サービスも利用できます。自分1人でプラスチック工場の求人を探すのに不安がある方は、以下のリンクから面談に応募してみましょう。

7-2.ハローワークに行く

ハローワークは国の職業紹介所です。ハローワークに行くことで、全国のハローワークに登録された求人を検索できたり、担当者から紹介してもらえたりします。地元密着の企業の求人が多く、転職サイトにはない求人が見つかることも少なくありません。

キャリアコンサルタントに相談しながら地元のプラスチック工場を探したい方はぜひ活用してみてください。

自宅からハローワークが遠い場合は、オンラインサービスで求人を探すことも可能です。

7-3.派遣会社に登録する

プラスチック工場では、正社員や契約社員だけでなく派遣社員として働くこともできます。

まずは派遣社員としてプラスチック工場で働き、自分に合う工場であれば正社員になるための登用試験を受けるといった段階を踏めば、正社員として入社したあとにミスマッチを感じて早期退職してしまうリスクを軽減できます。

派遣社員として働くことを考えている場合は、以下の記事も併せてご覧ください。

7-4.知人・友人に紹介してもらう

知人や友人に紹介してもらう形でプラスチック工場に応募できる場合もあります。すでに工場で働いている人なら内情をよく知っているため、入社前に工場の良いところや注意点がわかるのが大きなメリットです。

また、社員からの紹介であれば選考で有利に働いたり、求人が掲載されていない時期に面接を受けられたりする可能性もあります。プラスチック工場で働く友人や知人がいないか、一度交友関係を見直してみると良いでしょう。

ただし、紹介で入社すると、入社後に嫌なことがあっても退職しにくいというデメリットもあります。

工場で働きたいと考えている方は、以下の記事も併せてご覧ください。

8.まとめ

プラスチック工場は、機械オペレーターや検査・検品、梱包など、未経験から始められる職種が多いことから、初めて製造業への転職を検討している人にもおすすめです。ゆくゆくは国家資格を取得してキャリアアップも実現できます。

JOBPALではプラスチック工場をはじめ、工場・製造業系の求人を多数ご用意しています。プラスチック工場に興味がある方は、以下のリンクから最新の求人をぜひチェックしてください。

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