コミュ症の方に向いている仕事|長所を活かし円滑に仕事を進めるコツ
※この記事は6分30秒で読めます。
「コミュ症でも働ける仕事はある?」
「コミュ症に向いている仕事を知りたい」
など、コミュ症で仕事のことに悩んでいる方もいるでしょう。
結論からお伝えすると、コミュ症の方でも、問題なく働ける仕事は数多くあります。自分の適性やスキルを踏まえつつ、長所を活かせる職場を選ぶことが大切です。
今回は、コミュ症の概要を説明したうえで、コミュ症の方に向いている仕事の特徴や具体的な職種、円滑に仕事を進めるコツなどを解説します。この記事を読めば、コミュ症の方でも働きやすい仕事がわかるでしょう。
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1.そもそもコミュ症とは?
コミュ症とは、他者とのコミュニケーションに苦手意識がある方のことを指す俗語です。
自分のコミュニケーション能力に悩んでいる方などが、やや自虐的なニュアンスで用いることが多くなっています。
コミュ症とよく似た言葉に「コミュ障(コミュニケーション障害)」がありますが、この2つは別物です。
コミュ障は、医学的に認められている障害ですが、一方のコミュ症はあくまでも俗語であり、深刻な意味合いで用いられるケースはほぼありません。
一般的にコミュ症の方の特徴としては、以下のようなことが挙げられます。
- 人見知りをしがち
- 他人との会話が長続きしない
- 自分の気持ちや意見をなかなか伝えられない
反対に「自己主張が強く会話のキャッチボールがうまくできない」「あと先考えず空気が読めない発言をしてしまう」といった性質の方もいますが、今回はより一般的な定義に基づき、上記で挙げた特徴があるコミュ症の方の話を進めます。
1-1.コミュ症の方の長所
コミュ症という言葉は、ややマイナスの意味合いで用いられるケースが大半です。しかし、コミュ症の方には以下のような長所が見られることもあります。
- 思慮深く、慎重に物事を進める傾向にある
- 想像力豊かで、潜在的なリスクを察知しやすい
- 他人が見逃してしまいそうな些細なことにも気が付きやすい
- 黙々と集中して取り組む作業が得意
このような長所を活かせる仕事に就けば、コミュ症であることで生じるストレスを軽減できるかもしれません。
1-2.コミュ症の方の短所
一方で、コミュ症の方には以下のような短所が見られる傾向があります。自分に該当するものがないか、チェックしてみましょう。
- 人間関係のストレスをため込みやすい
- 他人に何かを相談することが苦手
- 自分に自信が持てない傾向にある
- 慎重であるがゆえに、目の前のチャンスを逃してしまいがち
- 自分から意見や提案を発信することが不得意
- 自分から発信することが少ないので、他人から誤解されやすい
長所がある一方で、短所があることも事実です。より自分に合う仕事を見つけたいなら、自分の欠点を知っておくことが大切です。
2.コミュ症の方に向いている仕事とは?
コミュ症の方の長所・短所を踏まえると、以下で紹介する仕事が向いているといえます。
- 人との関わりが少ない仕事
- 専門スキルを要する内勤の仕事
- 個人の裁量が大きい仕事
- ルーティン業務が中心の仕事
それぞれどのような仕事か確認していきましょう。
2-1.人との関わりが少ない仕事
他者とのコミュニケーションを、まったく取らずに済む仕事を見つけることは困難です。
しかし、必要最低限のやり取りだけに留めて、一人で黙々と作業できる仕事は意外と数多くあります。
また、近年ではリモートワークを導入する会社が増えていて、そもそも同僚と顔を合わせる必要がほとんどない求人も見受けられます。
2-2.専門スキルを要する内勤の仕事
ITエンジニアやプログラマーなど、専門スキルを要する内勤の仕事に就けば、営業や販売といった職種よりも、他者とのコミュニケーションの頻度は下がるでしょう。
対人関係によるストレスを回避しつつ、じっくり黙々と仕事に取り組める可能性が高まります。
2-3.個人の裁量が大きい仕事
個人の裁量が大きく、細かい部分の判断を自分で下せる仕事は、他者とのコミュニケーションを必要最低限に抑えやすい傾向にあります。
ただし、自分に自信が持てないという方の場合、裁量の大きい仕事が逆にストレスになることもあるかもしれません。
自分の性格をきちんと理解したうえで、最適な仕事を選びましょう。-
2-4.ルーティン業務が中心の仕事
決まった型に沿って作業するルーティン業務の仕事なら、突発的な業務トラブルによるコミュニケーションが発生しにくいので、コミュ症の方でも安心して働きやすい傾向にあります。
また、高度なスキルを求められるケースは少ないため、専門性に自信がない方や、大きな裁量がある仕事をしたくない方にも適しているでしょう。
3.コミュ症の方に向いている仕事10選
ここでは、コミュ症の方に向いている具体的な仕事を紹介するので、ぜひ仕事選びの参考にしてください。
- 製造・工場系の作業員
- 事務職
- 清掃員
- ルート配送ドライバー
- IT系技術職
- Webライター
- データ入力
- 警備員
- 新聞配達員
- タクシードライバー
それぞれの仕事内容についてお伝えします。
3-1.製造・工場系の作業員
製造・工場系の作業員は、基本的にどの職種も仕事内容がきちんとマニュアル化されているケースが多いのが特徴です。
マニュアルに沿って個人で作業する業務が大半なので、人と関わる機会が少ない傾向にあります。
会社や職種にもよりますが、黙々と集中して取り組める仕事は、コミュ症の方に向いているといえるでしょう。
また、製造・工場系の職種には、機械操作や加工、検品、軽作業といったさまざまな種類があるため、数あるなかから自分に合う仕事を選べます。
3-2.事務職
事務職には、一般事務や営業事務、経理事務、総務事務といった種類があり、主に会社の庶務全般や書類作成、各種管理業務などに携わります。
これらの仕事は、ルーティンワークの割合が高く、慣れれば自分のペースで働ける可能性が高いでしょう。
しかし、会社や職種によっては、来客対応やチームでの連携を求められるケースもあるため、入社前に業務範囲の詳細をしっかり確認しておくことが大切です。
3-3.清掃員
清掃員は、施設の清掃や洗浄、ゴミの片付けなどをおこなう仕事です。
オフィスビルや商業施設の清掃の仕事が多いですが、個人宅でのハウスクリーニングに携わることもあります。
基本的に清掃員は個人に持ち場が与えられるため、1人で作業を進めるケースが多いといえます。
細かい判断は各清掃員に委ねられる傾向があるので、コミュ症の方でも比較的働きやすいでしょう。
3-4.ルート配送ドライバー
ルート配送ドライバーは、あらかじめ決まった事業者や個人宅に荷物を届ける仕事です。
車の運転だけではなく、荷物の積み込み作業や確認作業にも携わりますが、一人での作業がメインとなるケースが多いので、コミュ症の方に向いています。
業務を通じて求められるコミュニケーションもそれほど多くないので、コミュ症の方でも働きやすいでしょう。
3-5.IT系技術職
経済産業省の「IT人材需給に関する調査(概要)」によると、IT系技術職の需要は近年高まり続けています。
具体的には、ITエンジニアやプログラマー、Webディレクター、Webデザイナーなどが該当する職種です。
IT系技術職に必要なスキルがすでに身に付いている方は、コミュニケーションに不安がある場合でも活躍しやすいでしょう。
また、IT系技術職には未経験から時間をかけてスキルを育ててくれる会社や、リモートワークOKの会社が多いのも特徴です。
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参照:IT人材需給に関する調査(概要)|経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf#page=2
3-6.Webライター
Webライターは、主に法人のサイトで公開されるWebコンテンツ(オウンドメディアやブログなど)を執筆する仕事です。
業務の性質上、在宅勤務に対応している求人が相対的に多く、コミュニケーションを要する場面も限られるので、コミュ症の方におすすめの仕事といえます。
3-7.データ入力
データ入力は、所定のフォームに顧客情報や議事録などのデータを正確に打ち込む仕事です。
来客対応などが発生する可能性がある事務職よりも、業務内容が限定されているため、人間関係のストレスをため込みやすいコミュ症の方にも向いています。
また、在宅勤務OKの求人もあるため、「人との関わりを避けたい」「黙々とタスクをこなす仕事がしたい」という方にもおすすめです。
3-8.警備員
警備員は、オフィスビルや商業施設などで警備をおこない、利用者の安全を守る仕事です。
特に、少人数でおこなう夜間警備の仕事は、同僚と接する機会があまり多くないので、コミュ症の方にも向いているといえます。
3-9.新聞配達員
新聞配達員は、積み込みの際などに他者とのコミュニケーションが多少発生するものの、メインの配達業務は基本的に一人でおこなうので、コミュ症の方でも取り組みやすい仕事といえるでしょう。
勤務時間は、朝刊なら午前3時~6時、夕刊なら午後15時~17時あたりが目安になります。原付バイクまたは自転車で配達をおこなうのが一般的です。
3-10.タクシードライバー
タクシードライバーは、行き先の確認時と精算時に乗客と会話をする必要がありますが、大半の時間を密室空間の車内で過ごすため、対人関係のストレスは比較的生じにくいといえます。
ただし、接客業である以上、乗客によっては会話の必要性が生じるので、その点は留意しておきましょう。
4.コミュ症の方が円滑に仕事を進めるコツ
コミュ症の方でも、以下のようなコツを押さえると仕事を進めやすくなります。
- こまめな情報共有を心がける
- 無理に会話をしようと思わない
- 聞き役に回る
それぞれのコツについてお伝えします。
4-1.こまめな情報共有を心がける
そもそも、職場では不要なコミュニケーションを無理に取る必要はないです。
他者とのコミュニケーションに苦手意識があるコミュ症の方は、過剰に他者と接する頻度を心配する必要はありません。
しかし、「報告・連絡・相談」による情報共有はあらゆる仕事において重要なので、この点については怠らないように心がけましょう。
最低限、仕事に関する「報告・連絡・相談」を上司や同僚にできていれば、問題ありません。
4-2.無理に会話をしようと思わない
周囲に気を遣って、「軽い世間話くらいはしないと」「何か話を振らないと」などと考えた結果、かえって空回りしてしまう方もいるかもしれません。
毎日にこやかに挨拶するだけでも、職場のマナーとしては十分だといえます。
無理に会話をしようとせず、自分の心を労わることが、仕事を円滑に進めたり、長く働いたりするためのコツです。
4-3.聞き役に回る
同僚とのコミュニケーションが発生した場合にも、無理に話を展開するのではなく、あえて聞き役に回ることでストレスが軽減されるかもしれません。
相手の目を見ながら傾聴すれば、「熱心に話を聞いてくれる」「大人しいけど聞き上手」といった好印象を与えられるでしょう。
5.コミュ症の方向け|簡単な会話のテクニック
ここでは、コミュ症の方が意識したい、簡単な会話のテクニックを紹介します。
5-1.相手の名前を呼ぶ
コミュニケーションを取る場面で、あえて相手の名前を呼ぶと、自然に距離感を縮めることができます。
声をかける際に相手の名前を添えるだけで、「しっかりと名前を覚えてくれている」「なんとなく親しみやすい」といったプラスの感情を抱いてもらいやすくなるでしょう。
5-2.挨拶・お礼・謝罪はしっかりと伝える
コミュニケーションが苦手であっても、普段から挨拶やお礼、謝罪をきちんと意識しておこなっていれば、周りの方から疎まれることは少ないでしょう。
無理に長い会話をしようとしなくても、「おはようございます」「ありがとうございます」「お疲れ様です」「申し訳ありません」といった言葉を日頃からしっかりと伝えることで、職場で良好な人間関係を築きやすくなります。
5-3.適度に相槌と質問を繰り返す
コミュ症の方のなかには、会話が苦手という方が多いかもしれません。
しかし、相手の話に合わせて相槌を打ったり、簡単な質問を繰り返したりするだけでも、会話のラリーをある程度続けることは可能です。
「いつ?」「どこで?」「どうやって?」といった会話を掘り下げる質問は、どのような場面でも使えて便利です。
6.コミュ症と仕事にまつわるQ&A
最後に、コミュ症と仕事にまつわる質問と回答をまとめました。
6-1.働くためにコミュ症は直すべき?
「コミュ症は恥ずかしい」「直さないと仕事ができない」など、思い詰めてしまう方もいるかもしれません。
しかし、コミュ症はあくまで一つの個性であり、短所のみならず長所もあります。
改善する努力が辛いと感じている場合は、自分の性格として受け入れるほうが良いでしょう。
コミュ症の方でも活躍できる仕事は数多くあるので、無理に直す必要はありません。
6-2.コミュ症が採用面接で良い印象を与えるには?
コミュ症の方にとって採用面接は、最大の心配事の一つかもしれません。
しかし、採用面接の質問内容はある程度決まっているので、受け答えを練習しておけば、比較的余裕を持って対応できるでしょう。
面接時に言葉がスムーズに出てこない場合は、回答を考えるために面接官に少し時間がほしい旨を伝えて、頭を整理することも可能です。
また、どうしても回答が思い浮かばないなら、正直にわからないと答えても良いでしょう。
すべての質問に対してスムーズに受け答えできなくても、自分の言葉で入社したい熱意をしっかりと伝えれば、いずれ良い会社との縁があるはずです。
7.まとめ
コミュ症であることはマイナスに考えられがちですが、慎重な性格や高い集中力といった長所もあります。
コミュ症でも問題なく働ける仕事は数多くあるので、自分の適性やスキルを踏まえつつ、それらを活かせる職場を選ぶことが大切です。
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